著者
久田 嘉章 久保 智弘 松澤 佳 松本 俊明 田邉 朗仁 森川 淳
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.12, pp.4_104-4_126, 2012
被引用文献数
1

2011年東北地方太平洋沖地震の広義の余震と考えられている2011年福島県浜通り地震(Mj7.0)では、大規模な地表地震断層が出現し、多大な建物被害が発生した。この地震は正断層の活断層帯の地震であるが、周辺で観測された強震動や距離減衰式による検討から、逆断層の地震と比べて特に地震動が弱くはなかったことを確認した。さらに、地表地震断層と震源近傍の強震による建物への影響を調べるため、地表断層のごく近傍において建物の悉皆調査を行い、191棟の建物被害の特徴を整理した。その結果、建物の大きな被害は地表断層の直上による地盤変状(断層すべりや地盤傾斜)に起因し、強震動による甚大な被害は殆ど無く、断層の近傍で推定される震度も6弱から5強程度であることが分かった。また地表地震断層の直上の建物では、最大で80 cmにも達する断層すべり変位の影響により、大きな変形や傾斜による被害が生じたが、耐震性に劣る1棟の寺院の山門を除き、倒壊した建物は無かった。
著者
大久保 隆夫
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.55, pp.1-7, 2010-02-25
参考文献数
13

本稿では,ソフトウェアに対する攻撃シナリオをモデル化する手法として,Sindre の提案する mal-activity モデルを拡張し,Web に対する具体的な攻撃のシナリオを記述する手法を提案する.更に,これを攻撃パターン,対策パターン化して用いることで,特定の前提において攻撃の発生可能性を認識し,脅威評価に利用できる手法を提案する.また,例としてイントラネットの Web システムにおいて想定される攻撃を示す.In this paper, we propose a description method of security attack scenarios with extending Sindre's mal-activity model. We also presents the attack scenarios can be used as attack patterns and countermeasure design patterns with which analysts can assess threats against the certain assumptions by recognizing the possibility of security attacks. We show the possibilities of some attacks against the intranet Web systems.
著者
村田 恵介 古川 利博 久保田 一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J96-A, no.5, pp.278-282, 2013-05-01

本論文では,NMRにおける極推定の問題に対し,帯域抽出を用いた極推定法における抽出帯域幅がAR係数推定誤差と求根誤差に与える影響を議論し,適切な抽出帯域幅に関する検討を行っている.また,これを計算例によって確認している.
著者
大久保 英哲
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.12047, (Released:2013-01-16)
参考文献数
37
被引用文献数
2

It is said that the history of Association Football in Japan, especially student soccer, began when an Englishman named DeHavilland moved from the Fourth High School in Kanazawa to the Tokyo Higher Normal School in September 1904, where he started coaching soccer. It has been recorded in the history of the Tokyo Higher Normal School soccer club that “some students of the University in Tokyo who said they had been taught football in Kanazawa came to Otsuka with their teacher, and we played a practice match together in December, 1904”. This article suggests that DeHavilland had also taught soccer in Kanazawa. However, in the history of the Fourth High School soccer club, it is stated that “soccer began in Kanazawa in 1924”, and does not mention DeHavilland. On the basis of this evidence, the history of soccer in Japan states that “this may have not been the case, because of the short stay of DeHavilland and lack of any proof that soccer was played in Kanazawa”. Accordingly, the purpose of the present study was to obtain documentary evidence of DeHavilland and to clarify whether he did, in fact, play soccer in Kanazawa during 1898-1904, based on new documents from the Fourth High School and articles in the school union magazine at that time. The findings obtained were as follows: 1.  DeHavilland urged students to play football after he started working at the Fourth High School in 1898. His words at the kick-off, which marked the start of student soccer in Japan, were: “ It is no matter, hailing, snowing, raining. Come and play!” 2.  It is stated in Hokushinkai magazine that DeHavilland was involved in establishing a football club in 1898. Mention of the football club appeared in the Fourth High School Union rulebook in 1899, and the name DeHavilland appeared in the list of board members of the football club in 1901. 3.  On April 18th, 1901, football was played for 30 minutes at the Fourth High School as one of the sports at the sports festival. 4.  On October 5th, 1902, at the ceremony to mark the opening of the “football club” at Ishikawa Prefectural Second Junior High School, DeHavilland and Wohlfarth both played goalkeeper. This evidence of the involvement of DeHavilland and Wohlfarth in soccer at the Fourth High School and in Kanazawa should be regarded as one of the hidden roots of student soccer in Japan.
著者
田崎 美弥子 山本 幹男 小久保 秀之 小林 宏
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、喜怒といった対立する情動が混在するNon-Dialecticな東洋圏と混在しないDialecticな西欧文化圏において顔表情認知過程において差異があるかどうかを検証することである。本研究は4つの実験から構成された。実験1では、3名ずつの日本人と中国人との顔表情認知を喜び、怒り、驚き、軽蔑、嫌悪、恐れの顔表情と喜びを基点としてそれぞれの情動への変化する過程の中間表情を示す26枚顔表情刺激を使って、カードソーティングを実施した。また中国人学生には面接インタビューを行った。実験2では、同じ刺激材料を用いて、139名の日本人学生にスクリーンで刺激材料を8秒、白紙を3秒提示することを交互に26回繰り返して、その顔表情認知実験を行った。正答率の分析し、同じ日本人でも日本人の顔表情で正確に識別されるのは、笑い顔であり、「喜び、驚き、怒り」は「恐れ、嫌悪、軽蔑」より識別されやすいことがわかった。また実験3では、日本人と中国人に近赤外線、分光血流計OMN-3000を使い、実験1と2の刺激材料を提示したときの脳の血流変化を測定した。その結果、中国人は右前頭前野腹外側部の血流増加が顕著に認められた。日本人は相対的に血流増加が目立たず、課題負荷が少ないことが推測された。実験4では人種的にはヨーロッパ系であるものの情動表出が明確なラテン系の文化圏にあるブラジル人にとってどのように日本人の顔表情変化が認知されるかを検証した。その結果、喜怒哀楽が激しいブラジル人にとっては、日本人の笑い顔と驚き顔以外は識別が不可能であることがわかった。本研究から、笑い顔はともかくほかの曖昧な顔表情は同じ日本人にとっても難しいこと、さらに同じNon-Dialecticな文化圏であるアジア圏の中国人にも笑い顔と驚き顔以外は識別が難しく、Dialecticな文化圏であるブラジル人にとっては同じ結果が示された。以上から、日本人の曖昧な顔表情は特にほかの文化圏では極めて識別が難しく日本人の海外でのミス・コミュニケーションの一要因になっているのではないかと示唆された。
著者
小牧 元 前田 基成 有村 達之 中田 光紀 篠田 晴男 緒方 一子 志村 翠 川村 則行 久保 千春
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.839-846, 2003-12-01
被引用文献数
13

