著者
野淵 輝
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.294-296, 1981 (Released:2011-03-05)
著者
荒井 輝博 山田 隆史 吉田 一昭
出版者
岐阜県農業技術センター
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-6, 2011 (Released:2015-04-17)

水稲品種「ハツシモ」に戻し交雑により縞葉枯病抵抗性遺伝子を導入し縞葉枯病抵抗性同質遺伝子系統「ハツシモ岐阜SL」を育成した。縞葉枯病抵抗性を有する「岐系164号」を一回親、「ハツシモ」を反復親とし、5回の戻し交雑を行った。「ハツシモ岐阜SL」の品種特性は「ハツシモ」と比較して、出穂、成熟期はほぼ同等、稈長は2~3cm短く、穂長は同等、穂数および収量は多くなった。千粒重は約1g小さくなった。また、「Modan」由来の縞葉枯病抵抗性遺伝子Stvb-iを有するため、縞葉枯病の発病は認められなかった。栽培特性を把握するために、緩効性肥料を用いた栽培試験を行ったところ、基肥: 被覆尿素肥料30日タイプ(N4kg/10a)+穂肥: 緩効性肥料(N4kg/10a)区で最も多収であり、千粒重も確保できることが分かった。
著者
樋口 寿 藤田 朋子 久保 美帆
出版者
近畿大学農学部
巻号頁・発行日
no.41, pp.17-25, 2008 (Released:2011-01-18)

近年、「キレる」などに代表される精神的な健康問題は、深刻な事件と結びつくものがあり、その社会的関心も高い。その原因の一つとして食生活が注目されている。過食や偏食、欠食等が身体的な健康に影響を与える因子であることから、食生活は精神的な健康にも影響を与える因子であることが推測できる。そこで本研究では、大学生の食生活や生活習慣における実態を調査し、特に精神的健康との関連について検討した。平成18年6月に近畿大学農学部1・2回生268名を対象に食物摂取頻度、生活習慣、自覚症状、食行動に関する項目について自己記入式のアンケート調査を行った。1)朝食は全体の75%が「毎日食べる」と答えたが、朝食の欠食は有意に男子で高かった。間食の頻度は女子が有意に高かった(p<0.01)。2)食物の摂取頻度では、野菜類、菓子類は女子の摂取頻度が多く、嗜好飲料、インスタント麺、ファーストフード、お酒は男子が多く、性差が認められた。女子に便秘傾向の者が多く、男子に運動習慣のある者が多かった。3)自覚症状を因子分析した結果、3つの因子が抽出され各因子を「精神的不安定」・「睡眠障害」・「身体的症状」とした。各項目で性差が認められたのは、「精神的不安定」の「自分がうつだと感じることがある」「イライラすることが多い」「頭がぼんやりする」と、「身体的症状」の「肩がこる」「疲れやすい」「目が疲れる」「目の前が真っ暗になり倒れそうになったことがある」の7項目で、いずれの項目においても女子が有意に高かった。4)食行動を因子分析した結果、3つの因子が抽出され各因子を「外発的刺激摂食」「体質認識」「食べ方」と名付けた。「外発的刺激摂食」と「体質認識」の全項目で、男子より女子が有意に高く、食べ方では男子の「早食いである」が有意に高かった。5)「精神的不安定」と関連する因子をパス解析で検討した。「精神的不安定」に直接影響を与えている因子は、自覚症状から抽出された「睡眠不足」と「身体的症状」の2因子であった。食品摂取頻度から抽出された「加工食品」と「食生活」「生活習慣」は間接的に「精神的不安定」に影響を与えていた。
著者
村野 多可子
巻号頁・発行日
vol.43, pp.23-30, 2007 (Released:2011-11-25)

