著者
久保 司郎 大中 幸三郎 大路 清嗣
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.60, no.575, pp.1638-1643, 1994-07-25

The present authors proposed the adjoint boundary integral method for identifying heat source or force in a domain from values of boundary integrals involving an adjoint operator. The integrals can be evaluated if boundary values are available over the entire boundary of the domain. In the present study a Poisson field source is identified from noisy and discrete boundary observations by applying the method. Adaptive Gauss quadrature enables evaluation of the boundary integrals from observations at discrete points, which deviate from the Gauss points for approximate evaluation of boundary integrals. Numerical simulations are carried out for identifying location and intensity of a concentrated source in a two-dimensional domain. Effects of errors in boundary observations, deviation of locations of observation points from the Gauss points, the order of Gauss quadrature, and the location of source on the accuracy of the identification are discussed. It is shown that the location and intensity of the source can be estimated reasonably from noisy and discrete observations by applying the adjoint boundary integral method with the adaptive Gauss quadrature.
著者
岡田 栄造 寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.19-26, 1999-11-30
被引用文献数
1

特定の語を容易に検索できる電子テキストを利用することでデザイン史研究の史料収集は格段に容易になるが, 同時に多様な記述から有用な情報を得るための分析手法の確立も必要となる。本研究はその手法を確立するための具体的な試みとして, 椅子を事例として文学作品における修飾表現の分析を試みた。市販のCD-ROMに収録された100冊の文学作品を資料とした。まず, 検索システムを利用して「椅子」という語の修飾語を取り出し, それらを「印象・評価」「属性」「関係性」という三つの要素に分類してそれらの関係を示した。次に, 椅子の属性, 特に素材に関して具体的な考察を行なった。その結果, 「籐」という語と「縁側」など住空間の周縁部を指す関係性の修飾語との対応関係が明かになった。さらに詳細な考察を行ない, 昭和戦前期の文学表現において籐椅子が夏の季節感と日本的な空間の表象として機能していたこと, そうした籐椅子のイメージが1950年代の籐家具ブームを契機に失われていったことを示した。
著者
久保田 昌治
雑誌
サイ科学 : 日本サイ科学会誌 (ISSN:09113991)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.97-98, 2007-12-25
著者
趙 晋輝 宇野 晋平 久保田 智規 猪股 篤
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.370-378, 2000-04-25
被引用文献数
5

Volterra形非線形適応フィルタは, 一般的な非線形系に適用できる汎用性と, こう配形適応算法の保証される大域収束性などの優れた特徴で知られている.しかしながら, Volterra核が密である場合, 収束が遅く不安定になりやすい, そこで筆者らは, 2次のVolterra形非線形適応フィルタにおいて, Gaussian信号入力に対する誤差曲面形状の重要な性質を理論的に導き出している.本論文では, それらの解析結果を基にして, 白色信号入力と, 有色信号入力に対して, 最適な重み係数ベクトルの修正方向と更新幅を用いた高速収束アルゴリズムを提案し, 計算機シミュレーションによりその効果を実証する.
著者
相澤 卓 金 泰正 吉川 慎一 間宮 良美 秋山 昭人 大野 芳正 大久保 雄平 三木 誠 橘 政昭
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.463-468, 2002-03-20
被引用文献数
6 4

(目的)近年,医療費抑制などの目的で種々の疾患においてクリニカルパスの導入が試みられている.当院でクリニカルパスを用いて治療したTURP(経尿適的前立腺切除術)症例について検討した.(対象・方法)平成11年6月より12年3月までの間にTURP目的で入院した69症例のうち32例にクリニカルパスを使用し,治療を計画した.これらの患者の入院期間,医療費給付点数等を各症例について計算し,同時期に入院し,クリニカルパスを使用しなかった37症例と比較した.(結果)クリニカルパス導入症例では平均入院期間±標準偏差は12.7±2.8日であり,平均医療費給付点数±標準偏差は48,424.2±4,437.5点であった.クリニカルパスを使用しなかった症例では平均入院期間±標準偏差は14.7±5.2日であり,平均医療費給付点数±標準偏差は55,365.5±16,805.1点であり,入院期間はやや長く,医療費給付点数もやや高い傾向にあった.(考察)クリニカルパスを使用することで効率的な診療ができ,医療費抑制にもつながることが示唆された.また,それぞれの患者の個別性にも注意を払い,クリニカルパスを作成していかなけばならないと考えられた.
著者
高山 賢路 齋藤 千鶴子 佐藤 真貴子 熊谷 ナミコ 浅沼 義博 久保田 均 皆川 洋至 渡部 亘 井樋 栄二
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.34-39, 2005-03-31

