著者
伊藤 盡
出版者
信州大学人文学部
雑誌
人文科学論集. 文化コミュニケーション学科編 (ISSN:13422790)
巻号頁・発行日
no.46, pp.69-83, 2012-03

人文科学論集. 文化コミュニケーション学科編 46: 69-83(2012)
著者
和田 崇
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.94, no.5, pp.364-380, 2021-09-01 (Released:2023-02-19)
参考文献数
32
被引用文献数
3

本稿の目的は,スポーツの地理学および教育の地理学の観点から,高校運動部と地域社会の機能的結びつきの実態を把握し,過疎地域における高校運動部の位置づけを明らかにすることにある.宮崎県の山間部に立地する高千穂高校の剣道部は,保護者や卒業生,町内関係機関や県教育委員会の支援を得て充実した練習環境を確保して競技力の向上を図り,すぐれた競技成績を残してきた.その活躍は町民の誇りとなり,多くの町民が剣道部を同校を代表する部活動として,そして高千穂町を「剣道の町」と認識するにいたっている.剣道部は同校にとって経営資源の1つとなっており,さらに近年は地域経営においても活用すべき地域資源の1つとみなされている.過疎地域の高校運動部は学校の魅力の向上と地域活性化の有効な手段となりうるといえるが,その推進にあたっては,学力・進路保障を中心とする生徒や保護者からの期待に応える教育の実践を前提とする必要がある.
著者
寺本 さゆり 二宮 隆徳 山本 雅史
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.239-248, 2017 (Released:2017-09-30)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

‘シークー’(Citrus sp.)は,奄美群島に位置する喜界島で栽培されているベルガモット香を備える在来カンキツ品種であり,同様のカンキツは奄美群島北部のみに見いだされる.この‘シークー’果皮から抽出できるベルガモット香について,同様の香りを備える‘ベルガモット’(C. bergamia Risso et Piet.)および‘田中ベルガモット’(C. balotina Poit. et Turp.)を対照として香気成分を分析した.その結果,主要香気成分である酢酸リナリル,リナロールおよびリモネンが,すべての供試材料で77%から91%を占め,成分構成が相似であることが判明した.また,‘シークー’には‘ベルガモット’において光感作作用を起こすフロクマリン類がほとんど含有されていなかった.‘シークー’は果実が小さくフラベド部分が薄いことから,水蒸気蒸留法による精油製造に適していることが示唆された.Sequence-related amplified polymorphism(SRAP)分析の結果,‘ベルガモット’と‘シークー’は直接の遺伝的関係はなく,‘シークー’は奄美群島北部で偶発実生として発生した在来カンキツであると推察された.
著者
野田 譲 小林 修
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.54, no.633, pp.467-475, 2006 (Released:2006-11-20)
参考文献数
2

Most airplanes use their ailerons to compensate the lateral displacement deviation from a reference flight-path. This study proposes a method of lateral flight-path control due to the rudder steering under constraint of automatic roll angle hold. This control method is estimated analytically to produce quicker lateral displacement response than the control due to aileron. Then, experiments using a flight simulator are carried out to evaluate the control characteristics on the task of holding the flight path. The pilot’s evaluation results show that, the rudder steering method gives better flying qualities than aileron steering method. Furthermore, as the more practical control measures, the mixture type of method is worked out, which is transferred from aileron steering to rudder steering depending on the lateral displacement deviation from a reference flight-path.
著者
長谷川 成一
出版者
吉川弘文館
雑誌
日本歴史 (ISSN:03869164)
巻号頁・発行日
no.417, pp.42-60, 1983-02-01
著者
米山 京子 池田 順子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.507-515, 2002 (Released:2015-12-07)
参考文献数
22
被引用文献数
1

