著者
倉田 亮輔 川村 康文
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.488-489, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

昨今、中学校や高等学校での生徒の理科離れが問題になっている。生徒が理科離れを起こさないようにするためには、学習内容がよくわかる実験をうまく授業に取り入れ、生徒の興味・関心を引く必要がある。本研究は、「摩擦力」を生徒に体感させ、生徒の理解の手助けになるような実験器具の開発を目指した。
著者
三宅 紀子 酒井 清子 遠藤 知江美 笠原 範子 中山 麻世 野口 佳奈 倉田 忠男
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
巻号頁・発行日
pp.64, 2007 (Released:2007-08-30)

【目的】 生活習慣病の予防にビタミン、食物繊維などを豊富に含む野菜の摂取の重要性は高まっている。浅漬けは日本型食生活によく合う調理・加工法であるが、これまで浅漬けのビタミンC(VC)に関する研究はほとんど行われていない。本研究ではキャベツを用いた浅漬けモデル系における浅漬けのVC含量に対する漬け液中の調味料の影響について調べた。さらに漬物製造過程でVCを添加することにより積極的にVC含量を高め栄養性を向上させた浅漬けの可能性についても検討した。 【方法】 調味料の影響については、市販のキャベツを4種類の調味料(グルタミン酸ナトリウム、食酢、ソルビトール、醤油)をそれぞれ添加した漬け液(食塩濃度;5.5%)に4℃で約18時間漬けて浅漬け試料とした。またVC添加の浅漬けについては、漬け液(食塩濃度;5.5%)に0.1~2%のVCを添加して同様に漬けた。浅漬け中のVC量はHPLC法で測定した。 【結果】 漬け液中の各種調味料の影響についてはグルタミン酸ナトリウム、ソルビトール、醤油は影響を及ぼさなかったが、食酢を添加した場合に対照(食塩のみ)と比較してVC含量が約30%減少し、逆に食塩含量は約1.3倍高くなった。食酢を添加した場合、浅漬け後の漬け液中に、キャベツ中のVC含量の約20%に相当するVCが認められた。酢酸が植物組織の構造変化をもたらし、VCの溶出および食塩の浸透を増加させた可能性が示唆された。また、キャベツ浅漬けモデル系で漬け液にVCを添加したところ、1%および2% VC添加により浅漬け中のVC含量はそれぞれ約200 mg/100g 、400 mg/100gに増加した。1%VC添加試料の嗜好性について官能評価を検討中である。
著者
小野 三嗣 尾谷 良行 高橋 泰光 坪田 修三 倉田 博
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-13, 1968
被引用文献数
1

剣道5段2名, 3段3名, 初段2名, 無段 (経験約1年) 3名, 剣道は全く無経験であるが他のスポーツには習熟しているもの4名を対象として, 木刀, 竹片, 竹刀によるストレーンゲージ打撃を行わせた。その時の張力並びに微分曲線を陰極線オッシログラフ並びにペン書きオッシログラフに記録し, 大要次の如き結果を得た。<BR>1) 剣道熟練者はその静的筋力を打撃力に転換する率が高い。また張力発生の傾斜も鋭いため, 衝撃エネルギーとして考える時, 未熟練者よりも遥かに大きな値を示す。<BR>2) 熟練者は打撃に際して上腕三頭筋を有効に使用し, しかもその瞬間に上腕二頭筋は充分に弛緩させている。未熟練者では上腕二頭筋と三頭筋が同時に収縮することが珍しくない。<BR>3) 熟練者は同じ動作のくりかえし, 或いは用具の変更によって, 筋放電パターンに大きな差異を生じることはないが, 未熟練者では変動が大きい。<BR>尚シンクロナイズ装置付電子ストップウオッチを用い, 四肢のそれぞれ二肢を同時に動作しようとする場合の時差を測定した。<BR>剣道選手に特有と思われる所見は発見できなかった。
著者
倉田 賢一
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.231-243, 2013-10-10

シェイクスピアの『ハムレット』は『十二夜』に次いで書かれたとするのが通説的であるところ,両者の構造的対比から得られるところは大きい。ジャック・ラカンは『ハムレット』を,ガートルードの欲望の対象の位置がクローディアスによって過剰に占められており,そのことがハムレットを精神的に動揺させる劇として解した。これを『十二夜』に適用すれば,オリヴィアの欲望の対象の位置が,過剰な喪によって逆に空位のまま保たれていることで劇が展開している,という構造が明らかになる。さらにマルヴォーリオいじめのサブプロットをトービーのハムレット的状況として解すれば,この二つの劇はちょうど裏返しの関係にあることになる。このように,中心となる女性の欲望をめぐって,一方では対象の位置を占めるものが破壊される悲劇が描かれ,他方では対象の位置を占めようとする人々が奔走する喜劇が描かれ,後者の喜劇のただなかに,前者の悲劇を予告する主題が含まれているのである。
著者
佐藤 恒久 倉田 まゆ子 石田 尚志 江橋 博 寺尾 保
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.183-193, 1985-06-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
15

