著者
原 寛和 立本 博文
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0170327a, (Released:2018-04-19)
参考文献数
85
被引用文献数
3

製品デザインが市場成果に与える影響について、(i)企業レベル(ii)製品レベル(iii)デザイン組織レベルに分類して実証研究のレビューを行なった。いずれの研究も、製品デザインが市場成果にプラスの影響を与えることを支持している。ただし、そのメカニズムは単純ではなく、変数間の媒介効果や交互作用効果を多く含んでいる。これら既存研究のレビューを踏まえ、今後の研究として、(1)戦略的文脈の影響を考慮した研究 (2)消費者の反応を取り込んだデザインプロセスの研究 (3)デザインマネジメントの組織メカニズムの研究が必要であることを報告する。
著者
宮原 卓也
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.137-146, 1986-04-25 (Released:2010-06-22)
参考文献数
8

職業的テノール歌手による9種の発声サンプルについて声帯振動の超高速度映画撮影を行い, また平均呼気流率と声の音圧レベルを測定した.発声サンプルはHuslerのアンザッツタイプをもとに選定した.推定体積速度波形, 推定最大体積速度, 最大声門幅, 平均呼気流率, OQ, SQ, SI, 声の音圧レベル, 仮声帯間距離は声の音色によって決定し, 関係づけられるが, その主な結論は次のとおりである.1) アンザッツNo.2では声門を強く閉じ, 声門上部を狭くし, 強い呼息圧を用いて発声している.声門下圧, 声の音圧レベル, 推定最大体積速度, 平均呼気流率は大である.2) アンザッツNo.3aでは中等度の声門閉鎖と呼息圧を有し, 声門上部をあまり狭くせずに発声している.推定最大体積速度は大であるが, 平均呼気流率は中等度である.3) アンザッツNo.3bでは声門を弱目に閉じ, 声門上部を広く開いて弱い呼息圧を用いて発声している.声門下圧は小さいが, 推定最大体積速度は大きく, 平均呼気流率は中等度である.4) アンザッツNo.4, No.5ではファルセットの喉頭調節で発声している.推定最大体積速度, 平均呼気流率は低目である.5) アンザッツNo.6では声門をかなり強く閉じ, 中等度の呼息圧で発声し, 声の音圧レベルは高い.推定最大体積速度は大きいが, 平均呼気流率は小さい.
著者
原田 聡 杉田 隆 田嶋 磨美 津福 久恵 坪井 良治 西川 朱實
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 第50回 日本医真菌学会総会 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
pp.77, 2006 (Released:2006-09-12)

【はじめに】皮膚常在真菌であるMalasseziaはアトピー性皮膚炎の増悪因子である。本菌は細胞外にリパーゼを分泌することにより皮脂を分解しそれを自らの栄養源としている。この度は、アトピー性皮膚炎の標準的治療薬であるステロイドおよびタクロリムスがMalasseziaの分泌性リパーゼ産生および遺伝子発現に及ぼす影響について検討した【材料および方法】菌株:アトピー性皮膚炎患者皮膚の主要構成菌種であるM. globosaおよびM. restrictaの臨床分離株を用いた。リパーゼ遺伝子変動:degenerate PCRによりリパーゼ遺伝子をクローン化し、各種薬剤存在下での遺伝子発現変動をreal-time PCRを用いて調べた。分泌性リパーゼ産生:各種薬剤存在下でpNPP法によりリパーゼ活性を測定した。【結果および考察】臨床濃度に相当するステロイド存在下では、リパーゼ遺伝子の発現およびタンパク産生の抑制が認められた。一方、タクロリムスは、臨床濃度の約1/60以下で遺伝子発現およびタンパク産生の亢進が認められた。しかしながら、タクロリムスは臨床濃度ではMalasseziaに対して殺菌的に働くので、リパーゼ活性の亢進は臨床上問題にならないと考えられる。【会員外共同研究者】内田夕貴、斉藤美沙
著者
小泉 諒 西山 弘泰 久保 倫子 久木元 美琴 川口 太郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 = Geographical review of Japan (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.592-609, 2011-11-01
参考文献数
30
被引用文献数
8

本研究では,1990年代後半以降における東京都心部での人口増加の受け皿と考えられる超高層マンションを対象にアンケート調査を行い,その居住者特性を明らかにするとともに,今日における住宅取得の新たな展開を考察した.その結果,居住者像として,これまで都心居住者層とされてきた小規模世帯だけでなく,子育て期のファミリー世帯や,郊外の持ち家を売却して転居した中高年層といった多様な世帯がみられた.それぞれの居住地選択には,ライフステージごとに特有の要因が存在するものの,その背景には共通した行動原理として社会的リスクの最小化が意識されていることが推察された.社会構造が大きく変化し雇用や収入の不安定性が増大している中で,持ち家の取得は,機会の平等が前提された「住宅双六」の形態から,個々の世帯や個人の資源と合理的選択に応じた「梯子」を登る形態へと変化したと考えられる.

