著者
岡村 陽子
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 心理学篇 (ISSN:21858276)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-7, 2016-03

臨床神経心理士(Clinical Neuropsychologist)とは,脳と行動の関係について理解し,神経心理学的な知識に基づいて評価や治療的な介入を行う専門職である。イギリスの臨床神経心理士資格はQualification in Clinical Neuropsychology: QiCN といい,イギリス心理学会により認定されている。2003年にスタートしたQiCN は,臨床心理の博士課程3年間を終了した後,臨床心理士としてHCPC に登録し,臨床神経心理学の修士に該当するDiploma を取得するなどして臨床神経心理学に関する十分な知識を持っていること,臨床神経心理学分野の十分な研究能力を有していること,臨床神経心理学の実践を行う能力が十分にあることという条件を満たすことで認定を受けられる。現在グラスゴー大学,UCL,ブリストル大学に臨床神経心理学の課程が設置されている。日本においても,臨床神経心理学の教育プログラムが充実することが期待される。
著者
越智 敏夫
出版者
新潟国際情報大学国際学部
雑誌
新潟国際情報大学国際学部紀要 (ISSN:21895864)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.75-88, 2016-04-28

第一次世界大戦から第二次世界大戦にいたる時期、いわゆる「大戦間期」において日本の政治学は特異な発展を遂げたといえる。それは大正デモクラシーから始まり、天皇制ファシズムと超国家主義の勃興へといたる時期である。この現実政治と政治学的認識の同時的展開はどのように呼応していたのか。戦後政治学はこうした経験に対する「悔恨共同体」として始まったと丸山眞男は述べ、政治理論の有意性と科学性に関する論文によって戦後日本の民主化に深く関わった。その丸山の論考に対する高畠通敏の批判と継承の両面について検討する。その作業によって政治理論の現実政治に対する有効性の観念について考察し、戦後民主主義の理念的特性に関する議論を展開した。
著者
ダンスワン スヤダー 岡 祐記
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.340, pp.1-7, 1997-10-24

課題をタイ語構文の句構造規則化、確定節文法を利用してのタイ語文の解析、意味解析のための格構造、意味素性の構造化に設定し、タイ語構文規則の設計とそのコンピュータ処理について研究を行った。実験ではProlog-Kabaを利用した。タイ語はまだ句構造規則として表されたものが一般に公開されていないので、単文を句構造規則化することを試みた。確定節文法に動詞の格情報を入力することによって、Prologの単一化 (unification) 機能と結びつけて意味解析を行った。今後、簡単な質問応答システムの作成と本システムへの組み込みを検討し、本格的なタイ語学習支援システムの構築を計るべきと思われる。
著者
櫻庭 京子 今泉 敏 筧 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.393, pp.1-8, 1999-10-28
被引用文献数
3

本研究では音声による感情表現の発達的変化を解折した。3 ∼ 10歳の幼児・児童46名から、喜び、悲しみ、怒り、驚き、平静の5感情を「ピカチュウ」という単語音声で表現した音声を録音した。それらの内から、10名の成人聴取者による感情同定結果と話者の意図した感情が100%一致した132発話を選択して、基本周波数や時間構造を分析した。その結果、感情の主効果は多くのパラメータで有意であったものの、年齢の主効果は基本周波数と少数の時間的特性においてのみ有意であった。成人話者による感情表現と共通の音響的特性も多い反面、「怒り」などでは成人と異なる傾向も観測された。これらの結果は音声による感情表現の多くの特性がこの年代にすでに完成しているものの、感情によってはなお発達・変化していることを示唆している。
著者
吉田 幸弘 ヨシダ ユキヒロ Yoshida Yukihiro
出版者
同志社大学同志社社史資料センター
雑誌
同志社談叢 (ISSN:03897168)
巻号頁・発行日
no.34, pp.179-197,199-200, 2014-03

資料紹介(Historical Document)
著者
桜井 準也
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.531-556, 1997-07

