著者
臼崎 翔太郎
出版者
宮崎大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2023-04-01

研究期間は、透過物体越しに撮影した際の反射(以降、透過的反射とする)も含むSNS投稿画像内の人間映り込み箇所の検出を目的とし、提案手法(反射成分を分離するモデル+人間の検出モデル)と、既存手法(人間の検出モデル単体)を比較し、提案手法が「通常の映り込み」と「透過的反射の映り込み」の両方を精度よく検出できるか検証する。2枚の画像を重ねた疑似透過的反射画像や、カメラで撮影して作成した実際の透過的反射画像で「透過的反射による映り込み」の検出精度を、反射成分の無い画像で「通常の映り込み」の検出精度を確認し、両者において高い水準で人間を検出できるかを確かめる。
著者
濱西 栄司
出版者
ノートルダム清心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究の目的は、公共的な場における運動行為の特徴とリアル/オンラインの展開・成果をめぐる因果的メカニズムを、非組織論的な観点から国際・歴史比較的に明らかにすることにより、民主社会における運動行為のありようや成果・意義をめぐる討議と合意形成の空間の創出に資する新たな学術的基盤を構築することにある。具体的にはWebGISやGPS/SNSビッグデータを用いて、国内外の運動行為のリアル/オンライン展開と成果を記述・アーカイブ化し、国際・歴史比較から運動行為の各社会・各時代における特徴・傾向、その複雑な因果的メカニズムを組織戦略、個人的運動行為と相互作用、物理的・社会的環境などから明らかにしていく。
著者
鈴木 舞
出版者
東京電機大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2023-04-01

社会の重要課題のひとつである犯罪を事前に予測する事は、古くから試みられ、様々な手法が確立されてきた。近年ではビッグデータや人工知能(AI)を活用した高度な犯罪予測が可能となり、欧米をはじめ日本でも実際の運用段階に至っている。犯罪予測は、安全・安心な社会実現に寄与するとして、人々からの期待も大きいが、様々な課題も指摘されている。本研究の目的は、近時その高度化が進んでいる犯罪予測が、多様な要素の相互作用の中でどのように実施されているのか、そして犯罪予測に関していかなる課題が生じているのかを、科学社会学の観点から考察する事である。
著者
小田 龍聖
出版者
国立研究開発法人森林研究・整備機構
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2023-04-01

都市住民による観光を中心とした森林の活用への期待は大きく、特に森林のキャンプ場としての活用に期待が集まっている。多様化するキャンプ場の需要に合わせ効率的に施設整備を進めるためには、利用者ニーズを把握し、キャンプ場が人々に提供するコンテンツを評価する必要がある。そもそも都市の人々のキャンプ場の利用ニーズはどこにあるのだろうか。本研究は、アンケート調査やインタビュー調査に加えてSNSビックデータを活用し、森林キャンプ場の利用実態や利用者ニーズを経時的、広域的に把握、分析し、今後の森林キャンプ場整備の方向性を示すとともに、SNSによる調査手法の妥当性、有用性について検討する。
著者
濱西 栄司
出版者
ノートルダム清心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、公共的な場における運動行為の因果的メカニズムと特徴を、非組織論的な観点から国際・歴史比較的に明らかにすることにより、民主社会における運動行為のありようや効果をめぐる新たな学術的基盤を構築する。WebGISとビッグデータを用いて、国内外の運動行為の展開を精緻に記述・アーカイブ化し、その国際・歴史比較から運動行為の各社会・各時代における特徴・傾向、通底する因果的メカニズムを明らかにし、その成果に基づいて、今後の民主社会における運動行為のありようや効果をめぐる学術的知見の提供を目指す。
著者
北本 朝展 橋本 雄太 加納 靖之 大邑 潤三
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2023-04-01

「歴史ビッグデータ」とは、現代のビッグデータ解析技術を過去の世界に延長し、過去の世界を新たな視点から探る研究である。人工知能(AI)やシミュレーションなど最新のデータ駆動型モデルを活用するには、くずし字で書かれた史料に残された記録をどう入力すればよいだろうか?史料とデータ駆動型モデルを結合する鍵を握るのが、文書空間と実体空間を結合する「データ構造化」ワークフローである。そこで、文書のテキスト化やマークアップなど文書空間に関する技術と、地名エンティティなど実体空間に関する技術を研究し、分野横断的研究基盤に実装することで、歴史地震学や歴史気候学などの分野で歴史ビッグデータ研究を推進する。
著者
高安 美佐子 尾崎 順一
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

