著者
菊川 明
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.141-146, 2009-01

鹿児島県立農業大学校は、鹿児島県の南西部、薩摩半島西部の日置市吹上町と南さつま市金峰町の町境に位置し、東は霊峰「金峰山」、西は日本三大砂丘の吹上浜に囲まれた風光明媚な場所にあります。当地域には、早期水稲、かごしまブランドのかぼちゃ、砂丘らっきょう、キンカンの栽培のほか畜産では肉用牛、酪農などがある農業地帯です。農業大学校の歴史は古く、その前身は戦前昭和16年4月に設置された県立農民道場までさかのぼります。終戦後は海外引き揚げ者の開拓入植に対する訓練施設、海外移住または国内開拓を志す青年を対象にした講習施設、農業後継者の養成施設、畜産・園芸を専門に研修する高等営農研修所などを経て、昭和53年4月に県立農業大学校として創立されました。平成15年4月には県内5カ所に分散配置されていた5学部6学科を2学部7学科に再編し、現在地に移転開校しました。あわせて、農業機械研修施設や農村婦人の家等を再編統合し、研修部を設置しています。平成18年4月には農業関係試験場と農業大学校を再編統合し、技術の開発と担い手の育成を総合的に推進する「農業開発総合センター」として再オープンしました。平成19年7月には専修学校化しています。本校の教育は、その歴史からも推測されるように、現場の課題を解決するプロジェクト学習を基本とした実技と理論の総合的な教育を柱の一つとしており、校訓も「自立」「実践」「協調」となっています。
著者
辻 澄子 中村 優美子 外海 泰秀 柴田 正 内堀 伸健 川田 誠 小林 建夫 鈴木 宏 室井 順子 鈴木 由記子 兼田 登 鈴木 英樹 宮本 文夫 伊藤 誉志男
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.111-123, 1990
被引用文献数
2 6

農産物39種類195試料,水産物23種類115試料及び畜産物8種類40試料の生鮮食品合計70種類350試料並びに農産加工品58種類331試料,水産加工品38種類323試料,畜産加工品19種類147試料,菓子類18種類90試料,嗜好飲料31種類250試料,油脂・砂糖・調味料など15種類75試料及び調理加工食品11種類55試料の加工食品合計180種類1271試料中のH<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>を酸素電極法により測定した. <BR>生鮮食品70種類中,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>を含有していない食品は56種類であり,平均値として1mg/kg未満のものが9種類であり,1mg/kg以上のものはピーナッッ(乾)(3.3mg/kg),カレイ(1.7mg/kg),ホタテ貝(4.0mg/kg),ホタルイカ(3.4mg/kg),及びカニ(1.2mg/kg)の5種類であった. <BR>一方,加工食品188種類中,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>を含有していない食品は47種類であり,平均値として1mg/kg未満が82種類,1~5mg/kgの範囲の食品が41種類であり,5mg/kg(以下単位省略)以上の食品としては甘らっきょう(5.7),干ししいたけ(7.4),いかなご佃煮(9.1),焼のり(8.9),ひとえぐさ佃煮(7.8),乾燥ひじき(8,5),玉露(葉)(6.7),煎茶(葉)(6.2),玄米茶(葉)(6.4),番茶(葉)(6.4),ほうじ茶(葉)(30.4),紅茶(葉)(18.0),ウーロン茶(葉)(35.3),麦茶(45.0),コーヒーいり豆(140.3),インスタントコーヒー粉末(368.5),ココア(62.8),こいくちしょうゆ(7.6)の18種類であった.茶類及びコーヒー類は飲用状態ではいずれも5mg/kg以下となった. <BR>調理による食品中のH2O2含有量に対する影響について,加熱調理では,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>量の増加傾向が,水もどし調理では,干ししいたけ以外はH2O2量の減少傾向が示された. <BR>従って,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>含有量は調理方法により大きく変化することが判明した. <BR>更に,干ししいたけのように,水もどしすることにより,H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>量が増加傾向を示し,ばらっきも大きいことから,しいたけ成分からのH<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>生成の可能性が示唆された.
著者
松本 幸礼 泉川 達哉 金城 洋
出版者
沖縄県工業技術センター
雑誌
研究報告
巻号頁・発行日
no.9, pp.111-113, 2006

