著者
伊藤 白 小澤 弘太
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.361-366, 2008-07-01

県立・政令指定都市立および一部の大学図書館のHPの調査およびアンケートによる調査を行い,国内に存在するWeb上パスファインダーの現況を分析した。結果,HPでWeb上パスファインダーを提供している図書館は約4割にとどまった。またそれらのパスファインダーには,分野による偏りも確認された。この状況の一因は,各機関における作成・提供体制が十分とはいえないこと,また図書館間の協力体制の効率化が徹底されていないことにあると考えられる。今後Web上パスファインダーをより発展させ,それによって人々の情報入手に寄与していくためには,棲み分け・リンク等による連携・協力体制の確立が必要である。
著者
新美 陽子 井上(村山) 美穂 村山 裕一 伊藤 愼一 岩崎 利郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.1281-1286, s・iii-s・iv, 1999-12
被引用文献数
3

ヒトの性格(新奇性探求)に関連するとされるD4ドーパミン受容体遺伝子の多型領域を,イヌ2品種(ゴールデンレトリーバー19頭, 柴15頭)において調べた.ヒト用プライマーセットを用いて,ゲノムDNAのPCR増幅を行い,塩基配列を決定したところ,反復領域の前後の配列はヒトおよびラットと高い相同性を示した.ヒトの多型領域には48塩基を単位とした反復配列が認められるが,イヌの多型領域には39塩基,12塩基からなる単位が存在していた.これら単位の数と配列順序の違いから,4種類の対立遺伝子が識別された.ゴールデンレトリーバーではA,Bの2種類が観察され,A対立遺伝子が最も高頻度であり,柴ではB,C,Dの3種類の対立遺伝子が観察され,D対立遺伝子の頻度が最も高かった.本研究により,イヌD4ドーパミン受容体遺伝子に多型が存在すること,対立遺伝子頻度が品種間で異なることが,初めて明らかになった.ゴールデンレトリーバーと柴の性格は,服従性,攻撃性などにおいて大いに異なるとの報告がある.D4ドーパミン受容体遺伝子のような性格関連遺伝子の解析は,イヌの特性や適性を知る一助となるかもしれない.
著者
伊藤京子 久保田 テツ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.99, pp.71-76, 2007-09-28
被引用文献数
1

情報通信技術の発展により,人々の表現の場とその可能性が拡大したが,それゆえに顕在化した問題として,私たちの表現を読み解く力の未成熟さが挙げられる.本論文では,表現を読み解く力の衰退を問題意識とした.まず,「表現に接する」と「イメージリテラシー」と,そして,メディアとの関係を検討した.そして,表現の中でも「みる」ことに着目し,さらに,新しい撮影機器の利用として,携帯電話の写真を利用した枠組みを検討することとした.次いで,大学教育での試みを対象とし,イメージリテラシーについて検討した.そして,私たちの「イメージリテラシー」を守り,育てるために,現在のインターネット上の表現の場に加え,新しい場が創出を検討する.Though the place and the possibility of the people's expression have been expanding by the development of the information-communication technology, the immaturity of power to read our expression is actualized as a problem. In this paper, the promotion of power to read the expression is considered. First of all, the relation between "touch the expression", "Image literacy", and media is examined. And, it is paid attention to "see" some expression, and a frame using the photograph of the cellular phone is examined as use of a new movie camera machine. Next, the image literacy is considered for the attempt by an academic education. And, in order to defend and raise our "Image literacy", a new place in the present Internet is considered.
著者
槇田 仁 伊藤 隆一
出版者
慶應義塾大学産業研究所
雑誌
組織行動研究
巻号頁・発行日
no.25, pp.73-95, 1993-03

慶應義塾大学産業研究所社会心理学班研究モノグラフ ; No. 37精研式文章完成法テスト(SCT)を開発してから30年近くの年月が経過した。永年,SCTによるパーソナリティ診断や, 診断法の教育訓練を続けていると, 訓練効果が高いことも分かるが, それと同時に, 評価と評価者のパーソナリティ属性との間に興味ある関係のあることが経験的に分かるようになってきた。
著者
横山 裕 伊藤 仁洋 高橋 宏樹 小野 英哲
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.64, no.516, pp.37-44, 1999
被引用文献数
2 1

The purpose of this study is to present the lower criterion of C.S.R not to slip at the landing when people step on the slippery surface without the knowledge of the slipperiness changing. In this paper, first, it was made clear that the most dangerous motion was fast walking at the speed of one-point-two-two times the height per second. So, fast walking and walking at natural speed were selected as motions to be investigated. Secondly, from the investigation of the load applied to the floor while these motions, the load to be simulated by "Landing Slip Meter" was established.
著者
後藤 真孝 伊藤 克亘 速水 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.2330-2340, 2000-11-25
被引用文献数
29

