著者
犬飼 佳吾 中村 友哉
出版者
明治学院大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

本研究では行動経済学、実験経済学分野における主要知見について、大学生を対象とする追試に加えて、一般人市民を対象にも同様の追試を行う。同時に、実験報酬単位、実験プラットフォーム(実験室実験やweb実験)の違いという観点からの検証も同時に行い、行動経済学・実験経済学分野の研究知見の頑健性の検証を通じて、同分野の基礎的手法の精査検討を行う。
著者
高谷 康太郎 中村 尚
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.31-42, 2007-03-23

シベリア高気圧の季節内長周期変動及び年々変動の力学を明らかにする。シベリア高気圧の季節内変動の増幅過程には、ブロッキング高気圧の形成が対流圏上層に見られ、それらは2つの典型的なタイプに類別される。両タイプとも、シベリア高気圧の増幅には、対流圏上層のブロッキングを伴う循環偏差と、シベリア高気圧に伴う地表付近の循環偏差との相互作用が重要であることが渦位反転法によって示される。年々変動に関しても、対流圏上層にはやはり2つの典型的な循環変動のパターンが観測されること、さらにそれらの循環変動が惑星波活動の変調として解釈できることが示される。
著者
石原 知洋 四本 裕子 角野 浩史 玉造 潤史 中村 遼 小川 剛史 相田 仁 工藤 知宏
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.85-92, 2020-11-26

2020 年初頭から発生した COVID-19 により,多くの大学で 4 月からオンラインによる講義の配信を行っている.オンライン講義のメリットが明らかになる一方で,様々な要因から対面での講義の実施も求められている.そこで東京大学では,COVID-19 対応のためオンラインと,感染症対策を実施した上での対面講義の双方を実施するハイブリッド方式の講義を検討している.このハイブリッット方式では,対面講義のためキャンパスに来た学生が,対面講義の他にもその日のオンライン講義をキャンパスのネットワークを用いて受講することになる.このように多数の学生がキャンパスネットワークを用いてオンライン講義を受講するにあたって,どの程度のネットワーク設備があればそのような講義形態が可能であるかは自明ではない.そこで我々は,最もボトルネックになると想定されるユーザ端末の無線接続について,実際の教室を用いて多人数での同時オンライン講義の受講が可能であるかの評価実験をおこなった.本実験では,いくつかのオンラインの講義シナリオを設定し,ネットワーク状況やオンライン講義の音声・映像の品質を計測,確認した.本論文ではその実験結果および得られた知見について述べる.
著者
三好 隆行 石原 克之 中村 和哉 古賀 秀徳
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.277-282, 2006-10-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
16

A study was conducted to determine how frying slices of potato would enhance the antioxidative activity. The content per unit weight of such antioxidants as L-ascorbic acid and chlorogenic acid in raw potato was nearly doubled when the slices were fried. Ultrafiltration of the water-soluble extract taken from the potato chips revealed the medium moleculare weight fraction of 3,000 to 20,000 to have high anti-oxidative activity, although the amount was small. This medium moleculare weight fraction had a strong brown color, due to melanoidin. There was a large amount of the fraction with a molecular weight of less than 3,000, and this fraction contributed 91% of the total antioxidative activity. It appears that chlorogenic acid and melanoidin were responsible for the antioxidative activity of this low molecular weight fraction.The DPPH radical scavenging activity of 19 kinds of potato snack foods was compared. There was higher activity in the potato chips made from raw potato than in those that had been more highly processed.
著者
佐伯 壮一朗 柳澤 沙也子 小笠原 理恵 安田 直史 中村 安秀 関西グローバルヘルスの集い運営委員会
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.63-72, 2021 (Released:2021-07-22)
参考文献数
10

