著者
諸星 成美 京極 真
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.273-280, 2021-06-15 (Released:2021-06-15)
参考文献数
21

本研究は,身体障害を有する地域在住高齢者の作業的挑戦の特性をクラス分類し,作業参加,抑うつ,人格特性との関連性を検証した.データ収集は,調査用紙を用いて対象者から回答を得た.分析は,記述統計量の算出,潜在クラス分析,多項ロジスティック回帰分析を実施した.結果,作業的挑戦には,肯定的な作業的挑戦,危うい作業的挑戦,否定的な作業的挑戦の3つの特性があることがわかった.そして,肯定的な作業的挑戦に影響を与える因子には,生産的活動やセルフ・ケアへの作業参加,抑うつの身体症状やポジティブ感情,協調性や勤勉性の人格特性があった.本研究により,作業的挑戦への介入のための解釈可能性が広がると考えられる.
著者
福田 有紗 丸山 将史 白木 仁
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.158-163, 2021 (Released:2021-09-09)
参考文献数
26

本研究の目的は,立位撮影機能搭載型 MRIを用いて,足関節外反位荷重時に足部・足関節において生じる骨挙動について明らかにすることである.対象は,健常成人男性 13名とした.対象者の右足部を,平面板, 10 deg傾斜板, 20 deg傾斜板の 3条件にて,立位撮影機能搭載型 MRI(G-scan brio 0.25T(E-saote社))を使用して撮像した.得られた MRI画像から,後足部アライメント,距骨・舟状骨の最下点の高さおよび内側点を測定した.本研究の結果,傾斜板における足関節外反位での立位荷重時には,後足部の外反,距骨および舟状骨の内側方向への移動が生じる一方で,傾斜角度の増大により,後足部の外反および距骨,舟状骨の内側方向への移動は制限されることが明らかとなった.
著者
水田 孝信 八木 勲
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2N5GS1001, 2023 (Released:2023-07-10)

証券取引所は市場価格の急変動をおさえるため,現在の価格から大きく離れた価格の注文を出せないようにする値幅制限や,価格が急変動した際にある一定時間注文を受け付けないサーキットブレイカーを導入する場合があるが,どちらがより価格の急変動をおさえるかは多くの議論がある.本研究では人工市場を用いて値幅制限とサーキットブレイカーの効果の比較を行った.その結果,両者は制限幅や時間スケールといったパラメータを同じにすれば,同じ程度に急変動をおさえる効果があることが分かった.しかし,投資家が注文をキャンセルする時間スケールより値幅制限が短いパラメータを持つ場合,制限価格に付近に注文がたまってしまい,その注文が急変を緩和する方向への価格変動を妨げてしまい,サーキットブレイカーよりも価格急変動をおさえる効果は劣ってしまうことも分かった.今回の結果だけを見れば,値幅制限よりもサーキットブレイカーの方が優れているように見える.しかし今回の結果は,誤発注による下落であり,かつ,いずれの規制も個別銘柄に導入された場合のみを分析しているなど,非常に限定的な状況下のことしか示していないことに注意が必要である.
著者
関 キン 水田 孝信 八木 勲
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4T2GS1004, 2023 (Released:2023-07-10)

ETF(Exchange Traded Funds, 上場投資信託) は,多くの株式や債券などに分散投資した投資信託(ファンド)で,証券取引所で売買できるため多くの投資家に広く普及した.ETF は組み入れている原資産をすべて集めたものと交換ができるので,ETF と組み入れ原資産に価格差があるときに,安いほうを買い,高いほうを売って価格差を利益とする取引(裁定取引)が行われている.しかし,このような裁定取引がETF市場や原資産市場の流動性に与える影響についてこれまで詳細に議論されてこなかった.本研究では,2つの原資産とそれら合計と同じ価値のある1つの ETF の3つの市場からなる人工市場を構築し,原資産と ETF の間で裁定取引が実施されるときとそうでないときで流動性にどのような違いがあるのかを,代表的な流動性指標 (Volume,Tightness,Resiliency,Depth)を利用して検証した.
著者
坪井 志朗 三村 泰広 嶋田 喜昭 菅野 甲明
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.A_342-A_348, 2023-02-01 (Released:2023-02-24)
参考文献数
9