2 0 0 0 OA 風流四方屏風

著者
鳥居清信 画
出版者
米山堂
巻号頁・発行日
vol.上, 1922
著者
川端 良介 森川 廣光 大島 義晴
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.110, pp.57-61, 2013-10-18

上肢の伸展・屈曲運動は、多くの場合随意的筋活動によって行われる。しかし、これらの運動には無意識レベルで筋の緊張を制御する頸反射の影響が少なからず存在する。この反射の影響を筋電図などによって定性的にみた報告は多くみられるが、筋の収縮速度や筋力、筋パワーなどの視点から定量的に捉えた研究は少ない。そこで、本研究ではメディシンボールを使用したプッシュ動作を運動事例として、上肢の伸展動作に及ぼす頸反射の影響を「伸展速度」、「伸展力」、「伸展パワー」の3つの力学量から定量的に捉えた。実験では被験者に座位姿勢からのプッシュ動作を腹屈頭位と背屈頭位でそれぞれ3回行わせ、このうち最高投擲距離の試技を分析対象とした。その結果、3つの力学量はいずれも背屈頭位姿勢の値が腹屈頭位姿勢より有意に大きくなることがわかった。
著者
村松 史織
出版者
信州大学国語教育学会
雑誌
信大国語教育
巻号頁・発行日
vol.23, pp.28-38, 2014-03-05
著者
永井 秀幸 赤坂 清和 乙戸 崇寬 澤田 豊 大久保 雄
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1254, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】下腹部引き込み動作(以下ドローイン)は通常背臥位で行われる。しかし,腰痛者が職場で背臥位やバランスボールを使用することはスペースや安全面から困難であり,椅子座位でエクササイズを施行する方が機能的・現実的であると考えられる。そこで我々は,椅子座位で施行出来る効果的な腰痛予防エクササイズを模索するため,超音波診断装置を用いてバランスディスクの有無とドローインエクササイズを組み合わせた腹部深層筋の筋活動が高まる運動課題を検討した。【方法】対象は,本研究に対して同意を得られた健常男性20名(平均年齢:22.2±2.7歳)とした。測定機器は,超音波診断装置(ALOKA社製PROSOUND6)を用いた。基準となる安静背臥位で腹横筋と内腹斜筋の筋厚を測定した。運動課題は,椅子座位,バランスディスク座位とし,各々に①安静,②左片脚挙上(以下knee elevation),③下腹部引き込み動作(以下ドローイン),④ドローインしながら左片脚挙上(以下ドローイン+knee elevation)を行なう合計8種類とした。測定部位は,最下位肋骨の下端と腸骨稜の中点かつ前腋窩線上とし,測定はすべて右腹壁にて安静呼気時に測定した。また,前述の運動課題施行中の難易度をVASにて測定した。さらに,筋厚の安静背臥位との比(以下,安静時比)を算出した。筋厚の比較は腹横筋と内腹斜筋における椅子座位,ディスク座位の2つの姿勢と前述の4つの運動課題の2要因による2元配置分散分析と多重比較を行った。また,各課題における難易度のVASの比較についても同様に実施した。統計処理にはSPSS Statistics version 21を使用し,有意水準を5%とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は,埼玉医科大学保健医療学部倫理員会による承認(M-37)を得て実施した。【結果】各運動課題における筋厚の安静時比は,腹横筋について椅子座位でのドローインでは2.1倍,ドローイン+knee elevationでは2.4倍,ディスク座位でのドローイン+knee elevationが2.5倍となった。腹横筋の筋厚は,姿勢による有意差はなく,運動課題では,安静<knee elevation<ドローイン<ドローイン+knee elevationとなり,不等号部分にて,有意に筋厚が増加した。内腹斜筋の筋厚は,椅子座位よりもディスク座位で有意に増加した。また,運動課題間の比較では,安静<knee elevation,ドローイン<ドローイン+knee elevationとなり,不等号部分にて有意に筋厚が増加した。椅子座位における4つの運動課題の難易度は,安静<knee elevation,ドローイン<ドローイン+knee elevationとなり,ディスク座位における難易度は,安静<ドローイン<knee elevation<ドローイン+knee elevationとなり,不等号部分にて有意に難易度が増加した。各運動課題における椅子座位とディスク座位との難易度は,全てにおいてディスク座位の方が,難易度が高い結果となった。【考察】各運動課題における筋厚の安静時比の結果は,バランスボールの先行研究(Rasouri O, et al. 2011)と同程度であり,バランスディスクはバランスボールと同程度の効果を示唆した。座面の不安定性では,ローカルよりもグローバルマッスルが,有意に活動が増大したことを示唆した。また,knee elevationよりもドローインが腹横筋の活動を増大させ,内腹斜筋は両課題の有意差はみられなかった。一方,ドローインの影響は内腹斜筋より腹横筋の方が大きく,先行研究(Urquhart DM, et al. 2005)と同様の結果となった。ドローイン+knee elevation時の腹横筋・内腹斜筋の筋厚が有意に高くなった理由は,大腰筋の収縮が腰椎・骨盤の固定性をさらに高める必要性を生じさせ,両筋の筋活動がより増加したと推察する。これらから,内腹斜筋の過活動を抑えながら腹横筋の筋厚を高めるには椅子座位でのドローインが有用であり,両筋の活動増加を目的とする場合は難易度が高くなるが,椅子座位でのドローイン+knee elevationが有用であることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】腹横筋について,バランスディスクの影響は少なく,knee elevationよりドローインの影響が大きいことが示唆された。また,ドローインでknee elevationさせると,腹横筋と内腹斜筋の筋厚が増加するととともに,難易度が増加することが示唆された。これらの結果は,臨床での腰痛者への運動療法を行う際,運動の選択における基礎的知見になると考える。
著者
品田 悦一
出版者
至文堂
雑誌
国語と国文学 (ISSN:03873110)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.p15-31, 1985-01
著者
松崎 妙子 原 征彦
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.129-134, 1985 (Released:2008-11-21)
参考文献数
12
被引用文献数
131 161

