著者
坂本 佑太朗 柴山 直
出版者
日本分類学会
雑誌
データ分析の理論と応用 (ISSN:21864195)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.31-45, 2017-03-01 (Released:2020-04-02)
参考文献数
37

テストが測定すべき心理学的な特性が多様化してくるにしたがって,「テスト(項目)はそもそも何を測っているのか」という構成概念に関する精緻な検証が求められている.最近では,その手段として多次元IRTが注目されてきており,これまでそれほど測定論的な関心が注がれてこなかったテストの下位領域についての定量的な検証の必要性も指摘されている.そこで本研究では,わが国の学習指導要領に則って作成された平成18年度新潟県全県学力調査における中学校2年生数学データ (N=9,102)に対して,多次元IRTを使って下位領域特有の影響について定量的に検証した例を示す.その結果,テスト全体が測定する「数学力」よりも下位領域特有の影響を強く受けている項目は25項目中2項目存在し,その内容は定性的な観点からも妥当であることが確認できた.つまり,多次元IRTを用いることにより,テスト項目の測定内容に関して項目レベルで次元に応じた情報が得られることを意味し,今後のテストデータ分析においても,単にIRTモデルを適用するだけではなく,多次元IRT分析にもとづくより精緻な妥当性検証が可能であることが示された.

2 0 0 0 OA 憲政の危機

著者
尾崎行雄 著
出版者
横山出版部
巻号頁・発行日
1920
著者
松岡 耕史 三沢 幸史 横山 雄一 島田 真太郎 伊藤 富英
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.377-384, 2021-06-15 (Released:2021-06-15)
参考文献数
21

アームサポートであるMOMOは,主に神経難病患者に対して利用されているが,回復期リハビリテーション病棟での利用報告はほとんどない.そこで,MOMOを回復期リハビリテーション病棟入院中の脳血管障害患者や脊髄損傷患者4例に対して,日常生活における生活支援機器と,訓練におけるリハビリテーション機器として利用し,MOMOの活用方法について検討した.その結果,スプーンやパーソナルコンピュータの操作など,生活動作で利用できた他,上肢訓練の補助機器として利用することができた.これらより,MOMOは,回復期リハビリテーション病棟の対象者に対して,生活支援機器やリハビリテーション機器として活用できる可能性が考えられた.
著者
尾形 哲也
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2000

制度:新 ; 文部省報告番号:甲1425号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2000-03-2 ; 早大学位記番号:新2943 ; 理工学図書館請求番号:2428
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1049, pp.6-9, 2000-07-10

「振り返ってみますと、バブル期における国内外の行き過ぎた出店、その後の抜本対策が十分成果を上げられなかったことなど、深く反省すべき点が多々あります」 6月30日、預金保険機構(預保)が新生銀行(旧日本長期信用銀行)からそごう向け債権1976億円を買い戻し、そのうち970億円分を放棄することを正式決定した。その日の記者会見の席上、そごうの山田恭一社長はこう詫びの言…
著者
東京市日本橋区 編
出版者
東京市日本橋区
巻号頁・発行日
vol.寛保沽券図解説・御府内往還其外沿革図書日本橋之部, 1938
著者
小峯 秀雄 緒方 信英
出版者
土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.701, pp.373-385, 2002-03-21
参考文献数
18
被引用文献数
5 8

高レベル放射性廃棄物の地層処分において, 処分孔や坑道を充填する緩衝材や埋戻し材には膨潤性や低透水性が要求されており, ベントナイトを用いた材料が有望である. 本論文では, 緩衝材や埋戻し材の設計に資するため, 砂とベントナイトの配合割合が5~100%の砂・ベントナイト混合材料および海外産を含む4種類のベントナイトの膨潤圧および膨潤変形について実験的に調査した. その結果, 膨潤特性に及ぼす砂・ベントナイトの配合割合, 乾燥密度, モンモリロナイト含有率および交換性陽イオンの種類と組成の影響を明らかにした. また, 著者らの提案するパラメータ「モンモリロナイトの膨潤体積ひずみ」により, ベントナイトの種類に応じて膨潤圧・膨潤変形特性を統一的に評価できることを示した.
著者
居田 克巳 門 信一郎
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.1244-1251, 2000-12-25
被引用文献数
2

