出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人環フォーラム (ISSN:13423622)
巻号頁・発行日
vol.28, 2011-03-20

<巻頭言>古代日本と東アジア
著者
吉澤 和範
出版者
北海道大学大学院理学研究院自然史科学部門(地球物理学)
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.39-48, 2008-03-15

Seismic waves generated by a nuclear test carried out by North Korea on October 9, 2006 were observed throughout the Japanese islands. Clear arrivals of Pn waves, which traveled below the Moho discontinuity underneath the Japan Sea, were recorded by the Japanese broad-band seismic network, F-net, deployed by National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED). We analyzed the waveforms of the nuclear event observed at F-net stations as well as some global seismic stations in East Asia. Apparent path-average velocity of Pn waves and their maximum amplitudes are estimated from vertical component seismograms of the F-net stations. We found conspicuous regional variations of apparent path-average velocity and maximum amplitude. For example, fast apparent velocity and larger amplitude are observed in the paths across the Japan basin in the northern Japan Sea, whereas slow velocity as well as relatively smaller amplitudes are found in the path to stations in Kyushu. Such regional variability of Pn waves is likely to make it difficult to estimate source parameters for this small-scale explosive event in the Korean Peninsula, only using the Japanese seismic network. These results suggest the necessity of a precise three-dimensional seismic model of the Japan Sea to utilize Japanese seismic network data for analysis of regional seismic waves that propagate along a variety of paths in the Japan Sea.
著者
佐々木 瑞希 石名坂 豪 能勢 峰 浅川 満彦 中尾 稔
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.123-126, 2019

2015年9月北海道斜里町で捕獲されたエゾヒグマを剖検したところ小腸より大型の条虫を検出した。頭節の形態および生殖器の配置から,Dibothriocephalus属と思われた。虫体の一部からDNAを抽出し,核28S ribosomal RNA geneおよびミトコンドリア cytochrome c oxidase geneの一部を解析した。その結果,DNAデータベース上の日本海裂頭条虫のものとほぼ一致し,本種を日本海裂頭条虫と同定した。本症例は,エゾヒグマから検出された条虫を日本海裂頭条虫と同定した初めての報告である。
著者
志水 廣
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教職キャリアセンター紀要 (ISSN:24240605)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.27-33, 2016-03-31

小学校の児童が算数を学ぶ上で,算数科にかかわる数学言語(算数語彙)について,どの程度正確に理解しているかについて調査した。調査分野は,小学校高学年,「数と計算」の領域について算数教科書に登場する算数の用語・記号とそれらを規定する言語も含めて算数語彙とした。1つの算数語彙に対して5問の選択肢を用意して児童に選択させる問題(2014年版語彙テスト)を開発した。その語彙テストを716名に実施した。その結果,算数語彙に対して理解度の低い問題が見つかった。例えば,語彙「4この2つぶん」の正答率について4年生は21.5%,5年生は25.9%,6年生は22.9%であった。また,「1を4等分した数」の正答率について4年生は33.3%,5年生は34.2%,6年生は34.4%であった。「いくつ分」「等分」という語彙の指導に配慮を要することが分かった。
著者
山口 尚 YAMAGUCHI Sho
出版者
名古屋大学情報科学研究科情報創造論講座
雑誌
Nagoya journal of philosophy (ISSN:18821634)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.19-30, 2019-09-16

本稿は〈リチャード・ダブル論〉と〈自由意志の概念工学への批判〉の二側面をもつ。すなわち本稿は、一方で、自由意志と道徳的責任の哲学における極端な相対主義者リチャード・ダブルの思想的発展を(1)非実在論の主張(2)メタ哲学的相対主義の提示(3)自由意志論の心理学化の提唱という三段階に分け、彼の全体的思想をアウトラインする。他方で、ダブルの立場の考察から《自由意志や道徳的責任に関する私たちの概念枠組みは簡単に改訂されうるものではない》という洞察が得られるのだが、かかる洞見はいわゆる「自由意志の概念工学」の理解を批判的に深めることに繋がる。本稿の終盤では、私たち自由意志の概念工学者が、或る意味で「十中八九、敗れ去る」ことが指摘される。そして、こうした限界を見据えることによって却って自由意志の概念工学の使命が明らかになる、と言いたい。
著者
野原 将揮
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-170, 2016