クリニカルパスを使用することで処置,介助,リハビリテーション(以下,リハビリ)のケア実施日が早くなったか,さらに入院日数がどれくらい短縮したかを明らかにする目的で,クリニカルパスを使用していない人工股関節全置換術(total hi parthroplasty ; THA)患者15例(以下,コントロール群)とクリニカルパスを使用した8例(以下,パス群)とを比較検討した.処置項目では,パス群の抗生剤投与期間が平均7日有意に短縮した.介助項目では,ヘッドアップ30度開始日が平均1日,ヘッドアップ自由開始日が平均3日,端座位開始日が平均2日有意に短縮した.リハビリ項目では,リハビリ室訓練が平均9日,全荷重立位が平均15日,松葉杖歩行が平均11日有意に開始日が早まった.平均入院日数は,術前14日,術後11日,全体で26日,パス群で有意に短縮していた.パス群8例の術後経過はすべて良好で,入院日数の短縮が術後成績に影響することはなかった.セメントTHAを行う患者にクリニカルパスを適用すれば,介助,リハビリの開始時期が早くなり,結果として入院日数短縮につながった
著者
久保 貞也 栗山 仙之助 能勢 豊一
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.424-430, 2000-02-15

地域に存在し, 自ら製造・販売している企業は, 個性的な製品を顧客に提供できる反面, 販売拠点が少なく, 顧客ニーズの変化によって収益が大きく影響される.これに対し, コンビニエンス・ストアは多くの製品カテゴリを扱うとともに, 地域内に点在している.そして, 点在することで顧客の利便性が向上することにもつながっている.以前の研究において, 先に上げた企業をコンビニエンス・ストアのように多種の製品を取り扱える相互供給システムが提案された.このシステムは小規模の企業でも多くの販売機会を得ることを目的としている.本論文では, 相互供給システムでの製品配送に関して, 巡回配送と物流センタ配送を定式化して比較を行う.また, 配送車両の容量に制約がある場合についても考察する.
著者
萩原 幸男 長沢 工 大久保 修平
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.529-535, 1987-02-10

1847年善光寺地震のとき発生した断層は垂直変位をもつので,断層をはさむ両側のブーゲー異常に差が生じている可能性がある.断層によるブーゲー異常の乱れの発見を目的として,長野市街地を中心に84点の重力測定を実施した.しかし結果として,期待されたコンターの乱れは発見されなかった.この地震断層の西側に隣接して,顕著な低ブーゲー異常帯が存在することが判明した.これは断層破砕帯のような待異な構造に関連するものかもしれない.
著者
久保田 仁志 中村 智幸 丸山 隆 渡邊 精一 Hitoshi Kubota Tomoyuki Nakamura Takashi Maruyama Seiichi Watanabe 栃木県水産試験場 独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所水面利用部 東京水産大学海洋環境学科 東京水産大学資源育成学科 Tochigi Prefectural Fisheries Experiment Station Freshwater Fisheries and Environment Division National Research Institute of Fisheries Science Department of Ocean Sciences Tokyo University of Fisheries Department of Aquatic Biosciences Tokyo University of Fisheries
出版者
The Japanese Society of Fisheries Science
雑誌
日本水産学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.703-709, 2001-07-15
参考文献数
19
被引用文献数
5 12

1993年6月∿1995年11月にかけて, 利根川水系鬼怒川の小支流において, イワナ, ヤマメの生息数, 当歳魚の移動分散, 成長の季節変化を調査した。3ヶ年の総採捕個体のうち, イワナは81.4%(1073個体中873個体), ヤマメは98.8%(244個体中241個体)が当歳魚であった。ヤマメ当歳魚は2月から採捕され, 8月以降はほとんど採捕されなかった。これに対して, イワナ当歳魚は3月から採捕され, 6月以降は1回の調査あたりの採捕数の変化はなかった。一方, 1995年に鬼怒川本流で採捕調査を行ったところ, 採捕された当歳魚のうちイワナが8.0%, ヤマメが92.0%を占め, ヤマメ当歳魚が優占した。以上の結果から, 小支流は特にイワナ当歳魚にとって重要な成育場所であると考えられた。We investigated the seasonal changes in number, dispersal and growth of juvenile Japanese charr Salvelinus leucomaenis and masu salmon Oncorhynchus masou masou in the Karatakisawa Stream, a small tributary of the Kinu River in central Japan. 873 (81.4%) of a total 1073 charr caught by monthly sampling from 1993 to 1995 were age-0,and 241 (98.8%) of a total 244 salmon were age-0. Most of the newly emerged age-0 salmon were caught in the spring of 1995. They shifted downstream, and the number of fish decreased markedly by early summer. The number of the age-0 charr caught at any sampling from any month did not decrease until the end of autumn, although the distribution of the age-0 charr shifted downstream. In contrast, of a total 387 age-0 fish captured by samplings in the adjacent Kinu River in 1995,356 (92.0%) were salmon, whereas only 31 (8.0%) were charr. These results suggest that small tributaries play an important role as nursery habitats, especially for Japanese charr.
著者
柳井 清治 永田 光博 長坂 有 佐藤 弘和 宮本 真人 大久保 進一
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.340-346, 2001-11-16
参考文献数
23
被引用文献数
4

