著者
天童 睦子 高橋 均
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.65-76, 2011-04-30 (Released:2012-05-31)
参考文献数
20
被引用文献数
3 4 2

本稿では,2000年代半ば以降に登場した父親向け育児・教育情報誌に注目し,その言説分析を行う.父親の育児参加研究には注目が集まっているが,育児メディアにおける父親の子育て関与や主体化を言説分析の観点から行った研究は未だ少ない.本稿では,言説と主体化の理論的考察,および教育言説の視点による言説分析の枠組みの検討を行い,戦後から現代までの育児メディアの変容を概観したうえで,近年の代表的なビジネス系父親向け育児・教育情報誌にみられる育児・教育言説分析を行う.とくに『プレジデントFamily』等の雑誌言説に立ち現れる家族の育児戦略の考察を通して,子育てする父親の「主体化」,子どもに濃密な教育的まなざしを注ぐ教育家族の強化,家族の再ジェンダー化を示唆する.

4 0 0 0 OA 人倫訓蒙図彙

出版者
だるまや書店
巻号頁・発行日
vol.1, 1917
著者
辻本 洋子 奥田 豊子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 2 社会科学・生活科学 (ISSN:03893456)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.15-26, 2009-09

大阪府内の小学校3年生から6年生の368人を対象に食事を中心とした日常生活に関する質問紙調査を実施し,児童の食を中心とした生活習慣と心身の健康状態や学習態度との関連性を検討した。(1) 朝食の欠食者は全体の1割程度で,朝食を食べた者の半数が「主食」のみであり,主食が飯の場合が最も食事バランスが良かった。健康状態と朝食皿数との関連では,健康状態が良好な者の方が食事バランスがとれていた。(2)食事バランスによる食生活や健康状態を比較したところ,食事バランスが良い群は食事を楽しみにしており,朝食を毎日食べ,共食・食事の手伝頻度が多く,食意識が高く,よくかんで食べており,健康状態が良好であった。(3)共分散構造分析を行った結果,健康度に最も強く影響していたのは,「おいしく食べる」ことであり,就寝時刻や排便などの生活習慣も関与していた。以上の結果から,心身の健康度には,家族そろって,よくかんでおいしく食べることや,快便,快眠などの食生活や生活習慣が大きく影響していること,さらに,健康度が高いことは「授業中眠くない」,「宿題をきちんとする」等の学習面にも影響を及ぼしていることが示唆された。This study examined the relationship between dietary life and health status (health degree) and learning attitude in elementary school children. A questionnaire survey was conducted among 368 elementary school children (from grade 3 to grade 6) living in Osaka prefecture. The half of the children who had breakfast ate only staple foods. Children with better dietary balance had high degree of health and enjoyed meals, ate breakfast every day, chewed their food well, and made a help of a meal better. The components and items were subjected to covariance structure analysis. The hypothesized model fitted well (GFI, AGFI, and RMSEA). The results showed that enjoying meals, chewing food well, defecation every day, and enjoying meals with family altogether directly increased health degree. In addition, the high degree of health had exerted a good influence on their learning attitude. These results suggested that dietary life including enjoying eating were important to the health status and learning attitude in elementary school children.
著者
山田 奨治 梅田 三千雄 川口 洋 柴山 守 加藤 寧 石谷 康人
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究では、つぎのような成果を得ることができた。1.古文書文字認識手法の基礎的研究古文書文字に特有な文字認識機能と文字切り出し方法について検討した。限定された文字種のデータに対して既存の日本語手書き文字認識技術を適用し、95%を超える認識率が得られることを確認すると同時に、文字切り出し及び正規化に関して新しい手法を開発した。2.古文書文字認識研究のためのデータベース作成古文書文字認識研究を推進するための、25万字に及ぶ古文書文字データベースを完成させ、その一部をすでに公開している。3.古文書解読支援システムのユーザインタフェースの開発古文書解読知識を利用した証文類の翻刻支援システムと古文書翻刻支援のための電子辞書のプロトタイプを実装した。前者はn-gram情報を使って不明文字の正解候補を提示するシステムで、利用試験の結果、その有用性が確認された。後者のプロトタイプには2種類ある。第1は、文字コードからくずし字を検索し、さらに例示された文字と類字した文字をオンラインとオフラインの文字認識技術の応用により検索する機能を持っている。第2のプロトタイプは、タブレット入力された文字と外形が似たくずし字をオフライン文字認識によって検索する機能を持っている。
著者
村田 昇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.153, pp.155-162, 2006-03-16
参考文献数
8
被引用文献数
2

スパースコーディングは生物の初期視覚の情報処理を数学的にモデル化したもので,与えられた画像を比較的少数の基底の線形和で表現するために,適切な基底系を統計的・情報論的な基準にもとづいて構成する手法である.本稿では個々の画像を分解したとき得られる係数を確率変数として捉え,その情報量をできるかぎり削減して効率の良い表現を求めるという観点から,スパースコーディングの基本的な考え方を解説する.
著者
JaeHyun Jung EunJung Chung Kyoung Kim Byoung-Hee Lee JiYeun Lee
出版者
理学療法科学学会
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.707-709, 2014 (Released:2014-05-29)
参考文献数
23
被引用文献数
4 16

