著者
中村 菜穂
出版者
大東文化大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

<研究目的>本研究は、文学テキストおよび視覚資料を用いたペルシア語教授法の研究を目的として行われた。特に大学の語学教育が置かれた現状に鑑み、学習者の意欲向上および教育内容の充実化を図ることを目的とした。<研究方法>上述の目的のため、本研究はペルシア語によって構築されたイランの文化に着目し、文学テキストや視覚資料を語学教育に活用するための調査研究を行った。第一に、既存のペルシア語教材および語学関連書籍を国内外で収集し、比較分析を行った。それらの分析をもとに、教材サンプルの作成、および文学・文化を中心とするペルシア語教授法の開発に取組んだ。また写真や映像等視覚資料の収集を行い、授業において活用した。<研究成果>本研究の取組みにより、授業内では学習者の意欲を一定程度向上させることができた。特に、イランの文学および文化に関する書籍や映像資料を用いることで、当該地域の言語文化についての学習者の知識と関心の幅を広げることができた。それとともに、多様な教材・教授法の比較検討から、主にペルシア語学に関する、現時点で未解決の問題も明らかになった。これらの成果および今後の課題について、2016年3月6-7日にテヘランで行われた国際会議に出席して報告を行った。その後、現地で得られた知見を含め、2016年3月26-27日に大阪大学で開催されたイラン研究会において本研究の成果報告を行った。特に上記の国際会議で、ペルシア語学そのものに関して、イラン本国での最新の議論に触れることができた点、またペルシア語教育が抱える問題点について参加各国の教育者と情報交換ができた点は、当初の計画に含まれていなかったものの、ペルシア語教育の世界的な動向や水準を知るうえで、大きな収穫であった。また国内の研究会においてもペルシア語教育の今後のあり方をめぐって活発な議論が行われた。
著者
二宮 洸太 又吉 康綱 中村 聡史
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2019-HCI-184, no.15, pp.1-8, 2019-07-15

コンピュータやスマートフォンが普及した現在においても,手書き文字を使う機会は多くある.また,自分の手書きに対して苦手意識を持っている人たちもいる.これまでの研究で,複数の手書き文字を合成し平均化した文字が綺麗であることや,それを用いた手書き平均化アプリケーションも実装されている.しかし,立った状態でメモを走り書きするなどのシーンのように,手書きが崩れてしまったものを読めるようにできるかについての検討は,十分に行われてこなかった.そこで本研究では,崩れた手書き文字データセットを構築するための手法について検討を行うとともに,構築したデータセットを用いて平均化によって美化し,読めるようにすることができるかを検証した.検証の結果,平均化によって可読性が向上することがわかった.また手書きの可読化においてユーザ間に相性が示唆された.

1 0 0 0 OA 日本史要

著者
小中村清矩 閲
出版者
大倉書店
巻号頁・発行日
vol.下, 1896

1 0 0 0 OA 日本史要

著者
小中村清矩 閲
出版者
大倉保五郎
巻号頁・発行日
vol.下, 1893
著者
中村 善紀 宮沢 健 井口 欽之蒸 北原 昇 松尾 俊彦
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.351-359, 1979-04-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
25

高山病は適切な処置をとれば, まことに治りやすい急性疾患であるが, 処置を誤れば死に至る疾病である. 昭和46年から昭和53年8月まで当院へ入院した19例の高山病患者について臨床的観察を行つた.対象患者は男17例, 女2例で, 年令は29才以下18例, 52才1例であつた. うち死亡2例であつた. 登山歴のあるもの11例で, そのうち5例は高山病を経験していた. 高山病をおこした山岳は槍ヶ岳(3,179m)が最も多く7例, 次いで穂高連峰(3,000m)5例であつた. 高山病19例の入院した季節は夏山シーズン14名, 冬山シーズン4例で, 死亡者2例は夏山にみられた.高山病発症時の症状と入院時の症状はかなり異なつておる. 一般に本症は低地に移送すれば症状は軽減するからである. その症状を大別すると脳症状, 呼吸器症状, 眼症状である. 低地に移すと脳症状は急速に改善するが呼吸器症状と眼症状は残るので, 高地性肺水腫や網膜出血として観察される.高所反応が現れたら可及的速やかに低地に転送すべきであつて, 脳症状が固定すると死の危険がある.
著者
中村 亨 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.934-938, 2017 (Released:2017-09-01)
参考文献数
2

