3 0 0 0 OA 吉田松陰

著者
渡辺霞亭 (碧瑠璃園) 著
出版者
梁江堂
巻号頁・発行日
vol.前, 1910
著者
小幡 良次 小幡 由佳子 白石 義人
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.97-101, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
10

症例は51歳の男性.特発性脳脊髄液減少症の保存的治療中に,意識障害が出現した.頭部MRIで硬膜下血腫が認められ,脳槽シンチグラフィーで腰部からの脳脊髄液漏出が確認できた.意識障害が進行したため,全身麻酔で穿頭血腫ドレナージを行った直後に,自己血16 mlと造影剤4 mlの混合液(合計20 ml)で腰部硬膜外自家血パッチを行った.手術後,意識障害は改善し,頭痛もなくなった.手術直後の頭部CTでくも膜下出血に類似したhigh-density areaが認められたが,post-operative day(POD)1には消失した.POD 8まで保存的治療を継続し,POD 20に退院し,以後再発は起こっていない.進行する意識障害のある硬膜下血腫合併の特発性脳脊髄液減少症に対して,硬膜下血腫除去術先行の硬膜外自家血パッチの同時手術は有効であった.しかし,全身麻酔下の自家血パッチは危険を伴うため,覚醒後に症状と広がりを確認しながら行う必要があった.
著者
荒木 茂 山越 言 王 柳蘭 原 正一郎 村上 勇介 柳澤 雅之 北村 由美 舟川 晋也 水野 啓 梅川 通久 竹川 大介 有川 正俊 池谷 和信 竹川 大介
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

諸科学が提示するグローバルな認識、イメジと、地域研究で集積されるミクロな情報とのギャップを埋め、両者を統一的に理解してく道筋の一つとして、可変的なスケールをもつ『仮想地球空間』を想定し、地域情報をインタラクティブに集積していくツールの開発と、データ集積を行なった。地域研究が提示する地域のメッセージを、地点情報、主題図の形で地球上に貼り付けていくことによって、地球を多様な世界観からなる地域のモザイクとして描き出し、グローバルな認識と接合させる道が開かれた。
著者
山内 眞義 平川 淳一 木村 和夫 中島 尚登 中原 正雄 中山 一 北原 敏久 大畑 充 片山 辰郎 高原 仁 藤沢 洌 亀田 治男
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.643-648, 1989-06-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
15

雌と雄ラットに慢性アルコール投与を行い,アルコール性肝障害の発症と伸展に及ぼす性差の影響を検討した.雌アルコール群で最も肝ハイドロオキシプロリンの増加を認め,雌のほうが雄に比べてアルコール性肝障害になりやすいことを実験的に明らかにした.雌アルコール群では,雌コントロール群に対して,アルコール脱水素酵素(ADH),アルデヒド脱水素酵素(ALDH)活性及びエタノール除去率はいずれも低下するのに対して,雄アルコール群では雄コントロール群に対してADH,ALDHは高活性を示し,エタノール除去率も速やかとなった.以上より女性のアルコール性肝障害に対する高感受性の原因として,男女間の常習飲酒に対するアルコール代謝の変動の差異が一因と考えられた.
著者
加古 大貴 前田 貴彦
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.75-81, 2013-07-20

本研究は、小児看護において入院中の患児と付添い者をケアする上で、男性看護師が認識する困難を明らかにすることを目的に、小児病棟に勤務する男性看護師6名に半構成的面接を実施し、質的帰納的に分析した。分析の結果、困難として【思春期の女児への羞恥心を意識したケアの実施】【思春期の女児との良好な関係づくり】【男性が苦手な患児のケア】【授乳や母親の入浴場面に遭遇した際の対処】【母親が抱く思いへの共感】【女性看護師とケアを交代する際の調整】の6つが見出された。また、これらの中には成人看護と共通する困難も含まれていた。しかし、〔授乳場面に遭遇した際の対処〕や〔男性が苦手な患児のバイタルサイン測定〕といった小児看護特有の困難もみられた。そして、これらの困難を軽減するためには、基礎教育や現任教育の充実とともに男性・女性看護師が協同していく必要性が示唆された。
著者
小島 道裕
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.180, pp.107-128, 2014-02-28

