著者
高屋 むつ子 後藤 美代子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.54-59, 1987-03-20
被引用文献数
1

胡瓜漬の亞硝酸塩、硝酸塩の消長並びに、市販漬物中の亞硝酸塩、硝酸塩、pH、ニトロソアミンについて検討を試みた。1) 胡瓜漬の亞硝酸塩、硝酸塩の消長を知るためにホウロウ容器を用い、5%食塩水に胡瓜を漬け込み、25℃に保存し、経日的に胡瓜漬と漬汁の亞硝酸塩、硝酸塩を定量した。その結果、漬け初期で多量の亞硝酸塩が生成された。2) 次に市販漬物について検討したところ、市販漬物中には硝酸塩、亞硝酸塩が多く、なかでも葉菜類が最も高く、次いで根菜類、果菜類の順であった。亞硝酸塩が浅漬に多く、酒粕漬、味噌漬、醤油漬、酢漬では僅かであった。亞硝酸塩生成量とpHとの関わりは大でpH6.8〜5.0の漬物から亞硝酸塩は多量に検出され、pH5.0以下の漬物では僅かであった。3) 漬物に含まれるニトロソアミンはNDMAが殆どで、NDEA、NDPA、NDBAは検出されなかった。なかでもNDMAは大根と白菜の漬物に多く含まれ、亞硝酸塩の多い野沢菜漬、せいさい菜漬、高菜漬からは殆ど検出されなかった。なお、本研究の一部は第39回日本家政学会年次大会で発表したものである。

3 0 0 0 OA 警視類聚規則

出版者
警視局
巻号頁・発行日
vol.[第1冊]乾, 1879
著者
福富護編
出版者
朝倉書店
巻号頁・発行日
2006
著者
高倉 かほる 朝野 武美 石川 光男
出版者
国際基督教大学
雑誌
核融合特別研究
巻号頁・発行日
1988

トリチウム水による照射によって核酸の主鎖切断、形質転換能の不活性化が生ずるが、この時に、ある線量率の領域では、照射線量率が低くなる程、照射効果が増大するという現象が見られている。これは一般にKada効果とよばれているが、この現象がトリチウム水による照射に独特なものではなく、ガンマ線照射によってもおこることが、我々研究班によって明らかになった。本年度は、このKada効果の原因が、溶存酸素に由来するものではないかという観点から、Kada効果における酸素効果を調べた所興味深い結果を得た。照射はCo-60ガンマ線によるものであるが、アルゴンバブリングにより空気を除去した溶液中での照射では線量率依存性が見られず、空気飽和中での照射では、線量率依存性が見られた。この事は、Kada効果が溶液中の酸素と関連した活性ラジカルによるものであることを強く示唆した。トリチウム水の照射による核酸の塩基損傷については、次の様な研究を試みた。トリチウム水により汚染された核酸がどの程度のトリチウムの取り込みを行い、トリチウムは塩基特異的に取り込まれるのかどうかという観点から実験計画を練った。照射試料は液体クロマトグラフィーにより分離後、UV検出器とシンチレーションカウンターによって分析し、その結果、液クロパターンの特別な領域にトリチウムによる放射能のピークを認めた。今後さらに解析を進めて行く予定である。トリチウム標識核酸のβ壊変に関する化学的研究においては、今回はトリチウム(メチル位)標識チミンについて、その分解を調べた。その結果、3H標識チミンはβ壊変を起こすと、ほぼ100%の割合で分解をおこし、主生成物は壊変をおこした^3H位がOH基にかわった5-ヒドロキシメチルウラシルで、1壊変あたり60%生成していることが分かった。
著者
島岡 政基
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.1016-1021, 2019-09-15

まだ査読付き論文を通したことがない,あるいはなかなか査読の通し方がわからない,という著者を対象に,査読で求められるポイントとして,論文の構成と査読の採録基準を中心に解説する.また,執筆・投稿時の注意点として論文にまつわる不正と倫理についても説明する.
著者
田中 まさ子
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集. 人文・自然科学篇 = Journal of Nagoya Gakuin University (ISSN:03850056)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.13-32, 2017-01

保育とは,養護と教育の一体的な作用であるとされる。では,この考え方はどのように形成されてきたのか,これを明らかにするのが本研究の目的である。この目的のため,戦後の保育所形成期に着目し,当時の文献から論考した。論考の結果,保育所形成期において児童福祉法,保育要領,児童福祉施設設置基準及びその解説書等を通して,保育が保護と教育の一体的作用であるという認識が浸透していったことが分かった。それはまた,戦前から保育所に対して要望があった「教育的保護」の実現に向かう過程であった。その一方で,この時期に「養護」の語は,児童福祉法において特定の施設の機能を表す語として規定され,学校保健に由来する養護とは別の語概念が生じたことが分かった。
著者
西野 辰哉 大森 数馬
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.79, no.699, pp.1109-1118, 2014-05-30 (Released:2014-07-15)
参考文献数
28
被引用文献数
5 12

The purpose of this study is to discuss the validity of junior high school districts as the basis for setting official senior care service areas. The results of a survey of one hundred and seventy-five (175) senior people show that the actual living spheres of elderly people match, on average, two or three elementary school districts and that local organizations take responsibility in these elementary school districts. Therefore, it can be argued that junior high school districts are meaningful as the standard for official care service area settings, because they are group units of a few elementary school districts.
著者
谷 由美子 山本 命子 深谷 幸子 青木 みか タニ ヤマモト フカヤ アオキ Y. TANI N. YAMAMOTO S. FUKAYA M. AOKI
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
巻号頁・発行日
vol.24, pp.93-102, 1978-03-15

