著者
猪瀬 あゆみ
出版者
関西大学大学院東アジア文化研究科
雑誌
文化交渉 : Journal of the Graduate School of East Asian Cultures : 東アジア文化研究科院生論集 (ISSN:21874395)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.41-58, 2017-11-30

Yosa Buson (1716-1783) was a haiku poet and remarkably talented painter of Bunjinga (Japanese Literati Painting) and Haiga (Haikai paintings) from the Edo period. He made many scrolls and folding screens based on the famous work by Matsuo Basho (1644-1694), Narrow Road to the Deep North. These productions were related to the revival movement of Basho's poetic style during the late 18th century. This article proposes that the context for Buson's extensive output of works inspired by Basho was not so much based only on an inherent respect for Basho's work, rather it was due more to commercial interests, as works based on Basho's writings proved to be lucrative at the time. This paper also looks at whether a difference in Buson's style of haiga can be seen after this period, compared to his earlier works created prior to his work based on Basho.
著者
松尾 龍二 美藤 純弘 松島 あゆみ
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.141, no.6, pp.306-309, 2013-06-01
参考文献数
10

上唾液核は顎下腺・舌下腺を支配する副交感神経系の中枢である.ラットの脳スライス標本を用いた電気生理学的実験により,上唾液核ニューロンは興奮性と抑制性のシナプス入力を受けていることが示されている.その主な受容体は興奮性がグルタミン酸受容体とムスカリン性アセチルコリン受容体,抑制性がGABA受容体とグリシン受容体である.免疫組織化学的にもこれらの受容体が検出された.一方,蛍光色素の軸索輸送を利用した組織学的検索により,上唾液核に入力する主な神経群は脳幹部の網様体,結合腕傍核,孤束核,および上位脳の視床下部外側野,扁桃体中心核,室傍核などである.これらの部位は上唾液核に直接入力すると考えられる.これらの神経核群の中で,抑制性GABAニューロンは主に脳幹部の網様体に存在し,前脳の扁桃体中心核や視床下部外側野にも検出された.これらの所見は,唾液分泌が食欲(摂食中枢としての視床下部外側野)や食の嗜好性(扁桃体中心核)を反映することを示唆している.さらに上唾液核へのコリン作動性入力の起始核として,脚橋被蓋核や背側被蓋核が上記の軸索輸送の実験で認められている.これらの部位は網様体賦活系と関連しており,覚醒やレム睡眠の維持などに重要である.精神ストレスは,食欲,情動,睡眠に影響することがよく知られており,これらの上位中枢の変化は唾液分泌にも変調を来すと考えられる.
著者
宮崎 あゆみ
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

本発表では、日本の中学校における長期のエスノグラフィを基に、どのように生徒たちが、いわゆる「女性語」「男性語」から乖離した様々なジェンダー一人称を使用し、自らの多様な一人称実践に解釈を加え、非伝統的なジェンダー言語イデオロギーの意味空間を構築していたかについて分析する。言語の解釈に注目することで、ジェンダー言語イデオロギーがどのように複雑化し、シフトしているのかをつぶさに観察することができる。
著者
尾田 太良 嶽本 あゆみ
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.341-357, 1992-12-30 (Released:2009-08-21)
参考文献数
13
被引用文献数
22 26

第四紀古海洋復元のための基礎研究として, 日本列島太平洋側海底の表層堆積物中の浮遊性有孔虫遺骸群集を調べ, 表層水塊との関係を検討した. この結果に基づき, 四国沖, 遠州灘沖, 房総沖および鹿島灘沖の4海域より採取したコアの浮遊性有孔虫化石群集の垂直的分布から, 過去2万年間の黒潮の流路の変遷を推論した.20,000~16,000年前には, 西南日本沖の黒潮の流路は現在より南にあり, 四国沖や遠州灘沖では冷水塊が頻発していた. 15,000~14,000年前には, 黒潮は西南日本沖で南に大きく蛇行し, 黒潮前線は房総沖にあった. その時期には四国沖や遠州灘沖で冷水塊が発生していた. その後, 11,000年前までに西南日本沖では黒潮の影響が強くなった. 房総沖と鹿島灘沖では, 11,000年前頃短期的な寒冷化があった後, 急速に温暖化した. 10,000~9,000年前には黒潮の流軸は本州に近づき, 黒潮前線も北に移動しはじめた. 9,000~6,000年前には黒潮はさらに西南日本に接近し, 黒潮前線は6,000年前に最も北上した. 5,000年前以降, 黒潮は西南日本沖で現在の流路に近づいたが, 4,500~1,500年前には, 房総沖や鹿島灘沖で冷水塊が発達していた.
著者
西上 あゆみ
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.257-266, 2016
被引用文献数
4