2015年12月より実施されたストレスチェック制度の中で臨床心理士や産業カウンセラーなどの心理職の担う役割は限定的であるものの, 実務を行うにあたって, ストレスチェックにおいて高ストレスと判定された労働者に対する医師による面接指導に先立つ情報聴取を目的とした面接を, 心理職が行うことが考えられる. このため, 心理職は, 医師面接の位置づけを含むストレスチェック制度やストレスチェックの際に用いられる検査について学ぶとともに, 個人情報の保護を考慮した面接の進め方を身につける必要がある.本ワークショップではストレスチェック制度と標準項目となっている職業性ストレス簡易調査票について概説するとともに, 医師による面接指導前の情報聴取を目的とした面接のポイントを整理した.
著者
矢沢 知海 中村 光司 長廻 紘 饒 熾奇 小坂 知一郎 生沢 啓芳 渡辺 修身 金山 成保 竹本 忠良
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.373-377,406, 1974

大腸ポリープは癌と同様に,S状結腸以下に64.6%の発生をみた.他方,大腸早期癌(粘膜内,粘膜下層まで)32例では,潰瘍型は3例(すべて粘膜下層癌)で,他はポリープ型であった.<BR>そこで,良性,悪性ポリープの内視鏡的術前診断を試みたが,50%程度の癌特有の所見のみしかみられず,また,pedunculatedのものでは,生検でも陰性のことすらある.<BR>故に,polypoid lesionに対する正しき診断はExcision Biopsyによらねばならぬと考え,現在まで48個のpolypを内視鏡下に切除したが,その中に4例の早期癌が含まれている.そこで,subpedunculated,pedunculatedのpolypで,茎1.6mm以下であればすべて内視鏡下にpolypectomyを行ない,組織検査の結果で粘膜内癌は診断と治療がpolypectomyで完了し,粘膜下層癌では腸切除を追加すべきであり,また広基性(Sessile)ポリープでは,癌が生検で証明されたものは,深達度の判断が不可能であること,polypectomyが完全に,安全に施行できないことを考え,粘膜下層癌と同様に腸切除を施行すべきものと考える.
著者
高橋 英介 萩原 勁 野口 正之 松島 康 小高 達朗 輿石 晴也 中村 治彦 米山 一男 小中 千守 加藤 治文
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.195-199, 1993-06-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

One case of tracheal diverticulum and eleven cases of bronchial diverticula were detected in 4127 subjects examined by fiberscopic bronchoscopy. The tracheal diverticulum was located in the right posterior portion of the trachea, and the bronchial diverticula were located in the right truncus intermedius (5 cases), the right basal bronchus (5 cases) and the right middle lobe bronchus (1 case). From our studies and reviewing the previous reports in Japan, we came to the conclusion that the frequent site of the tracheal diverticulum was at the right posterolateral portion and that of the bronchus was at the truncus intermedius. There was redness of the mucosa and vascular engorgement in 2 of the 12 cases of tracheobronchial diverticula. In most cases, diverticula were clinically silent, however in some cases, they tended to lead to the foci of inflammation. Therefore in case of the recurrent pulmonary inflammation, bronchofiberscopic examinations are highly recommended to rule out the tracheal or bronchial diverticula.
著者
菊池 清 妹尾 千賀子 中村 嗣 大日 康史 菅原 民枝 岡部 信彦
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.351-356, 2010 (Released:2011-02-05)
参考文献数
4