近年、健康食、沖縄ブームにより、本県特有の農作物の需要が県内だけでなく県外にも波及しており、農作物加工の機械化を要望する声も上がっている。本調査では、収穫した農作物を加工技術の観点から調査し、加工方法別に分類し、現状の問題点、課題等を抽出することを目的とした。調査対象については、県内の農作物加工業者の加工方法、過去の取引量、国内の最新加工技術、加工機の特許、実用新案について調査を行った。県内の業者は、多品種少量生産が多く、皮むき、わた取りについてはほとんど人の手に頼っており、スライス、カットについては半自動の汎用機械を利用している。費用対効果を考慮すると機械化のメリットが小さい例も見受けられた。島らっきょうについては、需要がのびており単価も高いため、機械化のメリットが大きい。
著者
畑 明美 南光 美子 長谷川 明子 南出 隆久
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.35-41, 1988-11-18

京都府及び福井県産らっきょうを供試し, 試料重量の1%食塩を用いて1週間下漬を行った後, 食酢1ιに対して砂糖200gを添加した漬け酢を, らっきょう1kgにつき漬け酢1250mιの割合で本漬したものについて, ヘクチン及び無機成分の経時的変化を調査した。その結果, ヘクチン, 特に水溶性ヘクチン, 及び無機成分(Ca, Mg, K)は, 漬け日数の経過とともに減少した。次に, らっきょうのテクスチャー改善の試みとしてCaCl_2 (0.5,1,3%)を漬け酢に添加したところ, 総ヘクチン及び水溶性ヘクチン含量は増加し, また, 硬度も増大した。同様にMgCl_2を添加した結果, ヘクチン及びMgを除いた他の無機成分含量には大きな変化はみられなかったが, 硬度は多少増大した。
著者
谷本 芳美 渡辺 美鈴 河野 令 広田 千賀 高崎 恭輔 河野 公一
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.383-390, 2009-06-15
被引用文献数
6

<b>目的</b> 高齢期における介護予防のための口腔機能の維持・向上を目的に,地域高齢者における咀嚼能力の客観的な評価方法として色変わりチューインガム(以下,色変わりガムとする)が有用であるか検討する。<br/><b>方法</b> 2007年 4 月~5 月に T 市に在住する65歳以上の高齢者210人(男性69人,女性141人)を対象に色変わりガムを用いた咀嚼能力と残存歯数および咬合力の測定を行い,同時に自記式質問紙調査を用いて咀嚼能力の主観的評価を行った。調査実施前に,5 人の高齢者について色変わりガムの測定方法の精度を検討した。測定は「普段の食事をするようにガムをかんでください」と指示し,2 分間咀嚼させた後,色彩色差計を用いて色変わりガムの「赤み」を示す咀嚼能力 a∗値(以下,a∗値とする)を測定した。質問紙項目は①食物が普通にかめるか②かたい食物がかめるか③まぐろのさしみ,かまぼこ,らっきょう,ビフテキ,ピーナッツの咀嚼の可・不可について調べた。解析は a∗値と残存歯数,咬合力および質問紙調査との関連について行った。<br/><b>結果</b> 対象者 5 人の a∗値の変動係数は2.15~3.75%で,測定方法は高い精度を示した。地域高齢者の色変わりガムの平均 a∗値は男性26.0,女性22.8であった。年齢別では,男性は全ての年齢群で有意な差を認めず,加齢に伴う変化は示さなかった。女性は80歳までは年齢による差を示さなかったが,80歳以上に有意な低下を示した。性別では,どの年齢群においても有意な差を認めなかった。男女とも a∗値は残存歯数および咬合力と正の相関関係を認めた。質問紙調査では,全ての項目で咀嚼可群の方が有意に a∗値が高かった。また,残存歯数が20歯未満の者に限っても咀嚼難易度の低い「まぐろのさしみ」と「ビフテキ」を除く全ての項目において咀嚼可群が有意に a∗値が高く,色変わりガムと主観的な質問紙調査との関連を認めた。<br/><b>結論</b> 色変わりガムの測定方法は簡便で,測定精度が高いことが認められた。また,色変わりガムは残存歯数や咬合力および主観的咀嚼能力評価と関連することを認めたことから,地域高齢者の健康づくりにおける咀嚼能力の客観的評価方法として有用であると考える。
著者
神谷 正昌
出版者
続日本紀研究会
雑誌
続日本紀研究 (ISSN:0559894X)
巻号頁・発行日
no.393, pp.1-17, 2011-08
著者
三嶋 仁 田中 敏光 佐川 雄二
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.4080-4087, 2008-12-15

