著者
台湾総督府中央研究所 編
出版者
台湾総督府中央研究所
巻号頁・発行日
vol.第199号 紅酒の製造に關する研究(第一報), 1939
著者
三宅 順 西田 裕介
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.315-321, 2011 (Released:2011-06-07)
参考文献数
36
被引用文献数
1 1

筋収縮において,ATP再合成の促進が筋疲労と血流動態に反映する.骨格筋代謝の効率を向上させるためには,活動様式の理解と,強度,頻度の検討が必要である.しかし,先行研究において,血流動態を改善するための要素は種々考えられているが,収縮強度,頻度に関して統一見解は得られていない.そこで,本稿では,下腿三頭筋におけるリン酸化効率について,末梢血流動態と筋疲労の観点から文献検討を行った.これにより,cross-bridge回転速度とリン酸化能力の関係から,ATP再合成に効果的な筋収縮方法の解明の一助となると考えた.さらに,理学療法への応用として,運動処方で効果的な筋収縮方法とその有効性について考察した.

3 0 0 0 OA 書評

出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.111-113, 2015-06-30 (Released:2015-07-04)
著者
細谷 圭助 森 真弓
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.231-233, 1986-06-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

食パン, 菓子パンおよび洋菓子を中心とし, その他, 牛乳, チーズ, 味噌および醤油中のプロピオン酸塩またはプロピオン酸を定量した。まず定量方法について検討した結果, 水蒸気蒸留量は250mlのとき, ガスクロマトグラフィによる回収率は平均99.26%であった。食パン中のプロピオン酸含有量は, 0.0025~0.0045g/kg, 菓子パンでは0.0042~0.0485g/kg, 洋菓子では0.0021~0.6525g/kgであった。製造会社によっても含有量が異なり, 菓子パンではA社製のものは他社製に比べ約10倍多かった。季節によっても含有量は異なりパン類および洋菓子において, 冬期に少なく, 夏期に多かった。パン以外の日常食品として, 牛乳ではプロピオン酸含有量は0.0005~0.0009g/kgであり, チーズでは0.0154~0.0261g/kgと多く, 味噌では0.0020~0.0050g/kg, 醤油では0.0027~0.0060g/kgであった。
著者
矢後 勝也
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.48-58, 2018-03-05 (Released:2019-10-08)
参考文献数
18

これまで日本昆虫学会が保全生物学・自然保護に果たしてきた成果・役割について概説した.その内容は以下の通りである:1)英文誌「Entomological Science」には,2016年までに保全生物学やこれに関連する論文・短報が約60本掲載されており,しかも年々増加傾向にあった.特に学会賞が授与されたInoue(2003)やKitahara and Fujii(2005)による研究では,保全生物学分野の重要性が高く評価されている.和文誌「昆蟲(ニューシリーズ)」でも保全生物学関連の論文・報文等が40本程度掲載されている他,年次大会でも毎年多くの発表が行われるなど,本学会は保全生物学・自然保護に関する研究発信の場を長く提供してきた.2)1966年の自然保護委員会の創設以来,本学会は自然保護に深く関わってきた.年次大会での本委員会主催の自然保護シンポジウム・小集会の開催の他,環境省レッドリストやレッドデータブックに寄与し,侵略的外来種への対応でも強く発言してきた.優先保全地域を提示した「昆虫類の多様性保護のための重要地域」シリーズの発行は本委員会最大の功績として挙げられる.また,様々な環境問題に対して国・地方自治体等に要望書を提出してきたことも注目すべきである.3)与那国島でのヨナグニマルバネクワガタや希少な水生昆虫の保全,ゴイシツバメシジミやツシマウラボシシジミのような希少チョウ類の保全など,本学会や他学会からの要望書により実際に進められた絶滅危惧昆虫の実践的な保全活動とその後の成果等も紹介した.その一方で,日本昆虫学会が保全生物学・自然保護に資するべき今後の役割や展望として,研究を主体とした科学的データの提供だけでなく,希少昆虫の回復,保全活動の推進,環境教育の普及などの社会貢献にも供することが必要であることを述べた.具体的には下記の通り:1)希少昆虫の絶滅を招く様々な環境問題に対して,これまで以上に速やかに対処し,科学的知見から得られたデータに基づいて該当機関に要望書を提出したり,学会ホームページや学会機関誌に要望書の内容を公開発信することが重要となる.2)生物多様性条約等の世界情勢も鑑みて,国内希少野生動植物種の昆虫の指定数および指定割合も増える可能性が高く,学会等の意見・対策が一層要求される.3)環境省「種の保存法」の一部改定で「特定第二種国内希少野生動植物種」制度の導入が決定されたが,この制度を機能させていくためには,本学会発行の「昆虫類の多様性保護のための重要地域」シリーズを含む科学的な基礎情報の提供や実践的な保全活動への寄与が必須となる.4)今後の希少昆虫保全のあり方を考える上で,本学会への社会的要請がより強く求められることが予想される他,侵略的外来種等にも迅速に対応するネットワークの構築が急務であり,他の専門機関と連動した新たな体制が不可欠となるだろう.
著者
山田 康弘
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.112, no.11, pp.1790-1811, 2003