新型インフルエンザ(Flu)流行時の施設内感染防止と労働安全衛生上の必要性から,2009年9月1日から職員対象症候群サーベイランスを始めた.Webブラウザ上で稼動する職員健康管理ツールを開発し,病院内で働く全職員1350名の症状(症状なし,咳/鼻水/咽頭痛,発熱,嘔吐/下痢,その他)などを各部署責任者が毎朝9時までに登録することにした.参照権限はインフェクションコントロールチーム(ICT)主要メンバーと病院管理部門の10名に限定した.登録情報をもとにICTが介入し,出勤停止命令や該当部署の接触者の管理などを行った.9月1日から12月31日までの全部署登録率(情報入力された職員の総数/1350名)の中央値(範囲)は,78日間の平日が85.0%(74.4%~98.5%),44日間の休日が43.2%(34.2%~53.0%)であった.症状別では,「咳/鼻水/咽頭痛」が最も多く,次に「発熱」,「嘔吐/下痢」の順であった.発熱した全ての職員(114名)をICTが指導した.Fluの診断を受けた39名の職員は1週間の出勤停止とした.職員から患者への感染は起こらなかった.IT化された職員対象症候群サーベイランスの運用は,職員の健康状況が容易に把握でき,ICTの早期介入を可能にした.
著者
市川 遼 坂本 龍一 中村 宏 並木 美太郎
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2020-OS-148, no.3, pp.1-7, 2020-02-20

メモリアクセスのパターンを解析することは,アプリケーションのパフォーマンス改善において非常に重要である.しかしメモリアクセスは頻繁に発行され,そのログが膨大になってしまうため,実行時間に影響を与えずにトレースを得ることは困難である.そこで本発表では,ハイパーバイザと Intel Optane DC Persistent Memory を用いたメモリトレースシステムを提案する.BitVisor を拡張した LVisor によって,Optane DCPM の持つ高速な大容量ストレージを解析用途に利用する方法を検討した.
著者
根本 彰 三浦 太郎 中村 百合子 古賀 崇
出版者
東京大学
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.453-478, 2000-03-15

12 policy statements, in which 4 are during the former, 3 during the middle, 5 during the later Occupation Period (1945-1952) in Japan, are analyzed to investigate the course of library policies at the Education Division of the Civil Information and Education Section (CIE). General Headquarters, Supreme Commander of the Allied Powers (GHQ/SCAP). In result we indicate that the national plan with public libraries made by P. O. Keeney was not taken over by his successors after his dismissal in April 1947,and that important library policies were begun by those except the libraries officers. And we consider that there was a concept of library developments among those of the CIE but there was no single continuing policy with the library.
著者
中村 亘男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.438-440, 1995-07-20 (Released:2017-07-11)
参考文献数
5

量子化学に対する理解を深め, これを活用し, 更によいものに育てていくためには, 量子化学の生い立ちとその発展の歴史を多少とも知っておく必要があろう。そこで, ボーアによって出された原子模型から, ハイトラー-ロンドンによる量子論に基づいた最初の化学結合理論, 量子化学の誕生とその後の発展について概観する。その中で, 量子化学を現代の膨大な体系にまで育て上げてきた先駆者たちの努力の後を振返り, 量子化学の現状と将来についても触れる。
著者
川嶋 一誠 中村 良介
出版者
一般社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.131-136, 2018-04-20 (Released:2018-10-28)
参考文献数
11

This paper presents a super resolution (SR) method for satellite imagery based on deep learning. From this preliminary study, we found that the performance of SR strongly depends on the variety of the training data set. A new strategy that combines SR and selection is proposed to improve the accuracy and flexibility of the method.
著者
中村 乙水
出版者
長崎大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

外温性魚類は外界の水温を使って体温を調節しているが、冷水中で失った体温を回復する際には熱の交換が活発になるなど、なんらかの生理的な調節によって外界との熱の交換を調節していることが示唆されている。仮説としては、「鰓が熱交換器として働いており、血流や海水の流量を変化させることで熱の交換を調節している」ことが考えられる。そこで、生きた魚に体温調節が必要な温度環境を経験させ、動物搭載型記録計を用いて魚の体温、心拍といった生理情報を計測する飼育実験を行った。今年度は、コバンザメ類の一種であるナガコバンを用いて飼育実験を行った。コバンザメ類は宿主である大型魚類によって低水温の深海まで連れて行かれると考えられるため、低水温化で熱を失わないような調節を行っている可能性を考慮して実験対象とした。ナガコバンに体温と心拍数を記録するデータロガーを装着し、飼育水温(25℃)と低水温環境(15℃、10℃、5℃)を交互に経験させ、体温と心拍数および鰓蓋の運動を観察によって記録した。ナガコバンの心拍数は定常状態で60bpmだったが、低水温環境では5bpm以下、その後の体温回復期には100bpm以上まで上昇した。低水温環境下では鰓蓋の運動も停止することがあった。体温変化と水温から熱収支モデルを用いて熱交換係数の変動を推定したところ、熱交換係数と心拍数には相関が見られたが、冷える時と温まる時で1.3倍程度の違いしか見られなかった。大型のマンボウやジンベエザメでは3~7倍の違いが見られたことから、小型の魚では熱の損失を防ぐ能力が高くないことが示唆された。来年度以降は他の魚種でも同様の実験を行うとともに、野外での心拍数の計測も試みる予定である。
著者
中村 恒彦
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学経済経営論集 = St. Andrew's University economic and business review (ISSN:02869721)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.7-43, 2012-03-30

