著者
並木 美太郎- 長慎也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.123, pp.61-68, 2005-12-10
被引用文献数
3

2004年度から開始された文部科学省の「IT人材育成プロジェクト」において、ITに関する知識・技能を有する高校生のアイデア・スキルを発揮させることで独創性を向上させる「ITスクール」の2005年度の実施例について報告する。昨年度同様、5泊6日の合宿形式で全30名の生徒に、SqueakとSmalltalkを用いてオブジェクト指向の概念を講義・実習し、自由研究で小規模なシステムを作成させた。結果としては、概ね好評、自由研究などでも完成度の高い作品を作成するなど、一定の効果を得ることができた。This paper reports "IT school" that educates advanced IT knowledge and skills to improve originality for high school students. In the school planed as a part of "It Training Project" of the Ministry of Education Culture, Sports, Science and Technology in Japan, the concept of object-oriented was to educate 30 high school students and let them practice using Squeak and Smalltalk in the 6days training camp. Small-scaled systems of freely research were implemented by students with the knowledge they acquired though lecture and practice. As a result, the students could develop abilities of handing advanced IT and be experts of IT in each high school after the school.
著者
鹿島 みづき
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.307-318, 2003-06-01

2002年10月にNIIメタデータデータベース共同構築事業のスタートとともに,日本でもメタデータという言葉を耳にする機会が増えた。しかしその意味が本当に理解され,浸透するまでにはまだ時間かかかるように思える。メタデータと図書館目録が今後どのような形で共存していくのかも図書館の現場では未だ不透明な部分が多い。そのような中,米国議会図書館から新たなメタデータの開発が明らかにされた。MODS, Metadata Object Description Schemaである。本稿ではその開発の中心的な人物Rebecca S. Guenther氏によるMODSの紹介論文に焦点を当てながらMODSとはどのようなメタデータなのか,なぜ開発されたのか等を解明する。その際,日本で多くの図書館プロジェクトが採用するダブリンコアとの比較を中心にメタデータの図書館との関わりを整理したい。MODSが主張する,古くて新しい図書館の概念は今後どのように日本を含む世界の図書館コミュニティに受け止められるのか,興味深いところである。
著者
原田 杏子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.54-64, 2003-03-30
被引用文献数
7

本研究の目的は,一般の人々による日常的な相談・援助場面の会話に注目し,「人はどのように他者の悩みをきくのか」を明らかにすることである。会話データから帰納的な分析を行うため,質的研究法の1つであるグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた。データ収集においては,大学生の同年代・同性ペアによる実験的な相談・援助場面の会話を録音した。データ分析においては,<概念のラベル付け>から<最終的なカテゴリーの選択>へと至る4つの段階を経て,データからカテゴリーを生成した。その結果,他者の悩みをきく際の発言として,【推測・理解・確認】【肯定・受容】【情報探索】【自己及び周辺の開示】【違う視点の提示】【問題解決に向けた発言】という6つのカテゴリーが抽出された。生成されたカテゴリーを先行研究と比較すると,悩みのきき手が自分の体験を開示したり,問題を受容するよう促したりするところに,臨床面接や援助技法とは異なった日常的な相談・援助のあり方が見出された。これらのカテゴリーは,データに基づいた暫定的なものではあるが,今まで研究対象として見過ごされてきた日常的な相談・援助に実態像を与えるものとなった。
著者
早田 輝洋
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.25-33, 1998-04-30

This paper rejects Matsumoto's (1984, 1995) arguments that o_1 and o_2 in Old Japanese (OJ) are allophones of the phoneme /o/. Matsumoto claims that a restricted distribution of the phonetically unmarked o_1, its low frequency, and the anomalous direction of its merger with o_2 should be regarded as denoting their status as allophones, rather than two different phonemes. The phonological distinction of vowel quantity in OJ and pre-OJ, and Short-mid-vowel-raising in pre-OJ (Hattori 1976, 1979a, b) and Vowel-shortening, which shortens the vowel of the first syllable in a disyllabic morpheme containing two long vowels in pre-OJ, can explain all the alleged anomalies and serve to invalidate Matsumoto's arguments.
著者
木下 隆志 正井 佳純
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
no.14, pp.31-39, 2013-03