洛中洛外図屏風歴博甲本は、現存最古の洛中洛外図屏風として知られているが、制作された目的や、発注者については明らかでなく、作者についても定説を見ない状況が続いていた。これに対して筆者は、描かれた事物の分析によって、室町幕府の実権を握る細川高国が、将軍足利義晴のために御所を自邸の付近に造り、家督を嫡子稙国に譲ったことを契機として、絵師狩野元信に発注した、という仮説を立てた。しかし、発表後に、これに対する批判も出されたため、今回の共同研究での成果も踏まえて、それらについて検討を行なった。描かれた将軍御所が何であるかは、年代や制作目的の鍵となる問題だが、筆者が想定したとおり、細川高国が造った「柳の御所」であることが、文献史料の再検討から確定し、発注者は、細川高国ないしその周辺であることが明らかとなった。作者については、土佐派とする説は積極的な根拠がなく、狩野松栄とする説も時代的に無理があって、画風からも歴史的背景からも、美術史のこれまでの通説通り、狩野元信周辺に求めるのがやはり妥当である。筆者の説を否定する立場の黒田日出男氏は、この間いくつかの論考を発表しているが、結果的には筆者の説とほとんど変わらないものとなっており、異なる部分については黒田氏の方が誤っていることを指摘した。筆者の解釈や記述にも誤りや不十分な点があったが、本共同研究をはじめとするこの間の研究の進展で、総体的には学界としての定説に近づいていると言える。
著者
安藤 文彦 中山 美穂 島本 洋
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.40, pp.71-76, 1999-06-24
被引用文献数
2

映像信号を単位画素内で8bitのデジタル信号に変換し、標準TV方式で読み出すことができるデジタルイメージセンサを試作した°各画素はホトダイオード、1bit A/Dコンバータ、8bitパルスカウンタ、信号処理回路を備えており、2次元リアルタイムの映像が得られた。1bit A/Dコンバータは、動作電圧1.3Vで110dBのダイナミックレンジを持っていること、信号処理回路が正常に動作し二一特性が付加されていること等が確認できた。さらにランダムノイズについて究明した結果についても述べる。
著者
Daniel C. Fickle Danny W. Scott Jeanine Peters-Kennedy Hollis N. Erb
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.97-103, 2016 (Released:2016-07-09)
参考文献数
9
被引用文献数
1

今回の研究目的は,犬の酵母による皮膚炎における毛嚢脂腺の異形成の病理組織学的所見,出現率そして関連性についてである。670頭の犬の非腫瘍性皮膚症および28頭の健常犬からのHE染色した皮膚生検試料について,光学顕微鏡学的に行った回顧的な研究である。犬の酵母による皮膚炎,正常皮膚,非酵母性皮膚症における毛嚢脂腺の異形成の発生率および存在量を比較するために,カイ二乗および順位和検定を行った。犬の酵母による皮膚炎における毛嚢脂腺の異形成は,98頭中76頭(78%;95%の信頼水準で,68~85%の信頼区間)で,非酵母性皮膚症では14頭中572頭(2.4%;95%の信頼水準で,1.4~4.2%の信頼区間)であった。毛嚢脂腺の異形成は,正常犬では認められなかった(95%の信頼水準で,0~15%の信頼区間)であった。毛嚢脂腺の異形成の発生率(存在する/しない)は,非酵母性皮膚症および正常犬に比べて,酵母による皮膚炎において顕著に有意差が認められた(カイ二乗検定=424.49;自由度2;p<0.0001)。またこれらの群における毛嚢脂腺の異形成の病変単位の%は,非酵母性皮膚症(一頭当たりの病変単位,最少3%;平均30%;最大100%)に比べて,酵母による皮膚炎(最少12%;平均75%;最大100%)において顕著に多かった。毛嚢脂腺の異形成の発生率は,非酵母性皮膚症および正常犬において有意な差は存在しなかった(p≥0.05)。犬の皮膚生検試料の毛嚢脂腺の異形成の存在についてのこれらの所見は,酵母性皮膚症が顕著に関連し,そして組織学的診断になると考えられた。
著者
斧出 節子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.46-46, 2001-08-20 (Released:2009-09-03)

