著者
伊藤 有紀 福留 奈美 香西 みどり
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.351-358, 2015 (Released:2015-11-05)
参考文献数
34
被引用文献数
1

一汁三菜の食事に適した食器や盛り付けの要点を調理初心者に示すことを想定し,好ましい食器の組み合わせの数値的な指標を明らかにすることを目的とした。まず,もっとも影響が大きいと考えられる飯碗・汁椀以外の食器の大きさについて調べた。飯碗・汁椀の面積(=大きさ)を1.0としたときの三菜(主菜,副菜,副副菜)の大きさ比を種々に変化させて組み合わせた10通りの写真を作成した。料理を盛り付けた状態で女子大学生に好ましさを評価させたところ,主菜2.5:副菜1.5:副副菜1.0の食器の大きさ比がもっとも評価が高く,これを食器の大きさの基準とした。次に,大きさが同一のときの形の影響を調べるためコンジョイント分析を行なった。基準の大きさ比で三菜の食器の形の組み合わせを変えた8通りの写真の好ましさを調理実習指導経験者に評価させたところ,主菜の食器が縦1:横1.6(楕円や長方形)で,副菜の食器が縦1:横1(正円形や正方形)の組み合わせが好まれた。
著者
樋口 輝美 堀田 直 石川 由美子 山道 慎也 會所 拓斗 二階堂 杏子 瀬戸口 晴美 山崎 俊男 大川 恵里奈 安藤 英之 及川 治 小林 伸一郎 阿部 雅紀 岡田 一義
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.477-482, 2015 (Released:2015-08-28)
参考文献数
21

症例は58歳男性. 糖尿病性腎症による末期腎不全にて血液透析を導入された. 心エコー検査で, EFは48.9%で, E/e’も19.5と収縮障害と拡張障害を認め, LVMIも151g/m2と左室肥大を認めた. ESAsはrHuEPOを9,000単位/週を使用し, ERIはrHuEPO doses/kg/g/dL/週として算出し, 13.5と比較的高値を認め, レボカルニチン1,200mg/日で内服療法を開始した. 開始前と1年後の経過で, EFは48.9%から72.7%, LVMIも151g/m2から107g/m2, NT-proBNPは12,800pg/mLから7,850pg/mLへと改善した. 内服開始前の使用rHuEPOは9,000単位/週で, 開始前のERIは13.5と高値であったが, rHuEPOは3,000単位/週に減量し, ERIは3.9まで低下した. 動脈硬化症の指標のbaPWVは1,832cm/secから1,545cm/secと改善した. また上腕筋面積は, 32.9cm2から39.3cm2に上昇し, ALT, ASTは12U/L, 14U/Lで, それぞれ9U/Lと軽度低下した. レボカルニチンの投与により, 種々のパラメーターが改善した症例を経験したので報告する.
著者
Yusai Ito Naoki Harikai Kyoko Ishizuki Kazufusa Shinomiya Naoki Sugimoto Hiroshi Akiyama
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
pp.c17-00404, (Released:2017-07-01)
参考文献数
18
被引用文献数
4

Cochineal extract prepared from the scale insect Dactylopus coccus (American cochineal) has been used as a natural red dye for food, cosmetics, and pharmaceuticals. The major pigment in cochineal extract is carminic acid (CA), an anthraquinone glucoside, and several minor pigments have been previously reported. Our investigation aimed at establishing the safety of cochineal dye products using UPLC-PDA-ESI-TOF/MS found an unknown minor pigment, spiroketalcarminic acid (1), in three commercial cochineal extract samples; cochineal extract used in food additives, carmine that is an aluminum salt of cochineal extract used as natural dye, and a research reagent of CA. The purification of 1 from cochineal extract involved sequential chromatographic techniques, including preparative reversed-phase HPLC. 2D NMR and mass analyses established the structure of 1 to be a novel anthraquinone with an unusual 6,5-spiroketal system instead of the C-glucosyl moiety of CA. The absolute stereochemistry of the spiroketal moiety in 1 was determined by NOESY correlations and optical rotation. No data corresponding to 1 had previously been reported for extracts of dried cochineal insects and traditional art products dyed with cochineal extract, indicating that 1 is likely produced during the preparation of commercial cochineal extract.
著者
覚道 健一 谷口 恵美子 若狭 朋子 山下 弘幸
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.99-103, 2014 (Released:2014-08-07)
参考文献数
20

