著者
石崎 太一 黒田 素央 久野 真奈見 北面 美穂 早渕 仁美
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.343-346, 2007-07-15
参考文献数
14
被引用文献数
4 7

鰹節だしの継続摂取が単純作業負荷によって生じる精神疲労やストレス,および作業効率に対する影響について,健常な成人女性を対象として調査を行った.1週間の非摂取期間の後,被験者に鰹だしを1週間摂取させた.非摂取期間後および鰹節だし摂取期間後に評価を実施した.単純作業負荷として内田-クレペリンテスト(UKP)を行い,UKPの前後にProfile of Mood States(POMS)による気分·感情状態の調査,フリッカー値の測定ならびに唾液コルチゾールの測定を行った.非摂取期間後には,UKP負荷後のフリッカー値は負荷前に比べて有意に低値を示したが,鰹節だし摂取期間後には負荷前後で有意な変化は見られなかった.負荷前の唾液コルチゾール値は非摂取期間後に比べて鰹節だし摂取期間後に有意に低下した.さらに,鰹節だし摂取期間後のUKPの誤答率は,非摂取期間後の誤答率と比較して,有意に低値を示した.これらの結果から,鰹節だしの継続摂取により,単純作業負荷時に精神的疲労が少なくなる傾向,ストレス応答が低下する傾向ならびに計算作業効率の低下が抑制される可能性が示唆された.
著者
福代 和宏
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.253, pp.39-49, 2018-04-05 (Released:2019-04-05)
参考文献数
17

本稿ではまず,統計資料をもとにラオスの住環境やエネルギー消費状況を整理した。過去十数年間の間に,ラオスでは自動車,TV,冷蔵庫などの耐久消費財が急速に普及し,電力消費が急増している(2011~2014 年で 40%増)ことが明らかになった。次に,ヴィエンチャン都の高所得層を対象とするアンケート調査の結果を示した。2017 年の結果によれば,上位高所得層世帯は,TV3.2台,エアコン 4.8 台以上を所有し,1 160kWh/(世帯・月)の電力を消費していることが示された。
著者
中村 斐有 安井 孝介 Phil S. Baran
出版者
公益社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.333-343, 2021-04-01 (Released:2021-04-07)
参考文献数
32

Teleocidine B family was isolated in1960 by Sakai group and was shown to have highly potent protein kinase-C (PKC) activation, similar to that of phorbol and related natural products. In this report, we have developed a unified total synthesis of teleocidins B-1-B-4 in 11 chemical steps. The highlights of the work are 1) the Ni catalyzed electrochemical amination, 2) Cu-mediated aziridine opening followed by direct macrolactamization, and 3) the tactical combination of C-H borylation and a redox-relay chain walking (RRCW) methodology to make the carbon quaternary center.
著者
道関 京子
出版者
日本コミュニケーション障害学会
雑誌
コミュニケーション障害学 (ISSN:13478451)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.17-22, 2006-04-30 (Released:2010-04-21)
参考文献数
35

全体構造法はテクニックでもhow-toでもなく,人間を知覚の全体構造体としてとらえ,その全体構造体である人間の意識活動の一つである言語活動,およびその発展(高次化)という基本認識から言語障害臨床を体系化したものである.本理論と実践である具体的手段について概説した.言語高次化の原動力である知覚の構造化を進めるためには,(1)知覚の性質,(2)言語知覚構造化階層の成り立ち,さらに(3)言語障害者の現知覚段階についての正確な判定,に関する言語発達学,心理学,言語心理学,神経心理学の知識が必須である.よって全体構造法を行う言語聴覚士は,人間を全体精神とみる専門家として知識と観察力が要求される.その上で臨床場面において具体的手段を各障害者の知覚構造化に合わせた最適刺激,すなわち障害者自らが能動的に高次化を進める刺激を設定していくことができるのである.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1390, pp.94-96, 2007-05-07

「そんなこと言ったってね。こっちもちゃんとやってるんですよ」「ですが、お客様…」 ある消費者金融のコールセンター。オペレーターが顧客と会話している最中に、システムが警告を促した。 「お客様の『怒り』レベルが7を超えています。至急マネジャーに引き渡してください」 顧客の口調は穏やか。
著者
小長谷 賢一 谷口 亨
出版者
国立研究開発法人森林研究・整備機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

