著者
Tetsuhiko Yasuno Koji Takahashi Kazuhiro Tada Hiroto Hiyamuta Maho Watanabe Kenji Ito Hisatomi Arima Kosuke Masutani
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
pp.1602-23, (Released:2023-06-21)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Background The gut bacterial microbiota is altered in patients with chronic kidney disease (CKD). However, the bacterial composition at each stage of CKD is unclear in these patients, including those receiving renal replacement therapy. We herein report the changes in the gut microbiota among patients with CKD. Methods A total of 93 individuals were recruited for the study. Seventy-three patients had stage 3-5 CKD, including those receiving renal replacement therapy (CKD group), and 20 were age- and sex-matched controls (CKD stage 1-2). The gut microbiome composition was analyzed using a 16S ribosomal RNA gene-based sequencing protocol. Results At the genus level, the butyrate-producing bacteria Lachnospira, Blautia, Coprococcus, Anaerostipes, and Roseburia were more abundant in the control group (linear discriminant analysis score of >3) than in the CKD group. Lachnospira was more abundant in the control group than in patients with CKD stage 3a. Compared to the control group, multiplex butyrate-producing bacteria were deficient in patients with CKD stage 3b-5D, including in patients receiving renal replacement therapy. Conclusion Our findings highlight the fact that the gut bacterial composition, including butyrate-producing bacteria, deteriorates from CKD stage 3b. Even after renal replacement therapy, the bacterial composition did not change.
著者
大澤 亮介 佐々木 貴都 丹羽 元樹 姫野 航
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.696-697, 2012-09-01 (Released:2013-09-01)

本研究は,日本農芸化学会2012年度大会(開催地 京都女子大学)での「ジュニア農芸化学会」において発表され,銀賞を表彰された.融点18℃をもつグリセリンが冷蔵庫で凍っていなかった事実との遭遇から,「なぜ?」という疑問をもち,グリセリンの結晶化条件の検討や過冷却状態での安定性について丹念に調べている.
著者
松井 豊
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.355-370, 1990 (Released:2019-07-24)
著者
金光 真理子
出版者
日本音楽学会
雑誌
音楽学 (ISSN:00302597)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.17-33, 2021 (Released:2022-10-15)

本稿は、イタリアの民俗舞踊「タランテッラ」、とくにルカーニア地方の「パストラーレ」を対象とし、パストラーレ特有のリズム感とそれを演奏する/踊る身体技法の関係を明らかにし、音楽と舞踊に共通する身体性を論じた。パストラーレの演奏にはイタリアのバグパイプであるザンポーニャが不可欠であることから、その楽器構造と音楽構造を整理した上で、ザンポーニャ奏者の身体動作と音楽のリズムの関係を考察した。その結果、ザンポーニャ奏者はチャンター管の指孔を「閉じる→開く」動作によってパストラーレの3分割リズム(♩ ♪)を演奏しているが、1)その身体感覚は指孔を「閉じる」一つの動作にあること、2)「閉じる」動作を強く長くすることで、ドローン音の効果が伴われ、強拍すなわち舞踊のビートを強調できること、3)「閉じる」動作のコントロールによって、3分割リズムと2分割リズムのあいだで自由に演奏できることが分かった。さらに、ステップの考察を通して、踊り手は「右足→左足」のステップで3分割リズムを踏んでいるが、1)その身体感覚は重心のかかった「右足」を踏み込む一つの動作にあること、2)「右足」を強く長く踏み込むことで強拍すなわち舞踊のビートを強調していること、3)「右足」を踏み込む長さと重さのコントロールによってステップを3分割リズムから2分割へ変えられることが分かった。結論として、1)これまでタランテッラの3分割リズムと2分割リズムの関係は「曖昧なリズム」と論じられてきたが、むしろ「交換可能で流動的なリズム」と新たに解釈できることを示し、2)ザンポーニャ奏者と踊り手の身体感覚が一致することによって、タランテッラのリズムが音楽と舞踊に分かち持たれていることを指摘した。
著者
西坂 剛 円入 寛子 竹野 哲 大倉 一郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.7, pp.867-873, 1993-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
4