日本甲状腺学会は,甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013を出版した。甲状腺結節の診療では細胞診が重要な役割を持つ。しかし細胞診で30%以上の症例は,良性・悪性の結論が出ない「検体不適」,「鑑別困難」,「悪性疑い」に診断される。甲状腺結節取扱い診療ガイドラインでは,これらを実地臨床の場でどのように取り扱うかの解決策を示した。細胞診で鑑別困難に分類された症例は,画像などの臨床検査と合わせて手術対象例を絞り込む。細胞診でも,鑑別困難をさらにリスク分類することを推奨した。まず鑑別困難を「濾胞性腫瘍」と「その他(濾胞性腫瘍以外)」に分類する。濾胞性腫瘍群は,悪性の可能性の高い(favor malignant)と良性の可能性が高い(favor benign)に分類することを推奨した。すなわち鑑別困難群の大半(70~90%)を占める良性結節患者に無用な診断的葉切除術を適応しないことを求めている。欧米では全例に診断的葉切除術が薦められるのに対し,日本では「濾胞性腫瘍」患者でも,他の臨床検査項目が良性の患者は経過観察も選択肢となる。濾胞性腫瘍の亜分類を省略した診断様式を選択すると,国際的診断様式と読み替え可能な6カテゴリー分類に変換できる。平易な診断用語を用い,悪性の確率,甲状腺結節の性状が類推しやすい言葉を用い利用者の利便性を図った。
著者
松本 康志
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.79-88, 2017-05-01 (Released:2017-05-01)
参考文献数
6

気象情報は社会の基盤的な情報として,防災対応から日々の生活などのさまざまな分野で活用されている。気象庁は,スーパーコンピューターの計算能力向上を基盤にした精緻な数値モデル開発等による予測精度の向上と,ひまわり8・9号の観測データ等のビッグデータや対象区域の細分化によるきめ細かい気象情報をはじめとする新たな情報提供など,さまざまに充実を図ってきた。同時に,「気象庁防災情報XMLフォーマット」の策定など,気象情報を社会により広く,よりわかりやすく提供し,活用を促進する方策も講じてきた。近年の情報通信技術(ICT)の飛躍的な発展に伴い,即時的,自動的な情報処理による高度な利用が期待される。そのため,IoTなどに関する有識者や幅広い産業界の企業・団体からなる「気象ビジネス推進コンソーシアム」を2017年3月7日に発足させ,気象情報を活用して社会の生産性の向上を目指す取り組みを新たに開始した。
著者
関口 敦仁 田中 良治 高橋 裕行 細谷 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.42, 2017 (Released:2017-06-29)

データベースのインターフェイスデザインとして、インフォグラフィクスの考え方を導入することは、視点を明らかにしていく方法論として、効果的な手法である。 そのグラフィックそのものがインターフェイスとしてデータの意味的特徴を明らかにすることで、データグラフィクスの可能性を示すことになる。本研究ではその一例として、h27-28年度の行なった、文化庁メディア芸術連携促進事業「日本のメディアアート文化史構築研究事業」において作成されたデータベース・インターフェイスデザインに基づいたドキュメンテーションのデータデザインとしてのアプローチを示す。
著者
福冨 友馬 安枝 浩 中澤 卓也 谷口 正実 秋山 一男
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.87-96, 2009 (Released:2012-06-01)
参考文献数
33
被引用文献数
6

