著者
上野 佳奈子 橋本 都子 倉斗 綾子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.74, no.643, pp.1033-1041, 2009-09-30 (Released:2010-01-22)
参考文献数
20
被引用文献数
3 2

In order to study the acoustical problem in open-plan type schools, the relationship between space planning and sound environment was investigated for three open-plan type elementary schools. Acoustical conditions of classrooms were measured by sound propagation property between classrooms and sound level during class activities. Besides, questionnaire survey on teachers and children and inquiring survey on teachers were performed. From the results, it was confirmed that the lack of acoustical design worsens the sound environment of classrooms and induces the restriction of space use.
著者
柴田 昌宏 台良 剛 上野 晴樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.436-437, 1997-09-24
被引用文献数
1

知識ベースシステムの開発, あるいは知識工学の分野において, 対象となる問題領域の専門家(エキスパート)の知識をどのような形式で表現するかという知識表現(Knowledge Representation)の問題は, 知識の獲得・利用と並ぶ問題解決上の最重要課題の一つである。当研究室では, M.Minskyにより提案されたフレーム理論に基づく知識表現方式を採用した知識工学環境ZEROの研究, 開発および, その利用を進めている。ZEROはこれまで, InterLisp環境やCommomLisp環境およびC++において実現され, 知的プログラミング環境INTELLITUTORや, 自律型人型知的サービスロボットHARISをはじめとした様々な応用に用いられている。C++版のZEROは, CやC++で記述された手続きやオブジェクトと, 知識ベースとしてのフレームシステムを融合する, という要求を満たすために, フレームシステムと類似点を持つC++によってインプリメントすることで, 実用性の向上を実現したシステムである。ただし, 94年度に開発されたこのC++版のZEROは, いくつかの理由から部分的な利用にとどまっている。本報告におけるZEROシステム (以下, ZERO++と記す)は, 94年度に開発されたC++版のZEROに改良を加え, 設計方針とそのモジュール構成を明らかにし, さらなる改良をしやすくすることがその目的である。また, 現在我々が開発中であるロボットシステムは, C++版ZEROの本格的な応用システムであり, このシステムが本来必要としている, 複数モジュールからの単一知識ベースの共有, 実行時の並列動作といった機能をZERO++で実現することもその大きな目的の一つである。本研究の目的をまとめると主に次の4つである。● インタフェースと知識表現の分離率, ● ネットワーク化による資源の共有と並列処理事, ● 分散環境化, ● 自律型人型知的サービスロボットHARISのソフトウェアプラットフォームとしての利用, なお, ZERO++は, Sun WS上で, X-Windowシステム(XllR6)とGNU g++を用いて開発している。
著者
山沢 和子 加藤 宏治 上野 良光
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子短期大学紀要 (ISSN:02863170)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.31-35, 1986-03-31

クワイ脂質から苦味成分を分離し,その性状について検討した。(1)クワイの総脂質は生クワイの0.28%を占め総脂質中の中性脂質,糖脂質およびリン脂質の組成は38 : 24 : 39であった。このうち,中性脂質画分で強い苦味が認められた。(2)中性脂質画分からの苦味成分の分離法としては,展開溶媒にヘキサンーエチルエーテルー酢酸の溶媒系を用いるシリカゲル薄層クロマトグラフィーが有効であった。(3)クワイの中性脂質は,シリカゲル薄層クロマトグラフィーで10個の化合物に分離された。そのうち3化合物(苦味A,BおよびC)に苦味が認められ,最も苦味の強かった苦味Bがクワイの主たる苦味成分と考えられた。さらに,苦味Bは,本実験で用いた標品(トリグリセリド,ジグリセリド,モノグリセリドおよび遊離脂肪酸)とは異なる化合物であった。(4)シリカゲル薄層クロマトグラフィーで分離した苦味A,BおよびCは,温度および酸素の影響を強く受け,大気中・25℃の保存で1週間後にすでに苦味を消失していた。

