著者
愛甲 哲也 留目 未沙子 浅川 昭一郎
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.703-708, 1999-03-30
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

山岳性自然公園では, 利用に伴う様々なインパクトが指摘され, その管理には登山者の認識の理解が不可欠である。本研究では, 大雪山国立公園の登山者を対象に, インパクトに対する登山者の認識, 排泄行為の実態と今後の屎尿処理のあり方に対する態度を調査した。その結果, 屎尿処理に関して不快感と対策の必要性がともに高く認識され, インパクトの認識が高い回答者ほど登山経験が多く, 長期の縦走をしていた。山中での排泄行為と今後の屎尿処理に対する態度は性別や登山形態, インパクトの認識により異なり, 女性または登山経験が多く, インパクトの認識が高い回答者ほどトイレ整備のための経費の負担や屎尿の持ち帰りに同意する傾向がみられた。
著者
田伏 未来 萩原 将文
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.1089-1097, 1999
参考文献数
18

<p>本研究では、人間が実行した操作データを用いることによりスキルを自動学習する手法を提案している。例題として、スキルの必要なゲーム、テトリスを用いている。学習、なかでもスキルの獲得や向上は人間の本質的なものである。機械学習においては、人間の学習過程を調べ計算機によりシミュレーションを行う研究が行われてきた。本研究では、ファジィ推論ニューラルネットワーク(Fuzzy Inference Neural Network:FINN)を用いて、テトリスのスキルをif-then型のルールで獲得し、検討を行うことを目的としている。学習データとして人間が実行したデータを与えることにより、ルールを自動的に生成することも可能となった。さらに学習データを追加することでスキルを向上させていくことが可能となった。また生成されたルールを調べることで獲得したスキルについて検討を行った。計算機シミュレーションにより、学習データの追加によるスキル向上が確認された。また提案システムが獲得したスキルは、生成されたルールにより明示的に表現された。また学習データ提供者の熟練度の違いを検討し、熟練者は初心者に比べ、より先を考慮しながらテトリスを実行していることが示唆された。</p>
著者
武藤 芳照
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.202-206, 2002-09-30

水中運動は,浮力により関節への負担を軽くし,全身の余分な緊張を和らげること,水の抵抗のもとでからだを動かすことで,安全にしかも確実に筋力を強化でき,水圧が胸にかかる状態で努力呼吸を行うために呼吸・循環機能を高められ,水による温熱効果あるいは寒冷効果が得られ,骨・関節・筋肉などの血液の流れを改善し,柔軟性を高めることができる.たとえば肉ばなれ・捻挫・骨折などの運動・スポーツで起きやすい傷害は,水中運動ではほとんど起きる危険性がなく,安全である.温水プールでの水中運動の場合には,スポーツ感覚の明るく軽快な雰囲気の中でからだを動かすことを楽しみ,それが結果的にリハビリテーションの効果につながる.このように水中運動は,優れた利点をいくつも有するために,関節痛の運動療法としてきわめて優れている.水中運動の主要な効果には,次のようなものがある.(1)関節の動きを改善する (2)筋力を高める (3)痛みを軽減する (4)リラクゼーション (5)バランス感覚を磨く さらには,関節痛のために,自然に落ち込むことが少なくない中高年にとって,水中運動は解放感を体験でき,自身の上達・改善の様子を理解しやすく,達成感を味わうことができるために,生きる自身と希望をもたらす効果もある.運動中や運動後に,「疲れた!」と感じたり,関節に痛みを感じたりするようならば,それは「やりすぎ!」とみられる.普段地上では思うようにからだの動きができない分だけ,水中で「こんなに動ける!」といううれしさのあまり,つい時間を長くしたり,回数を多くしたりして家に帰ったらへとへとになってしまう例もある.しかし,こうした運動の仕方ではリハビリテーションの効果も得られないばかりか,かえって関節痛を悪化させたり,他の病気・障害を招くことさえある.また,関節痛の水中運動・水泳に適したからだの動きに留意することは,傷害・事故の予防につながる.
著者
仙田 満
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.322, pp.108-117, 1982-12-30
被引用文献数
13

