著者
Munchan Chutharat 倉田 修 畑井 喜司雄 羽柴 典子 中岡 典義 川上 秀昌
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.179-182, 2006-12-15
参考文献数
13
被引用文献数
4 13

2004年4月に養殖シマアジ幼魚に真菌病が発生し, 多数の魚が死亡した。瀕死魚は腹部膨満を呈し, 腎臓や脾臓は腫大し, 結節形成が見られた。病魚の腎臓から菌の分離を試みた結果, 純培養状に単一の集落が出現した。分離菌の集落は淡褐色で, 分生子は1端が丸い長円形で2細胞性であった。菌は<i>O. humicola</i> に同定された。本菌は通常, 海産魚の稚魚の皮膚に発生する真菌病であるが, 幼魚の内蔵に発生したのは初めての例である。
著者
沼間 雅之 宮崎 雅雄 梅原 健治 倉田 浩
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.173-177, 1997

食品製造工程上の汚れ (主に残留蛋白質) を検出する洗浄度判定キットを用い, 各種食品の検出感度, 牛乳濃度と大腸菌数の増殖経時変化を調べた.フキトリマスターを用いると牛乳ではおよそ80mg/m<SUP>2</SUP>, 脱脂粉乳では2mg/m<SUP>2</SUP>, 固形チキンコンソメでは20mg/m<SUP>2</SUP>, 卵白においては4.2mg/m<SUP>2</SUP>の汚れ量の検出が可能であった.これは目視観察できる汚れ量のおよそ1/3から1/400であった.分光光度計を併用すればさらに検出感度は向上することがわかった.一方, 大腸菌はわずかな栄養源の存在下でも増殖する可能性が示唆された.すなわち菌が増殖するレベルまで汚れの残存 (清浄度) を管理するためには, 目視観察による判定では管理不十分と考えられた.<BR>以上の成績から, 製造工程の自主衛生管理のための洗浄度モニタリグの極めて有効な手法の一つとして市販の洗浄度判定キット (フキトリマスター: コニカ) の使用を提案する.
著者
肥爪 彰夫 倉田 健二 中村 優一 松田 隆男
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.58, no.554, pp.2869-2876, 1992
被引用文献数
1

Excessively large transient torsional vibration is induced on the rotor system of modern large turbine-generators. This paper reveals that the coupling connecting the adjacent rotors acts as a hysteresis damper, and discusses the effect. First, a model is presented for the damping mechanism of typical shaft coupling. Second, the time-dependent nonlinear transient torsional vibration of the rotor system is investigated, using this model. Third, an improved coupling of higher damping capacity is introduced and investigated in the same way. Thus, the proper direction of the optimal design of coupling is clearly specified.
著者
倉田 稔
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.39-46, 1970

第8報としてシタバガ類Catocalaとギンガ類Chasminodes(共にヤガ科Noctuidae)をまとめ,あわせて分布上興味ある本州未記録種と中部地方の未記録種などを数種記録する.本文に先だち常日頃御指導いただいている信州大学小山長雄博士並びに東京都の杉繁郎氏に深謝いたします.
著者
深澤 友里 倉田 勇 小暮 正晴 立石 秀勝 鈴木 裕 仲村 明恒 下山田 博明 望月 眞 柴原 純二 森 秀明 古瀬 純司 土岐 真朗 久松 理一 杉山 政則 後藤 知之 吉田 翼 太田 博崇 落合 一成 権藤 興一 渡邉 俊介 岡野 尚弘
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.129-136, 2017