長距離レースを想定した速度で, 全力走トレーニングを17日間連日実施した1名と, 運動強度: 2/3VO2max (150m/min, 勾配+3度) のトレッドミル20分走を10年間連日実施した1名の, 健康な男性非鍛練者の経時的心電図を解析した.その結果前者では, 運動開始後21日目には, 心室内変行伝導を伴った上室性期外収縮が頻発した.23日目には, 上室性期外収縮とともに, 洞性不整脈もみられた.44日目には, 洞性徐脈と心室内変行伝導を伴った上室性二段脈, 213日目でも, 上室性二段脈が持続した.一方後者では, 運動開始5年後初めて問入性心室性期外収縮が出現し, 9年後には心室性期外収縮の頻発を認めたが, 10年目には心室性期外収縮の散発をみるに過ぎなかった.すなわち, 過激な運動では, 短期間の運動でも長期にわたって病的不整脈が観察されたのに対し, 適度な運動では, 長期にわたる負荷でも治療を要する不整脈は全くみられなかった.
著者
倉田 実
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻国文 (ISSN:02870819)
巻号頁・発行日
no.26, pp.p1-19, 1995-03
著者
安井 眞奈美 中本 剛二 遠藤 誠之 倉田 誠 松岡 悦子 澤野 美智子 伏見 裕子 木村 正
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の概要は、現代の妊娠・出産・産後を危機的状況にあると捉え、医療、女性の身体、子供の命といったさまざまな切り口から、妊娠・出産・産後の現状を総合的に解明することである。現状を変えていくための処方箋を提示する、緊急を要した実践・応用人類学の研究と位置づけられる。現代の妊娠・出産・産後の現状をインタビューも含めた文化人類学の参与観察によって解明し、エスノグラフィーを作成する点に特徴がある。
著者
倉田 淳之助
出版者
東洋史研究会
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.247-257, 1943-11-25
著者
倉田 祥一朗
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.126, no.12, pp.1213-1218, 2006-12-01 (Released:2006-12-01)
参考文献数
37
被引用文献数
1 3

One of the fundamental questions in innate immunity is how a large battery of invading pathogens is recognized by a limited number of germ line-encoding receptors. In Drosophila, peptidoglycan recognition protein (PGRP) family members have a crucial role in recognizing invading bacterial pathogens and in inducing immune reactions. PGRP-SA, -SD, and -SC1a are involved in recognizing gram-positive bacteria and in activating the Toll pathway to produce antimicrobial peptides. PGRP-LC and -LE recognize diaminopimelic acid (DAP)-containing peptidoglycans, which are cell wall components of many gram-negative bacteria and some gram-positive bacteria, and activate the imd pathway to produce antibacterial peptides. In addition to the extracellular function of PGRP-LE to activate immune reactions in the hemolymph, PGRP-LE acts as an intracellular receptor for monomeric DAP-type peptidoglycans. Moreover, a version of PGRP-LE containing only the PGRP domain functions extracellularly as a CD14-like accessory factor, capable of enhancing PGRP-LC-mediated peptidoglycan recognition. Subsequent intracellular signaling is transduced through the RHIM-like motif found in PGRP-LC and -LE.
著者
倉田 和範 船着 裕貴 林田 一成 安部 大昭 小幡 賢吾
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1619, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】入院患者は活動量が大きく低下し,廃用症候群が進行することが報告されている。リハビリテーション(リハ)中に歩行練習等を通じ活動性向上を促しているが,時間的にも限界がある。このため,リハ時間外の病棟内における活動性をいかに向上させるかが重要であると考える。しかし,患者は他者の見守りや介助を敬遠しがちであり,杖や歩行器などの歩行形態を問わず,歩行自立とすることが望ましい。これらのことから,病棟内歩行自立に影響する因子を検出することで,より安全かつ客観的に歩行自立を判断することが可能になると考える。そこで,入院患者における病棟内歩行自立に関連する因子を抽出することを,本研究の目的とした。【方法】対象は2016年4月以降に整形外科病棟でリハを開始,および2016年9月までに退院した75歳以上の入院患者160名。このうち退院時に寝たきり,立位などの測定姿勢困難,認知症または精神疾患による患者の理解困難,測定の同意が得られない,急遽の退院等によるデータ欠損,入院前から歩行困難,に該当した85名を除く75名を調査対象とした。診療録より年齢,性別,下肢疾患の有無,Mini Mental State Examination(MMSE)および退院時のFunctional Independence Measure(FIM)を抽出し,退院時に握力,大腿四頭筋筋力,Short Physical Performance Battery(SPPB)およびFall Efficacy Scale(FES)を評価した。歩行形態は問わず,退院時のFIMの移動・歩行項目の6点以上を自立群,5点以下を非自立群とし,病棟内歩行自立可否によって2群に分けた。統計学的解析として,連続変数に対しては正規性を確認した後に,wilcoxon順位和検定または対応のないt検定,カテゴリ変数に対してはχ2検定を用いて単変量解析を行った。次に多変量解析として病棟内歩行自立可否を従属変数,有意差が認められた変数を独立変数として多重ロジスティック回帰分析を行った。有意水準は危険率5%未満とした。【結果】自立群35名,非自立群40名であった。単変量解析の結果,有意差が認められたのは年齢(自立群82.3歳vs非自立群87.2歳),握力(32.9%BWvs27.6%BW),大腿四頭筋筋力(22.5%BWvs16.4%BW),SPPB(7.9点vs3.8点),MMSE(25.5点vs18.5点),FES(30.9点vs26.2点)で,性別および下肢疾患の有無は有意差を認めなかった。多重ロジスティック回帰分析の結果,病棟内歩行自立に関係する因子としてMMSEおよびSPPBが抽出された。オッズ比はMMSE1.82,SPPB2.12であった。ROC曲線を用いてカットオフ値を算出したところ,病棟内自立歩行可否のカットオフ値はMMSE23点,SPPB6点であった。【結論】病棟内歩行自立可否を検討するうえで,年齢や下肢疾患の有無よりも,認知機能と身体機能が重要な因子であることが示された。得られたカットオフ値を用いることで,根拠に基づいた入院患者の歩行自立を検討できるのではないかと考える。
著者
藤崎 亜由子 倉田 直美 麻生 武
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.67-77, 2007-04-20 (Released:2017-07-27)
被引用文献数
1

