著者
中村 正人 松田 佳久 高木 征弘 今村 剛 はしもと じょーじ 山本 勝 大月 祥子 小郷原 一智 林 祥介
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

欧州の金星探査機Venus Expressにより得られた観測データを金星探査機「あかつき」のデータ解析システムで分析するとともに、大気大循環・放射輸送・雲物理・大気化学の数値シミュレーションを行い、大規模風系の維持と大気物質の循環のメカニズムを探った。これらの成果をもとに、残された問題点を洗い出し、2015年に改めて周回軌道投入を目指す「あかつき」の観測計画の最適化を進めた。
著者
上垣 拓郎 池上 裕 中西 一郎 小久保 一哉 露木 貴裕 中村 浩二 原田 智史
出版者
北海道大学大学院理学研究院自然史科学部門(地球物理学) = Department of Natural History Sciences (Geophysics), Graduate School of Science, Hokkaido University
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.379-382, 2009-03-15

The long-period strain seismograms from the Sumatra-Andaman earthquake of December 26, 2004 and the Nias earthquake of March 28, 2005 are analyzed by comparing the observed seismograms with synthetic seismograms calculated by normal mode theory. The multiple CMT source (Tsai et al., 2005) and Harvard CMT solution explain the seismograms recorded by both extensometers and volumetric strainmeters from the 2004 and 2005 earthquakes, respectively. The long-period strain seismograms observed in Japan are consistent with about 9 min source duration and 1200 km fault length proposed by Tsai et al. (2005) and Velasco et al. (2006).
著者
舛田 亮太 中村 俊哉
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.208-219, 2005-03-31
被引用文献数
2

本研究の目的は, 日常的解離尺度(短縮6項目版), 日常的分割投影尺度(短縮8項目版)の構成概念妥当性を検討することであった.大学生325名(平均年齢19.47歳)を対象に日常的解離尺度, 日常的分割投影尺度, 精神的健康調査票(GHQ), 解離性体験尺度(NDI, DES-Tに分類)を実施した.相関分析の結果, 日常的解離尺度においてはGHQ, NDI, DES-Tとの相関係数, またその大小関係から収束的弁別的証拠が得られ, ある程度の構成概念妥当性が示唆された.しかし日常的分割投影尺度についてはGHQ, NDI, DES-Tとの相関係数の大小関係が明確でなく, さらには日常的解離尺度との関連においてもやや高い相関があったことから, 十分な弁別的妥当性を確認できたとはいえなかった.よって今後は, 日常的分割投影尺度を更に精緻化していく必要性が示された.
著者
磯山 直彦 及川 真司 御園生 淳 中原 元和 中村 良一 鈴木 奈緒子 吉野 美紀 鈴木 千吉 佐藤 肇 原 猛也
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.763-769, 2008 (Released:2008-11-07)
参考文献数
13
被引用文献数
2 4

For the purpose of marine environmental radioactivity monitoring, stable Cs and 137Cs concentrations were obtained from 214 marbled flounder (Pleuronectes yokohamae) samples collected from off the coast of Ibaraki prefecture in Japan in 2005 and 2006. Prior to the investigation, an analytical method for the determination of Cs in muscle of marbled flounder samples by inductively coupled plasma mass spectrometry (ICP-MS) was seriously considered from the view point of sample preparation (wet way) to a Cs measurement. Since major problems in determining Cs by the ICP-MS is the interference of matrix materials and molecular ions on Cs peak area (m/z 133), a known amount of In (m/z 115) was added to the sample solutions as an internal standard. To check the accuracy of the determination, duplication analysis and standard reference materials were used. Analytical results of Cs in muscles samples by ICP-MS agreed well with duplicated samples, and standard reference materials. The standard length and body weight were obtained from a total of 214 flounder samples. The stable Cs, stable K and 137Cs concentrations in muscle were determined by ICP-MS, flame photometry and radiochemical analysis, respectively. The mean standard length correlates closely with the mean body weight. The stable Cs concentration was in proportion to the body weight, also, the 137Cs concentration correlated closely with the stable Cs concentration in muscle. On the other hand, a stable K concentration was found to be uniform, and unrelated with 137Cs and stable Cs concentrations. The specific activities, the ratio of 137Cs/stable Cs in muscle, was found to be 5.5∼6.7 with an average of 6.2±0.35 (SD) among five different size groups of the standard length of marbled flounder samples. From these results, ICP-MS provided useful tools for the determination of a trace amount of Cs in muscle samples, combined with wet way pretreatment techniques. In addition, marbled flounder proved to be a useful species for comparing the radioactivity of fishes in coastal seas around Japan with each other in the environmental radioactivity monitoring program.
著者
河野 真也 相馬 孝行 植野 美穂 後藤 貴裕 中村 直人 宮寺 庸造 横山 節雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.433, pp.67-74, 1998-11-20
被引用文献数
3