<p> 症例は,2016年1月に特発性脾被膜下出血後の膿瘍形成及び急性膵炎にて緊急入院となった50歳代男性。退院後,1ヶ月で膵炎の再燃がみられ,入院となった。膵炎に対しては禁食,補液, 抗菌薬, 蛋白分解酵素阻害薬の投与を行い軽快したが,造影CT,造影MRI検査で,膵体尾部に膵実質より造影・増強効果の乏しい腫瘤が認められ,超音波内視鏡下穿刺吸引(EUS-FNA)を施行した。病理所見は,腺癌であり,膵体尾部癌cT3N0M0 stage IIAの診断で,膵体尾部脾合併切除術を施行した。術後補助化学療法として,S-1を4 コース施行後,現在に至るまで約1年間再発なく経過している。本症例のように,短期間で膵炎を繰り返す症例では膵癌の合併を念頭に,様々なmodalityを用いて迅速な精査を行う必要があると考えられた。</p>
著者
倉田 なおみ 小松 千絵 平藤 彰 森 義明
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.461-472, 2001-10-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
32
被引用文献数
16 21

Drugs prepared by pharmacist may sometimes clog the nasogastric tubes, gastrostomy tubes or jejunostomy tubes during drug administration. As a result, such drugs were examined regarding their possibility of clogging. Consequently, 11% of the capsulated drugs (89 drugs) could not be used with tubes due to the fact that they did not come in a dispenser that can be used with tubes. In addition, 15% of the drugs clogged the thin tubes (8Fr.). 7% of the fine granules and granules (94 drugs) could not be used with tubes, 10% of them clogged the thin tubes.On the other hand, in order to decrease the amount of loss due to crushing the tablets, as well as to prevent health hazards, the tablets were dispersed in water. Experiments were performed to obtain data on the disintegration of the tablets in the water. As a result, 74% of 514 tablets were found to be appropriate for administration using this method, and this rate was higher than for crushable tablets (53%).The results were complied and the list of the drugs that could be successfully administered by feeding tubes was made. Accordingly, the problems in crushing were solved and tube clogging could thus be successfully prevented thus resulting in an improved QOL for the patients.
著者
倉田 奈穂子 安信 千津子 横村 克也 山田 章生
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.353-354, 1996-09-04

近年、顧客のニーズにより店外に設置されるATM(現金自動預け払い機)が増加し、その拠点数も年々増えつづける傾向にある。またサンデーバンキシグなどで稼動日が増加し、稼動時間もますます延長されている。金融機関では顧客の信頼をつかむため、ATMの現金切れが起こらないように現金を補充する必要があるが、一方で、バブル崩壊後の不安定な経済環境のもと、効率の良い資金運用が重要な課題となっている。資金切れの防止及び、資金運用の効率向上という相反するこの問題を解決するため従来の取引実績と各種要因を加味した取引量の予測により、最適な補充サイクルと金種別補充枚数の決定を支援するシステムが求められている。特に店外ATMでは巡回に掛かる作業コストを押さえ、補充資金の準備などのため補充量合計を把握するなど、スケジュールを立てて計画的に行なう必要がある。本稿では、複数の拠点にある店外ATMを管理しているセンタを例に現金補充問題をとりあげ、効率の良い現金補充を行なうための巡回スケジュールの立案から、補充枚数の決定までを支援する資金運用管理支援システムについて述べる。
著者
南 友紀子 岩瀬 梓 宮田 洋輔 石田 栄美 上田 修一 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.163-180, 2016

<p>本研究では,van Deursen らの「デジタルスキル」を基礎に,従来の情報検索の専門的なスキルを組み込んだウェブ環境における情報検索スキルの現状を明らかにすることを目的とする質問紙調査を行った。2014 年8 月にオンライン調査を実施し,1,551 名から回答を得た。その結果,ウェブ環境で検索を行う人々は,(1)ブール演算子などの高度な情報検索技法は用いない,(2)ウェブ上の情報の形式は理解している,(3)検索語の選定に対する意識は高い,(4)一定の評価方針のもとに複数の検索結果を閲覧する,(5)インターネットから恩恵を受けていると感じている,ことが明らかになった。階層的クラスタリングにより回答者を8 クラスタに分割し,高い情報検索スキルを持つクラスタを特定した。この高能力者群は,比較的若く,男性が多く,学歴が高く,批判的思考能力と自己認識が高かった。高能力者群は全てのスキルの平均得点が最も高いが,検索技法に関するスキルのみ得点は大幅に低かった。</p>
著者
倉田 敬子 松林 麻実子 上田 修一 山地 一禎 三根 慎二 宮田 洋輔
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