約100万人のスマホGPSデータを解析し都市圏の人流に関する基本的な特性を明らかにした。大都市圏での人流パターンを流域という視点に基づいてマクロ的に捉える新しいデータ解析手法を確立し、流域のサイズの分布や形状が都市に依存しない普遍的な特性を持ち、さらに、Covid-19の感染下でも基本特性が維持されていることを見出した。また、人流を電流とみなすアナロジーによって、都市圏の交通流を近似する電気回路モデルを構築し、新たなシミュレーション手法の基盤を構築した。さらに、基本的な感染症の数理モデルをGPSデータに基づく人口集中の効果を考慮するように改良し、感染者数の増減を予測可能とするモデルを開発した。
著者
大佛 俊泰 沖 拓弥 岸本 まき
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

災害発生後の混乱や群集事故等の二次的被害を低減するためには,まず,「どのような人(年齢・性別・職業)が,いつ(季節・曜日・時刻),どこで(場所・施設),何を(滞留・移動目的)しているのか」という,都市内滞留者・移動者の精緻な人口動態を推計し,これを用いた群集の誘導や制御を行うことが必要である。本研究課題では,複数の人口動態データを組み合わせることで,詳細な属性情報を備えた精緻な都市内滞留者・移動者に関するデータベースを生成する方法を構築し,大地震発生後の流動人口を予測するシミュレーションモデルを開発することで,被害・混乱の抑制方策を支援するための技術を開発した。
著者
武藤 敦子
出版者
名古屋工業大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

企業内で利用されているICカードとリーダーを用いた入退室管理システムから得られる社員の執務室・会議室への入退室履歴データを人の移動履歴データとして利用し、人間行動の定量的分析を行った。分析方法として、「個人への視点」と、「繋がり関係への視点」の2種類を引き続き検討した。「個人への視点」では、これまでの研究において提案した、個人の移動時間のパターンと個人属性との関係性を分析する手法に対し、より分析者が結果の解釈を可能とする可視化手法を提案した。提案手法は、非負値多重行列因子分解とクラスタリングを組み合わせた手法であり、本手法を用いて入退室データから新たな行動パターンの算出に貢献した。当該年度においては、国際会議発表として1件行った。「繋がり関係への視点」としては、これまでに提案してきた会議室ネットワークから算出した社員の活躍評価指標に対し、その物理的意味付けを行った。その結果、企業が判断する活躍者の要素に、会議参加数、会議で関わった人数、管理職との会議割合、部署と役職の多様さが関係していることを統計的に明らかにし、本内容について国内会議発表として1件行った。また、入退室データから各社員の移動に関わる負担度を算出する手法および、移動負担度の高い社員の負荷を軽減できる会議室割当最適化システムを提案し、実際のデータを用いて大幅な移動時間短縮を確認した。当該年度においては、国内会議発表として1件行った。
著者
花岡 和聖
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

ひったくりや不審者情報等の犯罪に対する予防の観点から、本研究計画では、ルーティン・アクティビティ理論や防犯環境設計の考え方に基づき、犯罪発生と、その周辺の(1)時間帯別滞留人口及び(2)物理的な景観特性との関連性を統計解析することで、犯罪理論の実証研究を実現することを研究目的とする。その実現のために、スマートフォンのアプリ利用者の位置情報に基づく時間帯別滞留人口や人工知能を援用した景観写真画像判読の成果といった位置情報を伴う「地理的ビッグデータ」を活用し、犯罪発生地点周辺の社会的・物理的環境特性の計測手法の精緻化・自動化を試みる。
著者
廣田 雅春
出版者
岡山理科大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

