著者
佐藤 裕介 金堂 雅彦 平野 芳則 山内 亮佑 谷村 浩史 舩津 宣成 藤井 隆良
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1618-1623, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
14

ダウンサイジングターボ等の内燃機関の大幅な燃費向上は、エンジン加振力増大を招くため、車体への加振力を遮断する新たなマウントシステム構築が必要である。要求機能が相反した複雑なシステムを単純化して成立させる公理的設計を活用して、アクティブトルクロッドシステムを創案し、燃費向上と静粛性を両立させた。
著者
佐藤常雄 大石慎三郎著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1995
著者
佐藤 万知 SATO Machi
出版者
名古屋大学高等教育研究センター
雑誌
名古屋高等教育研究 (ISSN:13482459)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.213-234, 2020-03

現在、日本の大学では、特定プロジェクト雇用教員、FDやIR担当教員など特定の業務のみに従事する教員が増加しており、多様化、役割細分化する大学教授職に対してどのような策を取り得るのか、という点が課題となっている。大学教授職の多様化や役割細分化という現象は、他の国においても起きており、一部の欧米諸国では、大学教員のポストを役割ごとに細分化し、異なる教員評価やキャリアパスの仕組み等を導入するという組織的、制度的対応を進めている。限られた資源の中で、大学が果たすことを期待されている多様な役割を担うためには、合理的な選択だと言える。しかし一方で、学術的な専門性に基づき教育・研究・あるいは学術サービスなどに関わるという大学教授職のあり方を根源的に揺るがすものであるといった批判や、大学教員ポストの階層化を促進するものであるといった懸念が示されている。特に大学教員の中核的活動である教育と研究を分ける教育担当教員の設置は、様々な議論を引き起こしている。そこで、本稿は、オーストラリアの教育担当教員ポストの設置を事例に、大学教授職の役割細分化の動機、課題について整理し、今後取り組まれるべき課題を提示することを目的とする。This paper examines the big-picture changes and driving forces behind the institutionalization of teaching-focused academic appointments and the issues they face in Australian universities. There is increasing evidence that academic work has diversified as a result of a variety of forces, including the massification of higher education, advancement of technologies, managerialism, and so forth, in many countries. In response to such a situation, Australian universities introduced differentiated academic roles, which is part of an international trend. According to the literature, there are a number of different and contradictory reasons for introducing teaching-focused appointments, from raising the status of teaching and creating career paths for excellent teachers to improving institutional research rankings by transferring research-inactive academic staff to teaching-focused appointments. Emerging issues with teaching-focused appointments include 1) stratification of academic staff with teaching-focused academic standing below teaching-research academic; 2) unclear expectations, criteria for promotion, and role description; and 3) insufficient governance and management. To understand the impact of having unbundled academic professions, it is necessary to conduct more empirical studies to capture living experiences of teaching-focused academics. Future research might also look at the outcomes of discussion by different stakeholders, such as unions, to capture the image of academic professions in the context of Australia.
著者
高田 望 佐藤 悠 吉田 翔 池淵 周一
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集 水文・水資源学会2014年度研究発表会
巻号頁・発行日
pp.100040, 2014 (Released:2014-12-01)
被引用文献数
2

近年、地上雨量観測所では捕捉出来ない局地的な大雨が多発しており、面的雨量情報(以下、メッシュ雨量データという)の重要性が一層高まっている。5分遅れ程度で利用可能な日本全域を網羅するメッシュ雨量データとしては気象庁合成レーダー、国土交通省Cバンド合成レーダ雨量(以下、国交省合成レーダーという)が存在する。 著者らはダム流入量予測を目的に、地上雨量計データ及びメッシュ雨量データを活用する降雨予測手法を開発し、そのシステム化と運用を行ってきた。ここでメッシュ雨量データは雨域の移動予測を行う上で初期値となる。さらに観測及び予測雨量は分布型流出予測システムの入力値となり流量に変換される。すなわち、メッシュ雨量データの精度は降雨予測及び流出予測の精度に直結すると言える。2014年1月、気象庁合成レーダーに続いて国交省合成レーダーについても、デジタル値の民間利用が可能となった。そこで両者の精度比較を、気象庁アメダス観測値を用いて行った。評価対象地域は近畿地方(東経134度30分~137度、北緯33度30分~36度)とし、2013年の1年間を評価対象期間として以下の方法で精度評価を行った。   (1)     5分毎のメッシュ雨量データを積算し、正時毎に1時間雨量データを作成する。 (2)     毎正時のアメダス時間雨量データに対する上記(1)で作成したメッシュ雨量データの、①相関係数 ②二乗平均平方根誤差 ③総雨量比(メッシュ雨量/アメダス雨量)をアメダス観測点毎に算出する。 (3)     上記評価指標①②③の分布図を作成し、両メッシュ雨量の精度特性を面的に評価する。 (4)     全141地点の評価値の算術平均値を算出する。   検討の結果、気象庁合成レーダーと比較して国土交通省合成レーダーの精度が高いことがわかった。特に、紀伊半島南部において気象庁合成レーダーの過小評価傾向が顕著であった。今後、評価対象地域、評価期間を拡張した検証および10分間雨量等の短時間雨量を対象とした検証を行う予定である。さらに検証結果を踏まえ、国交省合成レーダーと気象庁合成レーダーの合成等、リアルタイムで利用する上での補正方法についても検討を行う予定である。

