著者
久保 和華
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.63-68, 2009-03-06

本稿は、利他的な個人と非利他的な個人の存在する二期間生存OLGモデル、つまり2つのモデルの流れを連結したOLGモデルに賦課方式公的年金制度を導入したOLGモデルを構築して、次に相続税を導出したモデルを構築して、1人あたりの資本蓄積を導出するものである。
著者
谷田 博幸
出版者
滋賀大学
雑誌
しがだい:滋賀大学広報誌
巻号頁・発行日
no.第30号, pp.35-35, 2009-07 (Released:2009-08-27)
著者
平岡 隆二
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究. 第II期 (ISSN:00227692)
巻号頁・発行日
vol.47, no.246, pp.95-111, 2008-06-25
被引用文献数
1

In 1593-94, a Spanish Jesuit Pedro Gomez (1533-1600) completed his tripartite textbook for use by students preparing for the priesthood at Jesuit colleges in Japan. Its first part, De sphaera (On the Sphere), is well known as the first full-scale presentation of Western cosmology in Japan. However, it has been rarely noted that its third part, Compendium catholicae veritatis (Compendium of Catholic Belief), which treats theology, also contains such technical astronomical data as the dimension of the heavens. Comparison of Compendium's data with those seen in astronomy books in contemporary Europe has shown that some of the numerical values in fact correspond to those of a famous Jesuit mathematician Christoph Clavius (1537-1612), whose influence on De sphaera has already been indicated. This paper, while providing a modern Japanese translation of the related chapter in Compendium, first investigates the derivation of the data and, second, examines whether it influenced similar data seen in Kenkon Bensetsu (A Discussion on the Heavens and the Earth with Critical Commentaries) and its variant copy Tenmon Biyo (Compendium for Astronomy), both composed in the mid 17th century and attributed to the apostate Portuguese Chuan Sawano (Christovao Ferreira, ca.1580-1650).
著者
坂本 亘 上野 正博
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

魚類の遊泳行動に見られる日周活動リズムの持つ役割を、魚群形成過程の面から検討した。カタクチイワシは活動機能が低下すると浮上し、機能が活発になると沈降し深い層に移動する。この傾向は比較的初期の仔魚期からあらわれることを確かめた。さらにこの浮上・沈降の日周性と流れの鉛直シア-とを組み合せると種ごとに移動して行く方向に差が生じ、次第に魚種ごとの群となって行くことを確かめるため、海洋において実験を行なった。鉛直シア-、つまり表層から次第に深い層に行くにつれ流向が変る傾向は若狭湾西部において明確にあらわれていることを確かめた。特に表層と10mとで比較すると、表層では沖合へ、10m層ではそれと全く逆の湾奥方向へ流れていることを実測により見出した。また、この流れの測定と同時に表層と10m層のカタクチイワシ仔魚の分布密度を比較したところ、表層に分布する仔魚は流れの収束・発散の影響を受けて、集中分布をする傾向が強いことがわかった。仔魚は微細なため、長時間連続的に遊泳行動を記録するための特殊な自動記録装置を開発した。これは発光ダイオ-ドと光トランジスタを230個組合せて作られており、仔魚が発光部を通過すると、その位置・時刻が自動的にマイクロコンピュ-タの中に記録として取り込まれるようになっている。測器の開発及びプログラムに1年半を要したために、カタクチイワシの仔魚発生時期(6月から8月)の研究の間に合わなかったが、カワムツを用いた実験では日周活動リズムを記録することに成功した。これらのカタクチイワシによる日周活動リズムの解析と並行して、実際に海洋を回遊しているアカウミガメの日周活動リズムの解析にも成功し、この活動リズムが大規模な回遊をする際の定位と深いかかわりのあることを確かめた。この部分はすでに学会誌に報告した。

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著者
鳩山 由紀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.66-67, 2006-01-15
著者
岩井 学
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
保健科学研究誌 (ISSN:13487043)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.83-98, 2006-03-31

