著者
小俣 敦士 竹林 洋一 石川 翔吾 松井 佑樹 原 寿夫 宗形 初枝 中野目 あゆみ 坂根 裕 本田 美和子 桐山 伸也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.4Rin116, 2019

<p>筆者らは,マルチモーダルケア技法のユマニチュード®️に着目し,認知症ケアスキルの情報学的評価と,Minskyの多重思考モデルを用いた認知症ケア知のモデル設計を進めてきた. 本稿では認知症ケア協調学習環境における指導行為に着目し,指導者の指導知識を多重思考モデルを用いて表出化した結果について述べる.</p>
著者
小俣 敦士 竹林 洋一 石川 翔吾 宗形 初枝 中野目 あゆみ 伊東 美緒 坂根 裕 本田 美和子 原 寿夫 桐山 伸也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3Pin146, 2018

<p>本稿では,認知症高齢者の個性やゴール(願い)といった個性情報に基づいたケアの実践と高度化のための協調学習環境を提案し,有効性について検討する. 本学習環境では,認知症の人本人の個性やゴールといった個性情報をもとに,認知症ケアの映像を用いて組織全体で学びを促進できる.認知症ケアの現場において,提案する学習環境の枠組みに則って協調学習を実施した. その結果,個性やゴールに基づき協調的に学ぶことが,ケアを受ける相手の理解を深めるとともに,ケアを行う際の目標やその意図をチーム全体で共有でき,多様な個性を持った認知症の人に合わせたケア実践につながることが示唆された.</p>
著者
田中 芳幸 外川 あゆみ 津田 彰 Yoshiyuki Tanaka
出版者
久留米大学大学院心理学研究科
雑誌
久留米大学心理学研究 = Kurume University psychological research (ISSN:13481029)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.128-149, 2011-03-31

本論文では,主観的ウェルビーイングによる健康や長寿への影響性に関する欧米での研究成果を概観し,ポジティブ健康心理学の研究にとっての今後の課題について論考した。各研究の方法論や対象に基づき,(1)長期にわたる縦断的研究,(2)主観的ウェルビーイングと生理指標との日常での関連性についての研究,(3)実験的な感情操作に伴う生理指標の研究,(4)動物を対象とした研究,(5)自然発生的な出来事と健康関連要因に関する実験的-フィールド研究,(6)主観的ウェルビーイングの変化を健康関連要因によって評価した介入研究,(7)患者の痛みやQOL と主観的ウェルビーイングとの関連性の研究の7 種類の研究に分類して整理した。その結果,様々な種類の研究成果より,主観的ウェルビーイングやそれを構成するポジティブ感情などが,健康や長寿にとって有益であることや,免疫系や心臓血管系の機能と関連することは明らかであった。ただし,もともと健康であった人々においてこの関連性は明確であるが,ガンなどの疾患を有する人々を対象とした場合には様々に錯綜した報告があり関連が明確であるとは言い難い。また,過度に活性化したポジティブ感情や躁的なポジティブ感情は健康にとって有害であることを示唆した研究も存在した。効果量や効果の変動性,統計的な調整に基づく妥当性などの問題が考えられた。以上の欧米研究のレビューを踏まえて,本邦の心理学研究,特にポジティブ健康心理学研究の今後の展開にあたって,主観的ウェルビーイングの(1)定義の再考と(2)測定尺度の検討,および,(3)主観的ウェルビーイングと健康や長寿との因果関係の方向性の検討を行うことの必要性を考察した。
著者
山口 あゆみ 橋本 公男 松原 薫 蒔田 愛
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.24-30, 2019

<p>顔立ちや表情がその人の印象形成に影響することは当然ながら,われわれは顔の肌質感も印象を決める重要な要素と考えている。今回は,ミドルエイジ男性が年齢は相応でも若々しい印象に見られたい意識があることに着目し,若々しさ印象の要因を探ることを試みた。見た目年齢は「シワ」の評価スコアとの関連が確認できた一方,若々しい印象スコアは,「シミ」,「くすみ」,「血色」の評価スコアと関連することがわかった。さらに視線解析結果より,見た目年齢評価時に比べ若々しい印象評価時に視線滞在時間が最も長かった部位は,肌質が顕著に現れやすいほほの部分であった。モデル乳液を連用すると,肌をよく観察できる条件である近距離でのみ若々しい印象がアップした結果が得られた。若いときと比べて肌の変化が顕著に起こっているミドルエイジ男性にとって,日々のスキンケアは年齢相応でありながら若々しい印象を作り出せる有効な手段であるといえる。</p>
著者
志賀 あゆみ 高篠 仁奈
出版者
東北大学農学部農業経営学研究室
雑誌
農業経済研究報告 (ISSN:02886855)
巻号頁・発行日
no.44, pp.58-67, 2013-02