研究プロセスがデジタル化し,研究成果とデータの共有を目指すオープンサイエンスの時代に,学術コミュニケーションの将来を考えることは重要な課題である。本研究は,①オープンサイエンスで提案されてきた政策等の分析,②学術雑誌論文と研究データのオープン化のマクロな動向の把握,③個別の研究プロセスと研究データのミクロな調査の3つのアプローチから,学術コミュニケーション全体の生態系を具体的な根拠に基づき明らかにする。
著者
倉田 二郎 尾崎 眞 三橋 紀夫 赤嶋 夕子 酒向 正春
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

我々は、麻酔薬が痛みや意識を減弱・消失させる過程を、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いてヒトモデルで解明しようと試みた。その第一段階として、電気刺激による痛み感覚が脳に発現する様子をとらえ、それが実際の痛み感覚とどのように関連するかを調べた。2000、250、または5Hzの正弦波電気刺激により末梢神経のAβ、Aδ、またはC線維を選択的に刺激する装置(Neurometer)を用いて13人の健康被験者の左前腕腹側に痛み刺激を与えた。その結果、250Hzおよび5Hz刺激は、2000Hz刺激に比べ1/4以下の電流で、より鋭く不快な痛み感覚を引き起こした。次に、痛みスコア(VAS)が5または7を示す強さの電流を用いて痛み刺激を同様に与えながら、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)により疼痛関連脳活動を観察した。電流による画像artifactを最小限に抑えるため、最小電流値で痛みを起こす5Hz波を選択した。3人の被験者でブロックパラダイムによる全脳fMRI実験を、もう1人の被験者でさらに静脈麻酔薬propofolを鎮静および催眠濃度で与えて同じ実験を行った。Propofolは、Graseby社製TCI機能付きシリンジポンプにて投与した。MRIスキャナーはSiemens社製Vision(1.5テスラ)を用いた。ソフトウェアBrain voyager Qxを用いてgeneral linear modelによる画像解析を行った。その結果、VAS=3の痛みにより右第二次感覚野、右前頭皮質、右下頭頂小葉が活性化し、さらにVAS=5の痛みにより両側前頭皮質、両側下頭頂小葉、両側補足運動野が活性化した。一方、propofolを投与した実験では、多重比較を含む厳密な検定を行ったところ、background noiseが極めて高く、ノイズ振幅が信号強度の2.8%を占めた。輸液路・シリンジポンプなどいくつかの原因が考えられるが、ノイズ源を除去し、今後更に実験精度を高める予定である。
著者
倉田 和範 林田 一成 峪川 優希 渋谷 諒 安部 大昭 松本 和久 小幡 賢吾
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】患者の全身状態の把握や予後予測を行う上で,身体機能評価は重要である。その評価方法としてTimed-Up-and-Go-Test(TUG)やFunctional Balance Scale(FBS)など,転倒のカットオフ値が設けられたテストは複数存在するが,それぞれ患者に努力歩行を要求したり,評価に時間を要したりと,入院中の活動性が低下したリハビリテーション(リハ)開始早期の患者には適応できないことが多い。Short Physical Performance Battery(SPPB)は,地域高齢者を対象とした身体機能のスクリーニングテストの一つであり,死亡率や施設入所の予測因子になると報告されている。SPPBは①立位テスト②4m通常歩行テスト③5回の椅子起立着座テストから構成されており,その特徴として短時間に安全かつ簡便に評価できる点が挙げられる。そこで,SPPBとその他の評価法の関係性を調査し,入院患者におけるSPPBの有用性を検証することを本研究の目的とした。【方法】対象は平成27年9月から2か月間のうちに当院を退院した,65歳以上の患者67名。このうち急遽の退院,認知症および精神疾患,患者の同意が得られない,寝たきりを含む立位保持不可等の除外基準に該当した37名を除く,30名を調査対象とした。評価項目はSPPB,TUG,FBS,Functional Reach Test(FRT),Body Mass Index(BMI),握力,等尺性膝伸展筋力および30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)とした。それぞれの患者の退院前1週間を評価期間とし,原則1日で評価を行った。検者間測定誤差を防ぐため,検者は各評価方法を熟知した4名に限定した。TUG,FRT,握力および等尺性膝伸展筋力はそれぞれ2回ずつ行い,平均値を代表値とした。SPPBと各測定項目の関係性を,spearmanの順位相関係数を用い検討した。次に転倒のカットオフ値として報告されているFBS 45点によってROC曲線を求め,SPPBの転倒カットオフ値を算出した。【結果】男性9名女性21名,平均年齢82.9歳。下肢の骨折等による手術後11名,上肢や腹部など下肢以外の手術5名,その他保存療法14名。SPPBとの関係性はTUG(ρ=-0.82),FBS(ρ=0.89),CS-30(ρ=0.76),握力(ρ=0.60),FRT(ρ=0.65),等尺性膝伸展筋力(ρ=0.42)であり,すべて有意な相関を認めた。BMIは有意差を認めなかった。FBSの転倒カットオフ値から算出したSPPBの転倒カットオフ値は,7点であることが分かった。【結論】SPPBはFBS,TUG,FRTと強い相関関係にあることが示された。これにより,入院患者に対しSPPBを用いることで,より安全かつ簡便に客観的な評価を行える可能性が示された。SPPBは立位保持,歩行,起立から構成されているため,立位保持可能であればTUGやFBSでは困難な,リハ開始早期からの身体機能スクリーニングが可能である。また,このことから退院時評価と比較することで経時的な変化も捉えられる可能性がある。今後は症例を重ね,障害部位による違いや,これらの経時的な変化に関して検討したいと考える。
著者
野田 諭 松谷 慎治 浅野 有香 倉田 研人 柏木 伸一郎 川尻 成美 高島 勉 小野田 尚佳 大澤 雅彦 平川 弘聖
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.139-143, 2014 (Released:2014-08-07)
参考文献数
15