<b>目的</b>:本研究の目的は,作成した自然災害に対する病院看護部の備え測定尺度の信頼性と妥当性を検証することである.<br><b>方法</b>:尺度項目は文献検討等から作成し,専門家による修正,プレテストを経て,「計画」49項目,「組織化」11項目,「装備」14項目,「トレーニング」22項目,「予行演習」9項目,「評価と改善」9項目の114項目で作成された.対象は全国4,298施設の病院看護部であった.調査は郵送法で実施し,分析には相関係数,信頼性係数等を用いた.調査期間は2013年5~6月であった.<br><b>結果</b>:723施設から回答があり,有効回答は555施設(12.9%)であった.信頼性についてα係数は尺度全体得点で0.987, 下位尺度ごとのα係数も0.843~0.971であった.基準関連妥当性,構成概念妥当性も確保された.<br><b>結論</b>:項目数が多いという課題は残るが,この尺度は自然災害に対する病院看護部の備えを測定するための有用性を認めた.
著者
木塚 あゆみ 伊藤 恵 大場 みち子
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2015-CE-129, no.19, pp.1-7, 2015-03-14

高度 ICT 人材育成のために行った一連の大学カリキュラムを改善するために,2 つの方法で学びの把握を行った.講義ごとに実施した授業評価アンケート,カリキュラムの最終日に行った振り返りの2つである.振り返りでは時系列に沿って学びを可視化するために Experience Map を用いた.本研究では,これら 2 つの評価手法の特徴を探るためにテキストマイニングを行った.その結果から,次年度のカリキュラム改善に活かす方法を探る.
著者
木原 隆幸 小野 寛太 奥田 太一 原沢 あゆみ 尾嶋 正治 横尾 篤 木下 豊彦
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:02850192)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4_2, pp.1059-1062, 2001 (Released:2007-02-02)
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

The magnetic properties of thin films with reduced lateral dimension are significantly different from those of materials in the bulk state, and have provided a wealth of scientific interest and potential technological applications. It is therefore very important to study magnetism in microstructures or small magnetic domains, and one of the most powerful tools for investigating such magnetism is the photoelectron emission microscope with synchrotron radiation as its light source (SR-PEEM).We report in this paper our set-up of a new SR-PEEM system, and present the preliminary results.
著者
Martin Pauly 青木 和子 市川 あゆみ 島田 啓史 野村 香介 日向 賢
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.67-73, 2004

平成15年7月4日から7月18日までの日程で、学生3名、教官2名、技官1名が本学の姉妹校であるアメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校(UB)とナショナル聾工科大学(NTID)を主として訪問した。これは、視覚部アメリカ研修旅行としては第4回目である。UBでは、リハビリテーション・サイエンス学部、障害補償技術センター、障害者サービス室、スポーツ医学施設見学やELIの英語のクラスへ参加した。さらには、バッファロー市の視覚障害センターや自立生活センターの訪問などを通じアメリカにおける高等教育の現状や障害者へのサービス、社会自立の状況について理解を深めた。ロチェスターではNTIDの施設見学を行った。他には、ナイアガラの滝、エリー運河、博物館なども訪れ、アメリカの自然、歴史に触れる機会となった。参加者各自がそれぞれの視点で今回の海外研修についてレポートする。
著者
中川 麻子 森田 舞 嶺野 あゆみ 浅田 晴之 前田 明洋 大澤 清二
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.26, pp.535-541, 2016 (Released:2016-11-26)
参考文献数
9

