著者
片山 英木
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1385, pp.171-174, 2007-04-02

みすず監査法人は、2月20日に所属する300人余りの公認会計士全員を他の大手監査法人に移籍させると発表しました。事実上の解散宣言であり、4大監査法人の一角を占めてきたみすずは、近く消滅することになります。 2004年に産業再生機構に送られたカネボウの粉飾決算に、私どもの所属会計士が加担していたことが判明しました(編集部注:後に起訴された)。

2 0 0 0 OA 介殻稀品撰

著者
〔武蔵石寿//著〕
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻3 螺属稀品,
著者
東条 操
出版者
国語学会
雑誌
国語学 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-12, 1950-10
著者
岡田 俊裕
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.193-215, 1997-04-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
129
被引用文献数
2

小川琢治は中国への並々ならぬ関心を終生持ち続けた.その契機は『台湾諸島誌』 (1896) の執筆にあり,その際重用した中国の古地誌・史料への興味が歴史地理研究へと向かわせた.彼は,儒家によって異端邪教視された史料を重用し,中国の地理的知識の拡大過程および古代の東アジア世界と地中海世界との地域交流などを考究した.以後,歴史地理学ないし地理学史研究が京都(帝国)大学における地理学研究の伝統となった.また彼は,情況に対応した中国経営論を展開した.その視点は植民地経営者のものであったが,研究者としての見識も示した.しかし,反日・抗日運動が活発化した蘆溝橋事件以後は一変し,中国との連携志向を失った.このような論策の背景には,自らが先鞭をつけた戦争地理学研究があった.それは当初政治学の分科ゲオポリティクとは区別されたが, 1930年代にはゲオポリティクを政治地理学の分科と規定し,同じ政治地理学の分科である戦争地理学がゲオポリティク的要素を含むことを理論づけた.それを踏まえて中国経営論も変容したと考えられる.
著者
西尾 祐吾
出版者
福井県立大学
雑誌
福井県立大学論集 (ISSN:09189637)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.33-51, 2004-07-31
著者
馬嶋 健一郎 平田 信人 村木 洋介
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.25-35, 2019 (Released:2019-01-21)
参考文献数
26

【背景・目的】右側大腸は,大腸内視鏡による大腸癌死亡抑制効果が左側より乏しいとされ,より注意した観察が必要である.大腸内視鏡検査中に右側大腸で反転観察を追加する事と前方観察を2回行う事の効果を調査する.【方法】無作為化比較試験を対象に,システマティックレビュー及びメタアナリシスを行った.エビデンスの質の評価をGRADEシステムを用いて行った.【結果】適格基準を満たす研究は2本のみであった.右側大腸で追加発見された腺腫割合の発見リスク比は0.76(95%信頼区間0.55-1.05, P=0.10)であり,反転群で追加発見が少ない傾向を認めたが有意差はなかった.エビデンスの質は低かった.【結論】右側大腸反転効果に対するエビデンスは極めて少なく,質も高くない事が判明した.限られたエビデンスからの判断だが,前方観察2回に比べ反転観察追加の優位性は認められなかった.今後さらに研究の蓄積が必要である.
著者
南 昌孝 森原 徹 大西 興洋 加太 佑吉 祐成 毅 古川 龍平 木田 圭重 琴浦 義浩 藤原 浩芳 久保 俊一
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.541-544, 2017 (Released:2017-09-20)
参考文献数
8

胸郭出口症候群(TOS)は,上肢のしびれや放散痛が生じる疾患である.投球時に同様の症状を訴える野球選手をしばしば経験するが,その疫学や病態は明らかでない.高校野球検診でTOSと診断された選手の疫学と病態を検討した.検診に参加した選手のうち,投球時に上肢のしびれや放散痛を自覚しWright testが陽性の選手をTOSの疑いありとした.そのうち病院を受診した選手の病態を検討した.TOSを疑われた選手は305名中13名であり,5名が病院を受診した.5名の身体所見は,肩甲骨の運動不良3例,胸椎のアライメント不良3例であった.すべての選手に運動療法を行い,2ヵ月以内に症状は消失した.野球選手のTOSは,筋の過緊張やリリース時の牽引などが原因とされている.今回経験した5例では筋の過緊張や肩甲骨下方偏位に加え,胸椎のアライメント異常が影響していると考えた.それらを改善することで症状は消失した.
著者
島田 由紀子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:24326925)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.87-96, 2017-03-31