本論文では,グラフィックスハードウェアを使って,メタボールを直接リアルタイム表示する方法を提案する.提案手法は,レイキャストと同様に,視線上を等間隔に区切ったサンプル点でポテンシャルを計算する.ただし,ポテンシャルが存在しない場所で無駄な計算を行うことを避けるために,各粒子の最大影響範囲を表面とする球を包含する立方体を作成し,その視点側の半分を計算候補領域に選ぶ.そして,計算候補領域が不連続の場合には,Zバッファによる前後判定を使って次の計算候補領域にサンプル点を移動することで,効率的なサンプリングを実現する.また,選ばれたサンプル点のポテンシャルを,それぞれの粒子によるポテンシャルを画像に加算合成する方法で計算する.閾値を超えたサンプル点を物体の中にあると判定し,直前のサンプル点との間を補間して,物体の表面を推定する.さらに,視線方向に並んだ4点を同時に計算することで.処理コストを減らす.このような,GPUの特性を活用した実装により,メタボールの実時間表示を実現した.実験では,4 096個の粒子を使って表現した物体を,256×256画素のサイズで,30 fps前後で表示することができた.This paper presents a real time rendering method for metaballs. The method computes potential at equal interval sampling points like ray-casting. However, in order to remove unnecessary sampling points, a bounding cube is created for each particle then its front-half is selected as the sampling area. At each pixel, the initial sampling point is selected on the front surface of the nearest are. The sampling point shifts at same interval step by step. However, if the sampling areas are not continuous on the ray, the sampling point is made to jump to the next area by using modified Z-buffer algorithm. For each particle, potential at the sampling points is added to the accumulation buffer, which is the same size of the image. Then potential at each pixel is evaluated. If the value is over the threshold, surface of the object is estimated by interpolating between the sampling point and the proximate point. In addition, the cost is reduced by computing 4 sampling points along the ray together. By considering feature of GPU, real-time rendering is realized. The experimental result confirmed that 256×256 images including 4096 metaballs are created in 30 fps.
著者
楠田 恵美
出版者
筑波大学社会学研究室
雑誌
社会学ジャ-ナル (ISSN:03865983)
巻号頁・発行日
no.34, pp.15-33, 2009-03
著者
佐藤 俊子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.575-580, 2007
参考文献数
21

文化女子大学図書館では1950年の開館以来,「服飾」という特定主題の文献を網羅的に収集し,教育支援機関であるとともに,専門図書館の機能も果たしてきている。そのため,本学学生以外にも他大学学生,研究者,企業関係者,卒業生などにも広範に利用されている。特に,この稿では司書の専門的書誌学の自己研鑽と稀覯本に対する的確な見識の元で収集された西洋服飾関連コレクション構築の経緯とそれらを組織化し,体系化して作成された服飾文献目録の変遷について取り上げる。併せて,西洋服飾関連資料収集に不可欠な海外の服飾関係文献目録についても解説する。
著者
WALTERS Nicholas
雑誌
国際人間学部紀要 = International human studies
巻号頁・発行日
vol.18, pp.119-138, 2012-03-31

本論文は、Section 1からSection 3までの三部構成である。本論文では、シャーロックホームズの「ノーウッドの建築業者」、名探偵ポアロの「スタイルズ荘の怪事件」、ブラッドレー夫人の「月桂樹は毒です」の3つのミステリードラマを取り上げた。 Section 1では使用した各ミステリードラマの概要を述べる。そうすることによって、各作品の重要な要素を明らかにし、また、今後ミステリーというジャンルの特徴を掴む研究の礎にすることができる。 Section 2ではSection 1で述べたミステリードラマを視聴することで、どういう歴史や文化に関する情報が得られるかについて述べる。特に、法律に関する機関、当時のファッション、そして富裕層の住居について説明する。イギリスの歴史や文化について理解を深めるために、さらに何が、どのように使えるかは今後の研究に回したい。 Section 3ではこれらのミステリードラマを使って、大学生へ向けた授業科目のコースデザインの方法を簡単に述べる。