ピーター・パンは常にフェアであることを信条とする。しかしフェアプレイへのこだわりはこの永遠の少年に特有なものではなく,20世紀初頭のイギリスに広く浸透していた。というのも大英帝国衰退のさなか,フェアプレイの精神は愛国主義,そして帝国主義を押し進めるイデオロギーへとつながっていくからである。ピーター・パンは,大人になりたがらない子どもという,時代を超えたある種の原型とみなされることが多いが,彼の存在には20世紀初頭の時代状況が色濃く刻印されているのである。本稿では,大英帝国の衰亡を目の当たりにしていた20世紀初頭英国の上流,中産階級の抱いていた不安や焦り,そこから生まれた愛国主義的イデオロギー,そしてそれを流布させる装置として機能した当時の教育,といったものからテクストを読み解き,ピーター・パンとその仲間の少年たちを描くことが当時のイギリスでどのような意味を持ちえたのか,そしてこの小説全体には当時の閉塞感がどのような形で現れているのか分析してみたい。
著者
中川 雅通 宗績 敏彦 角 義恭 前原 文雄 千原 國宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.1312-1315, 1997-08-25
被引用文献数
21

顔の表面と骨格の二つの形状モデルを用い, 年齢変化した顔画像の合成を行った, 骨格の形状モデルは表面の形状モデルから生成する. 幼年から成年への変化では, 骨格モデルを頭蓋骨の成長に基づいて変形し, 老年への変化では, 表面モデルと骨格モデルの差である肉厚の変化による皮膚のたるみを付加することにより, 年齢変化した顔画像の合成を行った.
著者
谷藤 幹子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.323-333, 2009 (Released:2009-09-01)
参考文献数
17
被引用文献数
3 2

材料科学分野における英文学術論文誌Science and Technology of Advanced Materials(STAM)は今年第10巻を迎えた。材料研究先進国として,国際的知名度を持ちうる専門誌を日本に持とうという学者間の機運をきっかけに,材料系学協会の有志により2000年に創刊された。物質・材料研究機構(NIMS)は日本で唯一の材料科学専門の研究所として,研究のみならず研究成果の発信と普及にも力を入れており,中でも学術出版は中核的基盤整備の一つとして位置づけている。材料科学分野における顕著な研究成果や,研究の進展全体を俯瞰するレビュー論文を編集し,世界の材料研究コミュニティーで共有することが出版の目的である。そのためには研究所といえども質のよい編集,安定した出版体制を持つことが重要であり,段階的な出版体制作り,編集改革,出版工程の見直しを経て,投稿・閲覧を無料化するという新しい戦略のもと,購読型から機関負担型オープンアクセスジャーナルへ転換した。出版量よりも材料研究者必読論文を収録するという質重視への転換でもある。オープンアクセスジャーナルとして成功例の一つとされる物理分野の学術誌New Journal of Physics(英国物理学会出版局発行)を参考例として,STAM誌の創成期から成熟期へ向けた展望を俯瞰する。
著者
古山 浩志 八塩 仁 江村 恒一 井上 郁夫 遠藤 充 星見 昌克
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.183, pp.67-72, 1999-07-15

蓄積された大量の映像データから所望の映像を高速に検索するための方式として、予め音声チャンネルから音声認識によりメタデータを自動生成しておき、このメタデータに対して入力したキーワードの検索、特定シーン映像を頭だし再生する映像検索システムを試作した。メタデータ生成部では、入力音声からCV/VCラティスの時系列データを生成し、メタデータとしてMPEG2-TSストリーム中にPESパケットとしてVideoとAudioのPESパケットとともに多重化する。メタデータ検索部では、DPマッチングを用いてCV/VCラティスを時系列データとし、入力キーワードとの照合処理を行うことにより検索を行う。ニュース番組を想定した文を対象として検索実験を行った結果、約80%の検出率を得た。
著者
宮森 恒
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.205, pp.35-40, 2003-07-17
被引用文献数
1

本稿では,映像中のストーリー全体の流れと個々の顕著なイベントに基づき,オリジナル映像の意味内容を表現したナレーション付きダイジェストを,利用者の嗜好に応じて適応的に自動生成する手法を提案する.応用例としてテニスのダイジェスト生成システムを実装した.本手法では,着目選手・内容構成・要約時間という3つの利用者パラメータの人力によって,自動生成されるダイジェストの内容が変化する.今回,同様のパラメータが与えられた場合に作成されるべきダイジェストの正解データを,スポーツなどの番組制作経験者に作成してもらい,これと提案手法の比較することで提案法の有効性について考察した.
著者
牛尼剛聡 渡邊 豊英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.114-123, 1999-02-15
被引用文献数
13