女性の選好からみたオフィス環境およびアメニティ空間における家具に関して,「かわいい」の語をキーワードとし調査研究を行った.326脚の椅子のサンプル写真から,印象・形態・所有意識に関する37項目を設定し女子大学生による評価を行い,結果を統計的手法によって分析した.その結果,評価項目「かわいい」と「座りやすそう」の双方の評価が高い椅子は見ることはできなかった.またサンプル写真の評価を集計し,クラスター分析したところ,6つのクラスターを構成することが明らかとなった.「くつろぎ感」と「ボリューム感」の2軸を用いて,椅子の位置付けをポジショニングマップに示すことができた.
著者
山本 真由美 瀬部 あゆみ 島 治伸
出版者
徳島大学
雑誌
徳島大学総合科学部人間科学研究 (ISSN:09199810)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.109-128, 2009

As a part of the special needs education,there is a cooperative action withthe Education Committee of Tokushima on the project of dispatching studentvolunteers to the elementary and junior high schools for learning support.In order to know the desires and expectations of the teachers of thoseschools who sent students volunteers,a questionnaire survey was made.98 % of the student volunteers were recognized in elementary schools and100% within junior high schools. The results of the survey show four items inwhich the elementary and junior high schools coincide. They are as follows :"Individual support to the pupils with difficulties in learning","support to thepupils who cou1d not concentrate in the class nor in the study","appropriatesupport to the pupils when they need guidance","tell the teacher the situationof pupils". More specifically,as the individual differences among pupils growwider, guidance for everyone becomes difficult. Moreover, because theexpectations of this support for the students must be achieved within a limitedspan of time,s ome people believe that only some support can be realized but notall.Although the existence of students volunteers is known by theteachers, there are differences among the teachers as to which type ofsupport can be expected from the students. Therefore, from now on, itbecomes necessary to consider which type of support the students have toglve.
著者
奥田 邦晴 樋口 由美 増田 基嘉 林 義孝 南野 博紀 山西 新 川邊 貴子 灰方 淑恵 喜多 あゆみ 田中 美紀 高橋 明 小西 努
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.E0786-E0786, 2005

<B>【目的】</B><BR> 近年、競技やレクリエーションとして積極的にスポーツ活動に参加する重度の障害者が増加してきている。理学療法の目標の一つに障害者の生活支援がある。この生活支援に焦点を当て、重度の障害者の生活遂行過程においてスポーツが果たす機能ならびに理学療法学との接点を明らかにすべくインタビューによる調査を行った。<BR><B>【対象と方法】</B><BR> 本調査の主旨に同意を得ることができたスポーツを行っている重度障害者76名(A群)およびスポーツを行っていない重度障害者24名(B群)の計100名とした。スポーツ群の障害内訳はC5・6頸髄損傷39名、脳性麻痺(CP)30名、筋ジス他7名、スポーツ選手群はC5・6頸髄損傷11名、CP12名、他1名であった。上記対象者に面接による聞き取り調査を実施した。面接時間は平均約1時間、ボイスレコーダーでの録音および口述筆記を行った。<BR><B>【結果】</B><BR> 医療機関の受診状況はA群76%、B群95.8%であった。特にリハ科の受診率はA群の11.8%に比べB群では39.1%と高率であり、内容も理学療法目的がほとんどで日常的なリハ医療への依存性が高い傾向が見られた。スポーツを始めたきっかけは友人・知人の紹介が多く(43.4%)、医療従事者からの情報提供は極めて少なかった(3.9%)。リハセンター等のスポーツ施設を併設する医療機関に入院できるかどうか或いは障害者のスポーツに精通している指導者に出会えるかどうかが後のスポーツ活動に大きな影響を与えていた。スポーツを行う目的について71.1%が競技であり、レクリエーション、リハは各々11.8%であった。楽しみである、生き甲斐であると答えた者が約半数あった。スポーツ開始時期について、CP者では養護学校での体育の授業が45.2%、残りの41.9%の人は早い人で19歳、遅い人では54歳(平均29.8歳)であった。有職率はA群46.1%、B群16.7%であった。A群は給与、年金等すべての収入を合わせた年収について回答を得た70名は54.3%が200万円未満であったが、14.3%は年収400万円以上を得ていた。B群の20名は約8割が年収200万円に満たない状態であり、低所得層であることが伺えた。<BR><B>【考察】</B><BR> スポーツをするかしないかは本人の選択であるが、せめてスポーツに関する情報提供は早期から行われるべきであり、理学療法士は社会参加の一手段としてのスポーツの機能について認識を深めることが重要である。スポーツ場面において、選手同士は新たな自己を再発見・再認識することができるだけでなく、自己および他者の存在や役割を客観的に理解し合うことができ得る。また、スポーツはセルフヘルプグループに類似する機能、エンパワーメント機能等、重度障害者が充実した自立生活を送ることや自己実現を可能にする一手段として、また社会に踏み出す一歩としての重要な役割を有していることが明らかになった。
著者
赤星 正純 飛田 あゆみ 今泉 美彩 瀬戸 信二
出版者
(財)放射線影響研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