本研究は, こどもにとってよいあそび環境とは, という問題へのアプローチとして, 大人の中に刻まれた原風景というものに着眼した。そして時がたっても強烈なイメージとして心に焼きついたあそびの風景=<あそびの原風景>の成立条件を探ることは, こどもにとってよいあそび環境の条件を探ることになるという前提に基づいて研究を進めた。方法としては, 10代後半から50代後半の108人を対象とし, 30分ずつの個別インタビューを行い, あそび場とあそびという2つの観点から分析していき, あそび空間との関係について考察した。その結果1)原風景となっているあそび空間は, 自然スペース, オープンスペース, 道スペース, 建築的スペース, アナーキースペース, アジトスペースの順である。そして, 自然, オープン, 道まで合わせると全体の80%を占める。2)自然スペースが原風景として成立するためには, 単に木や草があればよいのではなく, そこに沢山の生物が生きている事, そして泳ぐ事ができる美しい水である事, 大自然ではなく身近な自然-小川と田んぼ-であり, そこには生物がいる事が推測される。3)道が原風景として成立する場合には, 車が少なく, 道巾がヒューマンで, 電信柱とか道祖神とかがあそびのシンボルになったりする。そして家並の間に小さな路地や, すきまのあるような変化にとんで, しかも一街区をひとまわりできる道空間であることが推測される。あるいは坂道になっていて, ソリや自転車でスリルとスピードが味わえる構造もある。4)アナーキースペースの原風景のイメージでは, 原っぱと廃材の山の両方がある場所である。チャンバラや戦争ごっこなどには, こども達の創造性を刺激し, 彼らの舞台となる。5)アジトスペースは, こども達の身近な生活環境の中に馬小屋, 倉, ポンプ小屋, 廃屋-そういう, スケールが小さく, 非生活空間である事が重要である。6)オープンスペースが原風景として成立するには, そこで行われるあそびによって(A)野球のようなボールゲームは2000m^2以上。(B)鬼ごっこ, チャンバラ等が行われるオープンスペースは600m^2〜2000m^2.(C)縄とび, ままごとは50m^2〜600m^2.というような3段階のスケールをもっており, (B), (C)は, まわりに隠れる事のできる大木, 建物, 家がある空間であることが推測される。
著者
柳井 啓司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:18827810)
巻号頁・発行日
vol.48, no.16, pp.1-24, 2007-11-15
被引用文献数
68

「一般物体認識」とは,制約のない実世界シーンの画像に対して計算機がその中に含まれる物体を一般的な名称で認識することで,コンピュータビジョンの究極の研究課題の1つである.人間は数万種類の対象を認識可能であるといわれるが,計算機にとっては,同一クラスに属する対象のアピアランスが大きく変化するために以前はわずか1種類の対象を認識することすら困難であった.ここ数年,新しいモデル表現の提案,機械学習法の進歩,計算機の高速化などにより,急速に研究が進展しており,現在は101種類の対象に対して6割程度の精度で認識が可能となってきている.本論文では,一般物体認識研究のサーベイを手法に加えて,データセット,評価ベンチマークについて行い,さらにその今後について展望する."Generic object recognition" aims at enabling a computer to recognize objects in images with their category names, which is one of the ultimate goals of computer vision research. The categories which are treated with in generic object recognition have broad variability regarding their appearance, which makes the problem very tough. Although human can recognizeten thousands of kinds of objects, it is extremely difficult for a computer to recognize even one kind of objects. For these several years, due to proposal of novel representation of visual models, progress of machine learning methods, and speeding-up of computers, research on generic object recognition has progressed greatly. According to the best result, the 66.23% precision for 101-class generic image recognition has been obtained so far. In this paper, we survey the current state of generic object recognition research in terms of datasets and evaluation benchmarks as well as methods, and discuss its future directions.
著者
工藤 拓 山本 薫 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. NL,自然言語処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.89-96, 2004-05-13
参考文献数
21
被引用文献数
26

本稿では,Conditonal Random Fields(CRF)に基づく日本語形態素解析を提案する.CRFを適用したこれまでの研究の多くは,単語の境界位置が既知の状況を想定していた.しかし,日本語には明示的な単語境界が無く,単語境界同定と品詞同定を同時に行うタスクである日本語形態素解析にCRFを直接適用することは困難である.本稿ではまず,単語境界が存在する問題に対するCRFの適用方法について述べる.さらに,CRFが既存手法(HMM,MEMM)の問題点を自然にかつ有効に解決することを実データを用いた実験と共に示す.CRFは,階層構造を持つ品詞体系や文字種の情報に対して柔軟な素性設計を可能にし,label biasやlength biasを低減する効果を持つ.前者はHMMの欠点であり,後者はMEMMの欠点である.また,2つの正則化手法(L1-CRF/L2-CRF)を適用し,それぞれの性質について論じる.
著者
森山 剛 小沢 慎治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.33-38, 2008-02-08
被引用文献数
1