1 0 0 0 OA 女子算術講義

著者
上野石子, 上野繁 著
出版者
修文館
巻号頁・発行日
1911
著者
野口 定久 埋橋 孝文 後藤 澄江 原田 正樹 武川 正吾 牧里 毎治 大橋 謙策 杉岡 直人 井岡 勉 上野谷 加代子 宮城 孝 和気 康太 金 成垣 沈 潔 金 貞任 韓 榮芝 包 敏 徐 明?
出版者
日本福祉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

包摂型福祉社会の推進をリードする地域福祉専門職養成の方法論を共有化し、各国・地域(メゾ)レベルにおいて両側面の好循環システムを構築することであった。ソーシャルキャピタルの概念を用い、日本・韓国・台湾における地域福祉拠点型及びコミュニティ型の調査を実施した。基礎的作業として「日中韓台における社会保障・社会福祉の制度比較研究」一覧表の改定版を作成し、さらにこれまでの研究成果を6本の報告書にまとめた。
著者
上野 修 永井 均 入不二 基義 古荘 真敬 青山 拓央 郡司 ペギオ幸夫 小山 悠 勝守 真 中野 昌宏 三平 正明 山田 友幸 重田 謙 入江 幸男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

独在的<私>と独今的<いま>が非常によく似た仕方で現実概念の根本にあることが明らかとなった。<私>と<いま>が世界のどの個人、どの時点を開闢点とするかは偶然である。にもかかわらず、いったん開闢されるとその特異点は諸個人のうちの一人物と歴史時間の現在に位置づけられ、特異性を失う。そしてこのことがむしろ現実性の条件となっている。このような二重性は、言語の使用者がまさにその使用によって言語世界の限界内に位置づけられる、その仕方によって理解されねばならない。
著者
小島 昭 佐藤 義夫 上野 信平 古川 茂 上石 洋一 白石 稔 OZAWA Tatuki NOBUSAWA Kunihiro 信沢 邦宏
出版者
群馬工業高等専門学校
雑誌
地域連携推進研究費
巻号頁・発行日
2000

炭素繊維が示すプランクトン集積機能、産卵促進機能を確認し、既存魚の再生産促進システムの開発を行った。(1)淡水(榛名湖)で着卵効果を確認(群馬高専) 榛名湖に各種炭素繊維編織品製人工藻を設置し、それへの産卵及び着卵現象を調査した。解析因子(水深、人工藻場の種類、形態、形状、岸からの距離等)と藻場の様子、固着微生物の観察、水質、藻場遊泳魚の種および数の確認を行い炭素繊維による再現効果を確認。(2)炭素繊維へのメダカの優先的産卵の確認(群馬高専) 実験室内水槽に炭素繊維製及び各種プラスチック製人工藻を設置し、メダカによる藻への産卵状況を調査した。メダカは炭素繊維藻と人工藻とを明確に識別することを確認した。(3)榛名湖でのワカサギの生育場の確認(群馬高専)(4)海洋での再生産可能な人工藻場の構築(東海大学) 駿河湾内に炭素繊維編織品製人工藻を3500本設置した人工藻場を構築。魚のい集機能、魚類群集の構造、系の形成が見られ、産卵場および幼稚仔の成育場機能を確認。(5)炭素繊維への貝類捕集による水質浄化現象の確認(東海大学) 清水湾内に炭素繊維品製人工藻を設置。人工藻に多数の貝類が固着し、水質浄化を確認。(6)既存魚再生促進用炭素繊維製人工藻の耐久性評価(群馬県繊維工業試験場)(7)ワカサギの着卵材としての炭素繊維の検討(群馬県水産試験場) 各種炭素繊維編織品で作製した着卵材を赤城山覚満川に設置。炭素繊維編織品の形状、構造、密度などによって、遡上するワカサギの着卵数、孵化数の差を検討。
著者
宮坂 靖子 藤田 道代 落合 恵美子 山根 真理 橋本 泰子 上野 加代子 大和 礼子
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