われわれは先にアレキシサイミア評価のための構造化面接法を開発した.今回,引き続きアフレキシサイミアの自記式質問紙Toronto Alexithymia Scale-20 (TAS-20)日本語版の信頼性と因子的妥当性を検討した.対象は健常群347名と心身症・神経症などの患者群940名である.両群で3因子構造モデルは確証的因子分析により確認,再現された.質問紙全体としてほぼ満足できる内容であり,テスト-再テスト間の安定性も高いことから,日本語版TAS-20の信頼性および因子的妥当性は支持された.ただし,第3因子の外的志向に関しては内的一貫性が低く,その質問項目の均質性には問題があり課題として残された.
著者
黒田 圭一 小畠 義樹 久保田 美佳 西出 英一 印南 敏
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.291-299, 1985

2種類の魚油多価不飽和脂肪酸濃縮油を異なった投与法によりラットに与えたとき, 投与法の違いが各濃縮油の血清, 肝臓の各種脂質濃度に影響するかどうか検討した。ラットは成長期のSprague-Dawley系の雄を用いた。試験に用いた2種の多価不飽和脂肪酸濃縮油は, 純度66%エイコサペンタエン酸濃縮油 (EPAconc) と純度76%ドコサヘキサエン酸濃縮油 (DHAconc) であった。各濃縮油はラットに2週間投与した。濃縮油投与法は, 0.5%コレステロール (chol) を含む基礎飼料に各濃縮油を3%レベルで添加した飼料を摂取させる方法と, あらかじめ基礎飼料のみラットに摂取させ, 摂取飼料の3%相当の濃縮油を単独に胃内へ胃管で注入投与する方法の2種の方法を用いた。対照群には5%オリーブ油を投与した。各濃縮油を飼料に添加投与したとき, EPA-concは血清の中性脂肪 (TG) を抑制する作用がDHA-concやリノール酸より明らかに強かった。しかし血清, 肝臓, 心臓中のchol濃度に対しては上昇抑制作用が弱かった。一方DHAconcの血清TGの上昇抑制作用はほとんどみられなかった。胃管投与法では, EPAconc, DHAconcともに飼料への混合投与の場合と作用の傾向はよく似ていたが, EPAconcのTGに対する作用は強まり, cholに対する作用は逆に弱まった。血清PLは両投与法において同程度の低下を示した。血清と肝臓中の過酸化脂質 (TBA値) はEPAconcの飼料への添加投与では上昇したが, 胃管投与では上昇しなかった。DHAconcはどちらの投与法においても著しい上昇傾向を認めた。このように試料濃縮油の投与法の相違によりそれらの血清, 肝臓等の脂質への作用は一部異なった場合もあったが, 全般的にみて似たような傾向を示した。
著者
橋本 英治 寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.48, pp.226-227, 2001-10-15