本稿では,ハウスダスト中のダニと昆虫のアレルゲンとヒトのアレルギー疾患の関係を解説した。ハウスダストは多くの患者にとってアレルギー疾患の発症原因でありかつ増悪因子である。しかし,ハウスダストは極めて多種のアレルゲンの混合物であり,家屋により優位なアレルゲン種も異なり,個々の患者が影響を受けているアレルゲンは異なっている。ダニアレルゲンは,本邦においても国際的にも最も重要な気管支喘息,アレルギー性鼻炎の原因アレルゲンである。多くの研究が,室内環境中のダニアレルゲン量の増加が,喘息の発症と増悪の原因であることを示してきた。国際的にはゴキブリアレルゲンはダニと同等に重要な室内環境アレルゲンと考えられている。しかしながら本邦の室内環境では,ゴキブリアレルゲンはほとんど検出されず,ゴキブリ感作率も低い。むしろ,本邦の室内塵を調査するとチャタテムシ目や双翅目,鱗翅目などのほうが頻繁に検出され,本邦ではこれらの昆虫の方が重要性が高いと考えられている。
著者
Andrei BITA George Dan MOGOSANU Ludovic Everard BEJENARU Carmen Nicoleta OANCEA Cornelia BEJENARU Octavian CROITORU Gabriela RAU Johny NEAMTU Iulia Daria SCOREI Ion Romulus SCOREI John HUNTER Brad EVERS Boris NEMZER Florin ANGHELINA Otilia-Constantina ROGOVEANU
出版者
(社)日本分析化学会
雑誌
Analytical Sciences (ISSN:09106340)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.743-746, 2017-06-10 (Released:2017-06-10)
参考文献数
20
被引用文献数
4

The paper describes a new, simple, selective and precise high-performance thin-layer chromatographic (HPTLC) method for the simultaneous identification and quantitative determination of boric acid (BA) and calcium fructoborate (CFB) in bulk and tablet/capsule dosage forms of dietary supplements. HPTLC silica gel G 60 F254 precoated glass plates were used as the stationary phase. The mobile phase consisted of 2-propanol–water 8:2 (v/v). The two boron-based compounds were adequately separated with the Rf values of 0.83 ± 0.01 (BA) and 0.59 ± 0.01 (CFB).
著者
Tomohiro Machikita
出版者
京都大学大学院経済学研究科(KER編集委員会)
雑誌
The Kyoto Economic Review (ISSN:13496786)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.35-61, 2006 (Released:2007-03-20)
参考文献数
24

We examine the effects of learning by migrating on the productivity of migrants who move to a “megalopolis” from rural areas using the Thailand Labor Force Survey. The main contribution is to the development a simple framework to test for self-selection on migration decisions and learning by migrating into the urban labor market, focusing on experimental evidence in the observational data. The role of the urban labor market is examined. In conclusion, we find significant evidence for sorting: the self-selection effects test (1) is positive among new entrants from rural areas to the urban labor market; and (2) is negative among new exits that move to rural areas from the urban labor market. Further, estimated effects of learning by migrating into a “megalopolis” have a less significant impact. These results suggest the existence of a natural selection (i.e. survival of the fittest) mechanism in the urban labor market in a developing economy.
著者
高村 健二
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.249-253, 2009 (Released:2011-02-16)
参考文献数
25
被引用文献数
1 7

固有種に富む琵琶湖の魚類相は,生物学的侵入や生息環境減少などによって脅かされる一方,固有種の他陸水域への放流により,生物学的侵入を生じるという矛盾した状態にある。関東地方河川では,琵琶湖産アユ放流に随伴した侵入により,琵琶湖由来と関東在来の2系統のオイカワが混在していることが,ミトコンドリアcytochrome b遺伝子分析によりわかった。湖産アユ放流は放流河川での翌年のアユ回帰へ貢献しないと報告されているため,放流の停止がアユ資源維持にも生物学的侵入の抑制にも望ましいと考えられた。琵琶湖魚類相を取り巻く矛盾した状態の解消には各々の地域環境に適応した在来生物の保全が鍵となるであろう。
著者
中西 正男
出版者
海洋調査技術学会
雑誌
海洋調査技術 (ISSN:09152997)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1_11-1_23, 2011 (Released:2011-06-06)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Field evaluation of sounding accuracy in the multi-narrow beam echosounder, SeaBeam 2112, on R/V Kairei was carried out in the seafloor with a depth of deeper than 9,000 m. Bathymetric data were gathered while the ship holds on station. Variations of pitch, roll, and heave indicate that the ship was so stable that the motion of the ship except for heading did not affect for soundings. The depth uncertainty in each beam was estimated by forming the ratio of the standard deviation of the soundings in each angular bin to their mean. The soundings in observation range from 8,500 m to 10,900 m. The uncertainty in most beams from beam angle -24° to 27° is below the quality assurance (< 0.5%) demanded by the manufacturer. That of outer beams from the beam angle -24° and 27° is larger than 0.5% because of beam pointing errors by motion of the ship and topographic relief. The uncertainty of all beams at a constant heading was lower than 0.5%. The depth uncertainty near the vertical beam was lower than 0.1%. Soundings by SeaBeam 2112 on R/V Kairei in deeper than 10,900 m of water depth satisfy Order 1b of Standards for Hydrographic Surveys (S-44) by the International Hydrographic Organization.
著者
陸軍騎兵學校
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
中央獸醫會雑誌 (ISSN:18839096)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.305-321, 1923-04-20 (Released:2008-10-24)
被引用文献数
1
著者
石川 義彦
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.233-239, 2010-08-15 (Released:2016-09-30)