目的 妊娠,授乳により低下した骨密度の回復について再妊娠,再授乳の場合も含めて縦断的観察により検討する。方法 妊娠初期に骨密度を測定した妊婦の中から第 1 子または第 2 子を出産した健康な産褥婦28人を対象として,超音波法による骨密度測定を出産後最長 5 年まで半年に 1 回の頻度で追跡し離乳後の骨密度の変化を授乳期間別,再妊娠の有無別に調べた。stiffness を骨密度指標とした。結果 1. 骨密度は授乳期間が 0-1 か月(G1 群)では変化なしまたは出産後0.5-1 年,2-6 か月(G2 群)では出産後0.5-1.5年,8-12か月(G3 群)では 1 人以外出産後 1-4 年で妊娠初期値まで完全に回復した。平均的には G1-G3 群順に出産後0.5年,1 年,1.5年でそれぞれ妊娠初期値と有意差はみられなくなった。 2. 離乳後 1 年以上後に再出産した場合,再出産時の骨密度は前回出産時とほぼ同じあるいはそれ以上であり,再授乳後には妊娠初期値よりさらに高くなる場合もみられた。 3. 離乳後 1 年以内に再出産した場合,再出産時の骨密度は前回出産時まで回復せず,再授乳後にも授乳開始時までの回復はみられなかった。結論 妊娠,授乳により低下した骨密度は授乳期間に応じて出産後0.5-4 年で妊娠初期値まで回復する。再妊娠,再授乳による骨密度回復への影響は,授乳期間ではなく離乳後次回出産までの間隔であることが示唆された。
著者
光岡 知足
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-10, 2002 (Released:2010-06-28)
参考文献数
35
被引用文献数
1

世紀の後半, 腸内フローラの研究が急速に進展し, 腸内フローラの検索・培養法と腸内嫌気性菌の菌種の分類・同定法が確立されて, 多くの微生物生態学的知見が集積し, 腸内フローラの宿主の健康や疾病における役割が明らかにされた.このように, 腸内フローラのうちBifidobacteriumのような有用菌を優勢にし, Clostridiumのような有害菌を劣勢にコントロールすることがきわめて重要である.このような腸内フローラの研究の進展が基礎となって, 機能性食品が登場した.機能性食品はその作用機構に基づいて, “Probioticsプロバイオティクス”, “Prebioticsプレバイオティクス”, “Biogenicsバイオジェニックス” に分けられる.プレバイオティクスは, 結腸内の有用菌の増殖を促進し, あるいは, 有害菌の増殖を抑制することによって宿主の健康に有利に作用する難消化性食品成分で, ラクツロース, スタキオース, ラフィノース, フラクトオリゴ糖, 大豆オリゴ糖, 乳果オリゴ糖, ガラクトオリゴ糖, イソマルトオリゴ糖, キシロオリゴ糖, パラチノースなどの難消化性オリゴ糖がこれに含まれる.多くのオリゴ糖は, 試験管内でBifidobacterium (B.bifidumを除く) により, また, Bacteroides fragilis groupやEnterococcusによってある程度発酵されるが, C.perfringensやEscherichia coliによっては発酵されない.オリゴ糖の摂取は, 腸内Bifidobacteriumフローラの増殖を促進し, その結果, 宿主の便性改善と腸内環境の浄化に働き, それによって宿主の脂質代謝も改善する.

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著者
金井 崇
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.323-327, 2018-04-05 (Released:2018-04-05)
参考文献数
13
被引用文献数
1
著者
吉本 幸司
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.491-498, 2019 (Released:2019-08-25)
参考文献数
52
被引用文献数
1 1