本書は, 社会保障改革においては少子・高齢化が進行するなかで家族と世帯の変容はますます重要な視点になりつつあるとの認識から, 家族・世帯の変容と社会保障政策の関係を事実に基づいて把握しようとしたものである。そのために, 平成元年から平成7年までにわたる「国民生活基礎調査」の個票から, 個有名詞などの情報を削除したミクロデータを再集計し, 解析を試みている。本書は15章と付録から構成されており, 第1章は本書の目的と研究経緯・概要について述べられている。第2章では社会保障を考えるうえでの基礎となる家計の国際比較がなされ, 第3章~第6章においては, 全世帯を対象に家族と世帯の変容を, 世帯構造・家族のライフサイクル・所得・健康状態を視点に分析が行われている。そして, 第7章~第14章においては, ライフサイクルのなかでも所得保障や医療・介護政策の影響が最も現れやすい高齢者個人と高齢者世帯を対象に, その実態と社会保障の機能に関する分析が行われている。第15章では各章の成果から社会保障政策へのインプリケーションが示され, 付録には「国民生活基礎調査」の平成元年から平成7年までの調査票を再集計して構成した疑似パネルデータの内容が紹介されている。一般に公表されている国レベルの調査結果は, 日本全体の概況を捉えるには有益であるが, 一方で, データにはどのような生活のリアリティが潜んでいるのだろうかという歯がゆい思いを抱かせる。その意味で本書は, 経済学的・統計学的な深い専門知識を読者に要求するものの, 大量データから緻密な生活状況を描写してくれる稀有な著書である。高齢者世帯に関連した知見をいくつか紹介してみると, 高齢者が子夫婦と, また, 子夫婦が親との同居を高める要因については, 低所得や要介護という要因が認められている。「子との同居は低所得, 要介護といったリスクに対して高齢者の生活を保障するための家族の役割は依然機能して」おり, 近年の同居率の低下から生活保障政策の重要性が今後ますます高まると指摘されている (第8章) 。また, 高齢者の経済的地位について言及したものでは, 疑似最低生活基準 (PA基準) を用いることで, 高齢者のなかでもとくに65歳以上の女性単独世帯で経済的地位の低いことが明らかにされている (第10章) 。さらに高齢在宅要介護者の発生が家計に与える影響を分析したものでは, 「要介護度の上昇は直接の介護支出を増加させるのではなく, 介護者の機会費用の上昇という形で家計を圧迫する」とし, 介護保険の現金給付問題に関する重要な論点を投じている (第13章) 。「『家族』はそもそも家族成員・個人の『生活保障』をどの程度担えるのか」という問いが, 家族社会学においても大きなテーマとして扱われてきた。生活保障は「お金」と「家事・サービス」という2本柱から成るが, 「お金」の問題とともに誰がどの程度「家事・サービス」を担うのかというもう一方の問題も含めて, 本書が提供している知見を検討し, どのような社会保障政策が望まれるかをさらに議論していくことが必要であろう。
著者
大竹 昌巳
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.148, pp.81-102, 2015 (Released:2016-05-17)
参考文献数
45

契丹語はモンゴル諸語と親縁関係を有する死滅した言語で,11–12世紀の契丹小字文献によってその姿を知ることができる。本稿は,契丹小字文献における母音の長さの書き分けについて,同源語の比較やテキストにおける分布特徴の分析,接尾辞の異形態や綴字交替の分析等を通じて以下の点を示す。(1)V, CVのように開音節型の字素の母音は長母音を表記している。(2)VCのように閉音節型の字素の母音は基本的に短母音を表すが,長母音ē+子音を表す一連の字素も存在する(Vは母音,Cは半母音を含む子音を表す)。また,比較言語学的観点からは,(3)契丹語の長母音には現代モンゴル語の(母音間の子音の脱落による母音縮合の結果生じた)二次的長母音に対応するものに加えて,(4)モンゴル祖語やテュルク祖語にかつて存在した一次的長母音と対応すると考えられるものが存在する可能性についても論じる*。
著者
吉田 孝次郎
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.9, pp.69-103, 1993-09-30

祇園会の山鉾に使用する工芸品は、質、量、品種に於いて世界の至宝といっても過言でないものを現在も使用しているが、特に懸装染織品は、近世染色美術史を痛感し得る内容をそなえ、中国大陸文化圏をはじめ、印度、中近東、大航海時代以降の欧州の染織品を数多く有している。