本論文では, 代表的ないいよどみ現象である有声休止(音節の引き延ばしも含む)を自動的に検出する手法を提案する.有声休止は音声対話において発語権の保持等の大切な役割を果たしており, その検出は音声対話システムを実現する上で重要である.従来, サブワード単位に基づく連続音声認識やワードスポッティングの枠組みで有声休止に対処する研究事例はあったが, いいよどみ現象として個々に検出しておらず, その役割を把握して適切に扱うことはできなかった.本手法は, 有声休止中は調音器官の変化が小さいことに着目し, 音韻的に変化が少ない持続した有声音(有声休止音)を検出する.その際, ボトムアップな信号処理によって, 有声休止音がもつ二つの音響的特徴(基本周波数の変動が小さくスペクトル包絡の変形が小さい)を検出することで, トップダウン情報を使わない言語非依存な検出を可能とする.本手法をリアルタイムに実行するシステムを実装し, 有声休止箇所のマーク付け作業を施した日本語の音声対話コーパスを用意して, 評価実験を行った.その結果, 30名の話者の自然発話に対し, F値0.726の精度で有声休止を検出できることが確認された.
著者
小村 昌弘 伊藤 貴康
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.287-288, 1994-03-07

公理的意味論や表示的意味論が様々な言語に対して与えちれているが、言語処理系の作成者にとって分り易く実用的な形式的意味論が求められている. そこで言語の操作的概念を直接表現し、英語で表記することで分り易さを実現したアクションセマンティクスがP.Mossesによって提案されている. 本稿ではアクションセマンティクスを用いてSchemeの形式的意味を与え、伝統的な表示的意味論と比較する. また、アクションセマンティクスによる記述が正しく動作することを確認するためにASI(Action Semantics Interpreter)を試作した.
著者
金井 圭介 大野 貴弘 石塚宏紀 伊藤花乃子 澤 義和 三尋木織 戸辺 義人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.141-148, 2008-02-27

生活を支援するという点で一番身近であることからオフィス,ホームがユビキタスコンピューティングの対象として取り上げられることが多かった.今後は,生活空間の延長である都市全体をすっぽりと包んで,屋内と屋外とがシームレスにユビキタスコンピューティングで自由に行き来できる世界を構築したいと我々は考える.それに伴い,コンピュータで処理できる情報を取得する過程で必要とされるセンシングも,都市全体をカバーする領域へと拡大する.我々はこれをアーバンセンシングと呼ぶ.本稿では,アーバンセンシングの第一歩となる取組みについて述べる.Offices and Homes have been a main target for ubiquitous computing because these are the closest to our daily lives. We hope to construct a world of ubiquitous computing in the city in such a way that we can move back and forth between indoor and outdoor seamlessly. To achieve that goal, we need to extend sensing to the whole area of a city, which is referred to as urban sensing. In this paper we describe the first step towards urban sensing.
著者
唐澤 秀武 佐藤 秀樹 伊藤 暢浩 林 達也
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.171-172, 1995-09-20

グループウェアはグループによる協調活動を支援する為のコンピュータシステムである。われわれが日常的に行なっている共同作業の一つに、文書の共同執筆があるが、現在この種の作業は依然として紙ベースで行なわれている場合が多く、共同執筆全体の一貫した電子的サポートには至っていない。エディタによる初稿の作成、手書きによる文書へのコメント、電話による詳細の打合せ等、共同執筆作業は様々なツール(エディタ、プリンタ、FAX、電話など)を用いて行われる。共同執筆作業においてはこれら多様なツールと作業形態が不連続につながっており、この不連続性が共同執筆作業の効率を下げる要因となっている。本研究では、このような作業の不連続性を解消し、文書作成/レビューの作業全体を一貫してサポートするシステムについて考察し、その実装を行った。
著者
太田 直哉 藤井 雄作 伊藤 直史
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J92-D, no.6, pp.888-896, 2009-06-01

犯罪捜査において,容疑者が着ている衣服の色は重要な情報である.もし容疑者がカラーの監視カメラによって撮影されていた場合には衣服の色が同定できるが,白黒の監視カメラの場合には色の情報は通常得られない.しかし色の異なったいくつかの照明下で容疑者が撮影されていて,その撮影環境が再現できる場合には何らかの色の情報が得られると考えられる.本論文ではこの問題を数学的に解析し,どのような条件のときにどのような色情報が得られるかを明らかにする.それに基づいて色情報推定の具体的な手順を構築し,実験で効果を確認する.更に照明の色を積極的に制御すれば,提案する方法は簡便な分光反射率の測定法としても利用できるので,これについても言及する.