幼稚園の造形活動や小学校の図画工作は、美術を専門に学んだ保育者や教師が担当するとは限らない。したがって、造形活動や図画工作の指導や援助に戸惑う者も少なくない。その戸惑いの影響は、幼児や児童の表現にも表れることが予想され、幼児や児童自身の苦手意識にもつながることが考えられる。造形活動や図画工作を苦手に感じている保育者や教師が多いことから、活動や授業にすぐに結びつく実践的な書籍がこれまでも多く出版され、また講習会や研修会も数多く行われている。特に、描画活動は幼稚園でも小学校でも行われていることから、保育者や教師のさらなる描画指導に対する苦手意識と困難さは先行研究からも読み取ることができる。描画指導に対する苦手意識や困難さを感じている保育者や教師にとって、具体的なメソッドを教授する講習会の影響は大きく、絵画コンクールに出品される作品からもその影響がみられる。しかし、メソッドによる描画指導法については、これまで、造形教育や美術科教育の研究対象としてはほとんど取り上げられてこなかった。その理由に、メソッドに沿った描画では幼児や児童の思いや個性が表現されず、画一的な表現に陥ることが挙げられている。一方、メソッドによる描画指導の講習会は毎年行われていることから、支持している、あるいは頼りにしている保育者や教師が多いことが推測される。描画指導法のメソッドが確立、普及していった背景からは、絵が描けない幼児や児童の存在と、自身の描画に対する苦手意識と指導や援助に困惑している保育者や教師の姿が見えてくる。そして、メソッドを習得した後、活動や授業の中で実践し、幼児や児童が予想していたように描けることに達成感や手応えを感じ、さらにメソッドを取り入れた指導法を推し進めているという実態が考えられる。 幼稚園教育要領や小学校学習指導要領にメソッドによる描画指導法を照らし合わせて考えると、必ずしも沿ったものではないことがわかる。幼稚園教育要領や小学校学習指導要領は「上手に絵を描くこと」をねらいや目標としていないからである。メソッドでは、学力の三要素にもある知識や技能の習得は可能であっても、思考力・判断力・表現力、主体的に学習に取り組む態度には結びつきにくい側面があることも推測される。また、学校教育ならではの集団での遊びや学びがメソッドでは想定されておらず、友達や保育者、教師とのかかわりは重視されていない。今後、幼児や児童自身がメソッドによる描画指導法についてどのように感じ考えているのか把握する必要がある。
著者
岡村 忠雄
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.61, no.637, pp.431-432, 1941-08-10 (Released:2008-11-20)
参考文献数
4
著者
前原 和平
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.853-858, 2014
被引用文献数
1

東日本大震災ならびに福島第一原子力発電所事故から2年8か月が経とうとする現在,30km圏内をはじめとする避難区域はもとより,その周辺の地域コミュニテイの復旧・復興の見通しは杳として立っていない。昨年の学会では,東日本大震災とそれに引き続く東京電力福島第一原子力発電所事故によりその日現場で何が起きたのか,そして福島県下病院の被災状況について報告をさせていただいた。大震災より2年8か月が経過した本学会開催時には福島県の復興の確かな足取りをお話しするつもりであった。しかし,住民の帰還どころか,仮の町計画すら具体化せず,最大16万6,000人に上った避難住民は8月現在,未だおよそ15万人(県内に約9万6,000人,県外へ約5万4,000人)が避難生活を送っている。第一原発から20km以内の旧警戒区域にある双葉郡4町(浪江,双葉,大熊,富岡)は5年間帰還しないことを決めた。避難生活が6年以上に渡る人は5万4,000人に上ると推定されている。また,旧緊急時避難準備区域は解除されて1年5か月が経過したが帰還したのは避難した住民の1~2割に止まり復旧は進んでいない。 震災二周年の3月11日に報道されたNHK特集では避難区域から8万5,000人,区域外から7万人の避難生活者のなかで,転居を4~5回以上した人が76.7%,もといた家族と暮らせていない人が59.6%に上ると報道された。避難住民は,生活基盤を根こそぎ奪われ,地域コミュニティから隔絶された中で,経済的にも精神的にも困難な状況に置かれている。さらに,この状況が次第に見えづらくなってきつつあることが憂慮される。福島第一原発事故も本年8月に入って汚染地下水の海への流出や貯蔵タンクからの汚染水漏れが明らかとなり収束にはほど遠い状況にある。病院を含む双葉郡地域社会の復興・再生はようやくとば口に立ったに過ぎない。 地域コミュニテイの復旧なしには病院の復旧・復興も進まない。旧警戒区域の7病院は未だ休止中であり再開の目処は立っていない。また,診療を再開した旧緊急時避難準備区域の6病院は病院スタッフの減少により厳しい医業経営を強いられている。放射線低線量被爆への不安から避難している住民のなかには,子供のいる若い世代の医療スタッフも多く含まれ,県下病院において医療スタッフの不足が深刻化している。これからの福島県医療の復興・再生には遠い道のりが待ち構えている。
著者
東山 薫
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.359-369, 2007-09-30