国内におけるワクモ(Dermanyssus gallinae)の浸潤率は、産卵鶏では85.2%と高い値を示した。ワクモによる被害は、潰れた飽血ワクモの血液や排泄物などの付着による汚卵の発生、人への被害、産卵率への影響、鶏の貧血・死亡がなどであった。また、ワクモ寄生鶏産出卵では卵重の減少、濃厚卵白・H.Uの低下などがみられた。市販されているワクモ駆除目的の殺虫剤の大半に抵抗性の出現が確認されたため、現時点でワクモ防除のために考えられるいくつかの方法を試みた。ワクモが瞬時に死亡する水温は65℃以上であった。24時間のホルマリン薫蒸によるワクモの死亡率は34.8〜62.2%であり、産出された卵の孵化率は90%以上を示した。環境制御資材によるワクモの駆除は資材により大きく効果が異なった。年々市販殺虫剤に対するワクモの抵抗性出現が増加してきている。早期に殺虫剤を含めた新しい駆除法の開発が切望される。
著者
羽鹿 牧太 高橋 浩司 山田 哲也 小巻 克巳 高田 吉丈 島田 尚典 境 哲文 島田 信二 足立 大山 田渕 公清 菊池 彰夫 湯本 節三 中村 茂樹 伊藤 美環子
出版者
農業技術研究機構作物研究所
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-20, 2009 (Released:2011-03-05)

「なごみまる」は、大豆の主要アレルゲンの一つαサブユニットを欠失した大豆品種の育成を目標として、「タチナガハ」を母とし、αサブユニットを欠失する「α欠(I)(現在の「ゆめみのり」)」を父として交雑した系統に、「タチナガハ」を3回戻し交雑して育成した新品種である。大豆の主要アレルゲン蛋白質の一つであるβ-コングリシニンのαおよびα’サブユニットを欠失している。関東地域の主力品種である「タチナガハ」よりやや早生だが、ほぼ同等の収量性及び耐倒伏性を備えている。アレルギーリスクを軽減した豆乳等の大豆食品の原料として利用できる品種であり、2006年に「なごみまる」と命名し、種苗登録への出願を行った。
著者
中山 繁喜 高橋 亨 櫻井 廣
出版者
岩手県工業技術センター
巻号頁・発行日
no.14, pp.10-12, 2007 (Released:2011-03-04)

低グルテリン米「岩手79号」を原料米に、味薄に感じない製成酒を造るため、1.麹の使用割合を増やす、2.麹米に低グルテリン米以外を用いる、3.精米歩合を昨年の80%から90%に上げる製造法を検討した。その結果、麹米に低グルテリン米以外を使うと昨年指摘された香りの欠点が改善され、対照より良い評価の酒を造ることができた。アミノ酸度が低い特徴は変わらなかったが、企業の方は酸味が際立つ酒質に興味を持つ人が多く、低グルテリン米は酒質の多様化に貢献できると思われた。
著者
佐藤 充克
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.296-308, 2018 (Released:2018-06-15)
著者
鳥居 貴佳 近藤 徹弥 半谷 朗 三井 俊
出版者
愛知県産業技術研究所
巻号頁・発行日
no.10, pp.82-83, 2011 (Released:2013-10-08)

イチジクが有する抗アレルギー作用を効果的に利用するため、培養細胞を用いたβ‐ヘキソサミニダーゼ遊離阻害率を脱顆粒反応の指標として抗アレルギー作用を示す成分の特性を検討した。イチジク果汁をHP-20樹脂に添加して、80%メタノールで溶出することにより抗アレルギー成分を粗精製した。これをポリビニルポリピロリドンに接触させたところ、β‐ヘキソサミニダーゼ(β‐HEX)遊離阻害率が低下した。このことからポリフェノールがβ‐HEXの遊離に関与していることが考えられた。また、沸騰水中で加熱処理したところ、β‐HEX遊離阻害率が未処理の試験区と比較して高くなった。
著者
荒川 博
出版者
静岡県農業試験場
巻号頁・発行日
no.36, pp.25-34, 1991 (Released:2011-03-05)
著者
相馬 優樹 片嶋 充弘 倉内 静香 沢田 かほり 徳田 糸代 駒目 瞳 村下 公一 中路 重之
出版者
日本栄養・食糧学会
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.19-26, 2019 (Released:2019-06-21)