早大学位記番号:新7304
著者
竹野 学
出版者
北海道大学
雑誌
北大百二十五年史
巻号頁・発行日
vol.論文・資料編, pp.163-201, 2003-02-21
著者
中野 友理
出版者
北海道大学留学生センター = Hokkaido University International Student Center
雑誌
北海道大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.8, pp.28-45, 2004-12

本稿では、従来神尾(2002)が不可能としてきた「情報のなわ張り理論」における「のだ」文の位置づけを改めて考察する。日本語の文末形式「のだ」は、文の情報が話し手のなわ張りに属することを示す直接形や、逆に話し手のなわ張りに属さないことを示す間接形等の文末形式とは異なる機能を持ち、「情報のなわ張り理論」での位置づけは難しいとされていた。これに対して本稿では、文の情報が話し手のなわ張りに属していることを表す機能が「のだ」にあり、したがって「情報のなわ張り理論」においても位置づけが可能であることを述べる。同じく情報が話し手のなわ張り内にあることを示す直接形と「のだ」の違いは以下の点にある。直接形の文では、ある情報が話し手のなわ張り内にあるという話し手の判断が客観的視点からも成り立つと認められなければ、文が不自然になる。一方「のだ」文では、情報が話し手のなわ張り内に属するかどうかの判断を客観的な視点からは必要としない。あくまで話し手の主観的判断で情報が話し手のなわ張り内にあることを示す。「のだ」が間接形とともに用いられる場合がある理由も、「客観的には話し手のなわ張りに属さないと思われる情報を話し手の主観的判断によって自身のなわ張りに属する」ことを示すと考えれば矛盾はない。「情報のなわ張り理論」における「のだ」の位置づけは、これまで様々な視点から記述されてきた「のだ」の機能をより明確にするきっかけになると思われる。
著者
朴 堯星 袰岩 晶 茶山 秀一
出版者
科学技術政策研究所 第1調査研究グループ
巻号頁・発行日
2012-09-10 (Released:2012-09-10)

本稿は、我が国における博士課程修了者等のうち、人文・社会科学分野を専攻していた博士課程修了者等の基本属性と進路動向を分析したものである。その主な特徴は、大学教員として就職する者の割合が約45%(専任およびその他を含む)と理系の19.7%に比べて高いことである。一方、博士課程修了直後にポストドクターとなった者のうちポストドクターの職に留まる者は博士課程修了から時間が経つにつれて減少し、5 年後には人文科学の場合15.1%、社会科学の場合9.3%になり、博士課程修了5 年後に専任の大学教員になった者はそれぞれ56.6%、74.4%まで増えている。これはポストドクターから専任の大学教員になるというアカデミックなキャリアパスが開かれていることを示している。ただし博士課程修了直後に大学の非常勤職等に就いた者は、博士課程修了から5 年後にもそれぞれ65.7%、46.1%が非常勤職等に留まっている。
著者
科学技術・学術基盤調査研究室
出版者
科学技術・学術政策研究所
巻号頁・発行日
2017-08 (Released:2017-08-04)
著者
池田 証壽
出版者
北海道大学文学研究科
雑誌
北海道大学文学研究科紀要 (ISSN:13460277)
巻号頁・発行日
vol.150, pp.201-236, 2016-12-15

初唐の宮廷写経25点の漢字字体を検討し,開成石経の顕著な規範性に 比して,相当の揺れがあることを報告し,開成石経の漢字字体と他の時代・ 地域の標準文献の漢字字体とを同列に扱うべきでないことを述べる。唐代字 様は,初唐標準から開成標準への移行を促したと見るべきであり,日本の古 辞書である『新撰字鏡』と『類聚名義抄』における唐代字様の受容状況を観 察し,漢字字体の年代性の相違が両者の字体記述の相違として反映している ことを指摘する。