バングラデシュにおける貧困問題は深刻であるが,貧困層の大部分は農村部に集中しており,農家の所得向上は喫緊の課題と言える。本研究の目的は,バングラデシュの農家所得向上の方策として,エビ養殖の可能性を探ることである。バングラデシュは最貧国であると同時に,災害が多発する地域でもある。ロイター通信〔10〕は,「エビ養殖で収入増=バングラデシュ洪水頻発地域の農家に光」と題して,サイクロンや洪水の災害に強いエビ養殖業が農家の収入を向上させていると報じている。しかし一方で,エビ養殖に使用する塩水の土壌浸水や,生態系への影響,健康リスク,持続性への不安市といった,環境問題の側面からの批判も多い。このようなエビ養殖について,先行研究では,経済面での影響について食料摂取,農家の収入増加や女性の雇用増加,費用一便益構造といった観点からエビ養殖を評価した研究が行われている(松田他〔6〕,Ito〔5〕,Abedin and Kabir〔1〕)。また,エビ養殖が急激に普及することによる社会面での影響について,Kendricは地主一小作の契約関係の変化を指摘している。さらに,生態系への影響についても多くの研究が行われている(Apurba〔2〕など)。しかしながら,このような影響が農村でどのように認識されているのかといった視点からの実態調査はあまり行われていない。そこで本稿では,バングラデシュのエビ養殖の可能性について,エビ養殖が農村に与えた社会的・経済的影響について,特に貧困層への影響と社会面・環境面での影響に着目した実態調査の結果を報告する。
著者
石丸 あゆみ
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部考古学研究室
雑誌
東京大学考古学研究室研究紀要 (ISSN:18803784)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.65-96, 2011-03-20

本稿では、最近増加した資料を含め弥生系土器が出土した遺跡のうち、弥生系土器の資料数が多く様相がそれぞれ異なる4遺跡と、朝鮮半島と日本列島を結ぶ交渉ルート上に位置し、拠点的な役割を果たしていたと考えられる原ノ辻遺跡の出土土器を比較検討することで、当時の日韓交渉の復元を試みた。弥生系土器の様相からI期:城ノ越式から須玖I式古段階、II期:須玖I式新段階から須玖II式の2段階に区分し分析を行った。その結果、I期は、弥生時代前期後半に交易の中継地として開始された原ノ辻遺跡と、朝鮮半島南部の金海地域を中心とした各地域との短期間の居住を伴う小規模な交渉が行われた時期、また勒島の集落もこの時期に朝鮮半島側の交易拠点として開始されたが、この時点では複数存在する拠点の一つであるということが明らかとなった。II期は、前漢の武帝による楽浪郡を含む4郡の設置以後に活発化した交易に、北部九州沿岸域を中心とした西日本の各地域の集団が積極的に関与するようになったため、原ノ辻が交易の拠点として発展を見せ、環濠集落が成立する時期である。勒島においてもこの時期が最も多くの弥生土器がもたらされる時期であり、原ノ辻の弥生土器と強い関連を読み取ることができるため、原ノ辻と勒島の間に集約された交易ルートが確立されたと考えられる。
著者
國本 あゆみ 菊永 茂司 岡崎 勘造 天野 勝弘 佐川 和則 新宅 幸憲 積山 敬経 井上 裕美子 成山 公一 山崎 先也 岡本 啓 石井 信子 田子 孝仁 土岡 大介 福田 隆 林 恭輔 小倉 俊郎 東條 光彦 三村 由香里 松枝 睦美 上村 弘子 津島 愛子 加賀 勝 酒向 治子 土井 真由 鈴木 久雄
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.74-84, 2017 (Released:2017-05-31)
参考文献数
35