女性労働力率のパターンに着目すると、本調査の対象地域は、「逆U字(台形)型」の中国・タイ、30歳代から次第に低下する「キリン型」のシンガポール・台湾「M字型」の日本・韓国の3類型に分けられる。つまり日本・韓国以外の地域においては、出産・育児後も共働きが一般的であった。中国、タイ、シンガポールの共働きを支えてきたのは、親族(特に親)による育児支援と、必要な場合の家事使用人の雇用(家事・育児の市場化)であった。しかしより詳細に見ると、特にその後の展開においては各国で差違が見出された。現在の中国(南部)では、親族(特に祖父母)による援助と父親による育児・家事参加により、出産・育児期の女性の就労が可能になっている。タイ(都市中間層)の場合は、同居の親(一般的には妻方)からの援助と住み込みのメイドであったものが、近年インフォーマルな民間の託児所(保育ママさんによる保育)と家事の市場化に依存する形に変化してきている。都市中間層では専業主婦も誕生してきており、1998・1999年にはバンコクの女性労働力率にはM字の落ち込みが初めて出現した。シンガポールでは、親族、有料の養親、住み込みのメイドが主流である(養親とは、保育園に入れる2、3歳までの間有料で子どもを預かってもらうもの)が、最大の特徴は、住込みのメイドによる家事・育児の市場化である(特に家事に関しては、妻夫双方とも行わない)。最後に日本と韓国というM字型社会においても、女性の就業率は上昇している。それを支えている共通点は、妻型の親の育児援助と保育園の利用、および父親の育児参加である。ただし韓国では日本以上に緊密な親族ネットワークや他の多様なネットワーク(近隣、友人など)が存在しており、母親の育児の孤立化は生じていない。育児不安はアジア社会において日本固有の特徴であると言える。
著者
上野 大介
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

平成21年度では下記の2つの成果が得られた。1つ目の成果は、高齢者の感情が記憶の記銘と検索に及ぼす影響に関する脳機能データの収集を行った点である。これは、高齢者の感情を伴う記憶の記銘と検索の基礎メカニズムを明らかにし、本年度実施する予定であった研究の実施に寄与するものであった。具体的には、認知機能や気分調整機能を統制せずに、ネガティブとポジティブの感情が喚起される状況と感情が喚起されない状況を統制し、そこで記銘項目である文字の記銘時と検索時の脳機能をMEGによって測定した。用いた実験手続きは高齢の対象者に負担を与えるものではなく、おおむね順調に実施できた。しかしながら、本実験を一人で実施するには実施側の負担が大きかった。よって実験手続き自体は変えずに実施し、複数で実験を実施する、もしくは複数の対象者に対して同時に実験を実施するなどの改善点が得られた。2つ目の成果は、心理学評論に掲載された高齢者の記憶と感情に関する資料論文の執筆に携わることができた点である。これは研究代表者が特に従事していた研究テーマである「高齢者の記憶と感情」に関する研究を日本の研究者に紹介することができた点で意義があったと思う。そしてこの分野が主に欧米中心で実施されており、アジアにおけるこの分野の実施、さらなる分野の発展が多いに期待できると認識した。よって、高齢者の記憶と感情が日本国内でも発展するきっかけの一つにこの論文が寄与することを願う。しかしながら交付申請書の提出時に計画していた学会での発表などが実施できず、得られなかった成果もある。よって今後は柔軟に計画を立案し、見直しながら、研究を実施することも念頭に入れる必要がある。
著者
小畑 秀文 増谷 佳孝 佐藤 嘉伸 藤田 廣志 仁木 登 森 健策 清水 昭伸 木戸 尚治 橋爪 誠 目加田 慶人 井宮 淳 鈴木 直樹 縄野 繁 上野 淳二
出版者
東京農工大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-07-23

