著者
Hosoda Yushi Kakui Keiichi
出版者
Taylor & Francis
雑誌
Marine biology research (ISSN:17451000)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.390-395, 2020-05
被引用文献数
3

We describe a new pycnogonid species,Pantopipetta lenissp. nov., collected from 141-152 m depth in southern Japan, North Pacific Ocean.Pantopipetta lenisclosely resemblesPantopipetta auxiliataandPantopipetta oculatain having auxiliary claws on the legs, but differs from them in lacking dorsodistal tubercles on the lateral processes, having the first short distal article of palp shorter than combined length of the other three short distal articles, having one slight dorsal tubercle on the coxa 1 of legs, having a short dorsal tubercle on the coxa 3 of legs, and lacking a long dorsodistal tubercle on the femur of legs. The palp base (the short article-like structure proximal to the longest palp article) inP. lenisis articulated with the cephalon, i.e. it is actually an article. Although the palp base has been regarded as a lateral process of the cephalon, it is the first article of the palp inP. lenis.
著者
森田 一三 森岡 久尚 阿部 義和 野村 岳嗣 稲川 祐成 近藤 由香 亀山 千里 近藤 香苗 小林 尚司
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.167-179, 2021-03-15 (Released:2021-03-30)
参考文献数
30

目的 高齢者における多剤併用は唾液の流量低下や口腔乾燥症を引き起こす可能性を高める。口腔の乾燥は口腔機能の低下をもたらすが,多剤併用と自覚的な口腔機能低下や客観的な口腔機能低下の関連について報告は見られない。そこで,本研究は投薬薬剤成分数と自覚的および客観的口腔機能低下の関連を明らかにすることを目的として行った。方法 2019年1月から2月に歯科健康診断のために中部地方の歯科医院を受診した,75歳以上の在宅高齢者215人を対象とした。自覚的口腔機能の評価として3項目の問診,客観的口腔機能として4項目の実測調査を行った。また,現在治療中の疾患および服薬している薬剤の情報を得た。自覚的口腔機能の3項目のいずれかに低下がある者を自覚的口腔機能の低下が認められるとした。客観的口腔機能の低下は2つのタイプについて検討した。1つは客観的口腔機能の4項目すべての項目に低下がある,もう1つは客観的口腔機能の4項目のうち2つの項目に低下があるとした。性別,年齢階級および治療中の疾患を調整した,自覚的および客観的口腔機能低下と投薬成分数の関連についてロジスティック回帰分析を用いて分析した。結果 8種類以上の成分を投薬されている者は7種類以下の者に比べ,自覚的口腔機能低下がみられた(オッズ比:95%信頼区間,2.3:1.0-5.1,P<0.05)。8種類以上の成分を投薬されている群は7種類以下の群に比べ4項目すべての客観的口腔機能に低下が見られた(4.4:1.5-12.6,P<0.01)。4項目のうち2項目以上の客観的口腔機能の低下は10種類以上の成分の投薬と関連していた(4.3:1.2-16.2,P<0.05)。 さらに,8種類以上の投薬成分数は自覚的口腔機能または客観的口腔機能4項目すべての低下をもたらした(8.1:2.1-30.8,P<0.01)。自覚的口腔機能または客観的口腔機能4項目のうち2項目以上の低下と10種類以上の成分を投薬されていることが関連していた(4.9:1.6-15.6,P<0.01)。結論 高齢者において薬剤成分数で8種類以上の投薬は,自覚的または客観的口腔の機能低下が見られることと関連した。
著者
米山 京子 池田 順子
出版者
日本小児保健協会
雑誌
小児保健研究
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.331-340, 2003-05

母乳のみあるいは殆ど母乳で哺育している出産後3~16週の健康な授乳婦44人を対象に,母乳中の蛋白質,脂肪,カルシウム濃度と妊娠中および授乳時の体格要因,授乳期3日間の栄養素,食品群摂取量との関係を分析した。母乳の脂肪濃度は妊娠中の最大体重時のBody Mass lndexと正,授乳時の脂質摂取量と負の有意相関が認められ,重回帰分析でも両者が独立に影響することが確認された。妊娠中には脂肪を蓄積し,授乳初期には脂肪摂取を控えることが母児ともに合目的である。母乳のカルシウム濃度は授乳時の母の骨密度が高い程高く,蓄積されたカルシウムが母乳成分に影響することが示唆された。蛋白質濃度は授乳時の飯,野菜摂取量が多い程低い傾向が認められた。
著者
平 孝臣
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.698-710, 2021-07-10