メチレンブルーの光化学治療用光増感剤としての有用性を検討した。その結果,長波長領域の照射光を利用することができ,HeLa細胞に対する殺細胞効果が大きいことがわかった。光照射後の細胞を形態学的に観察すると,照射直後ではあまり変化がみられないが,照射1時間後では,細胞の輪郭を保ったまま核が突出している様子がみられた。メチレンブルーの光化学作用は主としてタイプIIの機構で起こり,その際,一重項酸素をよく生成することがわかった。
著者
鈴木 邦雄
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.133-150, 2012-07-05 (Released:2018-09-21)

A posthumous work Animal Evolution in Changing Environments with Special Reference to Abnormal Metamorphosis (1987) by a great authority on insect morphology, the late Dr. Ryuichi Matsuda (1920-1986), has been re-evaluated recently by many evolutionary biologists especially in the fields of the so-called 'evo-devo' (evolutionary developmental biology: e.g. Hall 1999; West-Eberhard 2003; Hall et al. 2004 eds.) and 'eco-evo-devo' (ecological evolutionary developmental biology: e.g. Gilbert & Epel 2009). Matsuda himself named his fundamental idea of animal evolution 'pan-environmentalism'. Based on a historical survey of Matsuda's works (a total of 92 titles including original articles, reviews, and books compiled by Suzuki 1988b), the background of his 'Pan-environmentalism' was outlined.
著者
佐田 務
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.686-688, 2009 (Released:2019-06-17)
被引用文献数
1

新聞やテレビなどのマスメディアは原子力について,マイナスの側面だけを強調して報道することがある。また原子力に携わる人の間では,そのような報道が,原子力に対する世論醸成に悪い影響を与えるとの懸念が示されることがある。しかしながらマスメディアのそうした姿勢の背景には,原子力がもつ固有の要因や,それを取り巻く社会状況が関わる。さらにそこにはメディア側と,メディアに対する原子力関係者の間の認識のずれの問題もひそむ。ここではラスウェルのモデルなどをもとに,こうした原子力をめぐるマスメディア報道の構造と,それをめぐる状況の一端を分析する。
著者
大熊 るり 植松 海雲 藤島 一郎 向井 愛子
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.180-185, 2002-04-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
18
被引用文献数
5 2

上部消化管造影検査施行中に発生したバリウム誤嚥について調査を行い,誤嚥への対策について検討した.7年半の間に検査を受けた262,888名を対象に,誤嚥発生率の推移や誤嚥が確認された118名のプロフィール等につき調査した.誤嚥者の年齢は30~94(平均65)歳.70歳以上では誤嚥発生率が70歳未満の約10倍となっており,高齢受診者への配慮が必要と思われた.また誤嚥発生率が平成11年度から12年度にかけて上昇しており,これは検査に使用するバリウム製剤の粘性が低下した時期と一致していた.誤嚥対策として,検査前に嚥下障害に関するスクリーニングを行うこと,使用するバリウム製剤の粘性を検討すること等が考えられた.
著者
野崎 園子 神野 進
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.267-271, 2006-04-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
7

嚥下障害を疑われたのち, 通常の透視検査を施行されてバリウムを誤嚥した2例の患者の胸部エックス線写真を追跡した.症例1は84歳男性, 脳幹梗塞があり, 胸部CTで慢性的な誤嚥を疑われた. 胃食道逆流症の検索のため, 胃食道透視検査を受け, バリウムを誤嚥した. 胸部単純レントゲン像を2年にわたり追跡できたが, バリウムは肺の末梢に徐々に拡散していった.症例2は64歳女性, 突然の嚥下困難で発症, 脳梗塞を疑われ, 嚥下障害の検索のため, 近医で胃食道透視検査を受けてバリウムを誤嚥した. その後当院へ受診し, 右前部弁蓋部症候群と診断した. 5ヵ月後の胸部CTにて高信号影の点在を認めた.バリウム誤嚥後の胸部エックス線写真は, 他の呼吸器疾患との鑑別が必要となり, 時に胸部の画像診断を困難にする. また, バリウム誤嚥による重篤な呼吸不全も報告されている.高齢者や神経筋疾患などの基礎疾患を有する患者にバリウムによる造影検査を行う場合は, その適応と誤嚥のリスクを十分考慮すべきである.
著者
宮野 秀市
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.35-43, 2015 (Released:2019-10-01)