目的:本研究は大学生男女個々および交互,相互におけるBMIと体型不満の関連について検討することを目的とした.方法:対象は全国14大学に在籍する18-22歳の男性学生4,118名,女性学生2,677名であり,体組成測定およびボディーイメージに関する質問紙調査を用いた横断研究を行った.体組成は健康診断の結果もしくは実測した.結果:対象の平均(SD)BMIは男性21.7(3.3)kg/m2,女性は20.9(2.7)kg/m2であった.BMIが18.5未満の者の割合は男性11.1%,女性14.6%であり,BMIが18.5-24.9の範囲の者の割合は男性76.1%,女性78.9%であった.BMIに対する理想不満度(理想のシルエット-現在のシルエット)と健康不満度(健康的なシルエット-現在のシルエット)の間に男性は交互作用が認められなかったけれども,女性では有意な差が認められた(p<0.001).魅力的な男性のシルエット値は,男女間に有意な差はみられなかった(t=1.231,p=0.218,d=0.04).一方,男性からみた魅力的な女性のシルエット値は平均4.65,女性が思う男性からみた魅力的な女性のシルエット値は平均3.97であり,女性は男性に比べ有意に低い値を示した(t=25.08,p<0.001,d=0.70).結論:女性大学生の考える健康的な体型は理想体型より太い体型であった.魅力的な男性のシルエットは男女間に差がみられなかった.しかしながら,魅力的な女性のシルエットは男性より女性においてより細い体型と考えていることが示唆された.
著者
有川 一 吉田 貫司 久保 あゆみ 坂本 太一 渡邉 孝士郎 今井 一
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.1-9, 2020 (Released:2020-09-19)
参考文献数
24

Research suggests that psychological stress due to competing against opponents of different skill levels affects exercise intensity during kendo gokaku-geiko. However, few studies have clarified the relationship between psychological stress measured using objective indices and exercise intensity. In this study, we measured psychological stress, exercise intensity, and physical activity in players during kendo gokaku-geiko with opponents of different skill levels using objective, non-invasive, simple measures.Six male members of the university kendo team participated in this study. They performed kendo gokaku-geiko for 3 minutes with highly skilled, equivalently skilled, and non-highly skilled opponents. We measured psychological stress indices (salivary amylase activity and autonomic balance [LF/HF]), exercise intensity indices (heart rate [HR], peripheral oxygen saturation [SpO2], rate of perceived exertion [RPE]), and physical activity indices (number of steps and strikes) during keiko.We observed an increasing tendency of salivary amylase activity, HR, RPE, and physical activity indices during keiko with highly, but not with non-highly, skilled opponents. On the other hand, we detected an increasing tendency of LF/HF with both types of opponents.These results suggest that in keiko with highly skilled opponents, the participants experienced tension (i.e. a “fight-or-flight response”) caused by strong pressure and attacks from their opponents; thus, they increased their physical activity and exercise intensity and were likely to experience high stress. On the other hand, in keiko with non-highly skilled opponents, the participants experienced low stress due to a lack of exercise intensity and low physical activity.
著者
松本 有記雄 伯耆 匠二 中坪 あゆみ 西洞 孝広 野呂 忠勝 貴志 太樹 高見 秀輝 河村 知彦
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.233-240, 2018 (Released:2018-03-20)
参考文献数
14

アワビ類の好適な初期餌料である針型珪藻Cylindrotheca closteriumが,水温20℃,照度1500-2000 Lxで良好に増殖することを明らかにした。加えて,針型珪藻を事業規模での飼育に用いるために,大量培養法と採苗板への付着方法を検討した。本種は付着力が弱く,攪拌培養すれば大量の珪藻細胞を懸濁液として得られる。この懸濁液を採苗板を収容した水槽に添加して,懸濁液中の珪藻の一部を採苗板に付着させた後,付着した一部の珪藻細胞を増殖させることで,板上で本種を優占させることができた。
著者
嶽本 あゆみ 田邊 俊朗
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.41, pp.18, 2019