近年、自転車が身近で有用な移動手段として重要な役割を担っている。また、自転車が安全に走行するためには、自転車と自動車、自転車同士、自転車と歩行者との錯綜機会を少なくすることが重要である。本研究では、愛知県内において自転車通行空間を整備している区間を対象に、事故件数の変化やその要因分析から自転車関連事故への影響について検討した。その結果、自転車通行空間整備前後1年間の短期的な自転車関連事故件数の変化の面では即効的な整備効果は確認できなかったこと、車道混在や自転車専用通行帯を整備することで自転車関連事故が減少するものの、車道混在整備では自転車が第一当事者となる事故が、自転車専用通行帯整備では自転車が第二当事者かつ単路での事故や出合頭の事故が増加する恐れがあることが示唆された。
著者
Masaaki Yamada Michikazu Sekine Takashi Tatsuse
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20210365, (Released:2021-11-06)
参考文献数
40
被引用文献数
6

Background: Pathological gaming (PG) has emerged as one of the major public health concerns worldwide. We aimed to assess PG and its associated factors among elementary school children in Japan.Methods: We conducted a school-based observational study in Toyama, Japan in 2018. Totally, 13,413 children in the 4th-6th grades (mean age, 10.5 years) participated in the study. We distributed questionnaires and inquired about their lifestyle, irritability, and school and family environments. Referring to criteria of gaming disorder in the International Statistical Classification of Disease (ICD-11), we asked about three core symptoms: impaired control over gaming, increasing priority given to gaming over other activities, and continuation of gaming despite the negative consequences. Children who had all three criteria in the questionnaire were defined as PG.Results: The response rate was 97.6% and 11,826 children were included in our analyses (88.2%). The prevalence of PG was 5.6% (7.8% in boys, 3.2% in girls). Besides sex, PG was significantly associated with lifestyles including skipping breakfast (odds ratio, OR=1.33; 95% confidence interval, CI: 1.05-1.68), physical inactivity (OR=2.23; 95% CI: 1.63-3.05 for rare), late bed time (OR=2.52; 95% CI: 1.96-3.25 for ≥11 p.m), frequent irritability (OR=1.89; 95% CI: 1.47-2.43), frequent feeling of school avoidance (OR=1.92; 95% CI: 1.49-2.46), fewer close friends (OR=1.30; 95% CI: 1.08-1.56 for some), low academic performance (OR=1.53; 95% CI: 1.13-2.08), no child-parental interaction (OR=1.34; 95% CI: 1.02-1.75), and no rules at home (OR=1.21; 95% CI: 1.02-1.43).Conclusion: Unhealthy lifestyles, irritability, and low functioning in school and family environments were associated with PG. Besides having a healthy lifestyle, parental involvement appears to be an essential countermeasure for PG in children.
著者
鎌田 倫子 中河 和子 後藤 寛樹
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.155, pp.95-110, 2013 (Released:2017-02-17)
参考文献数
8

エンパワメント評価は評価活動自体をエンパワメント活動と捉え,評価によってプログラムの改善を目指す評価方法である。エンパワメント評価はどのように実践され,組織や当事者にどのような変化がおこるのか,日本語プログラムにおける評価実践から見えてきた点を報告する。大学の理系小規模日本語プログラムでエンパワメント評価を実践し,プログラム当事者のエンパワメントによりプログラムの改善を目指した。評価実践を1期実施した中間点で,プログラム当事者である教員の変化について分析した。エンパワメント評価の導入には,プログラムがエンパワメントされることを希求する「エンパワメント文脈」が必要とされることから,当該プログラムのエンパワメント文脈について検討した。より困難なプログラムに向くとされるエンパワメント評価を,同様の困難を抱える日本語プログラムに適用すればプログラムの改善に繋がることが期待される。
著者
清水 弘明 林田 滋 我妻 永利
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.108, no.12, pp.1203-1208, 1988-12-25 (Released:2011-07-11)
参考文献数
24
被引用文献数
3 3

グアイアズレンスルホン酸ナトリウムsodium 1, 4-dimethyl-7-isopropylazulene-3-sulfonate (I) は抗炎症, 抗アレルギー作用を有することから胃炎, 口内炎等の治療薬として使用されている. しかしながら, Iは熱光に対し不安定であり, 室内で保存すると徐々に退色, 分解してグアイアズレン (II) になることが報告されている (Chart 1).また, IはpH7.5-8.5附近の弱アルカリ性では安定であるが, pH5以下になると急激に分解することが知られている.これらIの水溶液中又は固体状態での分解反応及び安定化については種々の報告があるが, いずれも温湿度条件下による検討が主であり, 光照射条件下におけるIの分解反応や安定化についての詳細な報告は見あたらない.そこで著者らは, Iの光分解反応及びその安定化法を検討し, 錯体形成の観点から考察を加えた.
著者
長田 礎
出版者
東北大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2022-08-31