放射線影響研究所・長崎研究所では原爆の後影響を縦断的に調査する目的で、1958年より原爆被爆者7,564名(男性3,374名、女性4,190名)を対象として、2年に一度検診を行っている。1958年から2003年(平成15年)までに死亡したり、他市へ転居したりしたために平成15年と16年に実際に受診した対象者は1,691名(男性586名、女性1,105名)である。この対象者で、問診、診察、身長・体重測定、血圧測定、一般検血、生化学検査(血清コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、尿酸、血糖、CRP、インスリン)、腹部超音波検査、心電図検査、脈波速度測定を行い、このうち325名ではアディポネクチン測定を行った。肥満度が大きいと血圧、中性脂肪、LDL-コレステロール、尿酸、空腹時血糖、HbAlcが高く、逆にHDL一コレステロールは低値であった。肥満に伴いHOMO-IRは高くなり、インスリン抵抗性が増大する事が示唆された。肥満者では脈波速度の増大を認め、肥満に伴い動脈硬化が進展していると考えられた。また肥満者では脂肪肝の合併が多く、この脂肪肝では高血圧、高中性脂肪、低HDLコレステロール、耐糖能異常、高尿酸血症を伴い、アディポネクチンが低下していた。脂肪肝ではアディポネクチンの低下によりインスリン抗性が増大する事で高血圧、高中性脂肪、低HDL-コレステロール、耐糖能異常、高尿酸血症を合併し、動脈硬化が引き起こされると考えられた。原爆被爆で脂肪肝が増える事により、被爆者では脈硬化が進展し、心筋梗塞の増大が認められると考えられた。
著者
丸尾 智実 河野 あゆみ
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.104-111, 2014
被引用文献数
4

<b>目的</b> : 家族介護者への認知症の症状に対応する自己効力感向上プログラム (SE向上PGM) を実施しその効果を評価した.<br><b>方法</b> : 対象者はA県下の居宅介護事業所の利用者の家族であり, 介入群 (IG) 32名, 対照群 (CG) 25名の計57名である. 認知症に関する情報提供, 介護者交流, リラクセーション体験を共通PGMとして両群に, 加えてSE向上PGMをIGに実施した. 評価は介入前, 介入直後, 介入2か月後の質問紙調査とし, 一次アウトカムを介護自己効力感, 二次アウトカムをBPSDの出現の有無と負担感, 介護負担感, 抑うつ, 認知症の知識量とした.<br><b>結果</b> : 認知症の症状に対応するSEの得点がIGはCGに比べて介入前から介入2か月後の間に有意に向上した. また, 年齢, 性別, 利用者の日常生活自立度判定を共変量とした共分散分析では, IGはCGに比べて認知症の症状に対応するSEが有意に向上した.<br><b>結論</b> : SE向上PGMが認知症の症状に対応するSEを向上させる可能性が示唆された.