我々は利用者の様々な視点に基づいたシーン検索を目的として 動画像データベース・システムSTRIKE (STream data Retrieval system based on Indexing with Key Events)を開発中であり STRIKEにおける動画像データ・モデルとしてイベント-アクティビティ・モデルを提案している. 本モデルに基づくシーン検索は シーンに対する利用者の 1)着目する実体の相違 2)活動の複合レベルの相違 3)活動を捉える概念レベルの相違 に対処可能である. 本稿では イベント-アクティビティ・モデルに基づいて シーン検索における利用者の実体を捉える視点の多様性に対処する手法を提案する. 本手法では 対象世界上の時間経過にしたがって変化する実体の分類を表すために役割の概念を導入し 役割に基づいてイベントを照合する. さらに 動画像のコンテクストに基づいて実体の役割を決定するための知識をStatechartで表現し それぞれの時刻においてその役割を自動的に決定する. また 役割を変化させる際にイベントを生成することにより 異なる実体間での連鎖的な役割遷移を実現する.We have proposed Event-Activity model, which is a data model on movie databases, for retrievals of scenes. The retrieval method based on this model supports three different viewpoints of users; 1) the difference of entities which users focus on, 2) the difference of granularity of composite activities, and 3) the difference of abstract levels in which activities are captured. In this paper, we extend Event-Activity Model to support these differnces among users' viewpoints on entities. We call the categories in which entities are classified variably as roles. Memberships of roles are decided according to the present status of entities. We represent rules of role assignments as statecharts, which are state trasition diagrams for supporting hierarchical structures of states. Each state in statecharts represents a role of entities, and state transitions are triggered by events.
著者
廣瀬 文哉 高橋 淳 阪田 史郎 柳原 健太郎 福永 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.47, pp.31-36, 2009-05-15
被引用文献数
1

センサネットワークにおいて,無線端末はバッテリ駆動のため消費電力を削減することが重要な課題となる.IEEE 802.15.4ビーコンモードでは,スリープ制御の実装により省電力を実現する.しかし,間欠動作を行うため,トラッフィクの増大に伴う輻輳が起こり,到達率低下,遅延増大,再送による消費電力の増大などを引き起こす.本稿では,IEEE 802.15.4ビーコンモードにおいて,複数ビーコンを利用することで各ノードにマルチパスを持たせ,輻輳を回避する方式を提案する.間欠動作から起こる輻輳を回避するReal-Multipath,シンクノード周辺の輻輳を回避するVirtual-Multipathの二種類のマルチパスを設定する.シミュレーションによる性能評価を行い,提案方式を用いることで低消費電力を維持しながら高配信率,低遅延,負荷分散を実現することを示す.
著者
寳田 吉文 吉沢 剛 三好 匠 平田 千浩 二木 志郎 渡邊 浩文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.129, pp.49-54, 2009-07-09

無線メッシュネットワークでは,複数のアクセスポイントを無線通信で接続することにより,端末の通信可能範囲を拡大することが可能である.ゲートウェイを設置することで,外部有線ネットワークやインターネットとも接続できるため,容易にネットワークの規模を拡大することが可能である.ゲートウェイを複数用意することで,通信容量を増大させることができるが,どのゲートウェイを通過するかを決定するための経路計算が困難なので,最適なゲートウェイを選択できず,負荷分散を考慮した経路木が構築できないといった問題がある.そこで本稿では,遺伝的アルゴリズムを用いて,ゲートウェイ負荷を考慮した経路を生成し,経路木の最適化を行う手法を提案する.また,提案手法の有効性をシミュレーションにより示す.
著者
山本 将士
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.191-205, 2007-12

本研究では、いじめの規定因として他者軽視に基づく仮想的有能感に注目し、検討することを目的とした。2007年1月中旬に、被験者である高校2年生453名(男子243名、女子210名)に対して(1)他者軽視、(2)自尊感情、(3)過去半年間のいじめの経験、(4)過去のいじめ経験、の尺度で調査を実施した。その結果、自尊感情が高く仮想的有能感も高い「全能型」の生徒は、他の有能感タイプよりも過去半年間のいじめ(加害)の生起が多かった。また、自尊感情が低く仮想的有能感が高い「仮想型」の生徒は、他の有能感タイプよりも過去半年間のいじめ(被害)の生起が多いことも示された。さらに、「全能型」の生徒は、他の有能感タイプよりも過去のいじめ(加害)の生起が多く、「仮想型」の生徒は、他の有能感タイプよりも過去のいじめ(被害)の生起が多いことが示された。自尊感情と仮想的有能感がともに低い「萎縮型」は、間接的いじめに限り被害者になりやすいことが確認された。