本申請課題においては、5年間にわたる研究成果のとりまとめと、研究成果を社会・国民に発信することの2つが目的であった。第一の目的である研究成果のとりまとめにおいては、計算解剖学の目的、研究組織、計画班および公募班それぞれの研究成果(著書・論文のリスト、特許を含む)と共に、計算解剖学という新たな領域としての状況、計算解剖学主催による学術研究集会およびアウトリーチ活動、諮問委員による研究評価、などを含め、研究成果報告書として取りまとめて印刷・製本した。また、同報告書の内容に研究成果をより理解しやすいように一部の動画をも含めてCDも作成した。これらは関係研究機関に配布した。第二の目的である研究成果の社会・国民への発信に関しては、2つの取り組みを行った。一つは、「3Dプリンタで臓器モデルを作ろう!」と題した中学・高校生向け講座である。これは日本学術振興会主催の「ひらめき☆ときめきサイエンスプログラム」の一つとして2014年8月21、22日の2日間にわたって名古屋大学にて開催したもので、CT画像から臓器を抽出し、それを3Dプリンタで打ち出すまでを体験させた。次代を担う世代に計算解剖学の成果の一端を分かりやすく紹介したものである。二つ目は東京農工大学にて開催した「計算解剖学」最終成果報告シンポジウムである。計算解剖学プロジェクトで新たに開発された基礎から応用(診断・手術支援)までの研究成果を関連分野で活躍する研究者・技術者に対して広く紹介した。また、専門的・学術的な立場から計算解剖学の現状評価と今後の方向性や課題を議論し、次のステップへの礎とした。
著者
阪上 孝 竹沢 泰子 八木 紀一郎 大東 祥孝 小林 博行 北垣 徹 山室 信一 上野 成利
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

1859年のダーウィン『種の起源』以降、この書物がもたらした衝撃は計り知れない。それはまず、種の不変を信じて分類に終始していた博物学を抜けだし、生存闘争や自然選択などの原理を基礎とする、生命にかんするダイナミックな理解をもたらす。しかしそれは自然科学の一理論にはとどまらない。ダーウィン進化論は一つの思考様式として、哲学・法学・政治学・経済学・社会学・人類学といった人文・社会諸科学へも浸透し、新たな認識枠組を提供するのだ。またこの理論は制度的学問の枠組すら乗り越え、社会ダーウィニズムとして、国家や社会にかんする言説としても機能することになる。そしてさらには、神の摂理を説く宗教を打破して、既存の人間観・世界観をも揺さぶるだろう。本研究の主要な狙いは、進化論が社会にもたらすこうした広大な衝撃を探ることにあった。そのためにこの研究は多様な学問領域の専門家たちから組織され、また対象となる地域もヨーロッパからアメリカ、中国、そして日本を含む。研究を遂行していくなかで特に明らかになった点は、進化思想とは大いに多面性と揺らぎを孕むものだったということである。当時においてはダーウィンの他に、心理学や社会学を含む壮大な進化論体系を構築する同時代のスペンサーも大きな影響力をもっていた。またフランスのラマルクはダーウィンにおよそ半世紀先行して、獲得形質の遺伝や進化の内的な力という点を強調しつつ彼の進化論を展開している。さらには『種の起源』の作者はこの書のなかで、マルサスの『人口論』を引用しつつ、その政治経済学的発想に多くを負っていることはよく知られている。このように進化論はいくつかの思想が絡まって織りなされる錯綜した知の総体であり、そこで知はメタファやアナロジーを通して、異なる学問領域間で、また学問と政治・社会のあいだで往還運動を行う。このなかではときとして大きな誤解や逸脱も産まれており、それは進化論を受容する時期や地域によってさまざまなかたちをとる。本研究がとりわけ力を注いだのは、このような多様性を詳述することである。