In this study, article, the author investigates the meaning that commands issued by the Ashikaga Shoguns had for the daimyo during the Warring States period from two perspectives: the relationship between them out of "utilization and restriction", and the mutual relationship of confrontation among daimyo focusing primarily on those of Western Japan as well as the nature of the effect that trends in such commands had on the behavior. In other words, (1) even during this period, daimyo required a stable relationship with the Shogun due to various circumstances such as the need to obtain legitimacy and to keep hostile forces in check and there was a tendency for them to take advantage of the shogun. (2) While they took advantage of this relationship with the Shogun, however, daimyo were also subjected to various restrictions such as the need to honor the commands of the Shogun (or, the need to honor the wishes of third parties through such commands). This made the commands of the Shogun an important tool in diplomatic relations with daimyo as confrontations between them broadened in scale and increased in complexity during the period. (3) In addition, Daimyo in the Kinki area (Kinai) gained the ability to control these commands by cooperating in the existence of the Shogun and, thereby, promoted collaboration with various other daimyo through the commands, which had become an important tool in the diplomatic relations between daimyo or secured opportunities for them to exercise influence over other daimyo. Various factors such as (1)? (3) above acted to further draw many more daimyo to the side of the Shogun, even after the advent of the Warring States, becoming a factor in the maintenance of a certain degree of influence by the Shogun over the daimyo. This influence of the Shogun on the Daimyo was extremely useful for the daimyo in their diplomatic strategies and was an authority unique to the Shogun on a dimension completely different from the control of the daimyo over their territories. It was therefore not easy for the daimyo to acquire such authority. However, by backing the Shogun, Oda Nobunaga succeeded in gaining the influence 'that the Shogun had over the daimyo and, while gradually exercising that influence, he moved ahead with the task of unifying the nation.
著者
三宅 昭夫 岡 良和 万木 庄次郎
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.1500-1504, 1975-07-25 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
1 6

Photochemical reactions of tetraazanaphthalene derivatives, I, II, and III, with alcohols and cyclic ethers in the presence of photosensitizer resulted in selective addition at the 3, 4 C=N bond to give substituted-3, 4-dihydro derivatives. Potential diuretic activity was shown by many of the obtained compounds.
著者
加藤 元一郎 注意·意欲評価法作製小委員会
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.310-319, 2006 (Released:2007-10-05)
参考文献数
12
被引用文献数
13 23

日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会) Brain Function Test 委員会—注意·意欲評価法作製小委員会は,標準注意検査法 (CAT : Clinical Assessment for Attention) と標準意欲評価法 (CAS : Clinical Assessment for Spontaneity) の開発をほぼ終了した。この 2 つの検査は,脳損傷例に認められる注意の障害や意欲·自発性の低下を臨床的かつ定量的に検出·評価することを目的としている。この報告では,CAT と CAS の概要を示し,信頼性の検討,健常例データの集積と加齢変化の検討,脳損傷例データの解析,カットオフ値設定などの標準化のプロセス,および CAT と CAS のプロフィール用紙などを簡単に紹介した。
著者
斎藤 正也 井元 清哉 山口 類 宮野 悟 樋口 知之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第63回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.51, 2014 (Released:2015-02-24)

インフルエンザに対する効果的な介入や注意喚起を行うためには、数理モデルを活用した流行予測が欠かせない。感染伝播ダイナミクスを考慮した日本全国の流行モデルを構成する場合、都市間相互の影響を取り入れるのは自然と考えられるが、定点動向調査結果に見られる複数地域での同期した感染者急増はそのことを支持している。そこで、本研究では都市間相互の影響を考慮したモデルの候補として、確率的に要素(地域)間の結合を取り入れた、連結SIRモデルを候補モデルとし、47都道府県での週毎の定点当感染者数を同化することで連結の強さを決めるパラメータを推定する。パラメータ推定にはMCMCを用い、各パラメータ設定での尤度評価を軽量に保つために、カルマンフィルタを適用可能にする近似を行った。また、地域毎の感染者数時系列は、連結強度の推定に十分な情報を持たないと考えられるため、地域間の人の移動件数の統計である都道府県間流動表を推定の事前分布の設計に用いた。
著者
澤 由貴 周本 剛大 横山 岳生 三井 一鬼 兼島 孝
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.15-19, 2020 (Released:2020-03-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1

