著者
北野 宏明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.26-37, 1992-01-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
3
著者
岩瀬 峰代 奥本 素子
出版者
島根大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、アートを用いた科学コミュニケーションはこれまで科学に興味がなかった潜在的関心層への伝達ツールとして注目を集めている。しかし、その効果やツールとしてのアートの特性を分析が十分になされていない。本研究では科学者とアーティストが協働して作成した2作品を用いてアートの印象効果と伝達効果を分析した。その結果、アート作品が人々に目新しさを認識させる傾向があること、アートによる大胆な翻訳表現であっても、市民に理解しやすい表現であれば伝達効果が期待できることが明らかになった。アートは高度な概念の表現だとされているが、本事例によって科学的概念の表現にも適している可能性が示された。
著者
大澤 博隆
出版者
筑波大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 社会技術研究開発事業
巻号頁・発行日
2018

本プロジェクトでは、科学技術とその社会への受容過程を物語の形で描いてきたサイエンスフィクション(SF)が、人工知能技術の発展にもたらした影響を調査する。我々はまず人工知能技術に対する期待と不安を含む人々の想像力の歴史について、過去の文献をサーベイし、作家・クリエイター・編集者や、理学・工学・人文学研究者等の関係者を交え、AIとSFと社会の関係を整理・可視化する。そして、それらの関係者の力を合わせ、今後、人工知能・自律的知能技術が社会実装される過程の未来の在り方を、新たなデザインフィクションとして例示する。調査と創作の双方を通して、現在だからこそ起こり得る可能性・問題点を踏まえた未来社会の設計論を提示し、人類の新しい技術と社会の開拓に貢献したい。
著者
川上 ちひろ 西城 卓也 恒川 幸司 今福 輪太郎 中村 和彦
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.337-346, 2019-08-25 (Released:2020-03-20)
参考文献数
57

障害者差別解消法により, 医療者養成機関においても発達障害およびその特性がある学生への合理的配慮の提供が求められている. 合理的配慮とは, できる権利を保障するための配慮であり, 教育機関には提供の義務がある. 本稿では, 医療者養成機関における発達障害およびその特性がある学生の「入学」, 「在学中」, 「就職」の面から合理的配慮の考え方と, 具体的な支援について概説した. 発達障害およびその特性がある学生の支援においては, 明確な基準の提示, 教職員同士の連携・協働, さらに特性のある学生との関わり方の基本の理解が必要である.
著者
三枝 武夫
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.329-331, 2001-05-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
19
被引用文献数
1
著者
上田 繁 西村 国俊 金谷 保彦
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.44, no.523, pp.874-879, 1978-07-05 (Released:2009-06-30)

上記各部の検討結果をもとに, 総合評価試験の結果, 表2に示すごとく世界最高水準の性能を確認した.さらに作図能率評価のため, 図形パターンを定めて, 一般市販機と作図時間の比較を行い図16の結果を得た.装置性能の中で作図速度 (X, Y軸速度) は直線図形の作図時間短縮に, また加速度は曲線, 文字, 破線等の短い線分から成る図形の作図時間短縮に, ペン応答時間は文字, 破線の作図時間短縮に寄与するため, 円, 文字, 直線パターンを選んで比較を行ったものである.この結果は, 市販のフラット形, ドラム形等いずれの機種よりも作図時間が短いことが確認でき作図能率向上が達成された.今後の課題としては, 高速化に十分追従する筆記具の開発, 、作図データの処理時間の一層の短縮および高加速時の2軸相対運動の同期制御の向上等があげられる.
著者
竹元 雅也
出版者
日本応用心理学会
雑誌
応用心理学研究 (ISSN:03874605)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.117-125, 2021-11-30 (Released:2022-02-28)
参考文献数
36

Support for university students not attending classes or shutting-in themselves has become an important issue for universities. In this study, a questionnaire survey was conducted to 384 students to obtain knowledge on such support. The study includes affinity for shutting-in, influence from self-acceptance, acceptance of others and social trust, and also "fear of intimacy" which assumed to be a specific interpersonal relationship with the affinity. In multiple regression analysis, "self-acceptance" and "social trust" indicated significant influence on "affinity for shutting-in" for men and women. "Intimacy avoidance," a sub-factor of "fear of intimacy," was indicated likewise in "self-acceptance" for men and "self-acceptance," "acceptance of others" and "social trust" for women. "Relationship dysregulation" significantly influenced "self-acceptance" and "acceptance of others" for men and women. Different factors influenced "affinity for shutting-in" as well as "intimacy avoidance" and "relationship dysregulation," sub-factors of "fear of intimacy" which is considered to be a characteristics of interpersonal relationships thereof. To provide support in practice, it is considered necessary to identify where the difficulty lies before considering how to get involved.
著者
勝亦 志織
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.39-48, 2016-05-10 (Released:2021-05-31)

本論は『大和物語』における「歌語り」の記録の方法について考察したものである。各章段の採録には取捨選択がなされ、すでに広く流布していた話題は「記録しない」という方法があることを指摘した。そのうえで、歌物語(『大和物語』)・勅撰和歌集(『後撰和歌集』)・私家集(物語的私家集)という記録方法は違えど歌物語化した世界の総合的な再検討を促すものである。
著者
梅田 昭子 天児 和暢
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
日本医真菌学会雑誌 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.147-150, 1998-07-30 (Released:2009-12-18)
参考文献数
6
被引用文献数
2 3

