著者
淺見 貞晴 高瀬 麻以 工藤 正美 田中 美江子 ザーリッチ 陽子 徳丸 剛 伊藤 敬市 土屋 輝幸 飯島 勝矢 菊谷 武 丸山 道生
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.17-23, 2022-04-30 (Released:2022-08-31)
参考文献数
19

【目的】インフォグラフィックの手法を用いた資料を製作することで,嚥下調整食学会分類を西東京市内の在宅ケアスタッフに普及する.【方法】インフォグラフィックの製作は,東京大学高齢社会総合研究機構(以下,IOG)の「多職種協働による食支援プロジェクト」の一環として,西東京市で2019 年4 月に開始された.プロジェクトチームは,市内の医療系専門職,市役所職員,IOG 特任研究員により構成された.制作にあたっては,ステークホルダーである在宅ケアスタッフに嚥下調整食学会分類普及のためのニーズや課題をヒアリングし,それをもとに,インフォグラフィックの内容を決定した.インフォグラフィックを印刷する媒体は,移動の多い在宅ケアスタッフがいつでも手に取って見られるよう,クリアファイルを選択した.クリアファイルの使い方を伝えるため,西東京市のYouTube チャンネルに解説動画をアップロードした.その後,西東京市内6 施設104 名の在宅ケアスタッフに,クリアファイルの有用性についてアンケート調査を行った.【結果】インフォグラフィックには,1)問題提起と背景,2)嚥下調整食学会分類の使用が推奨される理由,3)嚥下調整食学会分類の説明を内容として含めた.アンケートでは,86 名の食支援に携わる在宅ケアスタッフのうち,85.5% が当資料を今の業務で使う機会があると回答し,92.8% が今後の業務の中で使いたいと回答した.【結論】インフォグラフィックを用いた資料は,在宅ケアスタッフへの嚥下調整食学会分類普及に有用である可能性が示唆された.
著者
武田 千絵 中嶋 加央里 能登谷 晶子 砂原 伸行
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.207-215, 2017-09-25 (Released:2017-10-11)
参考文献数
22
被引用文献数
3

Trail Making Test(TMT)は,Halstead-Reitan Batteryの一つとして報告された縦型のTMT(縦版TMT)と鹿島らが作成した横型のTMT(横版TMT)の二つがある.しかし,2つのTMTでは成績が大きく異なり,その原因について詳細な言及はなされていない.今回若年健常者を対象に2つのTMTを実施し,所要時間を比較した.その結果横版TMTが縦版TMTよりも所要時間が延長し,Part A,B間で所要時間に差がなかった.縦版TMTの所要時間はPart Bで延長した.TMT完遂までに引かれる線の長さを除して検討したが,横版TMTが縦版TMTよりも遂行時間が延長した.縦版TMTは線が円を描く軌跡になるのに対し,横版TMTでは線がランダムに重なっていくため,視覚探索が困難となり所要時間の延長につながったと考えられる.
著者
茂田 良光
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.309-313, 2003-03-20 (Released:2008-11-10)
参考文献数
16

Two Chinese Blue-and-white Flycatchers Cyanoptila cyanomelana cumatilis, an adult male and a first winter male, were banded on Kuroshima, Mishima-mura, Kagoshima-gun, Kagoshima Prefecture (30°50'N, 129°56'E) on 27 and 28 September 1997, respectively. This is the first authentic record for this subspecies of Blue-and-white Flycatcher Cyanoptila cyanomelana for Japan. The birds were probably migrants on their way to their wintering area. I showed the photos of the two birds, with the photos of C. c. cumatilis captured on China mainland and C. c. cyanomelana from Honshu, Japan for comparative identification.
著者
三浦 励一
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2001-03-23

新制・論文博士
著者
岸 茂樹
出版者
日本生態学会暫定事務局
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.61-64, 2015 (Released:2015-07-06)

アレンの法則とは、恒温動物の種内および近縁種間において高緯度ほど体の突出部が小さくなる傾向をいう。アレンは北アメリカのノウサギ属を例にこの仮説を提唱した。しかしこの例を含めてアレンの法則は検証例が少ない。そこで本研究ではアレンの法則が書かれた原典からノウサギ属Lepusのデータを抜き出しアレンの法則がみられるか検証した。その結果、相対耳長と緯度には有意な相関はみられなかった。相対後脚長、および体長と緯度には正の相関がみられた。したがって、アレンが記録した北アメリカのノウサギ属にはアレンの法則はみられず、むしろベルクマンの法則がみられることがわかった。相対耳長と緯度に負の相関がみられなかった主な原因は、低緯度地域にも耳の短い種が生息することである。耳の長さには緯度以外にも生活様式や生息場所が大きく影響するためと考えられる。
著者
草野 みゆき 春原 則子 渡辺 基 百崎 良 安保 雅博
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.601-608, 2012-12-31 (Released:2014-01-06)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

慢性期失語症患者に対し短期間の集中的な言語訓練を実施し, その手法および効果について検討した。訓練は毎日40分×2回, 10日間個別に実施した。内容は 1) テーマを指定したスピーチ, 2) 症例ごとに設定した機能訓練, 3) PACE であった。また, 病棟スタッフとのコミュニケーション課題も設定した。介入前後に, SLTA, SLTA-ST (呼称) , Token Test, 失語症構文検査および日常生活上のコミュニケーション活動の状態に関する家族へのアンケート調査を行った。介入後, SLTA「聴く」以外で有意な改善を認め, 3 ヵ月後の評価でも6 項目中5 項目で成績は維持または改善がみられた。慢性期の失語症患者に対しても, その時点の言語機能の評価に基づいた集中的な介入を行うことによって, 言語機能や日常コミュニケーション能力に改善が得られることが示唆された。
著者
内島 幸江 栗原 泰子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.95-100, 1977-04-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
15

電子レンジ加熱食品の貯蔵によるでんぷんの老化を検討する目的で米およびさつまいもを加熱後, 6℃ あるいは -20℃ に保存 (解凍は 30℃ ± 2℃) し, α 化度, X 線回折の測定, 官能テストなどを行い, 他の加熱方法と比較した.1) 電子レンジ加熱食品は加熱後水分が蒸散しやすく放置することにより硬くなった.2) 米飯, 団子, さつまいものいずれも貯蔵によってα化度は減少し, 冷蔵に比べ冷凍貯蔵は減少率が小さかった.また電子レンジ加熱の場合は, いずれの食品も従来の加熱方法に比較して α 化度が貯蔵により低下した.3) X 線回折法では, 米飯は冷蔵 4 日では電子レンジ加熱の場合が電気釜加熱よりも回折強度が強かったが, 14 日冷蔵では両者に差がなかった.また冷凍飯の場合はいずれの加熱方法でも結晶構造の復元はみられなかった.さつまいもでは, 冷凍 1 ヵ月で電子レンジ加熱の場合に結晶構造が認められた.4) 官能テストの結果, 総合評価では電子レンジ加熱の解凍飯は, 未保存飯, 24 時間室温放置の冷飯, 電気釜加熱の解凍飯の中でもっとも劣っていた.さつまいもでは天火加熱の評価がいちじるしく高いが, 解凍いもは加熱方法による差がなかった.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1946年04月01日, 1946-04-01