2019年のニッケル酸化物超伝導の発見は、高温超伝導機構の解明に向け、新しい道筋を与えた。しかし、ニッケル酸化物で起きる超伝導は、これまで正孔ドープした化合物に限られており、電子ドープ型化合物の合成報告はまだない。これは、母物質において、ニッケルがすでに Ni1+という異常低原子価状態をとっており、直接的にAサイトを4+イオンで部分置換することが困難であることに起因する。本研究では、酸化物ヘテロ構造による界面電荷移動を利用して、ニッケル酸化物の電子ドープを試みる。
著者
三好 禎之
出版者
日本法政学会
雑誌
法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.201, 2017 (Released:2017-05-19)

Overview After 1956, when Minamata disease was officially acknowledged, interdisciplinary research was developed that included epidemiology, sociology, ethnology, and social welfare. However, longitudinally and cross-sectionally qualitative research into how the lives of Minamata disease victims have been damaged by pollution remains scarce. Furthermore, qualitative research that has explored social stratum movements of Minamata disease victims has thus far yet to be undertaken, and the actual situation is unclear. Against this background, the present study has sought to elucidate social stratum movements of fishery households through an exploratory approach, and investigates how they have overcome having their lives destroyed, and how they have escaped from a state of worsening poverty. The study also examines how legislation and policy have contributed to the lives of Minamata disease victims.
著者
Hajime Mushiake
出版者
Fuji Technology Press Ltd.
雑誌
Journal of Robotics and Mechatronics (ISSN:09153942)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.710-717, 2022-08-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
63
被引用文献数
1

Allostasis is a physiological principle based on a dynamic regulatory system, contrary to homeostasis, in which the goal is to reach a steady state and recover from deviation from a set point in the internal environment. The concept of allostasis has continued to develop with advances in the field of neuroscience. In this short review, the author presents several new findings in neuroscience and extend the concept of allostasis as mutual regulation between cognitive, somatic, and autonomic systems. In this manner, biological systems adapt to external and internal environments by changing themselves.
著者
小川 治子
出版者
お茶の水女子大学日本言語文化学研究会
雑誌
言語文化と日本語教育 (ISSN:09174206)
巻号頁・発行日
no.6, pp.36-46, 1993-12-04

日本語の感謝とわびの「定式表現」には、「ありがとう」「ごめんなさい」のような典型的な表現のほかに「すみません」のように感謝にもわびにも使うことのできる表現がある。本稿では、感謝の「すみません」の使用制約と使用場面の世代差を調査し、さらに「すみません」の機能の分析を試みた。感謝の「すみません」は、使えない場面があるが、若い世代の軽い感謝のことばとして、目上やソトの人に多用される。逆に上の世代では、目下や友達(ウチ)に対して使われる傾向がある。「すみません」は感謝やわびに使われるだけでなく、話の場づくり、話題づくり、さらに会話を円滑にすすめる機能をもっている。
著者
安田 直史 村田 伸
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.109-115, 2012 (Released:2013-04-02)
参考文献数
27
被引用文献数
2 1

本研究は,通所リハビリテーション施設に通所している要介護高齢者を介護する主介護者に対する支援についての指針を得ることをねらいとし,抑うつに影響を及ぼす因子を抽出することを目的とした。対象は,要介護高齢者43名とその主介護者43名とした。主介護者の抑うつ度,要介護度,要介護者の年齢,介護期間,主介護者の年齢,介護負担感,主介護者の睡眠時間,要介護者のADL 能力,要介護者の抑うつ度を調査し,主介護者の抑うつ度との関連を検討した。重回帰分析により,抑うつに影響を及ぼす因子として抽出された項目は,要介護者年齢と主介護者の介護負担感の2項目であり,要介護者の年齢が高いほど,主介護者の介護負担感が高いほどに主介護者の抑うつが高いことが確認された。 今回の知見より,要介護高齢者を介護する主介護者の抑うつを軽減させる為には,加齢によって失われる機能や疼痛などに対するリハビリテーション,主介護者の介護負担感へのサポートの重要性が示された。
著者
水口 仁人 福井 亘 宮本 脩詩 髙林 裕
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究(オンライン論文集) (ISSN:1883261X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.20-23, 2020-06-24 (Released:2020-08-06)
参考文献数
24