In this paper, by studying various sensory elements of industrial products and causal relationships due to the occurrence of affections toward products, the primary factors for the occurrence of affections and the tendencies toward the products were investigated with the model indicating users' tendencies to the products and the corresponding relationship was found. A questionnaire had been carried out and as a result from the survey, four groups of tendencies were obtained. For each group, SEM(Structural Equation Modeling) was used to construct the model for causal relationships of the occurrence of affection. Subsequently, the differences for causal relationships due to various tendencies toward products were clarified.
著者
高野 元 久保 信也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.10, pp.9-16, 2000-01-24
被引用文献数
7

本報告は、WWW検索用のランキングシステムであるサイテーション・エンジンの機能と構成について述べる。現在のWWW検索の問題は、一つ一つのページを独立した文書として扱っていることであると考え、ユーザに提示すべき検索結果は個々のページの重要度ではなく、WWWサイトの構成を反映したものにすべきと考えた。サイテーション・エンジンは、WWWページ間のリンク構造を解析することによって、上記機能を実現する。サイテーション・エンジンはWWWクローラが出力するリンク情報をデータベースに格納し、これを解析する。解析機能は、リンク参照関係を用いた重要度(ページランク)計算機能と、WWWページ間の関連を用いた情報構造(インフォメーション・ユニット)解析機能からなる。さらに、ここで得られたページランクとインフォメーション・ユニット情報に基づいて、検索結果を並べなおすリンク構造ソート機能を備える。これにより、全文検索エンジンと連携して、高度なランキング機能を備えたWWW検索システムを構成できることを、プロトタイプシステムによって確認した。This report describes functions and configuration of a ranking system for the WWW search engine, which we call "Citation Engine". We have figured out the problem in the WWW search system that the system treats each WWW page as an independent document. Therefore, the ranking method in the system should consider a structure of pages in a site. According to this consideration, "Citation Engine" was designed to give better ranking by using link analysis techniques. "Citation Engine" stores and analyzes whole link structures that are fetched by the Web Crawler system. There are two main analysis functions: (1) the page rank analysis, and (2) the information unit analysis. It also provides the structural sorting function, which organizes search result with information of the page rank and the information unit. The WWW search engine which gives well-organized search results can be build by integrating "Citation Engine" and the full-text search engine. Efficiency of "Citation Engine" is verified on a prototype system.
著者
内村 正史 多羅尾 信 宮本 康二 大久保 雄一郎 原 明
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.1685-1689, 2009 (Released:2009-12-04)
参考文献数
13

症例は19歳,男性.2007年9月18日午前1時ごろ心窩部痛出現,徐々に症状増強し近医救急車搬入.腹膜刺激症状及び腹部単純CTにて腹水貯留を認め,急性腹症の診断にて当院救急車搬入.収縮期血圧80,脈拍93,搬入時顔面蒼白.腹部造影CTにて短胃動脈破裂による腹腔内出血が疑われ,かつ出血性ショックと判断し緊急手術施行.腹腔内は大量の血液が貯留し,胃体部後壁,脾上極の短胃動脈に出血部を認め,同部を含めた胃部分切除をおこなった.術後1日目に人工呼吸器より離脱し徐々に回復.病理組織検査ではElastica van Gieson染色で小動脈中膜の異常断裂像を認めFibromuscular dysplasia(以下FMD)の所見と考えられた.まとめ:若年者に発症した短胃動脈瘤破裂は腹部内臓動脈瘤の中でも非常に稀であり若干の文献的考察を加え報告する.
著者
久保 隆徹
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2009-2011
著者
東 茂 東野 一郎 久保添 忠嘉 小田 稔 小塩 高文 柴田 啓行 渡辺 健二 渡瀬 譲
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.509-529, 1953-04

我々は地下宇宙線について得られて居た知識が非常に少く,基礎的定量的なdataを欠いていること,しかし地下では割にelementaryな現象を見易いかもしれないし,又上空の宇宙線や新粒子等についても地下宇宙線の知識が案外大きな役割を果すかも知れないこと等に注目して,1951年初め頃から地下宇宙線の研究にとりかヽつた。その後Georgeは"Progeress in comic ray physics"の中で1951年の地下宇宙線に関する研究をまとめて可能な限り統一された像をつくりあげ,更に最近Amaldietal, Cornellの人達等によつて知識がつけ加えられた。我々は出来る限り色々な側面から地下て起きて居る現象をつかんで,はつきりした像をつくり上げて行きたいと思つて居る。その手はじめにこれから述べるような実験を進めて居る。未だまとまつて居ないけれどもこヽに中間報告して,当面の事,ずつと先の事を問わずsuggestionなり御協力なりを得られヽば幸である。実験の場所は静岡県焼津郊外のトンネルである。
著者
Doren A. 岡田 浩平 大久保 進
出版者
中央公論社
雑誌
巻号頁・発行日
vol.2, no.8, pp.228-245, 1970-08