学習指導案にはこれまで慣習的な形式しかなく, 指導者によって形式や着目する点が異なるものであった.そのため, 初めて学習指導案を作成する教育実習生徒にとって, 指導案の作成は極めて困難であり, また有効な授業設計のデータとなり得る指導案のデータベース化も困難になっている.そこで本研究では, 学習指導案を作成する際の文法を定めることにより指導案を形式化し, それに基づいた学習指導案作成支援システムを設計した.本システムを用いて作成された指導案は文法的に正しく(健全性), さらに, 任意の正しい指導案は本文法により作成することができる(完全性).また作成しながらデータベース化を行うので一度作成した指導案の再利用も可能となる(汎用性).
著者
石井 昇 松田 均 中山 伸一 鎌江 伊三夫 中村 雅彦
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

【研究目的】日常診療、研究等に多忙な医療従事者や医学生等に対して、その職種やレベル別に応じた適切な教育効果が期待されるコンピューターシミュレーションを用いた災害医学、災害医療の教育システムの開発を目指したもので、特に自己学習が可能なゲーム感覚で学習が継続できるプログラムを作成する。【研究実施計画】平成12年度は地震時の災害医療における国内外の関連資料の収集・分析と、コンピューターへのデータ収録、さらに地震災害の初動期災害医療対応のシナリオ作成に必要な画像の収録・編集等を行った。平成13年度は、災害発生初期における医療対応での問題点等の抽出を行い、災害医療の実際等に基づいたシナリオ作成と災害発生後の状況を疑似体験できる災害現場を仮想空間にてシミュレーションできる3次元モデルプログラムの開発をコンピューターシミュレーションソフト開発会社等との協力のもとに着手した。平成14年度は、コンピューターソフト関連の技術者等の協力を得てコンピューターグラフィック化を含めたシナリオ作成と災害発生現場を擬似体験できる災害現場の3次元仮想空間でのシミュレーションモデル作成を行った。【本研究によって得られた新たな研究等の成果】地震災害想定モデル作成の複雑さと困難さに直面し、本研究期間内において地震災害想定シミュレーションシナリオ作成の完成に到達することは出来なかったが、コンピューターシミュレーションソフト開発会社の協力が得て、災害想定モデルのシナリオ作成の第一段階として、工場爆発想定の3次元の災害現場の仮想空間モデルを作成し、この仮想空間モデルを活用した災害現場でのトリアージ訓練シミュレーション教育システムのプロトタイプを作成中で、本年4月に完成した。今後地震災害想定モデルの作成に向けての研究を継続する予定である。
著者
三寺 史夫 大島 慶一郎 中村 知裕 小野 数也 小埜 恒夫
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

オホーツク海から北太平洋にかけての中層温暖化の実態を明らかにするとともに、熱塩(中層)循環の力学過程とその変動メカニズムの解明、および、その基礎となる高密度陸棚水(DSW)生成過程の解明を目的とした。北西陸棚域で生成されるDSWはここ50年間で約0.1PSU減少し軽くなっており、これが26.8-27.0σ_θでは温暖化シグナルとして現れている。数値実験の結果、DSWの塩分は、気温の上昇(海氷生成量の減少)、降水量の増加、風応力の変動の影響を受けて変動することが示された。一方、低緯度の亜熱帯循環中層では逆に低温化が顕著である。これは、70年代半ば以降、亜寒帯循環が強化され、親潮を通した亜寒帯から亜熱帯への低温水流入量が増加したためである。
著者
中村 愛実 小川 克彦 秋山 美紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.118, pp.115-120, 2008-11-22
参考文献数
8

インターネットは中高校生にとって身近な存在となった.しかし、学習面での利用に関しては学習教材の検索・著作権・保管や共有の面で課題が生じている.キーワードのみに依存する検索エンジンでは、自分の欲しい教材を見つけるための言葉を見つけにくく、また、コンテンツの著作権の扱いが不明確であることから気に入ったサイトや素材の保管・共有を自由にできない.本報告では、教材の発見を容易にする独自の教材共有タグにより、キーワードを入力することなく直感的に教材を発見できる感覚検索バー、好きな情報を取捨選択して個人保管かつ自由に共有することのできる個人ノート (資料集) を具備した学習教材プラットフォーム (学実ねっと) のコンセプトを提案し、システム概要を述べる.Recently, junior and high school students often take a chance to use the internet for leaning. However, there are many difficulties in searching, copying and sharing learning materials. They cannot find appropriate keywords for searching services. There are no practical rules in copying materials for sharing them each other. This report proposes an information-sharing platform called "Manamin Net" to solve the problems by using intuitively search functions and sharing materials with information tags.
著者
江口 弘久 谷原 真一 中村 好一 柳川 洋
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