The fine structure of the cell walls of Gram-positive and -negative bacteria were determined by electron microscopy with the new technique of freeze substitution method, and analysed the cell wall structure of Staphylococcus aureus in detail. The surface of Staphylococcal cell wall was covered with a fuzzy coat consisting of fine fibers or electron-dence mass. This coat was completely removed after extraction of teichoic acid from the cell wall with trichloroacetic acid treatment, but was not affected by sodium dodecyl sulfate or trypsin treatment. It was suggested that many amount of teichoic acid was located on the surface of the cell wall and less inside the cell wall. The capsule of strain Smith diffuse was assumed to play the role as the barrier protected from the penetration of antibody against teichoic acid.
著者
平岡 拓 村木 美貴
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.29, no.72, pp.1017-1022, 2023-06-20 (Released:2023-06-20)
参考文献数
36
被引用文献数
1

Decarbonization became one of the important issues for tackling global warming in Japan. Both housing and transport sectors should reduce energy consumptions particularly in existing residential areas cooperation between them. However, national policies only indicate sector-specific initiatives, and it is not clear how to develop coordinated measures in both sectors. This study examines the environmental performance of each sector and the effectiveness of the project by introducing environmental measures using EV, energy conservation and renewable energy, to decarbonize in existing residential areas. As a result, introduction of coordinated measures is effective in terms of environmental and business feasibility.
著者
金菱 清
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.137-148, 2018 (Released:2019-05-11)
参考文献数
9

ライティング・ヒストリーは、調査者の介在を必要としながらもその関与を無効にし、当事者のなかで抑圧されていた無意識に対して、当事者が自らの手で意味のある「歴史」として刻むことができる新たな実践です。現場の当事者は、こんなことを話すべきではない、書くべきではないという形で感情を抑圧している場合があります。いわゆる沈黙状態です。それを二人称で亡き人に対して「手紙」という形で書き記してもらいます。予め書かれたものがあってそれを分析するといった書かれた(written)文章資料主義ではなく、書こうとする(writing)意思に重点を置きます。ライティング・ヒストリーは、自分でわけのわからないぐちゃぐちゃしていた感情を自分のなかで咀嚼しながらなんとかそれを理解可能なものへと導いてくれます。そのことで、これまで歴史のなかで沈黙を強いられてきた問題が何であるのかを明らかにする試みです。
著者
萩田 紀博
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策研究 (ISSN:24336254)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.61-74, 2022-12-22 (Released:2022-12-28)
参考文献数
19

2050年までに身体・脳・空間・時間の制約から解放された社会を実現するムーンショット目標1の研究開発が進められている。少子高齢化による労働生産性を向上するためや、災害などに強靭な生産性の維持、非効率ではあるが、安全・安心でゆとりのある生活が可能な未来社会を実現するために、実空間と仮想空間の両方をうまく使いこなすことができるサイバネティック・アバター(CA)と呼ぶアバターやロボットを研究開発する。仮想空間のCGアバターだけではなく、実空間のロボットやアバターのCAを遠隔操作することよって、人が身体的・認知・知覚能力を拡張・強化する。現在、一人の遠隔操作者が1体のロボットやアバターを動かすことが主流であるが、ムーンショット目標1では、遠隔操作者一人で複数体のCAを動かすことや、複数人の遠隔操作者で1体のCAを動かすことに着目する。このCAによる人間の能力拡張や強化が社会に受け入れられれば、誰もが社会活動に参画できるようになり、多様性を尊重するインクルーシブな社会の実現と経済の活性化に貢献できる。そのために、能力拡張・強化によって生まれる新たな格差を解消する技術課題や倫理、法制度などに関する制度課題も解決していく必要がある。複数体のCAを遠隔操作するためのコア技術の開発だけでなく、それが生体に及ぼす影響などの利用者の立場に立った研究開発も重要になる。セキュリティ対策では、CAのなりすまし・乗っ取り・技能模倣などに対処していける安全・安心を確保するための研究開発・制度課題がある。遠隔操作で、ジッタ(信号の時間的ずれや揺らぎ)や通信遅延・不通が起きた場合でも信頼性を確保するための研究開発・制度課題もある。メタバースの動向を見ても、一人1体のアバターを操作することが主流であるが、仮想空間に対して、まだ合意されたメタバースの定義はなく、現実的には、ヘッドマウントディスプレイを被る場合のメリットとデメリット(不快感や酔いなど)との妥協点が明確になっていないために、標準化の方向性が決まっていない。CAの開発でも、社会的、政治的、組織的な要因を考慮して、国際的な社会合意システムを形成し、多くの潜在利用者に事前に体験して制度的課題を解決していく「場」の形成が必要である。このような点を踏まえて、本解説では、ムーンショット目標1で開発中のCAにおける実・仮想空間CA基盤を概説し、将来の仮想空間の役割について議論する。
著者
Michiko YOSHITAKE Takashi KONO Takuya KADOHIRA
出版者
Society of Computer Chemistry, Japan
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.25-35, 2020 (Released:2020-10-27)
参考文献数
18
被引用文献数
1

A program for fully automatic conversion of line plots in scientific papers into numerical data has been developed. By the conversion of image data into numerical data, users can treat so-called 'spectra' such as X-ray photoelectron spectra and optical absorption spectra in their purpose, plotting them in different ways such as inverse of wave number, subtracting them from users' data, and so forth. This article reports details of the program consisting of many parts, with several deep-learning models with different functions, elimination of literal characters, color separation, etc. Most deep-learning models achieve accuracy higher than 95%. The usability is demonstrated with some examples.