背景  新型コロナウイルス感染症(Novel Coronavirus Disease 2019, COVID-19)の影響を受け、各種イベント開催が自粛され、人が物理的に集まらないオンラインセミナーの開催の需要が高まっている。しかし、オンラインセミナーの開催経験を豊富に有するグローバルヘルス関連の学術団体はまだ少なく、ノウハウの蓄積は不十分である。そのような状況の中、公益社団法人日本WHO協会は一般市民に開かれた公開講座「関西グローバルヘルスの集い」を「COVID-19とSDGs」をテーマに2020年3月から企画し、5月より3回オンラインにて開催した。この経験に基づきオンラインセミナーを開催する際の主催者への注意点をまとめる。開催概要  関西グローバルヘルスの集いを開催するにあたりオンラインで参加者の募集、登録受付を行った。その際Google Formsを利用し、参加者の属性に対するアンケート調査を実施した。本番はオンライン会議ソフトウェアZOOMを使用し、動画サイトYouTubeにて生配信した。視聴者動向の解析はYouTube Analyticsによる自動解析を利用し、セミナー終了後、参加登録者にGoogle Formsを利用したアンケートでフィードバックを依頼した。  3回の参加者はのべ2,083名だった。大半は日本在住であったが、海外在住の参加者はのべ69名で、欧米諸国やチュニジア、ザンビアなどであった。参加者の属性は医療者のみならず大学教員や学生、会社員も参加した。満足度について、5段階評価で4以上を回答した参加者は85.7%であった。記述回答では内容への肯定的な意見の他、開催前から当日にかけての運営の不手際を指摘した意見が寄せられた。教訓  オンラインセミナーでは、講演内容のみならず運営の手際でも満足度が変化することが分かった。運営の不手際は具体的に、セミナー開催前には一部の参加者に対し配信用URLが届かない例があり、セミナー中には画面の切り替えの不手際、画面共有で投影していたスライドの動作不全が生じたこともあった。これらは運営側の取り組み次第では予防あるいは早期発見し修正する余地があり、不具合が生じた際の対応を事前に検討することが重要である。結論  オンラインセミナーを開催することで視聴者のみならず登壇者は世界中から参加可能となったのは大きな利点である。一方、綿密な準備が必要で、運営者の経験を蓄積し円滑な運営を行うことは議論活性化の最低条件である。今後、国際保健医療分野での活用のためにはオンラインセミナーの運営のみならず内容の質も問われることとなるだろう。
著者
中村修也
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.155-168, 2000-03-01
著者
木ノ内 勝士 森田 紀代造 橋本 和弘 野村 耕司 宇野 吉雅 松村 洋高 中村 賢 阿部 貴行 香川 洋 佐久間 亨
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.328-332, 2006-11-15 (Released:2009-08-21)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

総肺静脈還流異常症(TAPVR)修復術術後の肺静脈狭窄(PVO)は重篤な合併症であり,術後の再燃も希ではない.今回われわれは,TAPVR1a+2a混合型術後PVOをくり返した14ヵ月,男児に対してsutureless in situ pericardial repair,および,左心耳-左肺静脈吻合を施行した.術後経過は良好であり,術後2年9ヵ月時に施行した心臓カテーテル検査では,右肺静脈に有意な再狭窄所見は認めず,左肺静脈に軽度再狭窄所見を認めた.また,術後3年1ヵ月時に施行したmultidetector computed tomography (MDCT)による3次元再構築像では,良好なPVO解除が長期に得られていることが示された.
著者
国吉 和子 名城 嗣明 中村 完 島袋 恒男
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学紀要 (ISSN:03884198)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.51-89, 1985-03-31