ソーシャルビッグデータを分析することで,実世界のイベントや,人々の興味,観光スポットへのレビューなどを得ることが可能である.また,近年は観光産業が注目を浴びており,その中で個々人に最適な観光情報を提供することは,多様化した旅行形態において重要な課題である.ユーザの明示的な属性,暗黙的な属性,コンテキストは,データの欠損や,そもそもデータとして存在しないなど情報の提供に利用するのは困難な場合がある.そこで,本研究では,ソーシャルビッグデータにおいてそれらを推定する手法の開発,さらにユーザの多様な情報を包括的に考慮して旅行者に観光情報を提供するための技術の開発を目的とする.
著者
山田 学 水野 直樹 山田 貴孝
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、実用的な飛行船の自動航行制御システムを開発することである。本研究では、非線形かつ非ホロノミックな飛行船に対する実用追従制御手法に基づいた新しい最適制御系の設計法を開発した。提案する制御法は、追従偏差に許容誤差を導入する新しいアイデアにより、非ホロノミック・非線形な制御対象を厳密に線形化できるため,過渡応答や外乱抑制の最適化やコントローラ設計の簡単化を達成した。飛行実験やシミュレーションにより成果の有用性を実証した。
著者
瀬尾 祐貴 藤井 淳一
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究の目的は、申請者がこれまで「作用素論」において研究を進めてきたヒルベルト空間上の作用素不等式及び行列解析の手法をもとにして、量子情報幾何学や量子情報理論などの分野のさまざまな幾何学的様相に絡んだ定量的な評価を中心に考察し、その幾何学的な構造の解明を作用素論の枠組みの中で構築することを目的とする。具体的な研究項目は、・作用素論に基づく量子情報幾何学や量子情報理論における幾何学的構造の解明とその応用・多変数作用素幾何平均の観点から量子情報幾何学や量子情報理論への応用であり、近年急速に発展している量子情報幾何学や量子情報理論への大きな影響や新しい視点を与えるものである。
著者
中村 誠司 前原 隆 新納 宏昭 森山 雅文 柴田 琢磨 安河内 友世 坪井 洋人
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、代表的罹患臓器である唾液腺を解析し、特異なT細胞、B細胞、マクロファージ(Mφ)のサブセットが病態形成に関わっていることを明らかにした。しかし、詳細な病態形成の分子機構や病因は判っていない。そこで、本研究では、従前の研究成果を基盤とし、IgG4-RDの病因を解明し、新規治療法開発の基盤を築くことを目指す。第1にサブセット間の相互作用を解析して病態形成機序を明確にし、第2に発症に関わるT細胞とその認識抗原を同定し、第3に特異なMφを遺伝子導入により誘導したマウスを同定した抗原などで刺激することにより病態を再現する疾患モデルマウスを完成させる。
著者
田中 英城 加地 良雄 山田 賢治
出版者
香川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

種々の動物の手足の形成過程では、まず四肢の形成予定域に突起(肢芽)が形成され、肢芽の基部が細胞死によってくびれが生じ、手関節に相当する部ができる。さらに、発生が進むと手足の形成予定域には指の原器が形成され、グローブ状の形となる。その後、各指間の間充織がアポトーシスによる細胞死に陥り、指間間充織が除去され、各指が分離する。両生類では指間間充織に細胞死が起こらないために水かきを持つ手足が形成されるが、鳥類やほ乳類などでは指間間充織に細胞死が起こるため、水かきを持たない手足が形成される。鶏胚肢芽では7日鶏胚で指間間充織に細胞死が出現し、1日以内にほとんどの指間間充織が死んでしまう。そして、この部における細胞死への運命は61/3日から62/3日鶏胚で決定されると考えられているが、細胞死を誘導するメカニズムは明らかにされていない。一方、人の手の先天奇形は合指症や多指症など表現形が様々である。そのうち合指症は指間部の間充織が連続しており、外科手術を必要とする。その原因はいまだはっきりと解明されていないが、発生の段階でアボトーシスが正常に起こっていない可能性が考えられる。最近、BMP-2、BMP-4が指間間充織のアポトーシスのシグナルとなっている可能性が報告されている。本研究では、手の先天奇形の一つである合指症の原因を解明する目的で、鶏胚肢芽組織の細胞の分化とアポトーシスにおよぼすBMP-2の作用を解析する計画をすすめてきた。しかし、技術的な諸問題をクリアできず、研究目的を果たすことができなかった。
著者
三好 紀子 松本 恵 金井 講治
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

自閉症スペクトラム(ASD)は社会不適応に至る症例も多く、その一因として感覚特性の影響、中でも聴覚特性の影響が指摘されている。聴覚特性には「選択的聴覚注意障害」と「聴覚過敏」があり、支援に違いがあるが、臨床的に区別が困難な例が多い。聴覚情報処理障害(APD)は「聴力は正常であるが、聞き取りにくさが生じる」一群で、社会的不適応になる例が散見される。本研究の目的は、心理検査、APDの検査である聴覚検査などを組み合わせることで、ASDの聴覚特性の特徴を詳細に検討し、概念を整理することである。最終的には聴覚特性に起因する社会不適応への支援を検討することが目的である。
著者
菊山 榮 岩田 武男 豊田 ふみよ 石居 進
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