Communal roosts of birds formed on the street trees are problems in many cities, but no drastic solution has been found. Therefore, it is considered necessary to clarify the current situation of communal roosts from quantitative investigations and to accumulate knowledge of communal roosts formed on the street trees. The purpose of this study was to investigate the communal roosts on street trees of Kyoto city as an example, and to grasp the current situation. A research site was selected from places where Passer montanus and Spodiopsar cineraceus roosting in Kyoto. The survey was conducted once a week between June 13 and November 4, 2018, recording the number of roosting individuals, the time of roost initiation and completion, and roosting status. As a result, it became clear that a population roost will be formed until October. Furthermore, it was found that the population of P. montanus and S. cineraceus forming the communal roost increased during June. In addition, the initiation and completion times of roosting are close to the changes in sunset time, and it is considered that the sunset time is one of the factors affecting the roosting time. And, it was thought that there could be trees that are favored as roosts.
著者
Toshio KASAMA Yoshinori IWATA Takashi OKUBO Yutaka SAKAGUCHI Mamoru SUGIURA
出版者
The Japanese Pharmacological Society
雑誌
The Japanese Journal of Pharmacology (ISSN:00215198)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.293-300, 1980 (Released:2006-12-19)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

Prolonged administration of insulin leads to the formation of insulin-binding antibodies due to contaminant peptides and the animal source of the insulin. It follows that quantitation and identification of these factors are of significant importance in pharmaceutical insulin preparations. The assay and test procedures stipulated in the current pharmacopoeia of various countries, nevertheless, cannot determine either of these effects. In the present study, the content of impurities in insulin preparations was measured by polyacrylamide gel disc electrophoresis and the animal source of insulin identified by amino acid analysis. Assays of 17 commercial insulin preparations by these techniques revealed diversity in purity and animal sources of insulin. The present results suggest potential usefulness of these assay methods and advisability of their adoption not only by the manufacturers but also by the official pharmacopoeia as well.
著者
黒田 長久
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.111-137, 1967-12-31 (Released:2008-11-10)
参考文献数
9
被引用文献数
8 11

モグリウミツバメ(Pelecanoides)は翼の長い飛翔型のミズナギドリ目のなかで,外形上は小型ウミスズメに極めて似た翼の小さい潜水型に進化した。ウミスズメ(Synthliboramphus)と外部形態,翼型,翼面積など比較すると一般的類似のなかで,やはり飛翔型由来を反映する測定比例がみられる。一方翼で潜水する適応として初列部の自由な回転(プロペラ効果)など平行的適応がある。剥皮した体型では一次的潜水適応型としてのウミスズメと飛翔型由来の二次的潜水適応型のモグリウミツバメの間に一般体格とその各部(a…zのアルファベット測定)の測定比例の差がみられ,とくに胸郭が太く胸部の短かい点はそれが著しく長いウミスズメと非常に異なる違いである(これは両者の採食法への適応を反映する-後述)。骨学的にもモグリウミツバメは腰骨,肋骨,胸骨などにミズナギドリ目中のウミツバメ科や小形ミズナギドリ科の特徴を保有し,一方潜水適応としての翼骨や脚骨の長さの比例はウミスズメと極めて類似している。ただしモグリウミツバメの腰骨はミズナギドリのなかの潜水性のものほど特化(細長く)していない。また,鎖骨の著しい発達(その形はややウミツバメに近い)は独特の特徴で,これは潜水に必要な胸筋量を前方に増大(後方は腹を圧迫しないように短かい)する効果(適応)があり,飛翔能力も低下させないという補償適応である。この状態はウミスズメ目でもコウミスズメ,エトピリカなど飛翔性の高いものにも平行してみられる傾向である。胸筋ではモグリウミツバメは大胸筋深部をもち(退化しているが),これは他のミズナギドリ目に共通な滑空飛行への適応を保有していることを示す。前胃に多量の食物を貯えるのもモグリウミツバメにみられるミズナギドリ目の特徴で,常時潜水して少しつつ食物をとるウミスズメ目の細い前胃と異なる(この目でもコウミスズメなど飛翔性の高いもので小さい〓のうをみる)。さらに腸の回転型も,恐らく食習性の違いに適応して異なっている。なお,モグリウミツバメはミズナギドリ目特有の体嗅より強い「カモ嗅」を含む嗅いをもつ。
著者
磯部 大吾郎
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第57回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.105, 2008 (Released:2008-09-01)

2001年9月のテロでNY世界貿易センタービルのツインタワーが完全崩壊するという悲劇が起きた.FEMAおよびNISTがまとめた報告書によると,ジェット燃料によって引き起こされた火災が完全崩壊の主要因であるとしているが,火災が起きていなかったとされる下層部も含めて倒壊してしまった直接的な要因については詳細な考察や検討がなされておらず,未だに多くの疑問が残っているのが現状である.筆者らは,接合部の脆弱性が火災下で建物の構造強度に与える影響,および航空機の衝突時に発生する衝撃力が建物の構造強度に与える影響についてASI-Gauss法を用いた動的崩壊解析手法により多角的に調査を行っている.その中で,いくつか興味深い結果が出たのでここに報告する.