As the counterpart of modern accounting, critical accounting has revealed aspects that could not be clarified by modern accounting. Having its roots in Marxism, critical accounting has indicated that accounting functions not only as a micro accounting policy of each individual company but also as a macro accounting policy. It may not be an overstatement to say that Japanese-style accounting has developed under the combined influence of modern accounting and critical accounting. Despite its contribution, however, critical accounting does not seem to have received due recognition, presumably because of its tendency to deny the legitimacy of modern accounting and the established system. In fact, the theories studied in this paper also have such a tendency. Yet it is a mistake to refuse to acknowledge that critical accounting has revealed aspects that had been overlooked by modern accounting, thereby contributing to the field of accounting as a whole. By discussing the conceptual view, that is, the ideology, that critical accounting envisions, this paper aims to identify the aspects that tend to be overlooked in the existing accounting studies. As emphasized in Western critical accounting, what is believed important in that process is the "alternative" understanding. The ideology of critical accounting is underlain by Marx's formula: "They don't know it, but they do it." Some critical accounting theories argue that accounting or the entire accounting system unconsciously rationalizes or justifies companies' capital accumulation and profit seeking. Other theories claim that disclosing financial statements or the interests of companies as such comprises a surreptitious means of rationalizing or justifying corporate control. In any case, these theories seem to define accounting by examining in one way or another discourses arising from the phenomenon of accounting. It is, however, impracticable to study all theories of critical accounting in this analysis. Instead, this paper reviews the historic trend of critical accounting, thereby identifying the ideology of critical accounting and examining the ideological concepts of accounting. By studying the transition of critical accounting theories over generations of scholars, specifically the transition from the Miyagami theory to the Tsumori theory and to the Yamaji theory, this paper intends to organize what has been drawn from the ideology of critical accounting.
著者