自分の声で好みの歌唱様式を有した歌声を作るには,歌唱を訓練し,歌唱様式を学び,さらに歌声を発する恥ずかしさを克服しなければならず,非常に困難である.そこで,歌詞を朗読するだけで,その音声と楽譜を入力とし,ユーザの声の話者性を損なわずに,自由な歌唱様式を有した歌唱を合成する手法を提案する.本手法により,楽譜さえあれば,どんな曲でも,いつでもどこでも何度でも,自分の声で歌わせることができ,さらにリズムや旋律を工夫してジャズや演歌といったジャンルを演出したり,他人の歌い方を真似したり,音痴を修正したりできる.楽譜を編集する過程で,歌唱様式をどう実現すれば良いか学習でき,また自分が歌う前に,自分が歌った場合のイメージを掴むこともできる.聴取実験により,朗読音声の話者性や歌詞の音韻性を損なわず,歌唱様式の基本となる演奏記号を合成できることが示された.We propose a method of transforming reading speech of lyrics to singing voice. It is capable of realizing favorite style in the transformation, i.e., a specific genre and an expression. Generating singing voice by one's own voice requires the person to train singing, to learn how to realize singing styles, and to overcome hesitation in singing out. The proposed method only requires the user to read the lyrics. It then allows the user to generate singing voice of any music, anytime, anywhere, and any number of times. The user can edit the music for generating a specific singing style, mimicing other's style of singing, and correcting the problematic portion of his or her singing. The user can also learn how to realize a specific style in singing and hear how it sounds when he or she sings on his or her own. Experimental results demonstrated that the proposed method was able to synthesize a comprehensive set of basic indications such as crescendo in the synthesized singing holding the voice quality of the speaker.
著者
森田 泰弘 井元 隆行 徳留 真一郎 大塚 浩仁
出版者
一般社団法人日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.59, no.695, pp.371-377, 2011-12-05
被引用文献数
1

イプシロンロケットの目的は,小型衛星に対して即応性豊かな打ち上げシステム,すなわち自在性と機動性に富みユーザーフレンドリな輸送手段を構築,宇宙への敷居を下げて宇宙科学や宇宙利用の裾野を拡大することにある.一方,これを輸送系の視点でみると,打ち上げシステムの革新というひと言に尽きる.すなわち,今後のロケット開発にあたっては,射場設備と運用はもとより,製造プロセスから搭載系に至るまで,およそロケットの打ち上げに必要な設備や運用をとことんコンパクトで身軽なものにしていこう,それが未来への扉を開く鍵であるという理念である.イプシロンロケットでは,このような壮大なビジョンを実現する第一歩として,ロケットのインテリジェント化やモバイル管制などの超革新技術を開拓,これを世界に先駆けて実証するために,初号機を2013年度に打ち上げる計画である.
著者
藤部 文昭 坂上 公平 中鉢 幸悦 山下 浩史
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.395-405, 2002-05-31
参考文献数
16
被引用文献数
24

東京23区で夏の高温日の午後に起こる短時間強雨について,その発生に先立つ地上風系の特徴や風系と降水系との対応関係を,7年間のアメダス資料と6年間の東京都大気汚染常時監視測定局の資料および4年間のレーダーエコー資料を使って調べた.解析対象は23区内で日最高気温が30℃以上になり午後に20mm/時以上の降水が観測された場合とした.このような例は7年間に16件あり(台風時の1例を除く),そのうち12件では強雨発生に先立って鹿島灘沿岸から吹く東寄りの風と相模湾沿岸から吹く南寄りの風とが東京付近で収束するパタン(E-S型)になっていた.詳しく見ると,東京付近には10〜20kmスケールの収束域が1つないし複数個あり,その後降水系が発達した場所はこれらのうちのどれかに対応していた.E-S型の風系は,晴天日でも東風が吹きやすい気圧配置のもとでは現れることがあるが,強雨日は晴天日に比べ対流圏下〜中層が湿っていて,K-indexや可降水量が大きい傾向があった.
著者
佐々木 勇介 田野 俊一 橋山 智訓 岩田 満
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.744, pp.7-12, 2004-03-19
被引用文献数
2

近年情報技術の発展に伴い,計算機によってアートやデザイン活動を支援できるようになり,様々なツールを使うことで複雑で綺麗な絵を容易に作成できるようになってきた.しかし,それゆえ逆に人間の創造性や感性を阻害しているという場合も存在する.そこで本研究では,デザイナの創造性,感性を阻害せず,逆に創造性,発想性を高めるデザイン支援システムとして,「発散型思考」と「収束型思考」を活性化させるスケッチ支援システムの構築を目標とした.