近年登場したロボットという新たな存在と我々はどのようにつきあっていくのだろうか。本研究では,子どもたちがロボットをどう理解しているかを調べるために,5〜6歳児(106名)を対象に,2人1組で5分間ロボット犬と遊ぶ課題を行った。あわせて,ロボット犬に対する生命認識と心的機能の付与を調べるためにインタビュー調査を行った。ロボット犬は2種類用意した(AIBOとDOG.COM)。DOG.COMは人間語を話し,AIBOは電子音となめらかな動きを特徴とするロボットである。その結果,幼児は言葉をかけたりなでたりと極めてコミュニカティブにロボット犬に働きかけることが明らかになった。年齢群で比較した結果,6歳児のほうが頻繁にロボット犬に話しかけた。また,AIBOの心的状態に言及した人数も6歳児で多かった。ロボット犬の種類で比較した結果,子どもたちはDOG.COMに対しては言葉で,AIBOに対しては動きのレベルで働きかけるというように,ロボット犬の特性に合わせてコミュニケーションを行っていた。その一方で,ロボット犬の種類によってインタビュー調査の結果に違いは見られなかった。インタビュー調査では5割の子どもたちがロボット犬を「生きている」と答え,質問によっては9割を超える子どもたちがロボット犬に心的機能を付与していた。以上の結果から,動物とも無生物とも異なる新たな存在としてのロボットの可能性を議論した。
著者
倉田 繁雄
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.188-191, 2005-06-20 (Released:2018-08-25)
被引用文献数
1

「滑らかな運動や安定した姿勢を再獲得する。」このことは理学療法を実施する重要な目的の一つである。関節可動域制限(以下ROM制限)は, この目的を達成する過程において強力な阻害因子となっている。本稿では整形外科領域での理学療法経験から得たROM制限治療に対する私見を述べる。ROM制限の諸因子 ROM制限因子を「固さ」と「痛み」に大別する。前者を「ROM制限の直接的因子」(以下直接的因子), 後者を「ROM制限の間接的因子」(以下間接的因子)と呼ぶ(図1)。1. 直接的因子(固さ) 直接的因子をさらに「骨性因子」「関節構成体性因子」「筋性因子」「関節周囲軟部組織性因子」に分ける。1)骨性因子 (1)骨の変形 骨同士のぶつかりによるROM制限を指す。(2)副運動の消失 正常関節運動には必ず副運動(accessory movement)を伴う。例えば, 足関節背屈運動ではその最終域で「腓骨〜脛骨間が広がる」という副運動を伴う。この副運動が内固定により消失した場合, この固定が解除されない限り正常な背屈運動は出現しない。(3)異所性仮骨 例えば, 筋性仮骨が出現するとその筋の伸展性が極端に制限される。そのため当該筋が伸長される関節運動は制限を受ける。