山内 大士 長谷川 聡 中村 雅俊 西下 智 簗瀬 康 藤田 康介 梅原 潤 季 翔 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1031, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】野球選手は肩関節の内旋や水平内転方向の可動域が制限されることが多く,またこうした可動域制限と投球障害との関連も報告されている(Wilk;2011)。可動域制限の要因としては肩関節後方の軟部組織の伸張性低下が大きな要因として考えられており,一般的に肩関節後方タイトネスと呼ばれている。肩関節の内旋・水平内転可動域制限に対するストレッチング(以下ストレッチ)方法としては,水平内転方向へのcross-body stretchと,内旋方向へのsleeper stretchが多く用いられる(McClure;2007)。近年Wilk(2013)らによって,これらのストレッチを改良したmodified cross-body stretch(以下mCS)と,modified sleeper stretch(以下mSS)が提唱された。しかし,実際にこれらのストレッチ方法が関節可動域に及ぼす効果を比較・検討した報告は見当たらない。また,これまでは個別の筋の柔軟性を測定することはできなかったが,近年開発されたせん断波エラストグラフィー機能を用いることで各筋の弾性率を測定することができ,ストレッチが各筋の柔軟性に及ぼす効果を明らかにすることができるようになった。本研究の目的は,mCSとmSSによる肩関節内旋・水平内転可動域制限の改善効果と,各筋の弾性率の変化を比較検討し,これらのストレッチが及ぼす即時効果を明らかにすることである。【方法】対象は大学硬式野球部員24名の投球側24肩とし,無作為に12名ずつmCS群とmSS群とに群分けした。mCSは,投球側を下にした側臥位になり,投球側肩甲骨を固定した状態での水平内転方向へのストレッチである。mSSは,投球側を下にした側臥位から体幹を30°後方に回旋させることで肩関節の圧迫を減じつつ,投球側上腕の下にタオルを敷くことで水平内転角度を確保した状態での内旋方向へのストレッチである。ストレッチは各群とも投球側に対して30秒を3セット行い,ストレッチ前後に測定を行った。可動域計測にはデジタル角度計を用い,背臥位で肩甲骨を固定しながら2nd内旋と水平内転可動域を計測した。各筋の弾性率の計測には超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)のせん断波エラストグラフィー機能を用い,測定肢位は座位肩関節90°外転・40°内旋位(2nd内旋位)と座位肩関節110°水平内転位(水平内転位)とし,測定筋は棘下筋・小円筋・三角筋後部とした。各測定項目について,対応のあるt検定を用いて介入前後の値を比較した。有意水準は5%とした。【結果】介入前後で比較すると,各群共に内旋可動域は介入後に有意に増加した(mCS群;49.1±6.2°→55.8±5.5°, mSS群;51.8±6.7°→ 59.7±7.4°)。水平内転可動域はmCS群のみ有意に増加した(mCS群80.5±10.5°→83.9±8.1°, mSS群;85.7±8.8°→85.6±7.2°)。筋の弾性率は,mCS群では2nd内旋位の小円筋(15.5±4.5kPa→13.1±4.2kPa),水平内転位の小円筋(19.6±5.3kPa→15.8±4.1kPa),三角筋後部(30.5±6.5kPa→26.4±6.8kPa)において有意に減少した。一方mSS群では,2nd内旋位の棘下筋(9.7±2.9kPa→8.9±2.3kPa)のみ有意に減少した。【考察】mCS群とmSS群は共に内旋可動域の改善率は同程度であり,2nd内旋位での筋の弾性率はmCS群では小円筋が,mSS群では棘下筋が低下した。一方,水平内転可動域はmCS群でのみ改善が見られ,水平内転位での筋の弾性率はmCS群の小円筋・三角筋後部のみ低下した。以上の結果から,mCSでは小円筋と三角筋後部に対するストレッチ効果が,mSSでは棘下筋に対するストレッチ効果が得られていたと考えられる。2nd内旋可動域に関しては,過去に棘下筋や小円筋に対するマッサージにより内旋可動域が改善するという報告がされており(Poser;2008),本研究の結果からも,これらの筋の柔軟性が増加したことにより内旋可動域が改善したと考えられる。一方,水平内転可動域に関しては,小円筋と三角筋後部の弾性率が低下したmCS群でのみ可動域が改善していたことから,水平内転可動域制限と関連が深い筋は三角筋後部と小円筋であり,mSSではこれらの筋が効果的にストレッチされなかったため水平内転可動域が改善されなかったと考えられる。【理学療法学研究としての意義】本研究により,野球選手における投球側肩関節の内旋可動域制限に対してはmCSとmSSの両方法が効果的であり,水平内転可動域制限に対してはmCSが効果的であることが示唆された。また,mCSでは小円筋と三角筋後部,mSSでは棘下筋のストレッチ効果が得られやすいことが示唆された。
著者
中村 勲
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会雑誌 (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.163-178, 1957-09-30 (Released:2017-12-23)
著者
中村 廣治郎 Kojiro NAKAMURA
雑誌
国際学レヴュー = The Review of international studies (ISSN:09162690)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.69-89, 2006-03-31

A great number of studies have been done so far on the history of Islam in the various fields of discipline. Among others, Oriental History has done a major contribution to the study, while very few by Comparative Religion, or the History of Religions. This article is an attempt to read the history of Islam in terms of the History of Religions, by which I mean to study religions by applying the general theories of religions. The theories I make use of in this article are "Holy Community" by J. Kitagawa, typology of religions "Prophetic" and "Mystic" by F. Heiler and "Fundamentalism."