本研究は,職域における健康教育プログラムがメタボリックシンドローム指標に及ぼす効果を検討することを目的とした。参加者は,青森県弘前市に事業所を置く3企業の社員92名とした。参加者は介入前の健康チェック後,3カ月間の健康教育プログラムに参加し,介入後の健康チェックを受けた。プログラムは,月1回の内臓脂肪面積の測定によるモニタリング,内臓脂肪低減を意図した食教育,およびそれを補助する職域給食としての弁当の提供の3要素で構成されていた。介入前後で,参加者の腹囲,内臓脂肪面積,収縮期血圧が改善しており,男性においては体重も減少していた。弁当の提供だけでなく,モニタリングや食教育も含めたメタボリックシンドローム対策プログラムにより,食生活全般の改善を介して効果が得られると考えられた。
著者
野口勝可 中山兼徳 潘釆敦
巻号頁・発行日
no.22, pp.179-202, 1975 (Released:2011-09-30)
著者
高木 俊 栗山 武夫 山端 直人
出版者
兵庫県森林動物研究センター
巻号頁・発行日
no.10, pp.32-45, 2018 (Released:2018-08-02)

・鳥獣害アンケートにおけるシカ・イノシシによる農業被害の程度と、集落周辺の森林面積割合、密度指標の関係性の分析を行った。・シカ・イノシシの密度指標として、出猟カレンダーから集計した銃猟時の目撃効率、箱わなの捕獲効率を用い、農業被害との関係性を比較した。・シカ・イノシシいずれも密度指標と森林面積割合を組み合わせることで、より被害程度が説明され、シカによる被害は、周辺1000m以内での森林面積割合が高い集落で、イノシシによる被害は周辺100mの森林面積割合が高い集落で深刻化しやすい傾向がみられた。・景観構造の違いを考慮した場合、森林内の銃猟時の目撃効率よりも、集落周辺で設置されることの多い箱わなでの捕獲効率の方が、被害程度との関係性が強かった。・目撃効率と被害程度の関係性は、兵庫県全体での個体数管理の目標設定の基準として使われてきたが、集落単位で被害分析や対策の評価を行う場合には、景観構造の違いを考慮し、箱わなでの捕獲効率を指標とすることが有効である。
著者
深田 英久 渡辺 直史
出版者
高知県立森林技術センター
巻号頁・発行日
no.35, pp.1-10, 2010 (Released:2013-10-08)

電気牧柵で囲んだ試験地内にヒノキ苗木を植栽し、放牧区内にメスの土佐褐毛牛を2~4頭放牧して無放牧区との群落高の変化および下刈り時間、ススキなどの優占種別の下刈り効果を比較し、苗木の状況を調査した。また、高知県のニホンジカの生息密度が高い地域で電気牧柵の内外にスギ・ヒノキ苗木を植栽し、電気牧柵の有無、また土佐褐毛牛放牧によるシカ害軽減効果を調査した。下刈り省力化試験は、ススキが優占する造林地において顕著な効果がみられたが、放牧日数の増加とともに苗木の踏付けによる枯死が、また、牛の体重が放牧開始時に比べて減少し始めた頃から牛による苗木への食害が増加した。シカ害軽減効果試験は、傾斜の緩やかな試験区(傾斜10deg 程度)では、電気牧柵のみで被害を十分に防ぐことができなかったが、牛を放牧することでシカ害軽減効果が確認された。また、比較的傾斜が急な試験区(傾斜20deg 以上)では、電気牧柵のみを設置した試験区でもシカ害がほとんどみられず、放牧による軽減効果は不明確であった。
著者
斎藤 金兵衛
出版者
農林省蠶絲試驗場
巻号頁・発行日
no.31, pp.1-13, 1959 (Released:2012-08-30)