"1.リノール酸またはコーンオイル添食による脂肪酸の生体内における挙動 リノール酸5g摂取によって血清のリノール酸は低下しアラキドン酸が4倍以上に増加した.しかしコーンオイル60g摂取によって,血清脂肪酸組成はアラキドン酸がやや減少しステアリン酸とオレイン酸は増加した.この相違については今後検討するつもりである.皮膚分泌物の脂肪酸組成は,リノール酸またはコーンオイル添食によっていずれもほとんど変動なく,パルミテン酸が30~40%をしめ次にステアリン酸,アラキドン酸が多く,いずれの場合も血清には不飽和脂肪酸が多く皮膚分泌物は大部分飽和脂肪酸よりなっていた.即ち血清成分がそのまま皮膚に浸透して分泌されるのではなく,汗腺,皮脂腺などで選択されて分泌されると考えられる.尿中脂肪酸組成はオレイン酸,ステアリン酸,パルミチン酸が多く,バルミトレイン酸は個体差が大きかった.必須脂肪酸は血清に比べて少く,コーンオイル摂取によって血清中の必須脂肪酸はほとんど変動しなかったが,尿中多価不飽和脂肪酸は増加した.2.リノール酸またはコーンオイル添食による血清脂質成分の変動 CHはいずれの場合も減少し,特にコーンオイル添食で著しく,従来血中のCHを低下させる因子の1つとして高度不飽和脂肪酸を含む植物油がよいとされている事実を裏付けた.CHを約48%含むβ-LPも同様に食後減少がみられた.TGは食後3時問に有意に増加した.これらの現象はリノール酸5g摂取よりもコーンオイル60g摂取の場合の方がその影響は顕著であった."
著者
市野 隆雄 栗谷 さと子 楠目 晴花 平尾 章 長野 祐介
出版者
国際環境研究協会
雑誌
地球環境 (ISSN:1342226X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.71-78, 2014

温暖化によって,高山植物は将来的に消失の危機にさらされるだろうといわれている。一方,高山植物だけでなく,その下方に位置する山岳植物も「高地型」と「低地型」に分化し,それぞれが独自の遺伝的固有性をもつ「保全すべき単位」である可能性がある。そこで筆者らは,高地型と低地型の間で遺伝的分化があるか,また高地型と低地型の生殖隔離に関与する花形質が生態的に分化しているかどうかについて,3種の草本植物を対象に検討した。本稿では,これらの個別研究の成果をまとめて紹介する。サラシナショウマは,遺伝的にも生態的にも標高間で3 つの送粉型に分化していることが明らかになった。ヤマホタルブクロおよびウツボグサでは,標高が上がるにつれて花サイズがおおむね小型化していたが,この小型化は標高そのものに影響されたものではなく,分布する送粉マルハナバチ類のサイズに適応した生態的分化の結果であることがわかった。これらの結果から,温暖化にあたって保全すべきなのは,これまでひとくくりにされていた山岳植物「種」とは限らず,より細かく分化した「生態型」である可能性が示唆された。
著者
吉田 晃浩 関谷 正徳 内藤 通孝
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.305-310, 2014-05-25 (Released:2014-07-10)
参考文献数
13
被引用文献数
2

癌胎児性抗原(Carcinoembryonic antigen,CEA)は各種悪性腫瘍の診断および治療後の経過観察において重要な指標であり,臨床において測定される最も一般的且つ,汎用されている腫瘍マーカーである.今回我々は,乳癌の術後経過観察で腫瘍の再発が認められないにも関わらず,血清CEA値が夏季において一過性に5~10 ng/ml以上の高値を示した症例を経験し,その原因について検討を行った.その結果,血清CEA値と週間平均気温,ALT,赤血球数,ヘマトクリット値との間に有意な負相関が認められた.また,週間平均気温が25℃を超えて急激に変化した場合においても,同様に血清CEA値が増加傾向を示すことが明らかとなった.以上より,血清CEA値が夏季,一過性に高値を示した原因として,気温上昇に伴う週間平均気温の上昇が,肝臓等の臓器機能に影響するとともに,CEAの産生・分泌,およびその後の代謝に影響を及ぼした可能性が示唆された.
著者
Toshiyuki OCHIAI Mitsuru SUGANUMA Yūichi NAKAMURA Akiko SAKAKI Masafumi NAKAGAWA
出版者
Psychologia Society
雑誌
PSYCHOLOGIA (ISSN:00332852)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.16-27, 2017 (Released:2018-05-03)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

Using a full-head-scale 48ch near-infrared spectroscopy (NIRS) machine (a system used to visualize brain function), we evaluated brain imaging reactions with regard to four items that are often discussed in the context of direct mail marketing services, namely the difference between paper and electronic media, the difference between a one-time and multiple presentations, the presence or absence of a byname, and the relative number of products being presented.For the presentation of a small number of items with names that were posted repeatedly using paper media, signal intensity was found to be heightened in the prefrontal cortex.Findings obtained using neuromarketing methods indicate that these methods offer indispensable tools for the development of products and services that engage reward systems, or in other words, engage consumer desire.