症例は66歳女性。高CEA血症の精査にて甲状腺腫瘍を指摘され当院紹介。右葉に18mm大の腫瘤を認め,穿刺吸引細胞診で濾胞性腫瘍と診断された。濾胞性腫瘍として1年6カ月超音波のみで経過観察され変化を認めなかった。2年6カ月後,他院PET検査で甲状腺への異常集積を指摘され,再受診した。CEAの上昇,腫瘤の増大傾向を認め,カルシトニンが高値であり,手術を施行,術中組織検査にて髄様癌と診断,非機能性の副甲状腺過形成を伴っており,甲状腺全摘術,頸部リンパ節郭清と副甲状腺全摘術および自家移植を施行した。病期はpT2N0M0 StageⅡであった。初診時の画像および細胞診結果から濾胞性腫瘍と診断,長期超音波で経過観察された髄様癌の1例を経験した。初診時診断に反省すべき点は多いが,経過を追えた点で貴重な経験と考え,文献的考察を加えて報告する。
著者
壹岐 典彦 倉田 修
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.58, no.186, pp.215-222, 2016 (Released:2017-12-21)
参考文献数
15

Ammonia is a carbon-free fuel and one of the candidates of hydrogen carrier. R&D of a gas turbine firing ammonia is not new issue but there are not successful results for a long time. AIST carried out demonstration tests with the aim to show the potential of ammonia-fired power plant. 50kW class turbine system firing kerosene is selected as a base model. A standard combustor is replaced by a prototype combustor which enables a bi-fuel supply of kerosene and fuel gas. The gas turbine started firing kerosene and increased its electric power output. After achievement of stable power output, ammonia gas was started to be supplied and its flow rate increased gradually. Over 40kW power output was achieved by firing ammonia gas only and over 40kW power output was also achieved by co-firing methane and ammonia. Ammonia gas supply increases NOx in the exhaust gas dramatically. However NOx removal equipment can reduce NOx successfully. The emission of NO and unburnt ammonia depends on the combustor inlet temperature.