Point・定位・機能神経外科は脳神経外科で最も古い領域で,戦前から行われてきた.これらでの経験は,ヒトの神経生理学の発展に大きく寄与した.・定位脳手術は日本では1970年代まで世界をリードする勢いで行われ,楢林博太郎,佐野圭司らを中心に,日本を代表する脳神経外科医の多くが携わっていた.・現在,脳神経外科で一般化している神経内視鏡,ナビゲーション,術中モニタリングなどは,低侵襲と精度を重視する定位・機能神経外科分野から発展したものである.・2000年以降,脳深部刺激療法(DBS)の出現で定位・機能神経外科は隆盛を来したように思われるが,定位・機能神経外科医にしか治せない多くの患者が未治療のまま放置されているのが実情である.脳神経外科がより社会的に評価されるためにも,より多くの脳神経外科医が定位・機能神経外科に関与する必要がある.

4 0 0 0 OA Editorial

著者
上利 崇
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.697, 2021-07-10

薬剤治療抵抗性の不随意運動症を中心とする運動障害に対して,定位・機能神経外科が果たす役割は大変大きく,患者さんのADL, QOLの向上に大きく貢献しています.近年の医療工学技術の向上に伴い,体内植え込み型のデバイスの改良が進んでおり,さらに凝固・破壊術もリバイバルし,集束超音波による新たな治療も導入され,患者さんのニーズに合わせた治療選択肢が増えてきています.定位・機能神経外科の領域は今後もさらに多様化し,発展すると考えられます. 技術の進歩によって治療水準はある程度担保されると思われますが,治療成績を大きく左右するのは手術の精度であることは現在も変わりありません.そのためには,定位・機能神経外科の基本をしっかりと習熟していることが重要と考えられます.
著者
今北 明彦 安田 章宏
出版者
社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.379-386, 2007 (Released:2008-03-18)
参考文献数
10

This paper describes numerical simulations and experimental results of dynamic response of a cylindrical floating structure subjected to an underwater explosion. An explosion was generated by wire explosion method under the center of bottom plate. Responses of the cylinder were recorded in the experiments with three different offset conditions. Nonlinear explicit finite element method and finite volume method were used for the structural analysis and the fluid analysis respectively. Compressibility of fluid and fluid structure interaction were taken into account in the numerical simulation. Explosion bubble shape was observed with a high speed camera and were compared with the numerical simulation results. Experimental results of time histories of bottom surface pressures and displacement of the bottom plate were also compared with the numerical simulation results. Numerical simulation results regarding to dynamic response of the cylinder corresponded well with experimental results. Discussions are given to boundary effects on behavior of explosion bubble and offset distance effects on response of the cylinder.
著者
梁 成吉
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.197-203, 1996-03-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
20

1994年の暑い夏の最中, 素粒子理論の分野でひとつの「事件」が起きた. コンピュータ・ネットワークを通して毎日眺める新版プレプリント情報に掲載された Seiberg Rutgers 大) と Witten (Princeton 高等研) の共著による2本の論文が原因である. 彼らは, 4次元 (時空(1+3)-次元) の N=2 超対称非可換ゲージ理論の真空構造に関する近似なしの厳密な結果を得たというのである. これが素粒子理論研究者の間で大きな反響を巻き起こした. また, その評判は分野を越えて広まっているようで, 米国では新聞紙上をも振るまわしたとのことである. そこで, この解説ではSeiberg-Wittenの仕事の成果とその意義をまとめてみる.
著者
Hitomi Shikano Yoko Miyama Ryuzo Ikeda Takeshi Haga Junichi Suda Kazuaki Yoshinaga Shu Taira
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
pp.ess20143, (Released:2020-07-09)
被引用文献数
5