本研究では飲酒行動に関する心理学的研究として飲酒の実態や動機、飲酒習慣、飲酒行動に対する認知、評価の側面から質問紙調査が作成され、沖縄県内在住成人男性740人と、大学生71人計811人を対象として1983年2月〜5月に調査が実施された。その結果に基づいて本報告では職業間比較を中心に分析が行なわれた。その主な結果は次のとおりである。1)飲酒の実態 (1)全体的に好まれている酒として「泡盛」、「ビール」、「ウイスキー」に集中しているが、「泡盛」はとくに農業に、「ビール」は商業に、「ウイスキー」はサービス業に好む者が多い。「飲む機会の多い酒」や「量的に多く飲んでいる酒」に関してもほぼ類似の傾向を示している。(2)自宅外での飲酒頻度はどの職業も「月に1・2回」の回答が量も多いが全般的に職業上人間関係を重視する建設業やサービス業においては自宅外での飲酒頻度がやヽ高くなっている。(3)一方、自宅での飲酒頻度に関しては「月に1・2回」と「月に10回以上」の回答が高率になっているが、農業と会社員は後者の回答に、それ以外の職業は前者の回答に傾斜している。(4)飲酒場所としてはどの職業も「知人・友人宅」が選択されることが多いが、とりわけ農業と建設業にその傾向が強い。他の職業ではその他に「大衆酒場」や「バー・キャバレー」等にまで広く及んでいる。(5)飲酒時はどの職業においても集団飲酒の形態をとっているが、公務員と大学生を除く他の職業では比較的少人数で飲む傾向があり、なかでも農業がその傾向を強く示している。(6)飲酒時のコミュニケーションの内容はどの職業でも自分の仕事を中心にした身辺的な話題をとりあげる傾向が強い。(7)飲酒時に選択される料理には全体的に「琉球料理」と「和食」があげられるが、農業と建設業の場合とくに「琉球料理」に傾斜している。(8)飲酒時に適した音楽としては大学生を除いてどの職業も「演歌」や「琉球民謡」を選択する傾向が強い。なかでも農業の「琉球民謡」の選択率の高さが目につく。2)飲酒動機と飲酒習慣(1)初飲時の飲酒理由としては、対人的理由が顕著であるが、建設業、会社員では「つき会いで仕方なく」という消極的理由を、公務員、サービス業は、「人間関係をより良くするため」という積極的理由を選択している。(2)現在の飲酒理由としては、対人的理由の選択が減少し、「ストレス解消」という個人的飲酒理由が増加している。特に公務員、建設業において高率で選択されている。また農業において、「健康によい」という飲酒理由の選択が見られる。しかし、商業、建設業、農業、現在でも「つき会いで仕方なく」という理由を選択している。(3)農業、建設業、公務員、会社員は、「PM7:00 〜PM10:00」の飲酒時間帯を有し、商業、大学生、サービス業は、10時以後の飲酒時間帯を特徴としている。(4)飲酒時間幅では、公務員、大学生、建設業において、「3時間以上」の選択率が高く、農業は、自宅で酒を飲むことが多いということから、「1時間〜2時間」の幅を選択している。(5)農業、建設業、公務員は、軽い酒を「食前に飲む」、強い酒は「食後に飲む」という適切な飲酒習慣を示している。(6)外出飲酒では、職業柄、公務員、会社員は、「職場から直行することが多く」、肉体的労働を主とする農業、建設業は「帰宅後出直す」と回答している。(7)「宴会や会合での飲酒機会」は、公務員、会社員、サービス業などのサラリーマンに多く、建設業や大学生において少ない。まに「職場の集まり」であることを示している。(8)や会合の席においても、公務員、会社員、大学生は、「酔うぐらい飲む」と回答しており、「友人との親睦会」で久々に飲む、商業、建設業、サービス業は「酔わないようにさしひかえる」と回答している。(9)飲酒のもたらす個人的結果として、飲酒量の多いと思われる公務員、建設業、サービス業、会社員は「2日酔い」が多いと回答している。(10)酒によるトラブルは、2日酔いで仕事まで気軽に休める農業、建設業は「家族とのトラブル」を挙げ、職場の集まりでよく飲む会社員、サービス業、公務員は「仕事仲間とのトラブル」と回答している。3)飲酒行動に対する認知及び評価(1)すべての職業の人々と大学生は、日常生活において酒の必要性を「ある方がよい」と積極的に認知している。その中で、サービス業、公務員、商業等は他の職業に比べ酒の必要性の認知が相対的に強い。また、公務員、サービス業は他の職業に比べ、酒は生活に役立つと若干強く認知している。(2)気楽に酒の飲める場所として、農業は「自宅・親戚宅」、「友人宅」の私的場所を挙げている。また、商業やサービス業は他の職業に比べ、「バー・キャバレー」や「大衆酒場」等の共有的な場所を挙げる傾向が見られる。(3)酒の持つ最大の利点として、サービス業、建設業、農業は他の職業に比べ「つき合いをよくする」と認知している。反面、商業、会社員、公務員は他の職業に比べ「ストレス解消に役立つ」と若干強く認知している。(4)飲酒人口は増加傾向にあると認知され、特に会社員、サービス業はその傾向が高い。(5)認知された飲酒人口の増加に呼応して、飲酒にともなうトラブルも増加してきていると認知されている。商業や建設業は「かなり増加している」と回答し、サービス業、公務員は「いくらか増加している」と答えている。(6)飲酒者に対する社会の評価の予測として、飲酒量の多い公務員、建設業は「大目に見ている」と回答し、大学生、サービス業は「ルーズである」ときびしい評価を下している。
著者
河野 えみ子 泉 伯枝 安永 浩子 中村 奈緒美 松本 絵麻 奥山 悦子 新崎 孝夫 三箇山 宏樹 岡村 昇
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.739-745, 2012 (Released:2012-05-10)
参考文献数
6