側脳室に発生する腫瘍としては, 中枢性神経細胞腫, 上衣腫, 上衣下腫, 脈絡叢乳頭腫, 上衣下巨細胞性星細胞腫, 髄膜腫, コロイド囊胞などの囊胞性疾患などがある. 第三脳室腫瘍としては, 胚細胞腫, 毛様性星細胞腫, 頭蓋咽頭腫, 脊索腫様膠腫, 松果体腫瘍などが代表的疾患である. これらの腫瘍に対する治療は, 腫瘍の組織型に応じた治療戦略が必要であり, 代表的な疾患に対して, 手術適応, 治療戦略, 問題点について, 最近の文献を踏まえて解説した.
著者
Tsuyoshi Shimizu Makoto Sakamoto Hideki Kamitani Masamichi Kurosaki
出版者
The Japanese Society for Neuroendovascular Therapy
雑誌
Journal of Neuroendovascular Therapy (ISSN:18824072)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.68-72, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Objective: Marfan’s syndrome (MFS) is a systemic connective tissue disorder with autosomal dominant inheritance. Cardiovascular complications of MFS such as aortic root or valve disease and aortic aneurysm or dissection are potential cause of access route problems of mechanical thrombectomy (MT) for acute ischemic stroke (AIS). Here, we report a case of a patient with MFS who underwent MT for AIS.Case Presentation: A 58-year-old woman with MFS presented with a sudden onset of consciousness disturbance and right hemiparesis, and was referred to our hospital. After the infusion of tissue plasminogen activator, CTA showed a type III arch in the aortic arch and severe tortuosity of the thoracoabdominal aorta; thus, angiography was performed using the transbrachial approach. Left common carotid angiogram showed complete recanalization of the left middle cerebral artery. On the sixth day, the patient presented a sudden consciousness disturbance and left hemiparesis. MRA showed right internal carotid artery occlusion. MT was performed by the transbrachial approach, and complete recanalization was achieved on the first pass.Conclusion: MT via the transbrachial approach is a treatment option that should be considered, especially in MFS, where the transfemoral approach is difficult due to anatomical problems.
著者
山﨑 永理 砂川 正隆 沼口 佳世 時田 江里香 池谷 洋一 北村 敦子 世良田 紀幸 石川 慎太郎 中西 孝子 久光 正
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.107-113, 2012 (Released:2012-10-24)
参考文献数
30

目的:ポリフェノールの一種であるロズマリン酸は,抗アレルギー作用,抗酸化作用,抗炎症作用などを有することが報告されている.本研究では,アレルギー性鼻炎 (AR) に対するロズマリン酸の有効性について検討した. 方法:TDI 誘発による AR モデルラットを作製し,ロズマリン酸を投与した.鼻過敏症状の観察ならびに,アレルギー症状の誘発に関与する鼻汁中の Substance P (SP), calcitonin gene-related peptide (CGRP), nerve growth factor (NGF) の濃度を測定した. 結果:ロズマリン酸の投与により鼻過敏症状は有意に抑制された.また鼻汁中 NGF の分泌には影響はなかったが,神経ペプチドである SP, CGRP の分泌は有意に抑制された. 結論:ロズマリン酸が AR に対して有効であり,そこには SP, CGRP の分泌抑制が関与していることが示唆された.
著者
森 誠護 永田 聡典 名頭薗 亮太
出版者
日本スポーツパフォーマンス学会
雑誌
スポーツパフォーマンス研究 (ISSN:21871787)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.60-67, 2022 (Released:2022-04-01)
参考文献数
21

本研究では,バタフライ及び平泳ぎで用いるopen turnに着目し,ターン動作とジャンプパフォーマンスとの関係性について明らかにすることで,競泳選手の効果的なトレーニング方法の基礎資料を得ることを目的とした.本研究は,バタフライ及び平泳ぎを専門とする大学男子競泳選手8名を対象とし,競泳ターン測定はopen turnにて実施した.被験者の泳区間はターン前後10mとし,全力泳にて泳動作及びターン動作を実施した.被験者のターン動作を評価するため,ターン動作時の回転時間,足部接地時間,蹴り出し速度をそれぞれ計測した.ジャンプパフォーマンス測定では,スクワットジャンプ,垂直跳び,立幅跳びを計測した.この結果,ターン測定とジャンプパフォーマンス測定の変数間での関係性において,ターン時の蹴り出し速度とスクワットジャンプにおけるピークパワー(r=0.857,p<0.01)及びピーク速度(r=0.805,p<0.05)との間に有意な相関関係が認められた.以上の結果から,スクワットジャンプのピークパワー及びピーク速度を高めるためのトレーニングはターン局面のパフォーマンス向上に寄与する可能性があることが明らかとなった.
著者
森本 泰夫 保利 一
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.161-163, 2003-09-20 (Released:2007-10-10)
参考文献数
12