The drying process used for persimmon fruit (Diospyros kaki) can alter the composition of nutrients, and especially vitamins. We visually determined whether the amounts of vitamin A1, vitamin B6 and vitamin C vary after drying persimmon fruit, using matrix-assisted laser desorption/ionization (MALDI) mass spectrometry (MS) imaging. Drying altered the amount of moisture between the fruit interior and surface. Vitamin A1 is lipophilic and localized at the desiccated outer regions (pericarp) and not in the inner region (mesocarp and endocarp), and its concentration was increased 3.4 times in dried fruit compared with raw persimmon. Vitamin B1 and B6 are water-soluble and concentrated in the moist mesocarp. The vitamin C content of dried persimmon is decreased by drying in the sun. The drying process affected the localizations and amounts of all the vitamins. The observed opposite localization of vitamin A1 compared to B1 and B6 was due to vitamin A1 being lipophilic and B1 and B6 being water soluble. Multiple-vitamin imaging using MALDI-MSI has great potential for enhancing commodity value and for visually investigating the effects of manufacturing processes.
著者
高野 繁男
出版者
神奈川大学
雑誌
人文学研究所報 (ISSN:02877082)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.87-108, 2004-03

本論文は,資料『哲学字彙』初版(1881・明治14年)に収録されている全語彙をその造語要素である「語基」(Stem)に分解し,その語基のうち,新たに生成されたものを対象に,語基の生成法を明らかにし,その語基を再び語に戻すことで,語を構成するシステム,つまり和製漢語の造語法を追求する。また,この期に生成された語基のうち,現代語として活用されているものと,そうではなくすでに消滅(39.7%)し,訳し換えられているものがある。どのような語・語基が残り,どのような語・語基が消滅するのか。その語基の単位である漢字のレベル,語を構成する語法のレベルを基本に論じた。
著者
山元 修 西尾 大介 徳井 教孝
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.169-180, 2001-06-01 (Released:2017-04-11)
被引用文献数
2 2

セメントは土木・建築工業分野で広く用いられているが, 水に溶けると強いアルカリ性を示す, 感作性の強いクロムが微量含まれているという性質のため, セメントによる職業性皮膚障害は比較的多く発生しやすい. 本稿ではセメントによる接触皮膚炎4例とセメント熱傷2例を報告する. 患者の職業は左官業, トラック運転手, 土木建設作業員であった. セメント皮膚炎例は, 臨床的に手指に乾燥化, 亀裂, 角化性丘疹・紅斑あるいは急性浸出性湿疹像を呈していた. うち1例は顔面や躯幹, 四肢にも皮疹が認められた. いずれの例もパッチテストにて重クロム酸カリウムに陽性であった. セメント熱傷例はいずれも長靴の中に侵入したセメントに長時間接触後, 下腿あるいは足に難治性潰瘍を生じた. パッチテストにてクロムは陰性であった. コンクリート作業現場の視察にて, 現在の作業形態あるいは作業着では, 皮膚の防護が十分にできないことがわかった. 実状に合った易作業性と防護性を兼ね備えた作業着・手袋使用の推奨, あるいは防護形態の工夫が望まれる. セメントによる皮膚障害のほとんどは, 実際にセメントを扱う小規模事業場の労働者に発生していると思われる. このような労働者の皮膚障害に対する健康管理体制の確立のため, 小規模事業場における健康管理の取り組みを目指した地域産業保健センターの活用が強く望まれる.
著者
堀部 ますみ
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

徳島大学病院・歯周病科および福本歯科医院において被験者70名、合計358本の診査を行った。その結果、被験者1名あたりの冷刺激指数(y)は平均歯肉退縮量(x)に対し、y=0.188x+0.194の係数をもって正の相関を示すことが明らかとなった。また苗種別に分析すると、歯肉退縮を認める歯は認めない歯と比較して有意に冷刺激を感じる割合が高く、また歯肉退縮量が多いほど冷刺激の強度も増加した。上記結果から冷刺激による象牙質知覚過敏の発現と強度は歯肉退縮量に関連していることが示された。
著者
森川 洋
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.15-35, 1992-01-28 (Released:2017-04-27)
参考文献数
102
著者
鐘江 宏之
出版者
学習院大学
雑誌
学習院大学文学部研究年報 (ISSN:04331117)
巻号頁・発行日
no.51, pp.23-46, 2004