掻痒性皮膚炎をシクロスポリンA(CyA)で治療していた,去勢オス,8歳のスコティッシュフォールドが慢性の消化器症状を主訴に来院した。A/G比の低下,抗猫コロナウイルス(FCoV)抗体価の上昇を認めたため,免疫力低下からのFCoV持続感染を疑いCyAを休薬した。その後,掻痒の管理が困難になったためにオクラシチニブを使用したところ,消化器症状は改善して抗FCoV抗体価も低下した。しかし1年半後に腎臓に腫瘤を認めリンパ腫と診断したため使用を休止した。オクラシチニブは猫の掻痒性皮膚炎に効果を示すが,高用量投与時の免疫抑制には注意すべきだと考えられる。
著者
栗山 和広 吉田 甫
出版者
宮崎女子短期大学
雑誌
宮崎女子短期大学紀要 = Bulletin of Miyazaki Women's Junior College (ISSN:02898748)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.57-69, 1991-03

This developmental study examined acquisition process of the concept of fractions and relationships of the concept. A total of 161 children have been administrated six tests over 3 years. Two principle incorrect strategies were found concerning the magnitude of fractions. The first was Rule A, in which children ordered the fractions with a larger numerator as a smaller magnitude in problems with the S-D type. Another was Rule B, in which children ordered the fractions with larger denominators as a greater magnitude in the D-S type. Change processes of these strategies suggested four process of acquiring the concept of fractions. In addition, it was shown that the process of the acquisition of the magnitude of fractions was different from acqusition process of other sub-concepts in fractions. These results were discussed in terms of the process of the integration of the concept of fractions to knowledge of the decimal number system.
著者
大伴 潔 宮田 Susanne 白井 恭弘
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.197-209, 2015 (Released:2017-09-20)
参考文献数
39
被引用文献数
1

日本語を母語とする子どもにおいて動詞の多様な形が生産的に使われるようになる過程や順序性の有無については,ほとんど明らかになっていない。本研究は,子どもの発話を縦断的に分析することにより,動詞語尾レパートリーの獲得の順序性の有無を明らかにするとともに,母親が使用する動詞の表現形との関連性について検討することを目的とした。研究1では,4名の男児の自発話の縦断的データに基づき,1歳から3歳までの期間の動詞語尾レパートリーを分析したところ,動詞語尾形態素の獲得に順序性が存在することが認められた。順序性を規定する要因として,養育者からの言語的入力,形態素が表す意味的複雑さ,形態素の形態論的・統語論的な複雑さが考えられた。研究2では,3組の母子を対象に母親の動詞語尾形態素を分析し,子どもの形態素獲得の順序性と母親からの言語的入力との関連について検討した。その結果,子どもの形態素獲得順序が母親の形態素使用頻度およびタイプ数と相関するだけでなく,母親同士の間でも形態素使用頻度・タイプ数について有意な相関が認められた。この知見は,母親の発話が文脈に沿った形態素使用のモデル提示となっていることを示すとともに,自由遊び場面での話者の観点や発話の語用論的機能に関する一定の傾向があり,意味内容と発話機能に関するこのような傾向が子どもの形態素獲得の過程に反映する可能性が示唆された。

3 0 0 0 OA アクリル絵具

著者
荒木 豊
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.11, pp.544-549, 2002-11-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
11
著者
樫村 志郎
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.148-159, 1996-06-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

会話分析は, 会話者自身が会話をする中で, 作り出し, 利用する, 秩序性を判別し, 定式化しようとする, 経験的分析である。そのような「自然な」秩序性には, ターンとその内部的構造化, 後続するターンによる先行するターンの解釈提示, 複合的で延長されたターンの維持管理, 順番のローカルな配分, 「問」と「答え」のような隣接発話対に代表される順番連鎖の制御構造, 制度的に特徴あるそれらのバリエーションが含まれる。本稿では, これらの会話現象の構造ないし形式的特性と会話分析の方法論的基準との間の関連が論じられる。つぎに, あるエスノグラフィックな調査研究の現場における会話が分析され, それらの会話現象が現に存在する会話の形式的構造を作り上げていることが例証される。最後に, それらの会話が, 通常の会話であると同じ仕方の中で, 同時に, エスノグラフィックな調査インタビューとしての制度的特質を示していることが示唆されることを示す。