<p>【緒言】 液体原料からシリカガラスを合成するゾル-ゲル法は、加熱を経ず室温で実施できる簡易な実験である。試薬計量ならびに混合という単純な操作、触媒による生成物の比較、加水分解反応と脱水縮合反応の理解、遊色効果の観察に基づく光の干渉の理解、最終的な生成物からの収率計算と、一つの実験系を用いて学生の到達目標毎の課題を与えることができる。合成したシリカガラスが沈殿し確認できるまでにはやくとも二週間程度を要するが、連続した実験授業の中で長期休暇の前後に組み込む等、計画的な授業構成により対応可能である。</p><p>今回は高専本科一年の実験授業において触媒による生成物の比較を試みながら、宝石オパールの遊色効果や昆虫の翅の構造色などの解説を行った。</p><p>【方法】 沖縄工業高等専門学校生物資源工学科本科一年生の専門必修科目である「バイオテクノロジー基礎実験」において、オルトケイ酸エチル. エタノール, 精製水の混合[1]における加水分解反応(式1)の触媒として、アルカリ試薬(アンモニア、水酸化ナトリウム)ならびに酸試薬(酢酸、リン酸、塩酸)の中から班ごとに 1 種類を選び、混合操作を実施した。6 週後の同授業において、生成物の観察ならびに収率計算を行った。なお、本実験の反応式は下記の通りである。</p><p>(式 1) Si(C<sub>2</sub>H<sub>5</sub>O)<sub>4</sub>+4H<sub>2</sub>O→Si(OH)<sub>4</sub>+4C<sub>2</sub>H<sub>5</sub>OH</p><p>(式 2) Si(OH)<sub>4</sub>→SiO<sub>2</sub>+2H<sub>2</sub>O</p><p>【結果ならびに考察】 アンモニア触媒では生成物から遊色効果が確認されたがゲル化は進んでいなかった。水酸化ナトリウム触媒では透明なゲルが生成され沈殿していた。酸触媒は 3 種類ともに 6 週後時点ではゲルが生成されていなかったが、17 週後に酢酸触媒を用いた 2 班の片方の液全体がゲル化していることが確認された。アルカリ条件下ではコロイダルなゾルが、酸性条件下ではポリメリックなゾルが生成され、これらは加水分解時の水の量にも影響を受ける[2]。今回の結果に基づき、アルカリ触媒と酸触媒とで混合比が異なるプロトコルの準備、酸触媒での触媒量と合成期間について、今後検討が必要である。</p>
著者
田中(小田) あゆみ 野口 享太郎 古澤 仁美 木下 晃彦 仲野 翔太 小長谷 啓介 山中 高史 水谷 和人 柴田 尚
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.129, 2018

<p>トリュフは外生菌根性のきのこで,食用価値が高く,日本国内での栽培技術確立が求められている.欧米では,土壌pHが高く,攪乱後の土壌でトリュフ生産が増加することが知られているため,本研究では樹木に耕耘と石灰施肥を行い,細根生産量や外生菌根の形成率の変化を調べた.調査地は,山梨県のクリ林と茨城県のクヌギ林の2カ所とし,2016年春に3m×3mの処理区を設置した.山梨では1本の調査木の周囲に施肥区と対照区を隣り合わせに設置し,茨城では施肥区と耕耘区,対照区をそれぞれ独立に設置した.施肥区には約20t/haのてんろ石灰を2-3回に分けて散布した.細根生産はイングロースコア法により求め,根のスキャン画像について画像解析ソフトウェア(WinRHIZO)により総細根長や比根長を求めた.その結果,石灰施肥により細根生産量と比根長,根端数が増加し,菌根形成率も高まる傾向が認められた.しかし,これらの傾向は樹種や試験地間で異なった.また,耕耘処理は樹木の細根生産量や形態に大きな影響を与えなかった.以上より,てんろ石灰施肥による土壌養分量の増加は,樹木細根の量を増やし,トリュフをはじめとする外生菌根の形成を促進する可能性が示唆された.</p>
著者
辻 あゆみ 高山 佳子
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.335-344, 2004-12-20 (Released:2017-07-24)

幼児期の自閉症児とその母親とのシャボン玉遊び場面を観察し,対象児が「自分-もの-母親」との間で三項関係を成立させる過程を分析した。シャボン玉遊びの中で,対象児は,三項関係を成立させ,母親の吹く行動を真似るに至るまでに,物ならびに母親に対して39項目の行動を表出させた。初回のやりとりにおいて,対象児は物に働きかけることが多く,母親に対して働きかけることは少なかった。また,対象児が母親に対して働きかけた場合においても,母親を見ることはなかった。最終回のやりとりにおいて,対象児は,母親を見ながら母親に働きかけることが多くなり,物と母親との間で視線を移動させるようになった。対象児は,シャボン玉遊びを介したやりとりを通して,物を操作している母親を理解するようになり,その結果,母親の行動を真似ることが可能になったと考えられた。他者と相互主体的なやりとりを展開することが困難な幼児期の自閉症児に対して,他者を意識できるような遊びを展開できるように支援することが,必要であると考えられた。