著者
横山 順一 カンノン キップ 仏坂 健太 伊藤 洋介 茂山 俊和 道村 唯太
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2020-08-31

重力波を用いた宇宙物理学の研究を包括的に展開します。具体的には、①独立成分解析によってノイズを効率的に除去し、KAGRAによる重力波の初検出を目指します。②連星ブラックホールの質量分布関数とパルサーの周期擾乱で観測される長波長重力波背景放射を用いることにより、予想外に多数存在することがわかったブラックホールの正体を明らかにします。また、③連星中性子星合体については、マルチメッセンジャー宇宙物理学において、光学対応物となるガンマ線バースト及びキロノバの物理過程を数値相対論によって明らかにすると共に、r過程元素合成を計算し、銀河の化学進化の観測と照らし合わせて、金や銀などの起源を明らかにします。
著者
伊藤 創 葉 清規 松田 陽子 室伏 祐介 川上 照彦
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11772, (Released:2020-08-05)
参考文献数
21

【目的】本研究目的は,肩関節疾患保存例に対して理学療法を行い,初回時の夜間痛の有無における治療経過,また,関節注射による影響を調査し,理学療法の有用性を示すことである。【方法】対象は,肩関節疾患保存例72 例である。初回時の夜間痛の有無で2 群に分類し,また,夜間痛あり群のうち,初診時に関節注射実施の有無で2 群に分類し,治療開始1,3 ヵ月後までROM,動作時VAS,アテネ不眠尺度(以下,AIS)の治療経過の差について解析した。【結果】 夜間痛あり,なし群の経過に交互作用がみられ,夜間痛あり群でROM,動作時VAS,AIS の高い改善度が得られた。また,関節注射併用例で初回から1 ヵ月後で動作時VAS の高い改善度が得られた。【結論】肩関節疾患保存例に対する理学療法により,夜間痛の有無にかかわらずROM,VAS,AIS の改善が得られ,夜間痛を有する場合,関節注射を併用することで早期に疼痛の改善が得られる。
著者
大泉 伝 斉藤 和雄 伊藤 純至 レ デュック
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2016

本研究では、「京」コンピュータに最適化した気象庁非静力学モデル(JMA-NHM)を用いて、広域を対象とした超高解像度実験を行い、それによって豪雨の予測が向上するかを調べた。豪雨の数値予報に影響を与える次の3つの要因について調べた:(1)解像度(5, 2 km, 500, 250 m)、(2)乱流クロージャモデル:Mellor-Yamada-Nakanishi-Niino(MYNN)とDeardorff(DD)スキーム、(3)島の地形。 MYNNを用いた解像度2kmと500mの実験では、強い降水帯が実況より北西に位置し、島を完全に覆わなかった。DDを用いた実験では、実況と同様に降水帯が完全に島を覆い、再現性が良かった。高精度な地形を用いた解像度250mで実験が、降水帯の位置と伊豆大島内の降水分布を最もよく再現した。本研究の結果から、数値モデルによる豪雨の予報では、広い領域を高解像度で計算する事によって、降水の再現性が良くなることを示した。
著者
永積 渉 三枝 英人 門園 修 山口 智 小町 太郎 伊藤 裕之
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.350-356, 2017 (Released:2017-10-20)
参考文献数
10

誤嚥に伴う頻回の肺炎発症や,吸引回数の過多などの問題は,患者や家族,介護者の負担となる一方,音声言語によるコミュニケーションは,たとえ重度の感覚性失語となって有意味語が使用できない状態に陥ったとしても,感情に伴う発声,咄嗟時の発声などの心情の表出が行えるものであれば,重要な機能として回復,もしくは保存すべきものであるといえる.したがって,音声を永続的に奪う誤嚥防止術を施行することは,たとえその結果,経口摂取が可能となるとしても,嚥下障害に対する治療を徹底的に行っても改善が得られない場合以外には,まず目指すべき望ましい方向性とはいえない.今回,わたしたちは,重度の嚥下障害を伴う感覚性失語症の患者に対して,音声表出および経口摂取の回復を行いえた症例を経験したので,その治療経過を報告したい.症例は48歳女性.1年前,左側中大脳動脈領域の動脈瘤破裂に対してクリッピングを受けるも,その2ヵ月後に施行された頭蓋形成術中に未破裂の小脳動脈瘤が破裂した.これに対して後頭蓋窩開放・減圧術が施行されるも重度の嚥下障害が発症・遷延したため気管切開,胃瘻造設が施行された.その後在宅療養中であったが,終日にわたり頻回な気管内吸引が必要な状態であったため,誤嚥防止術の適応として当科紹介.これに対して,本症例の嚥下障害の病態を解明し,それに対するアプローチを徹底的に行ったところ,気管孔閉鎖が可能となり,さらに経口摂取,音声表出の回復が得られた.
著者
星 郁雄 天野 洋 橋本 大志 田中 大智 下馬場 朋禄 角江 崇 伊藤 智義
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J103-D, no.11, pp.808-816, 2020-11-01