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著者
佐藤 信
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.398-403, 1973-06-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
9
著者
佐藤 達也
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.49-57, 2016 (Released:2016-12-01)
参考文献数
12

島国である日本において、積極的な海洋の活用は不可欠であり、多様な自然とともに地域ごとに様々な形で文化が形成されてきた。しかし現在ではそういった海洋の活用は減り、メディア等で取り上げられることの多い無人島でさえ、その活用については約1 %未満であった。そこで三重県鳥羽市浦村町の無人島である麻倉島において、総合産業としての観光という点に着目し、観光活用案の立案とプログラムの催行を試みた。2012 年から2014 年まで行なわれた調査の結果、積極的な地域資源の観光活用が、地域のみならず参加者へも波及効果を促し、海洋の総合管理を鳥瞰的に行なうことができる結果が示された。
著者
佐藤 忠文
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.187-203, 2019-12-31 (Released:2020-01-18)
参考文献数
36

本研究では,自治体が広報活動で使用する広報写真について,情報資源化へ向けた課題を考察する。近年,オープンデータや文化情報資源に対する関心が高まるが,資源としての広報写真の現状はこれまで明らかにされていない。そこで本研究では,まず広報写真の性質を論じ,行政広報論の視点のもと広報写真家の言説に着目,そこから広報写真の共通構造を導出した。次に,それをもとに情報資源化の問題点について仮説を構築し,自治体に対し質問紙調査を行いその現状を明らかにした。最後に,調査結果をもとに課題を考察した。研究の結果,広報写真は,効率的な内容理解と行動変容を促す創造的な視覚媒体と言え,広報目的の達成に向けて,確実性,共感性,倫理性,記録性からなる共通構造を持つと考えられた。そして質問紙調査から,①撮影・管理,②アーカイブ,③二次利用の状況が明らかになった。そのうえで,①の課題として,撮影量に対応可能な効率的なメタデータ管理方法と柔軟な権利処理手続きの開発,②の課題として,広報写真の文脈までを保存し管理の煩雑さに対応可能なアーカイブ構築,③の課題として,商用利用を含む利用促進へ向けた利用ルール等の整備が明らかになった。本研究の成果は,主に3点である。従来の言説をまとめ広報写真理解のための理論を構築したこと,これまで明らかにされなかった広報写真の現状を一定明らかにしたこと,そこから情報資源化へ向けた具体的な課題を明らかにしたことである。
著者
佐藤 温
出版者
日本近世文学会
雑誌
近世文藝 (ISSN:03873412)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.41-57, 2016 (Released:2017-04-28)

Shunurō-shi-shō (1854) is a collection of poems by Fujimori-Kōan, a Confucian scholar of the late Edo Period. Several editions of the collection are imperfect because they were partly deleted by censors. Those editions can be classified into two types; the completely censored editions and the approximately reinstated ones which were revised in the early Meiji Period. Censorship of this poetry collection had been conducted under the guidance of the Shōheizaka Academic Institute until around 1857. Shunurō-shi-shō was checked by this agency because in some poems the author used unacceptable words and phrases related to the foreign powers which then threatened to overthrow the status quo. But as the standards of censorship were very arbitrary, the real aim of the authorities must have been not only to suppress his poems but also to degrade Kōan himself who gained reputation as an imperial loyalist. In other words, they censored his literary work as a way to prevent his political influence from becoming greater through it.
著者
町頭 義朗 佐藤 克明
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第3部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.7-15, 2012-09

