著者
江口 貴康
出版者
島根大学
雑誌
山陰研究 (ISSN:1883468X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-22, 2013-12-31

本稿は、島根原発に対する諸不安と個人属性との関係について考察することを目的とする。分析に際しては、松江市民に対して実施した意識調査データを使用した。分析で扱った個人属性は、これまで先行研究で扱われてきた性別および年代のほか、同居家族の人数、生活水準、居住年数、居住形態、職業である。分析の結果、女性や主に高齢者で不安が強いことが示された。またそれ以外の属性要因で複数の不安に影響を与えるのは、同居家族の人数と居住年数であった。特に居住年数への着目は、原発立地地域に住む松江市民の諸不安への対処を講じるのに役立つ可能性がある。
著者
加藤 榮一
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.764-775, 1988-05-01 (Released:2009-05-29)
参考文献数
30
被引用文献数
2 3
著者
伊佐敷 隆弘
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学教育文化学部紀要. 人文科学 (ISSN:13454005)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-24, 2005-09

出来事個体の同一性に関するデイヴィドソン説(因果基準)とクワイン説(時空基準)について検討する。因果基準は「同じ時空領域に複数の出来事が生じる可能性」を,時空基準は「4次元主義的存在論(出来事と物体の同一視)」を,それぞれ主な根拠としている。デイヴィドソンはクワインからの批判を受け,因果基準を捨て時空基準を採るに至った。しかし,どちらの基準も循環を含み,また因果基準はデイヴィドソンの単称因果言明分析と相性が悪く,時空基準はデイヴィドソンの非法則的一元論と相性が悪い。それゆえ,デイヴィドソンの転向は早計過ぎた。彼は他の可能性を探るべきだった。
著者
古関 喜之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.261-279, 2017 (Released:2017-12-16)
参考文献数
20

バナナの生産・流通・消費においてグローバル化が進んでおり,多国籍アグリビジネスは重要な役割を演じている.しかし,日本と台湾との間には,植民地時代を背景として,独特な生産と流通の仕組みが維持され,日本市場は台湾バナナにとって依然として重要な存在である.日本市場がグローバル化の影響を受けて多様化する中で,台湾はバナナの生産と輸出において大きな変化を迫られている.本稿では,輸出自由化後の日本向けバナナ産業の特徴について検討した.輸出自由化後,台湾では,国内価格の影響を受けて輸出価格が決定されるようになった.日本では,台湾バナナの品質が向上し,流通過程の統合の動きがみられた.しかし,依然,伝統的な流通が残っており,川下主導で価格決定される日本側との差異が浮き彫りになった.製糖会社の土地による輸出用バナナ栽培では,借地面積に上限があり,生産者を保護しながら輸出強化を図るという新たな局面を迎えている.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1922年05月13日, 1922-05-13
著者
市田 行信 吉川 郷主 平井 寛 近藤 克則 小林 愼太郎
出版者
THE ASSOCIATION OF RURAL PLANNING
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.277-282, 2005-11-30
参考文献数
15
被引用文献数
4 2

This paper investigates linkage between social capital and individual health using multilevel analysis. Data for the analysis is based on 9,248 people over 65 years old living in 28 school districts in Chita peninsula. Results show that school-district-level contextual effects are found for average income and social capital. Importantly, it is argued that without adopting a multilevel approach, the debate on linkage between individual health and social capital cannot be adequately addressed.
著者
安藤 和代
出版者
日本商業学会
雑誌
流通研究 (ISSN:13459015)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.65-85, 2015 (Released:2016-02-29)
参考文献数
83

近年、企業はターゲット層に向けて大量のサンプル配布や試用イベントを行ったり、記者発表会と並行してアルファ・ブロガー向け商品説明会を開催したりしている。商品を提供することで消費者の認知や商品理解を高めることに加え、対面あるいはソーシャルメディアを用いて使用後の感想が広まることを期待してのことである。クチコミマーケティングを実践する企業の関心は、潜在顧客である情報受信者の態度や行動に対してプラス影響を及ぼすことにある。したがって、クチコミ研究の多くは受信者に及ぶ影響に焦点をあてたもので、発信者におよぶ影響には注意が払われてこなかった。そこで本研究では、クチコミマーケティングで目指されるポジティブなクチコミを語る行為が、発信者の評価や行動や記憶に与える影響を明らかにすることを目的とする。口述・記述することで理解(センス・メイキング)が進み、既存の知識や経験で解釈が可能になると、対象の新奇性や驚きが薄れ、発信者の対象に対する評価やクチコミ意向は時間の経過の中で低下する(仮説 1・2)。またクチコミの骨格に沿った情報が限定的に処理されるため、記憶される内容は正確だが限定的である(仮説 3・4)といった仮説を設定し、実験データを用いて検証したところ、仮説は支持された。顧客維持の観点から、発信者に及ぶ影響を考慮したマーケティング計画の策定が重要であることが示された。
著者
星野 豊
出版者
筑波法政学会
雑誌
筑波法政 (ISSN:21880751)
巻号頁・発行日
no.68, pp.79-86, 2016-10-20

2 0 0 0 OA 義経記 8巻

出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
vol.[2], 1600
著者
沼田 晋作 荒金 陽助 柴田 賢介 神谷 造 佐野 和利 金井 敦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.45, pp.73-78, 2008-05-15
参考文献数
4
被引用文献数
1

重要情報を不正に取得するための手法は,なりすましやハッキングなど多くの手法が存在する.本論は,ソーシャルエンジニアリングの具体的な実例を分析し,人が演じる「ロール(役)」とそのロールによって取得できる「情報」によって,ソーシャルエンジニアリングのモデル表現を試みる.そして,得られたモデルによって説明が可能な実例を示し,説明が困難である実例を課題として述べる.The technique to acquire the critical information illegally has a lot of techniques like hacking and the disguise, etc. The main discourse analyzes a concrete example of the social engineering, and tries modeling by "Information" that can be acquired by "Role (posision)" that the person performs and the role. And the model explain some of the techniques of social engineering, but it could not explain some of the techniques of social engineering.