【目的】既報で, 輸液にインスリンを配合した際, pHが高くなるにしたがいブドウ糖やアミノ酸がインスリンの含量低下を起こすことを報告した. 今回, 末梢静脈栄養 (PPN) 輸液や糖加維持液に配合したインスリンの経時的な含量変化を調べ, 含量低下の要因について検討した.【方法】各種のPPN輸液, 糖加維持液にインスリンを配合し, HPLC法にてインスリン含量を経時的に測定した.【結果】PPN輸液中のインスリンの安定性は, 濃度が低いと容器への吸着が, 高いと分解が, それぞれ含量低下の主な要因であった. PPN輸液や糖加維持液でのインスリン含量の低下に製剤間の差は認められなかった. また, 糖加維持液においては輸液のpHが高くなるとインスリンの含量低下はより大きくなった.【結論】PPN輸液や糖加維持液にインスリンを配合した場合, 経時的な含量低下が起きるため, これらに直接配合しない投与方法を選択するべきである.
著者
中村 隆文
出版者
日本法哲学会
雑誌
法哲学年報 (ISSN:03872890)
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.229-242,258, 2007

Locke's theory as a contractarian has a great influence on the debates about social justice between &ldquo;liberalism&rdquo; and &ldquo;libertarianism&rdquo; yet. Even have many differences of opinions in those, they almost depend on the &ldquo;natural law&rdquo; and &ldquo;natural right&rdquo; elaborated by Locke when he tried to defend the &ldquo;liberty&rdquo; against an authority of the king. This reason is that they believe Locke's natural jurisprudence and ideas of &ldquo;liberty&rdquo; and &ldquo;right&rdquo; are set in the Declaration of Independence. It's nothing to be surprised at this, so now I intend not to doubt this fact, and that, not to convict their debates as pointless.<br> I suggest that &ldquo;liberty&rdquo;, &ldquo;right&rdquo; and &ldquo;justice&rdquo; can be also defended philosophically by a school of thought in the eighteenth century other than Locke's, no matter how we estimate his influence on the then America. Directly and frankly professing, I regard the Scottish Enlightenment as functioning that role in the century, and its significance has still lived under the debate about the idea of social justice.<br> I place a special emphasis on the point that Scottish thinkers, especially David Hume and Adam Smith, had defended the America outside the theory of contractarianism involved with liberalism and Libertarianism. It shows that &ldquo;justice&rdquo; intrinsically exists in a relationship, in other words &ldquo;convention&rdquo; and it can not be discovered in the contractual lawmaking way but in the judiciary way reflecting sense of justice, or moral sense, because law of justice will be expanding over the domain of human rationality of economical worldview.
著者
山口 智 三枝 英人 中村 毅 小町 太郎 粉川 隆行 愛野 威一郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.549-552, 2009-07-20

Ⅰ.はじめに 唾液分泌過多症は唾液分泌の絶対量が多い真性のものと,嚥下障害や上部消化管の占拠性病変による通過障害に伴い唾液が貯留した仮性のものとに分類される1,2)。真性唾液分泌過多症の原因には,薬物性のものや消化器疾患に伴うもの,脳血管障害,パーキンソン病に伴うものなどが報告されており,治療の原則はおのおのの原因に応じたものが中心となる1,2)。一方,原疾患の制御が困難である場合や,特発性の真性唾液分泌過多症の場合には,治療に難渋することが多い2)。今回,われわれは,種々の治療に抵抗性であった特発性の真性唾液分泌過多症に対して,漢方製剤である茵蔯五苓散®が著効した1例を経験したので報告する。