近年,深層学習についての研究が盛んに行われている.その中でも,再帰型ニューラルネットワークはネットワーク内に再帰構造をもつ深層学習の一種で,時系列データの扱いに優れていることから音声認識や自然言語処理の分野で高い成績を残している.再帰型ニューラルネットワークに限らず深層学習では,高い性能の反面,計算コストが多い.そのため,クラウドコンピューティングやGraphics Processing Unitを用いて計算する研究が進められている.しかし近年では,応答性の観点から,この計算をクラウドコンピューティングのように別の場所に送信し計算するのではなく,エッジ側での処理が求められるようになってきている.そこで本論文では,回路を自由に書き換えることができるField Programmable Gate ArrayにRNNの推論器と学習器を実装し,回路の評価と,実際に音声識別を行った結果を評価した.
著者
松原 弘晃 福吉 温 高橋 亘 太田 俊夫 浜田 豊比古 松本 行生 椎木 保人 伊藤 研二
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋醫學會誌 (ISSN:1884202X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.148-162, 1959-03-31 (Released:2010-10-21)
参考文献数
22

Thirty patients with chronic diseases were treated with fasting cure (for about ten days), and almost of them showed remarkable clinical improvement.Mechanism of the effects is not so evident, but we think that fasting may take curativeeffects as stress, that is, it may be one of alterable treatments.
著者
但馬 竜介 伊藤 誠悟
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2010 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._1P1-E02_1-_1P1-E02_4, 2010 (Released:2017-06-19)

This paper describes a concept and implementation of cone-shaped scanning LIDAR for mobile robots. It makes laser lines to scan from the top of a mobile robot for covering the whole robot body and measuring the floor shape. This concept enable mobile robots to detect terrain shape with superior and constant density. In addition, it can be used for safety sensor because the laser beams cover the robot to detect upcoming obstacles or human beings. An implementation and evaluation with a cone shaped mirror are shown.
著者
伊藤 華子
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.638, pp.62-67, 2011-11-28

今や年賀状もネットで作る時代になった。好きなデザインに手持ちの写真をはめ込み、オリジナルの年賀状が作れるほか、宛名の印刷や投函も頼めるサービスが増えている。年賀状ソフトを使う場合との違いや、発注で失敗しないためのポイントを紹介する。(伊藤 華子=フリーライター) 2011年11月1日、郵便事業(以下、郵便局)の「年賀はがき」が発売された。
著者
伊藤穣
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.84(2004-MUS-056), pp.89-94, 2004-08-03

近年,日本の伝統的な音楽が見直されつつあり,2002年度より義務教育に導入された.日本の伝統音楽では,独特の記譜法が用いられており,その読み方を学ぶための有効な教材の開発が求められている.そこで本研究では,箏譜に親しみながら,体験的にその読み方を学習することができる楽譜処理システム「箏譜エディター」を開発し,(1)縦書きの箏譜を作成できる,(2)作成した楽譜を演奏できる,(3)MIDIファイルを作成できる,などの機能を実現した.そして,このシステムを実際に教育現場にも導入し,その運用方法について考察した.本研究は,IT技術を用いて日本の伝統的な音楽の教育を支援する上での,ひとつの方法論を示すものであると考える.
著者
高橋 哲也 武居 哲洋 伊藤 敏孝 竹本 正明 八木 啓一
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.32-37, 2014-02-28 (Released:2014-03-25)
参考文献数
19

背景:Spinal cord injury without radiographic evidence of trauma(非骨傷性頸髄損傷,SCIWORET)はわが国に多いが詳細な報告は少ない。目的:当院救急外来におけるSCIWORET の特徴を検討すること。対象と方法:頸椎・頸髄損傷91 例のうち,頸椎損傷のみは20例であった。頸髄損傷71例のうち単純X線とCTで頸椎に骨傷や脱臼がないSCIWORET は81.7% の58 例(年齢64.3 ± 14.7 歳,男性46 例,女性12 例)であり,その特徴を後方視的に検討した。結果:受傷機転は転倒30 例,転落15 例,交通外傷8 例,墜落5 例であり,65 歳以上では転倒・転落といった軽微なものが多かった(p<0.05)。頸椎X 線側面像で脊柱管狭窄およびretropharyngeal space( 咽頭後隙,RPS)拡大を認めたのはそれぞれ33 例(56.9%),17 例(29.3%)であった。脊柱管狭窄を認める割合はRPS 拡大群では4/17 例(23.5%)であったのに対し,RPS 正常群では29/41 例(70.7%)と有意に多かった(p<0.001)。結語:当院救急外来におけるSCIWORET は高齢男性の軽微な受傷機転により発症しており,頸髄損傷に占める頻度は過去の報告より多かった。SCIWORET において脊柱管狭窄を有する割合は,RPS 正常群では拡大群と比較し高値であった。
著者
伊藤 大世 寺島 修 山田 浩幸 水上 正太
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
北陸信越支部総会・講演会 講演論文集 2019.56 (ISSN:24242772)
巻号頁・発行日
pp.K011, 2019 (Released:2019-09-25)

The difference of the performance sounds of the electric guitar with a metal pick guard produced by the traditional craft, “Takaoka Doki”, in Toyama prefecture was investigated. Measured sounds of the open strings of the guitar with it showed that the damping times of them became shorter than those obtained with the plastic one commonly used. Further, it was also found that the sounds of 1st and 2nd strings slightly stood out and those of the other strings were slightly suppressed when the metal one was used. Therefore, the metal pick guard is effective to make a sharp, clear, and distinct sounds.