平面上に4点を与えたとき,その4点を通る放物線が存在するための必要十分条件は,4点が凸四角形の頂点となることである。また一般に,その時2本の放物線が存在する。放物線はコンパスと定規だけでは作図出来ないが,4点が与えられたときに,その4点を通る放物線の焦点と準線をコンパスと定規で求めることは可能である。本論文では,その求め方を論じ,幾何学ソフトウェアKSEG で,4点を通る放物線を描くやり方を述べる。
著者
佐藤 たまき
出版者
一般社団法人 日本生物教育学会
雑誌
生物教育 (ISSN:0287119X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.130-137, 2017 (Released:2018-10-29)
参考文献数
15

本稿では古生物学という学問と,絶滅した中生代の化石海生爬虫類である首長竜について解説した.化石の研究は古生物学と呼ばれ,考古学と間違われやすいが,地学と生物学の境界に位置しており,博物館との関わりも深い.古生物学に関連するトピックは小学校から高等学校までの様々な学年の理科教科書に登場し,高校教科書では地学と生物学の両方にまたがっている.首長竜は恐竜であると思われがちであるが,系統学的な定義でも骨の形態でも異なる別個の分類群である.また,福島県で発見された首長竜フタバスズキリュウを用いて,学名や記載論文の意義についても解説した.
著者
加藤 廉平 鈴木 泰 松浦 朋彦 佐藤 健介 島谷 蘭子 藤島 洋介 常盤 傑 小原 航
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.453-456, 2010-08

A 64-year-old man took levofloxacin 100 mg three times a day from the day before trans-rectal prostate needle biopsy. He suddenly fell into septic shock about 12 hours after the biopsy. We performed polymyxin B-immobilized fiber-direct hemoperfusion treatment at our intensive care unit. The circle dynamics was stable after five days of observation, and he was discharged seven days after the event. Levofloxacin-resistant Escherichia coli (E. coli ) was detected by blood and urine culture.
著者
永田 紘樹 小松 俊文 シュリージン ボリス 石田 直人 佐藤 正
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.121, no.2, pp.59-69, 2015-02-15 (Released:2015-05-19)
参考文献数
74
被引用文献数
2 2

島根県西部に分布する下部ジュラ系樋口層群の調査を行い,樋口層群を新たに下位より尾路地谷層と樋口谷層に区分した.尾路地谷層は,礫岩,砂岩,泥岩からなり,二枚貝化石のOxytoma sp.や“Pleuromya” sp.を産出する.樋口谷層は,軟体動物化石を含む暗灰色泥岩を主体とする.樋口谷層からは,6属6種の二枚貝化石,Kolymonectes staeschei,Palmoxytoma cygnipes,Ryderia texturata,Pseudomytiloides matsumotoi,Oxytoma sp., “Pleuromya” sp.が産出する.本層群の二枚貝化石群は,ロシアやカナダ北部に分布する下部ジュラ系から産する北方系のフォーナであるK. staescheiやP. cygnipesを含み,典型的なテチス系の種を含まない特徴がある.
著者
西藤 清秀 青柳 泰介 中橋 孝博 篠田 謙一 濱崎 一志 石川 慎治 花里 利一 吉村 和久 佐藤 亜聖 宮下 佐江子
出版者
奈良県立橿原考古学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

シリア・パルミラにおける葬制に関わる研究を目的として、パルミラ遺跡北墓地に所在する129-b家屋墓の発掘調査をシリア内戦の激化で中断する2010年まで実施した。しかし、内戦の激化はその後の現地調査を不可能にさせたたが、129-b号の内外部の復元を図上でおこなった。また、出土した頭骨の顔を復顔し、その頭骨が収められていた棺に嵌め込まれていた胸像の顔との比較をおこなった。その結果、胸像は死者の肖像と言えることがわかった。さらにヨーロッパや日本の博物館や美術館に所蔵されているパルミラの葬送用胸像を中心にパルミラ由来の彫像を3次元計測した結果、顔の部位の配置にある一定のルールが存在することが判明した。
著者
笠原 順三 佐藤 利典
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.557-566, 1997-08-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
17
被引用文献数
2