NBC 災害という言葉が使われて10 年近く経つ.東京消防庁ではそれ以前より危険物や毒物・劇物,RI 等を取り扱う施設や輸送中の火災,漏洩等に対応しており,1990 年には化学機動中隊を設立して消防活動体制の一層の強化を図った.しかし地下鉄サリン事件では原因物質不明のまま初動の活動を行い,結果として職員の受傷等数々の課題を残した.このため化学テロも踏まえた装備や資器材,教育訓練,活動体制等の強化を図るとともに,その後も茨城県での臨界事故や米国での同時多発テロ等を踏まえて様々な対策を講じてきた.NBC 災害を取り巻く環境は変化しており,最近では家庭用洗剤等の混触による硫化水素発生事故が多発するなど今後も新たな形態の災害の発生が懸念される.このような状況を踏まえ,東京消防庁が取り組んでいるNBC 災害対策の現状について紹介する.
著者
渋井 二三男 高橋 三雄 柿岡 明 石井 宏
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.49-56, 1995-07-31 (Released:2017-05-31)
参考文献数
5

企業における情報処理教育(本調査では,「OA・情報関連教育」の語を使用)の現状を把握し,企業における情報処理教育の在り方を調査研究することにより,今後の施策形成の一助とすることを目的に実施した.分析の結果,(1)OA・情報関連教育は,73.4%の企業で実施されているが,その目的・内容は,伝統的な「OA教育」の範疇に従うものであり,情報の高度利用を念頭に置いたものとはいえない.(2)取締役・部長クラスに対する教育を実施している企業は少数であるが,今後は,かなりの企業が重視する意向を示している.(3)OA・情報関連教育を実施中の企業では,教育の効果に疑問を呈する意見が強く,非実施企業では実施すべき教育内容が不明確であることを問題視する意見が強い.(4)14項目の知識・能力分野によって(注)「情報リテラシー教育」観を質問した結果,(I)理系-文系軸(II)SE-プログラマー軸,(III)実務家-理論家軸の3つの因子で58.8%まで説明できることが分かった.
著者
大澤 剛士 細矢 剛 伊藤 元己 神保 宇嗣 山野 博哉
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.215-220, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

要旨: 2013 年、生物多様性情報学の世界的な現状と課題をまとめた地球規模生物多様性情報概況(Global Biodiversity Informatics Outlook: GBIO)が公開された。これは地球規模生物多様性概況(Global Biodiversity Outlook: GBO)の生物多様性情報分野版に相当するもので、生物多様性情報学という分野の趨勢を確認し、今後を見据える重要文書である。筆者らGBIF 日本ノードJBIF では、本文書を意訳し、オープンデータライセンス(CC-BY)で公開した。さらに文書の公開に併せて公開ワークショップを実施し、国際的な状況と日本の現況について議論を行った。その結果、生物多様性情報の分野において、国際的な課題と日本の課題の間にはギャップがあることが見えてきた。本稿は、GBIO 翻訳版の公開に併せ、2014 年12 月15 日に開催された第9 回GBIF ワークショップ「21 世紀の生物多様性研究ワークショップ(2014年)「日本と世界の生物多様性情報学の現状と展望」」における議論をもとに、日本における生物多様性情報の現状と課題について論じる。