北海道南西部を流れる積丹川において, 冬期間のサクラマス幼魚の生息環境と河畔植生の関係を1995年と1996年の2ヵ年にわたって調査した。調査方法として, 河川を1 m四方のメッシュに区切り幼魚の分布と物理環境を調べたところ, 川岸よりの流れが緩く積雪により押しつぶされた植生下で多く捕獲された。具体的な越冬環境の物理条件としては流速が0.2 m/s以下で高いカバー被覆率がある細粒の底質が好まれており, 水深に関しては一定の深さを好む傾向が見られなかった。さらに越冬時のサクラマス幼魚の胃内容物を調べたところ, 夏と比べて胃内容物指数が小さく, 周辺に生息する小型の水生昆虫をわずかに摂食しているにすぎなかった。メッシュを幼魚の密度により3タイプに分類し判別分析を行なったところ, 水中カバー, ついで表面流速などの環境因子が越冬場を決定する重要な要因として選択された。以上のことから, 冬季間サクラマス幼魚は流速の緩い積雪に覆われたカバー下を主に利用しており, こうした環境を創る上で倒木や河畔林から伸びる枝はきわめて重要な要素となることがわかった。
著者
西方 宏昭 野崎 剛弘 玉川 恵一 河合 宏美 河合 啓介 瀧井 正人 久保 千春
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.699-706, 2003-10-01

選択性緘黙と神経性食欲不振症を合併した症例に対し"三匹の猫"の対話ノートを使った非言語的交流技法を導入した.症例は14歳,中学2年の女子生徒.小学6年(12歳)時よりダイエットを開始し,中学1年(13歳)時,3カ月で29kgから22kgに体重が減少.同時期より家庭以外で話せなくなった.近医小児神経科に入院し点滴,経管栄養および抗うつ剤を投与され25kgで退院したが緘黙症状は悪化,体重も再び減少し当科入院となった.入院時身長134.5cm(骨年齢9歳6カ月),体重22.6kg(BM12.5kg/m^2,肥満度-28%).言語的交流がきわめて限られていたため摂食障害患者をモチーフに三匹の猫を作成した.猫たちとの交流を通じ,患者は初めて感情表現を行うことができた.その後は体重を29kgまで増やし退院した.
著者
笠松 紀雄 伊藤 弘毅 長尾 啓一 山口 哲生 金井 太美子 斉藤 正之 大久保 秀樹 栗山 喬之
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.391-396, 1989-08-05

症例は17歳の男子高校生。バスケットボール運動中に前胸部圧迫感を自覚。症状が次第に増強したため同日夜受診し入院となった。特に直接的な外傷の記憶はなかった。次第に増強する皮下気腫と心拍動に一致する捻髪音が認められた。胸部X線写真では縦隔気腫像と皮下気腫像がみられた。気管支鏡的に右主気管支内側に小孔が認められ呼吸によりその径が変動したが, 症状の軽快するに従ってこの小孔が縮小したため, これが縦隔気腫の原因と考えられた。裂傷が考えられ, 副心臓支などの先天的異常の関与は否定的であった。本症例は保存的に治療し治癒した。運動中に発症した縦隔気腫の報告は稀であり, その原因等につき興味ある症例と思われた。
著者
河瀬 和重 久保 紀重 明野 和彦
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.418-423, 2001-08-01
被引用文献数
1

地理情報についてのメタデータの整備及びクリアリングハウスの構築は,地理情報の相互利用を促進し,地理情報の重複投資を回避するために必要不可欠である。クリアリングハウスの構築を実現するためには,メタデータ標準の策定や,分散検索を行うためのシステム開発を行う必要がある。本稿では,国土地理院における地理情報メタデータの記述のための標準策定に関する取組,及び情報検索プロトコルの国際標準であるISO23950のメタデータ検索システムへの応用について述べるとともに,こうした標準を基にして国土地理院で構築したクリアリングハウスについて紹介する。