本研究の目的は、抑うつ予防を目的とした自助ツールとしてのコンピュータロールプレイングゲームに対する大学生の評価を明らかにすることである。認知行動療法の理論にもとづいて作成された、ワークブック、ウェブサイト、ボードゲーム、コンピュータロールプレイングゲームの四つの自助ツールについての評価を比較検討した。その結果、コンピュータロールプレイングゲームは、他の自助ツールよりも大学生に好まれることがわかった。さらに、各自助ツールに対する自由記述の評価文のテキストマイニングによって、コンピュータロールプレイングゲームは「楽しい」、「面白い」、「やってみたい」などの肯定的な評価をされることがわかった。本研究の結果から、コンピュータロールプレイングゲームの形式で作成された抑うつ予防を目的とした自助ツールは、ユーザーに利用されやすいことが示唆された。
著者
今井 良一
出版者
土地制度史学会(現 政治経済学・経済史学会)
雑誌
土地制度史学 (ISSN:04933567)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-16, 2001-10-20 (Released:2017-12-30)

The purpose of this article is to clarify the logic governing the behavior of farming emigrants by analyzing the realities of their village management and living arrangements. In those days, the political purpose in dispatching the first group of emigrant peasants, called the pilot group of emigrants, was to maintain public security, in order to control Manchuria. In order to achieve this goal, it was essential to make these emigrants settle in villages without employing Chinese labor and thus avoid conflict between them and the local Chinese. The first emigrant group of peasants established cooperative management and communal living (the village being divided into ten communities based on member's prefecture of origin) within three years after their settlement in Manchuria (from 1933 to 1935), shifting to unit-based cooperative management and joint living in 1936 (each unit consisted of four farmers). Soon afterwards, in 1937 they changed to individualized farm management and living. In particular, the unit-based joint management did not rely on employing local labor but used draft animals to supplement family labor.This was considered the most rational management style and the most promising agricultural policy. Contrary to this initial policy, however, local labor was employed in the subsequent year of 1937. This facilitated more extensive agriculture, following an increase in the cultivation area for wheat and other grains for animal consumption. Since there was an abundance of forest resources in the first district settled, the migrants decided to branch out into the forestry industry, which would produce greater revenues with the utilization of draft animals. Because of this, migrant farmers easily mastered individualized management. However, none of the massive revenues obtained through forestry operations were ever used for the improvement of agricultural management. In addition,the emigrant farmers cut down trees so recklessly as to drive forest resources to the verge of exhaustion. It is, therefore, concluded that such operations did not reflect the farmer's interest in the permanence of resources ; rather, it resulted from blatantly plunder-oriented colonialism.
著者
中谷 敏昭 灘本 雅一 三村 寛一 伊藤 稔
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.451-461, 2002-09-10 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
32 46

本研究では,60歳以上の健康な日本人高齢男女の下肢筋力をフィールド場面で簡便に評価できるテストとしてCS-30テストの信頼性と妥当性およびその加齢変化を検討するとともに,性別年齢階級別評価表を作成することを目的とした. 1)CS-30テストの信頼性(再現性)は男性がγ=0.84,女性がγ=0.88と高い相関関係を示した. 2)CS-30テスト成績と膝伸展力との間に男性はγ=0.44,女性はγ=0.52の有意な相関関係が認められた. 3)CS-30テストの成績は加齢にともなって有意に低下する傾向を示した.その成績は男女ともに60-64歳群が最も高値を示し,70歳以降その値は有意に低下した. 4)各年齢群ともに男性の方が女性よりやや高い値を示したが,男女差は認められなかった. 5)5歳毎の各年齢群におけるCS-30テストの成績は,男女ともに正規分布することが認められた.以上のことから,本研究のCS-30テストは健康な日本人高齢者を対象とした下肢筋力をフィールドで簡便に評価するテストとしては有効であると考えられる.
著者
櫻井 義秀
巻号頁・発行日
2008-08

第4回日韓宗教研究フォーラム. 平成19年8月20日~平成19年8月21日. 浅口市