[Purpose] The purpose of this study was to determine the effects of aquatic exercise on pulmonary function of patients with spinal cord injury. [Subjects] The subjects were randomly allocated to an aqua group (n=10) and a land group (n=10). [Methods] Both groups trained for 60 minutes, 3 times a week for 8 weeks. Pulmonary function was assessed by measuring the forced vital capacity (FVC), forced expiratory flow rate (FER), force expiratory volume at one second (FEV1) and force expiratory volume at one second/forced vital capacity (FEV1/FVC). [Results] Following the intervention, the aqua group showed significant changes in FVC, FER, FEV1, and FEV1/FVC. The land group showed only significant differences FER. [Conclusion] The results of this study suggest the effects on the aqua group were significantly higher than those on the land group in patients with spinal cord injury.
著者
倉元 綾子
出版者
鹿児島県立短期大学
雑誌
研究年報 (ISSN:02885883)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.63-90, 2005-03-31

以上の結果を要約すると次のようになる。(1) 2004年3月, 鹿児島県奄美大島龍郷町において小中学生205名を対象に食生活と日常生活に関するアンケート調査をおこなった。(2) 子どもたちの94.1%がきょうだいをもち, 家族の人数は平均5.2人であった。(3) 平均すると, 平日の就寝時刻は22時3分, 起床時刻は6時45分, 睡眠時間は8時間49分であった。休日の就寝時刻は22時19分, 起床時刻7時30分, 睡眠時間は9時間11分であった。(4) 学校以外の活動では, 「外で遊ぶ」54.1%, 「スポーツをする」54.0%, 「TVおよびTVゲーム」30.7%が多かった。スポーツ活動の頻度は「毎日」28.8%, 「週3-5日」33.7%, 「週1-2日」24.4%で, 「しない」は10.7%であった。(5) 食事のあいさつを「いつもしている」は45.9%で, 「たまに」32.7%, 「めったにしない」8.8%, 「まったくしない」9.8%であった。(6) 朝食は97.1%が摂取し, 平均時刻は7時9分, 「家族みんな」と食べる割合は24.9%, 子どもだけで食べる割合は31.7%, 食事前に空腹だと感じていたのは67.3%, 主食は「ごはん」46.3%, 「パン」36.1%, 品数は平均3.03品, 主食・主菜・副菜の全てがそろっていたのは27.3%, 食事が「楽しかった」50.7%, 「楽しくなかった」45.9%で, 約2/5の子どもが食事のときに「料理をはこぶ」18.0%, 「飲みものを用意する」16.1%, 「あとかたづけ」15.6%, 「食器や箸を用意する」146%, 「テーブルをふく, かたづける」12.2%などのお手伝いをしていた。 (7) 夕食は96.6%が摂取し, 平均時刻は19時49分, 「家族みんな」と食べる割合は56.1%, 子どもだけで食べる割合は20.5%, 食事前に空腹だと感じていたのは83.9%, 主食は「ごはん」66.8%, 「パン」24%, 品数は平均3.50品, 主食・主菜・副菜の全てがそろっていたのは49.3%, 食事が「楽しかった」71.2%, 「楽しくなかった」24.4%で, 約2/3の子どもが食事のときに「料理をはこぶ」36.1%, 「食器や箸を用意する」34.6%, 「飲みものを用意する」28.3%, 「あとかたづけ」24.9%, 「テーブルをふく, かたづける」20.0%などのお手伝いをしていた。(8) 食事が楽しいと回答した子どもは, 食事前に空腹であると感じ, 大人と食事をし, 早寝早起きで睡眠時間が長く, 活発にスポーツをしており, 食事のあいさつができ, お手伝いを多くする傾向があった。(9)「郷土料理」については平均3.11品を知っており, 「鶏飯」86.8%, 「やぎ汁」41.1%などがあげられた。
著者
一宮 頼子
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.196-214, 1995-04-30
被引用文献数
7

本研究は口腔内状況を表す指標が健康習慣や食生活とどのように関連するのかを検討することを目的に行われた。調査対象は1991年6月から1992年10月にわたって実施された,住民健康診断の受診者である20歳から91歳までの女性282名とし,以下の結果を得た。1. 本調査対象の成人女性は,年齢が上昇するのに伴って歯周疾患の重症化,喪失歯数の増加が認められた。2. 20-39歳群は朝食の欠食傾向や油脂類,肉類,加工食品の多用がみられた。さらに,70歳以上の高齢者になるとエネルギーがごはんに偏りがちであった。3. 50歳以上では山本式咀嚼能率判定法が口腔内状況の悪化に伴う咀嚼食品の変化を示していた。さらに50,60歳代では,適正体重を保っていない群は,歯周疾患状況が悪く,喪失歯数も多い傾向が認められた。4. 因子分析により年齢と口腔内状況,油脂類,緑黄色野菜類,肉類の摂取頻度が関連しあうことがわかった。さらに口腔内状況を表す指数として,末処置歯数,喪失歯数,処置歯数,歯周疾患指数の4変数が選択された。5. 咀嚼食品の種類やごはん,油脂類,緑黄色野菜類の摂取頻度は喪失歯数の影響を大きく受けていた。しかしながら,肉類,煮物,揚げ物の摂取頻度には喪失歯数より年齢の因子が大きく関わることがわかった。
著者
Kousuke TANAKA Atsushi HIRAGA Toshiyuki TAKAHASHI Atsutoshi KUWANO Scott Edward MORRISON
出版者
日本ウマ科学会
雑誌
Journal of Equine Science (ISSN:13403516)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.67-71, 2015 (Released:2015-07-02)
参考文献数
12
被引用文献数
2