本研究では,Wellman & Liu (2004)の主張する多面的な"心の理論"の発達が,日本の子どもにおいても同じように見られるかを追試すると共に,誤答した子どもの説明を分析することによって,より詳細に日本の子どもにおける"心の理論"の発達を検討することにした。すなわち,誤信念課題において指摘されてきたような通過率の遅れがこの尺度でも見られるか否か,日本の子どもがWellmanらの結果と同じ順序で段階的に心の理解が進むか否か,誤答分析によって"心の理論"課題を誤る原因を明らかにすること,を目的とした。3〜6歳の子ども120名にWellmanらの多面的な"心の理論"課題を実施したところ,Wellmanらと同様に年齢と共に段1皆的な発達が見られたが,誤信念課題において従来指摘されてきたように,多面的な概念を含む"心の理論"課題においても,日本の子どもは通過率が低かった。誤答の説明を分析すると,4,5歳児の3割近くが信念課題をどのように考えたかうまく説明できない場合と,理解できていない場合とが含まれていると考えられた。最後に,Wellmanらの課題の可能性と今後の課題について論じた。
著者
佐藤信弥著
出版者
講談社 (発売)
巻号頁・発行日
2018
著者
中山 保之 坂宮 章世 船木 健司 栗田 修 矢野 竹男
出版者
日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.133-143, 2015
被引用文献数
1

橙系サツマイモである隼人芋を原料とした干芋である"きんこ芋"ならびにきんこ芋製造時に廃棄されている表層部を活用した,2種類の新規芋焼酎の実用的レベルでの製造を行った.焼酎の製造にあたっては,米麹は白麹を用いて製麹,酵母は鹿児島4号酵母(C4酵母),水は地下水を使用した.きんこ芋ならびに天日乾燥させた表層部は,粉砕などの前処理をせずに用いた.仕込みは伊勢市内にある企業の焼酎製造工場の設備を用いて,二段仕込みで行った.きんこ芋からは酸度5.5,揮発性酸度0.5,アルコール濃度11.9%,表層部からは酸度7.4,揮発性酸度1.4,アルコール濃度10.9%,の最終二次もろみが得られた.きんこ芋から得たもろみは,焼酎にきんこ芋の香気特性を残すため,常圧蒸留を行った.一方,表層部から得たもろみは,焼酎に表層部に由来する臭気が残らないようにするため,減圧蒸留を行った.きんこ芋200 kgからは291 L, 表層部400 kgからは551 Lの原酒が得られた.それぞれの原酒はアルコール濃度25%となるように割り水して調整した後,720 mLの褐色ビンに充填した.香気成分の定量結果から,それぞれの芋焼酎は,対照とした市販3焼酎と比較すると,芋焼酎の特微香成分であるモノテルペンアルコール類の種類ならびに含有量が低かったが,市販3焼酎では検出されなかった,原料の橙系サツマイモ固有で,甘さを連想させる香気成分である,β-イオノンが含まれていた.それぞれの芋焼酎は22種類の香気成分の定量値を用いた因子分析および官能評価によって,特性分析を行い,それぞれ期待した通りの従来の芋焼酎とは異なる芳香特性をもつ製品であることが確認できた.