障害者の雇用の促進等に関する法律の基本理念では,「障害者である労働者が,職業生活において,能力発揮の機会が与えられること」「職業人として自立するよう努めること」の2つの理念が掲げられている。しかし,精神障害者の雇用促進の課題のひとつとして,障害の自己開示・非開示の問題が存在する。非開示就労の多くは,事業所側の障害の無理解による就労の幅が狭まることを懸念してのことであり,就労先事業所との丁寧な支援体制を構築する必要がある。本研究では,精神障害者の就労の課題と現状を明らかにするため実態調査を行い,開示・非開示で就労する違いに着目して,双方の当事者の支援のあり方について考察する。In the basic principles of the law on promoting the employment of disabled persons, two principles are emphasized: (1) Workers who are disabled be given the opportunity to fulfill their potentials in their working life, and (2) Efforts be made for their independence as professionals. However, one of the issues in promoting the employment of mentally disabledpersons is the question of self-disclosure or non-disclosure of the disability. Most cases of non-disclosure at work are due to the concern that the range of work will be narrowed dueto lack of understanding of the disability by the company, and considerate support systems at the workplace need to be established. In this study, we conducted a field survey in order to clarify the issues and current conditions of mentally disabled persons at work, and to consider the state of support for both such workers who are working with disclosure andwith non-disclosure.
著者
植竹 勝治
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理研究会誌 (ISSN:09166505)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.57-63, 1991-09-17
被引用文献数
2

牛と人の電気生理学的反応の類似性に基づき、牛にも人と同じ色覚メカニズムが存在すると仮定し、色覚異常の場合には識別が困難な色パネルの組合せを用いて、2者択一の識別学習手続きにより、ホルスタイン種育成牛の色覚検査を実施した。試験には生後約5ヶ月齢のホルスタイン種育成雌牛4頭を用い、野外に設置した迷路型の識別学習装置の左右にランダムに配置した赤と白の色パネルの赤側を報酬側として選択するよう予備訓練した。予備訓練は1セッション12試行とし、供試牛が赤側の識別を学習するまで続けた。識別学習の成立は、牛が12試行中10試行以上報酬側を選択することを基準に判断した。また、訓練の初期に牛が片側への位置偏好を示したので、位置偏好修正訓練を考案し、実施した。予備訓練の後、色覚異常の場合には識別が困難な赤と青緑(第1異常)、赤紫と緑(第2異常)、青と緑(第3異常)の3組の色パネルを用いて、それぞれ前者を報酬側とする識別学習(本試験)を順に10セッションづつ実施した。試行のやり方ならびに識別学習成立の判断は、予備訓練と同様に行った。さらに、本試験期間中に報酬側の識別が学習されなかった色の組合せについては、それが真に色パネル間の識別困難によるものかどうかを追試験により確認した。追試験では、本試験期における牛毎の学習状況に応じて、試験期間の延長あるいは位置偏好修正訓練の導入を行った。その結果、赤と青緑の組合せでは、本試験期間中に、すべての供試牛赤側の識別学習を成立させた。赤紫と緑の組合せでは、逆に、すべての供試牛が本試験の10セッションでは赤紫側の識別学習を成立できなかったが、しかし、追試験期には、すべての牛が赤紫側の識別学習を成立させることができた。青と緑の組合せでは、1頭の供試牛しか本試験期間中に青側の識別学習を成立することができなかったが、追試験によって他の3頭もすべて青側の識別学習を成立させた。したがって、ホルスタイン種牛が人と同じ色覚メカニズムを有するならば、その色覚は正常な3色型であることが示唆された。 日本家畜管理研究会誌、27(2) : 57-63.1991. 1991年5月24日受理
著者
谷口 将一 紀平 一成 高橋 徹 小西 善彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.53, pp.7-12, 2012-05-17

海洋レーダ等,見通し外領域までの観測を行うため, HF帯以下の周波数を用いる.このとき,波長が長くなるためアンテナ開口径が大きくなり,小型化が必要である.小型化の一つの手法として,スーパーディレクティブアレーの適用が考えられるが,実際は素子間相互結合に起因したアクティブ反射係数による反射損が大きい.本報告では,素子間相互結合を考慮し,反射損を定量的に評価し,信号対雑音電力比(SNR)との関係から,システムとしての成立性の確認を行った.その結果,反射損を考慮したSNRの劣化は小さいことを確認した.また,アンテナ開口径を拡大させずにサイドローブレベルを低減する構成を提案した.以上の検討より, HF帯受信アンテナとしてスーパーディレクティブアレーが適用できる可能性があることを確認したので報告する.
著者
児島 明
出版者
東洋館
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.65-83, 2001