We applied aluminum hinged shoes (AHSs) to the club foot-associated contracted feet of 11 Thoroughbred yearlings to examine the effects of the shoes on the shape of the hoof and third phalanx (P III). After 3 months of AHS use, the size of the affected hooves increased significantly, reaching the approximate size of the healthy contralateral hooves with respect to the maximum lateral width of the foot, the mean ratio of the bearing border width to the coronary band width, and the mean ratio of the solar surface width to the articular surface width. These results suggest that the AHSs corrected the contracted feet in these yearling horses.
著者
熊澤 美弓
出版者
愛知県立大学文字文化財研究所
雑誌
愛知県立大学文字文化財研究所年報 (ISSN:18848958)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.47-69, 2010-03 (Released:2013-10-21)
著者
辻 智康
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.293-300, 2015-07-01 (Released:2015-07-01)
参考文献数
1

「より正確な企業情報を,より効率的に把握することで,よりよい企業選択へのヒントを示す」ことを目的に,提供された3種のデータを組み合わせることで企業選択へのヒントを示した。具体的には,日経BP社雑誌記事データの頻出語から現在のトレンドを把握し,日刊工業新聞社新聞記事データに付けられた分野ごとの企業出現数を調べて企業をグルーピング,そして科学技術文献データの機関名から研究開発の強み分野を比較することで,企業の所属業界から強みの違いまでが容易にわかるシステムを作成する。今回は一般的な大学生像を設定し,システムの適用例および活用イメージを示した。さらに適用範囲の拡大がはかれることから,適切な利用により,よりよい企業選択に生かせるシステムであると結論づけた。
著者
近藤 武夫
出版者
The Japanese Association of Special Education
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.247-256, 2012

米国の公立初等中等教育では、視覚障害、肢体不自由、学習障害などの多様な障害を原因として印刷物にアクセスすることが難しい児童生徒に対し、電子データ形式で作られた教科書を無償で入手できる環境が、連邦政府により整備されている。また、こうした電子教科書の利用においては、電子教科書データの提供だけではなく、支援技術製品の児童生徒への提供、および支援技術の専門家による利用支援の提供が、個別障害者教育法(IDEA)を背景として制度化されている。本論文では、障害のある児童生徒にとってアクセス可能な電子教科書の入手および学校場面での利用とその支援に関して、米国の現状を概観し、また、日米の現状比較を通じて日本国内で解決すべき電子教科書および支援技術利用上の課題について検討する。
著者
福島 俊彦 水沼 廣 中野 恵一 阿美 弘文 旭 修司 片方 直人 鈴木 悟 鈴木 眞一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.258-260, 2014 (Released:2015-02-17)
参考文献数
7

近年の悪性腫瘍診療において,診療ガイドラインの果たす役割は大きい。2010年版甲状腺腫瘍診療ガイドラインによれば,グレーゾーン症例に対する術式は,確立したものがないが,T3あるいはN1症例には,全摘を推奨している。2005年から2013年10月までに経験したグレーゾーン症例は50例,男性12例,女性38例で,14~78歳(50.3±18.9),平均腫瘍径は28.6±7.9mmであった。現在の当科における手術方針は,45歳未満:片葉に限局,Ex0 or 1,N0,M0の場合は片葉切除+D1,対側に癌および癌疑いの結節あるか,あるいは,Ex2 or N1 or M1症例には全摘+D2-3,45歳以上:T1aかつN0,M0の症例は片葉切除+D1,それ以外の症例は,全摘+D2-3としてきた。したがって,グレーゾーン症例に対して葉切除を行った7例中6例は小児例を含む45歳未満症例であった。外側リンパ節郭清は,術前USやCTで転移陽性と判断した場合,当該部位を含んだ領域を郭清するという方針になりつつある。
著者
藤岡 秀樹
出版者
京都教育大学附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践研究紀要 (ISSN:13464604)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.183-192, 2010-03

最初に,学校心理学の特徴について, ①隣接領域との異同, ②3つの援助サービス, ③4つの援助領域-の3点を論じた。次に,心理教育的援助サービスの技法とチーム援助について具体例を挙げて紹介した。そして,予防的・開発的教育相談及び予防的・開発的生徒指導について,各々治療的教育相談と治療的生徒指導と対比させて論じた。最後に,最近の文部科学省の教育相談や生徒指導の取り組みを紹介しながら,学校心理士と臨床心理士とスクールソーシャルワーカーとの協働・連携について考察した。
著者
望月 亮
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2006-02

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2202号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2006/3/15 ; 早大学位記番号:新4223