(1)各県ごとの患者把握率Gは、疾病の種類に関係がない。(2)小児人口あたり突発性湿疹発生には地域変動がない。以上の仮定を設定し、小児あたり定点数地域格差および年末年始、連休などの受診への影響を調整した患者報告数の都道府県格差を比較するモデルを構築した。このとき、サーベイランスで報告されている定点あたりの患者数をPとすると、その県での小児人口あたり患者数T1とのあいだには、P×(定点数)=(小児人口)×T1×Gの関係が成り立つ。よって定点あたり患者数Pは、P=(小児人口)×T1×G÷(定点数)と表すことができる。突発性湿疹の定点当たりの患者数をESとすると、小児人口あたり患者数T2について、同様に、ES×(定点数)=(小児人口)×T2×Gであるから、ES=(小児人口)×T2×G÷(定点数)と表すことができる。よって、各都道府県についてP/ES=T1/T2となる。仮定から、突発性発疹の発生率T2は地域差がない定数としたので、P/ESの値を比較することで、地域格差を検討することが可能になる。実際に突発性発疹の定点あたり患者数を分母に用いた数値による検討では、麻疹の場合、1995年の北海道東北地域では第5週〜20週にかけてほぼ一定の値を示し、特続的な麻疹患者発生が考えられた。1996年では近畿、四国地域に前後の週と比較して著しく高い値が観察された週が存在し、サーベイランスシステムにおけるデータ入力ミスの可能性が考えられた。九州地域では福岡県で定点あたりの患者報告数では他の県と比較して高くなっていたが、この指標では大きな格差は認められなかった。各都道府県の小児あたり定点数の地域格差が是正されたために地域格差が観察されなかった可能性がある。
著者
中村 陽子 人見 裕江 西内 章 津村 智惠子 上村 聡子 松浦 尊麿 村岡 節 金 玄勲 金 東善
出版者
園田学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

限界集落における終末期の現状は在宅死よりも病院での死亡が多かったが、後期高齢者になると自宅か町内の病院死が多かった。厳しい生活条件の下での暮らしの中、人々は地域に深い愛情を持ち、家で終末期を迎えることを希望しながらも現実は無理であるとの思いが強かった。高齢化と過疎化、相互扶助の文化が薄れてきており、看取りの文化の継承が困難である現状が明らかになった。韓国の過疎地域における終末期ケアの課題としては医療・福祉サービスなどの多様なサービスの提供と都市部と地方の地域格差の解消が重要であることの示唆を得た。
著者
馬場口 登 栄藤 稔 佐藤 真一 安達 淳 阿久津 明人 有木 康雄 越後 富夫 柴田 正啓 全 柄東 中村 裕一 美濃 導彦 松山 隆司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.155, pp.69-74, 2002-06-20
被引用文献数
35

電子情報通信学会パターン認識・メディア理解研究会の下で検討,作成した映像処理評価用映像データベース(VDB:Video Data Base)について述べる.このデータベースは編集効果(シーン切替),カメラワーク,テロップの出現,音声品質という点においてテレビ放送に匹敵する品質の素材映像をもち,ニュース,ドラマ,ドキュメンタリー,情報番組(料理,観光)などのジャンルの映像からなる.また,ショット境界やシナリオ情報をMPEG7形式のメタデータとして付与している.各種の映像処理アルゴリズムを比較評価するためのベンチマークデータとして利用されることが期待される.
著者
楊 立明 中村 みどり 池上 摩希子 周 飛帆
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、中国人留学生を英語、日本語能力によりグループに分け、言語能力と社会適応の諸側面を調査した結果、以下の成果を得た。(1)適応意識の多様化(2)適応戦略の変化(3)日本語習得と使用意識の相違また、日本で就職した留学生への面接から、大学生活には適応しても企業での適応には困難を抱えているとわかった。環境要因を加味しつつ、就職後、留学生がどのように適応を図っていくか追跡調査をすることが今後の課題である。
著者
石黒 浩 中村 泰 池田 徹志
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本年度は体全体を表現メディアとした人間に親和的なアンドロイドシステムの開発を目指して, 親和的動作の生成メカニズムの実装と効果の検証, さらに状況の応じたアンドロイドの振る舞い変化による人間との親和的な関係構築について検証した. 動作の生成メカニズムとして, アンドロイドの動作の印象に大きな影響を与える体全体の振動を軽減する枠組みを提案した. 神経減衰振動子と呼ばれるパターン生成器を用いた制御法とその学習アルゴリズムからなる枠組みで, この手法により振動現象を軽減することができた. この手法は関節間の連動性を調整する枠組みとしても利用可能であり, 学習の目的により動作の印象を変えることが可能であることから, 体全体の自然な動作を生成する枠組みとして期待できる. また, リアルな環境における振る舞いの違いがコミュニケーションへ与える影響の検証を目的として, アンドロイドを病院の診察場面に陪席させる実験を行った. 患者の笑顔や頷きに同期してアンドロイドに笑顔や頷きを表出させた場合に患者の医師に対する印象や診察への満足度が向上するなど, アンドロイドの振る舞いを変化させることにより, 患者の診察への印象が変化することを示した. この研究は, 人間との親和的な関係を構築できる情報メディアとしてのアンドロイドを開発するだけではなく, 人間のロボットの関わるシステムの構成要素を明らかにするものである. すなわち, 三者間のコミュニケーションにおける親和的な関係構築への影響を調査したものであり, アンドロイドが今後, どのような社会的な役割を担い, 親和的なコミュニケーションの実現に寄与するかを検証するための重要な一歩となっている.