I はじめにII 慶応SFC遺跡の概要III 遺跡周辺の諸環境 1 遠藤の概要 2 遠藤の地形と気候 (1) 地形 (2) 気候 3 遠藤の歴史 (1) 遠藤の沿革 (2) 遠藤の開発 4 遠藤の民俗 (1) 民俗調査 (2) 社会組織 (3) 信仰 (4) 生業III 遺跡調査と地域史 1 中世の村境について 2 慶応SFC遺跡と遠藤の開発 (1) 遺構分布からみた慶応SFC遺跡内の開発過程 (2) 遠藤の開発と集落 (3) 遠藤の開発と慶応SFC遺跡IV おわりに
著者
ボブロフ アレクサンドル
出版者
日本スラヴ・東欧学会
雑誌
Japanese Slavic and East European studies (ISSN:03891186)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.59-79, 2010-03-31

「二重信仰」(さまざまな信仰上の要素の混交)は世界のどの宗教にも見られる。文学作品では、「二重信仰」はキリスト教の異教化または異教のキリスト教化として理解されている。ルーシのキリスト教化は、正教と民間信仰が混交するということであり、それらが代替しあうということである。キリスト教と異教の混交によって、蛇型魔よけ、古代ロシアのロードおよびロジャニツァ崇拝、異教の神々の姿を聖人像と混同することなどが起こった。民衆の宗教観は、聖ミハイル・クロプスキー伝(1470年代)や、『ピョートルとフェヴローニヤ物語』(1540年代)における聖フェヴローニャの人物像に窺うことができる。キリスト教および異教の儀式や諸概念の代替は、蒸し風呂で行われる「通過儀礼」を見ることで、たどっていくことができる。蒸し風呂で行われる魔術は、それに対応する教会儀礼(洗礼、婚姻、通夜)の代役を果たす。したがって、ロシアの伝統において蒸し風呂は家庭における聖堂のようなものとして検討できる。movьと呼ばれる蒸し風呂での儀式は古くから知られている。『過ぎし年月の物語』(11-12世紀)には、オレーグが、コンスタチノープルで、movьを実施する権利をルーシのために得たこと、オルガ(オリガ)大公夫人が彼女の敵対者たちを欺いて、婚姻の際の蒸し風呂の儀式の代わりに、葬礼の際の儀式を行ったことが書かれている。古代ロシア語のmovьは北ヨーロッパで広まっていた、蒸し風呂において植物を使い行われ、参加者を死者と魂の世界と交流させる、異教の儀式を指していた。「蒸すこと」(つまり「汗を出すこと」)を内容とする儀式、および植物を焦がすことで得られる煙の吸引は、多くの古代社会において行われていた。古代ルーシも例外ではなかったのだ。教会と蒸し風呂は、人間の宗教的活動の、互いに補完しあう二つの中心であった。
著者
樋口 拓志 柳田 益造
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.127, pp.47-52, 2008-12-12

任意の楽曲をコード (和音),リズムの観点からギター伴奏用としてボサ・ノヴァ風に編曲するシステムについて述べている.「シンコペーションとアンティシペーション」 というボサ・ノヴァ特有のリズムを用い,ジャズ理論から借用したコード・コード進行を元の楽曲に適用させることによって,完全自動でボサ・ノヴァ風に編曲するシステムを構築している.ボサ・ノヴァでない 3 曲に対する編曲出力を試験的に聴取した結果,一応の効果が得られていることを確認しているが,音楽としての品質向上が望まれる.Presented is a proto-type system that arranges a given set of melody and its corresponding chord name sequence into a guitar accompaniment score in a bossa nova style. The system consists of subsystems: one that generates the bossa nova rhythm featured with "syncopation" and "anticipation", and the other that gives chord progressions characteristic to jazz. Preliminary evaluation is conducted on system outputs for three non-bossa nova pieces, showing a taste of the genre requiring further improvements in musical quality.
著者
剣持 秀紀 大下 隼人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MUS,[音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.25-28, 2007-10-11
参考文献数
7
被引用文献数
9

"VOCALOID"とは、ヤマハが開発した素片連結型の歌声合成技術およびその応用商品の総称である。すでにソフトウェア応用商品として数本が国内外で実際に市販されている。本稿では、VOCALOIDの基本構成、合成アルゴリズム、実際の商品でのユーザインタフェースを現時点での商品ラインナップを交えながら紹介し、最後に本技術の今後の見通しについても述べる。