The 1995 Amami-Oshima-Kinkai Earthquake occurred near the Nansei-Shoto Trench where the upheaval area of the Philippines Sea plate subducts beneath the Nansei-Shoto islands. The main shock was MJMA 6.6 and its largest aftershock was MJMA 6.5. The aftershock distribution for these two events by Yamada et al. (1996) corresponds to two distinct and nearly vertical fault zones. The focal mechanisms obtained by Kikuchi (1996) are consistent to the aftershock distribution.The authors propose that the seamount found beneath the trench-continental-slope indirectly triggered this earthquake activity. If a subducting oceanic plate is normal oceanic denser than an overriding island arc, the oceanic plate should be faulted near vertically priori to the plate subduction by horizontally tensional force due to plat bending. On the other hand, an oceanic plate with seamounts or an oceanic plateau lighter than a normal oceanic plate, might resist to plate subduction due to its small density and delaying normal faultings might occur in the subducting oceanic plate. The delaying normal faultings between a subducting seamount and a preceding normal portion of the oceanic plate can compensate the subduction process. The compressional convergence margin such as the Nankai Trough, however, may not generate such normal faultings due to the nature of stress field.The low seismicity area existing across the trench axis is also seen both in this aftershock activity and ISC hypocenters. This is the same result as those in other regions. This might imply low earthquake potential for this portion of plate interface due to the existence of low density sediments and water contained in the sediments.
著者
佐藤 遼 片山 健介 大西 隆
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.42.3, pp.859-864, 2007-10-25 (Released:2017-02-01)
参考文献数
6
被引用文献数
2

本論文は、日本の地域間所得格差構造について既往の研究よりも細かい地域単位で分析を行い、地域圏の内側の格差について実態を解明したものである。まず、市区町村単位の平均所得のデータを用いて1980年から2005年までの6時点で各地域圏内の所得格差をタイル尺度により測定した結果、近年特に大都市圏内での所得格差拡大が著しく、それが日本全体の格差拡大にも大きな影響を与えていることが明らかになった。次にそれを引き起こした地域構造的な要因について首都圏を例に分析した結果、人口の増加量が多い市区町村で平均所得も増加している傾向が確認できた。これは1990年頃の地域間格差の拡大時には見られない新しい現象であった。人口の転入超過量とその年齢構成によってクラスター分析を行った結果、特に都心回帰現象に伴う都心部への人口流入量が大きく、郊外部や地方部からの人口を吸収していた。また、地域によって流入している人口の所得階層に差があり、結果として地域間で所得階層による居住地の分化が進み、小さいスケールでの地域間所得格差が拡大していることが明らかになった。
著者
堀内 信之 西垣 良夫 塩飽 邦憲 松永 剛 小池 且弥 佐藤 英嗣 鈴木 長男 内川 公人 村松 紘一 矢島 伸樹
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.23-37, 2004 (Released:2005-03-29)
参考文献数
13
被引用文献数
3 5

日本農村医学会の特別研究班として, 「病原媒介性マダニ類の刺咬症とその感染症の臨床疫学的調査研究班」が設置された。そこで, 日本農村医学会加盟の108医療機関にマダニ刺咬症・ライム病・日本紅斑熱について, 患者調査票を作成して送付し, 平成14年の1年間の患者を記載したものを集計した。その結果マダニ刺咬症151例 (男67例, 女84例), ライム病17例 (男13例, 女4例), 日本紅斑熱0例, が集計された。また, 平成13年以前の本症の受診状況を, 同じ108医療機関で, アンケートにて調べた。マダニ刺咬症が受診したのは24病院, しなかったのは13病院であった。ライム病は6病院が受診し31病院が受診しなかった。日本紅斑熱は, 1病院が受診し, 33病院が受診しなかった。半数以上の病院が無回答であったが, これはライム病に対する問題に病院としての対応ができていないのであろうか。この病院では本症に対する関心が少ないのかと思われる。以下, 151例のマダニ刺咬症で, 下記の項目について若干の考察を加えた。年齢別患者数, 月別患者数, 初診時の虫体の状態, マダニ虫体の除去法, 血清抗体価の測定, 組織・血液培養の評価と位置づけ, マダニの同定, 治療法など。本症の治療にとっての問題点は, 初期の状態で抗生剤の予防的投与が発症の抑制に有効かどうか, また必要かどうかである。この点に関しては, 検査法との関係もあり一定の標準が示されなければならない。抗生剤を初期に投与すると, 抗体価の上昇が見られなくなるとも言われている。ライム病の17例は, いずれも皮膚症状のみで第2・3期に進行していくものはみられなかった。