我々は主としてアカハライモリ(Cynops pyrrohogaster)の生殖行動に関与するホルモンおよびフェロモンの同定、およびはたらきに的をしぼって研究を行った。その結果以下のような結果を得た。生殖期に雄イモリは生殖可能な雌イモリの前で尾をさかんに振りフェロモン(ソデフリン)を放出し、精子塊を放出してそれを雌の総排泄口よりとり込ませて体内受精をさせる。尾をさかんに振る行動はプロラクチン(PRL)とアンドロゲンでひきおこされることがわかった。この場合PRLは中枢、おそらくpreoptic recess organおよび/またはnucleus infundiblaris dorsalisに作用することが脳室内投与およびプロラクチン受容体の免疫組織学的研究より明らかになった。一方アルギニンヴァソトシン(AVT)は上記求愛行動の発現をたかめることが明らかにされた。この場合AVTはVlaレセプターを介することが薬理学的実験からわかった。一方イモリの求愛フェロモン(ソデフリン)には前駆体タンパクが存在することがソデフリンをコードするcDNAのクローニングによりわかった。更にこのタンパクのmRNAレベルはPRLとアンドロゲンによりたかめられることもわかった。一方雌のソデフリンに対する反応に関する研究では、ソデフリンは主として雌の鋤鼻上皮で受容されること、ソデフリンに対する雌の鋤鼻上皮の反応性はPRLとエストロゲンにより支えられていること、雄鋤鼻上皮も上記ホルモンによって反応性がたかまるが雌のそれにくらべてはるかに低いことが明らかにされた。アカハライモリと同族異種のシリケンイモリ(C.ensicauda)雄もソデフリンに相当する10箇のアミノ酸残基よりなるペプチドフェロモン(シリフリン)を有することがわかった。しかし両フェロモンはそれぞれ同種の雌にしか有効でなく、種特異性があり、おそらくこれが生殖隔離に寄与していることが示唆された。今後フェロモン受容体の特定をめざす。
著者
工藤 明 猪早 敬二 竹下 淳
出版者
東京工業大学
雑誌
特定領域研究(C)
巻号頁・発行日
2000

我々は、細胞間接着分子カドヘリンに骨芽細胞分化制御機能があることを報告する。各種間葉系細胞株におけるカドヘリンの発現を調べた結果、各細胞株はそれぞれが独特なカドヘリンの発現様式を持っており、骨芽細胞系譜では、OBカドヘリン(カドヘリン-11)およびNカドヘリンを発現していることがわかった。同一細胞において複数種のカドヘリンが発現することの意味を調べるために、頭頂骨骨芽細胞と同程度にOBおよびNカドヘリンを発現させたL細胞(L-OB/N)ならびに、それぞれ単独で発現させたL細胞(L-OB,L-N,L-MOCK)を作製した。細胞染色の結果、OBとNカドヘリンは、それぞれが独立してアドヘレンスジャンクションに局在し、共に細胞接着に寄与していると考えられた。また、L-OB/Nにおいては骨芽細胞分化マーカーであるALP,Osteocalcinの発現誘導および骨芽細胞分化のマスター遺伝子であるCbfalの発現上昇が確認された。L-OBでは微弱ながらALPの発現が確認でき、L-N,L-MOCKでは全くそれら発現は確認されなかった。以上のことよりOBカドヘリンは骨芽細胞分化を方向付けし、Nカドヘリンはその作用を増強すると考えられた。NIH3T3においても同様の実験を試みたところALP,Osteocalcinの発現誘導は確認出来なかったが、FGFR2の発現が上昇し、L-OB/Nにおいても同様に発現上昇が確認された。FGFR2は、突然変異が骨格系に多くの異常を示し、Osteopontin発現上昇以前の骨芽細胞前駆細胞において発現することから、骨芽細胞初期分化に重要であると考えられている。これらのことより、OBとNカドヘリンは、未分化な骨芽細胞前駆細胞の細胞分化運命を決定していると考えられる。今回の結果は、複雑な細胞間相互作用が複数種のカドヘリンのよる細胞間認識の結果であると共に、細胞間認識による細胞分化決定機構の存在を示唆するものである。
著者
菊池 志乃
出版者
名古屋市立大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2023-04-01

認知行動療法(CBT)は、薬剤抵抗性の過敏性腸症候群(IBS)に有効な治療法であるが、医師や臨床心理士といった治療者の不足や、費用負担などの課題から、臨床での普及は進んでいない。本研究の目的は薬剤抵抗性IBSに対する治療者による短時間ガイドを伴う、インターネットを介したCBT(iCBT)プログラムを開発し、その有効性と費用対効果を無作為化比較試験で検証して、IBSに対するCBTの普及に向けた科学的根拠を創出することである。本研究の目標は実臨床におけるIBSに対するCBTの普及と実装であり、薬剤抵抗性IBSの治療選択肢拡大への貢献が期待される。
著者
渡名喜 庸哲
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は「脱人間化」社会における「責任」概念の変容を、以下の4側面から検討する。①社会思想史的アプローチとして、F・エヴァルドをもとに近代的社会制度の展開における「責任」概念の変容を検討する。②政治哲学的アプローチとして、全体主義体制および原爆投下をめぐるH・アーレントとG・アンダースの思想を検討する。③現象学的アプローチとして、E・レヴィナスの現象学的哲学における「責任=応答可能性」概念を実践的な文脈へと接続しうるかたちで検討しなおす。④応用倫理的アプローチにより、AI開発における人間の行為の代替化に伴う「責任」の変容を検討する。