The aim of this paper is to describe the moment when Japanese school culture changes by accepting" newcomer" children, from the point of view of the politics of "borders." The paper is based on observational data obtained in a Japanese class in a particular junior high school. The author focuses on the "border strategies" which a Japanese teacher worked out in order to position herself within the school or classroom, and explores the possibility that they changed the Japanese school. There exist various given "borders" within the Japanese school. Teachers often cope with newcomer children by depending on these given "borders." This can appear in a variety of forms, such as "marginalizing" the special Japanese class and Japanese teacher, "institutionalizing" the relationship with newcomer children, and permitting deviant behavior by newcomer children. All of these contribute toward maintaining the existing school culture. While teachers who teach Japanese in special Japanese classes for foreign children also often use the given "borders" to cope with newcomer children, they find themselves confronted with the contradiction that they themselves are marginalized by these same "borders." This experience can prompt them to reconsider the existing "borders" which they have depended on. The Japanese teacher whose experience is described in this paper positioned herself anew as a "mediator" able to provide a place where different "borders" crossed one another, by becoming aware through the experience of conflict that she did not fit any of the existing "borders" in the school culture. It gave her the chance to try to create a site for overcoming the given "borders" of the school culture within the Japanese class and in her relationship with other teachers.
著者
鎌田 東二
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-12, 2012-03

水の惑星に発生した生物種であるヒトのいとなみの中から「宗教」というヒト独自の信仰・思想と行動・儀礼が生まれてきた.すべての宗教に共通する神話と儀礼は,ヒトがこの世界や宇宙をどのように捉え,位置付け(価値付け)てきたか,その諸パターンを示しているといえる.そうした地球上で発生した宗教は,ヒトが宇宙に出る際にどのような役割や機能を果たすのか,宇宙体験と宇宙生活はヒトの心身や感覚や思想にどのような影響を与えるのか,宗教がさまざまな社会リスクにどのように対処し,その対処法は宇宙生活においてどのようにはたらきうるか,またそこにおいて,宗教はどのように変質するか,宗教が持つ力と可能性は何であるのかなどの問題を考察するのが「宇宙宗教学」(宇宙における宗教の研究)の課題である. 地球上では宗教が原因となった対立や戦争もあるが,同時に,宗教は負の感情や苦難の乗り越えや救済や深い洞察をもたらしてきた.そのような諸宗教の中で,日本の宗教および神道が持つ特色や宇宙生活における可能性について考察する.
著者
川上 正浩 小城 英子 坂田 浩之
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
no.9, pp.15-25, 2010-01

心霊現象や占い,宇宙人・UFO,超能力など,現在の科学ではその存在や効果が立証されないが人々に信じられていることのある現象を総括して"不思議現象"と呼ぶ。本研究では,代表的な不思議現象(血液型による性格診断,宇宙人の存在,超能力の存在,占い,霊の存在,神仏の存在)を取り上げ,それらを信奉する,あるいは信奉しない理由について検討することを目的とした。それぞれの対象について,信奉を「はい」か「いいえ」かの2 件法にて尋ね,これに続いて,その理由を自由記述にて求めた。大学生161名の信奉あるいは非信奉の理由として挙げられた語句をテキストマイニングを用いて分析し,信奉者と非信奉者との違い,特に依拠するメディアの差異について考察した。
著者
藤倉 恵一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.342-347, 2012-08-01
参考文献数
18

図書館においては,個人情報保護法の施行後も個人情報の流出・漏洩や紛失に関する事件・事故は後を絶たず,相当件数が発生している。個人情報の盗難や紛失だけでなく,図書館システムの不備に起因する情報流出事故も発生した。また,名簿などの個人情報を含む資料の扱いは図書館によって大きくゆれており,事件や報道の影響を受けて提供制限や受入停止をするなど図書館の根本的役割を自ら否定するような運用も少なくない。本稿では,図書館業務実務における個人情報保護のあり方について,図書館の基本理念である「図書館の自由に関する宣言」の視点を含めて検討する。
著者
山田 朗
出版者
日本史研究会
雑誌
日本史研究 (ISSN:03868850)
巻号頁・発行日
no.533, pp.64-67, 2007-01