Beam spectroscopy using a DigDagCCD (Charge Coupled Device) detector as a plasma diagnostic is described. Although the frame rate of the CCD is much lower than the modulation frequency, modulated light with a frequency of a few hundred Hz can be detected by the DigDag CCD by shifting the charge in the normal direction and in the reverse direction associated with the moduration. The application of the DigDag CCD detector to plasma diagnostics including charge exchange spectroscopy and motional Stark effect spectroscopy is described.
著者
小熊 誠 Oguma Makoto
出版者
神奈川大学 国際常民文化研究機構
雑誌
国際常民文化研究叢書3 -東アジアの民具・物質文化からみた比較文化史-=International Center for Folk Culture Studies Monographs 3 -Comparative Cultural History from the Perspective of East Asian Mingu and Material Culture-
巻号頁・発行日
pp.43-61, 2013-03-01

沖縄の亀甲墓は、近世福建の亀甲墓の墓型が導入されて成立したことは従来指摘されてきた。また、そういう経緯があるにもかかわらず、沖縄の亀甲墓は福建の亀甲墓とまったく同じではなく、異なる点があることも指摘されてきた。しかしながら、具体的な墓の構造や意匠などに注目して、両者を比較する研究は多くはなかった。それを本格的に行ったのは、平敷令治であった。その研究を基本として、ウーシ(臼)といわれる琉球・沖縄の亀甲墓の特徴がどのように創造されたのかを再検討する。 まず、琉球家譜に描かれた近世福州における亀甲墓と福州で実地調査した墓調査資料をもとに、福州における亀甲墓の歴史的展開とその特徴を亀甲墓に施された石獅子や仙桃、螺古などの意匠を中心に考察する。次に、近世琉球における亀甲墓について、写真や墓図をもとに、琉球士族、有力村役人層である久米島上江洲家の事例を整理する。さらに近代以降の亀甲墓について、津堅島の事例を検討する。そこから、ウーシがいつから、どの墓につけられるようになり、どのように展開したかを分析する。 福州における亀甲墓の歴史的展開と琉球・沖縄における亀甲墓の歴史的展開を対比することによって、ウーシは福州の意匠の影響ではなく、むしろ琉球第二尚氏王家の王墓である玉陵の円筒の影響があることを類推する。また、福州では中国的な風水や富貴願望の慣習から亀甲墓の意匠が展開したことを示す。 本稿の新しい方法論として、福州における歴史的展開と琉球・沖縄における歴史的展開を対比するという時間軸と空間軸と組み合わせた立体的な比較研究を提示した。そして、福建と琉球・沖縄の亀甲墓は、コンバージェンス(収斂)だとした平敷令治の指摘に対して、本稿では福州の石獅子などの意匠と琉球・沖縄のウーシという意匠の具体的な物質文化の対比によって、その意味とその違いを検討した。
著者
吉川 雅也 Masaya Yoshikawa
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.119-136, 2018-09

本稿はKrumboltzの計画的偶然理論を社会的学習理論の観点から整理したものである。計画的偶然理論は偶然が人のキャリアに与える影響に着目し、チャンスをつくるために自ら行動を起こすことを促すもので、偶然を作るための5つのスキルが有名だが、偶然を作るための4つのステップはあまり知られていない。しかしKrumboltzを社会的学習理論の研究者、そして認知的行動的アプローチを重視する実践家として考えたとき、計画的偶然理論の根幹は5つのスキルより4つのアプローチであったと考えられる。後にハプンスタス学習理論が発表され、発展的に作成された5つのステップが記されている。社会的学習理論の観点からKrumboltzを理解することで、5つのスキルでクライエントの認知を変えるアプローチだけでなく、具体的なステップでクライエントの行動を変えるアプローチも用いることができる。
著者
中田 光俊
出版者
Kinki Brain Tumor Pathology Conference
雑誌
Neuro-Oncologyの進歩 (ISSN:18800742)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.1-8, 2017-02-08 (Released:2017-02-08)
参考文献数
27

Drug repositioning refers to the discovery of new indications for approved or failed drugs and the application of the newly identified drugs to the management of diseases other than the drug’s intended disease. It reduces the risk of developmental failure, cost, and time of development. In this review, candidate drugs identified so far based on drug repositioning for malignant glioma are summarized.
著者
見城 佑衣 大山 牧子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
2022

<p>震災や災害を題材とした探究学習はフィールドワークを伴うことが多いが,遠隔地でも学習できるようICTを活用した学習環境の構築が求められる.本研究の目的は,フィールドワークの代替としてのVRの活用を組み込んだ東日本大震災を題材とする中学生向け探究学習プログラムを開発・実践することである.その結果,学習者は震災についての関心・理解が高まるとともに,探究活動で必要とされる汎用的能力を獲得した感覚があることが確認された.VR映像の体験は,提示できる情報に限りがある点や使用感で課題があるものの,学習者が現地の構造物の高度を実感したり,没入感を抱いたりすることができる点において有効で,震災や災害を題材とした探究学習の理解の一助となる可能性が示された.</p>