(1) (-)-エピカテキン(EC), (-)-エピガロカテキン(EGC),(-)-エピカテキンガレート(ECg), (-)-エピガロカテキンガレート(EGCg)のラードにおける抗酸化作用を調べた.ラードにおける抗酸化力は等重量濃度で比べた場合, ECg<EC<EGCg<EGCとなり, BHAおよびdl-α-トコフェロールよりも強い抗酸化作用を示した.また等モル濃度で比べた場合はEC<ECg<EGC<EGCgとなり,構造式との相関関係があるように思われる. (2) EGCgとアミノ酸を併用したラードはEGCgのみのものに比べると,むしろPOVを上げるもののほうが多く, 19種アミノ酸のうちL-メチオニンのみがわずかに相乗作用を示した.リンゴ酸,酒石酸およびクエン酸が相乗作用を示した.またL-アスコルビン酸およびトコフェロールもEGCgと強い相乗作用を示した. (3) リノール酸に対してもEGCgは抗酸化作用を示したが,その強さはラードにおけるそれよりも弱かった.また水添加リノール酸に対しても抗酸化作用を示し,油系のみならず,水系においても抗酸化作用を発現することがわかった. (4) カテキン混合物(総カテキン含量約72%)は,ラードにおいてはEGCg単独の抗酸化力と同等の効力を示した,またこれはトコフェロール含有の市販サラダ油に対しても顕著な抗酸化作用を発揮することが明らかになった.
著者
角田 慎一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.2, pp.203-207, 2011-02-01 (Released:2011-02-01)
参考文献数
7
被引用文献数
4 7

Recently, the number of applications of nanomaterials in medicine, cosmetics and food to which we are directly exposed has been expanding rapidly. The safety of such nanomaterials has not been well assessed, because nanomaterials have been considered as safe as common larger sized materials which are known not to be absorbed by the body. Therefore, WHO and OECD are collecting safety information on nanomaterials with a view to regulation of their use. Although assessment of in vivo behaviors of nanomaterials, (i.e., absorption and distribution, and correlation analysis with hazard information) is urgently needed, such research has not yet been undertaken. In this regard, using amorphous silica particles as model nanomaterials, we are starting to study safety, in vivo behavior and their correlation; silica particles are often used in cosmetics and foods and also, downsized particles are rapidly becoming available. In our study, we have found that silica particles below 100 nm in diameter show significantly different characteristics in in vivo behavior and biological effects i.e., penetration through skin and distribution to brain. Here, I addressed the importance of studies in physicochemical characteristics, kinetic behaviors, and biological effects of nanomaterials below 100 nm in size, to ensure their safety.