植物ウイルスベクターは、植物へ感染するウイルスを遺伝子の運搬体(ベクター)として用い、目的遺伝子を植物体内で発現制御できる系として、遺伝子の機能解析や形質の改変等に利用されている。本ベクターの利点は組織培養技術を必要とせず、宿主植物のゲノムを遺伝子組換えすることなく形質を改変できる点にある。本研究では、リンゴ小球形潜在ウイルス(ALSV)ベクターを用いて花器官形成に関与する遺伝子を制御することで、スギを効率的かつ迅速に無花粉化させる技術の確立を目指す。スギにおける遺伝子発現抑制(ノックダウン)について、RNA二次構造アルゴリズムを用いて標的遺伝子RNAのトリガーに適した領域を推定し、その領域断片をベクターへ用いることで、ALSVベクターによる遺伝子ノックダウンの効率化に成功した。また、人工気象器内で長日条件下での培養を6ヶ月、段階的に低温にした短日条件下での培養を6ヶ月行うことで無菌的に雄花を成熟させることに成功し、季節によらず稔性調査可能な培養系を確立した。一方、スギ雄花のマイクロアレイ解析と雌花のRNA-seq解析から雄花で特異的に発現し、花粉形成に関与すると推定される遺伝子を17個単離した。これらを標的とするALSVベクターを感染させたスギの獲得と雄花の着生に成功し、また、一部の標的遺伝子で雄花における遺伝子ノックダウンを確認した。得られたノックダウン系統のうち、雄花が成熟した系統について花粉形成の調査を行なった結果、2つの標的遺伝子について正常な花粉粒が観察されず、異形な細胞が蓄積する傾向が確認された。しかしながら、着花の培養条件においては多くの系統で育成中にウイルスが脱落し、花粉形成までにノックダウンを維持させることが困難であった。今後はスギにおけるALSVベクターの安定性を考慮した培養条件を検討する必要がある。
著者
浦野 雅世
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.288-293, 2019-09-30 (Released:2020-10-01)
参考文献数
21

呼称障害や喚語困難は失語症の中核症状であるが, その発現機序は一様ではない。  Lambon Ralph ら (2002) は呼称障害を「音韻」と「意味」の 2 つの表象の損傷で説明している。彼らは呼称成績を基準変数, 意味連合検査と非語音読の成績を説明変数とした重回帰分析の結果, 説明率 (R2) は 0.55 であったとしている。このような先行研究の結果からは, 失語症におけるセラピーの組み立てには音韻機能と意味機能がどのようなバランスで障害されているのか, どちらが症例の中核症状であるかを吟味し, それぞれに合ったプログラムを立案していくことの必要性が示唆される。実際の臨床では, 「音韻」と「意味」を同時に提示する課題 (例 : 線画・文字・音声刺激) が多くを占めるため, 両者を厳密に区別することは困難であるが, 少なくともセラピーのターゲットを絞り込むことが重要であろう。音韻 / 意味それぞれに焦点をあてたセラピーを実施した自験例 2 例を提示した。
著者
大秦 一浩
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 = THE OTANI GAKUHO (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.99, no.2, pp.1-23, 2020-03-16
著者
梅 暁棠
出版者
奈良教育大学
巻号頁・発行日
2013-03-25

奈良教育大学修士学位論文, 学位の種類: 修士(教育学), 学位授与年月日: 平成25年3月25日
著者
大江 洋
出版者
岡山大学法学会
雑誌
岡山大学法学会雑誌 (ISSN:03863050)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.560-519, 2018-03
著者
坂尻 正次 岡田 伸一 竹内 恭彦 富田 英雄 和田 親宗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 23.31 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.11-18, 1999-04-16 (Released:2017-06-23)

本研究の目的は、盲ろう者の指点字によるコミュニケーションを補助するための支援機器を開発することである。まず、振動を用いた指点字提示方式についての基礎的検討をおこない、最適な呈示条件を定めた。この呈示条件でコミュニケーション評価実験をおこない、健常者と盲ろう者が通訳者を介さずに直接コミュニケーションがおこなえることを確認した。