著者
鈴木 元気 森川 多津子 柏倉 桐子 唐 寧 鳥羽 陽 早川 和一
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.117-122, 2015-03-10 (Released:2015-09-03)
参考文献数
20

首都圏3地点(野毛、九段、つくば)において、野毛および九段では2006~2013年まで、つくばでは2010~2013年までの夏と冬の大気粉塵を捕集し、多環芳香族炭化水素 (PAH) 9種類およびニトロ多環芳香族炭化水素 (NPAH) 3種類をそれぞれHPLC-蛍光検出法、HPLC-化学発光検出法で測定し、その濃度の変遷を明らかにした。PAH濃度は野毛、九段で2006年から2008年の間の冬に低下傾向が認められた。NPAH濃度は、野毛では2006年から2011年の間の夏と冬、九段では2007年から2009年の間の夏および2006年から2011年の間の冬に低下傾向が認められた。つくばでは観測期間が2010年から2013年と短く、PAHとNPAHのいずれについても明確な変動傾向は認められなかった。また野毛および九段で[1-NP]/[Pyr]値の低下が確認され、PAH、NPAH濃度低下の要因の一つとして自動車排ガス規制による粉塵およびNOx排出量の減少が考えられた。
著者
西尾 正英 近藤 敬介 小倉 克規 山下 正弘 蛯沢 勝三
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2007年秋の大会
巻号頁・発行日
pp.410, 2007 (Released:2007-10-29)

原子力発電所に津波が到来し海水が敷地内に浸入すると、建屋外部に設置されている非常用冷却海水系の海水ポンプ等が機能喪失する可能性が生じる。同様に、津波による波力によって取水塔が損傷する可能性もある。これらの機器の機能が喪失すると、サポート系の機能が失われフロントライン系の機能も喪失する。この状況において起因事象発生により原子炉が冷温停止へのプロセスの途中にある場合、多くの緩和系が使えなくなる可能性があり、炉心損傷に至る可能性が出てくる。これらの事故進展について検討し、炉心損傷に至る事故シナリオを作成した。
著者
倉橋 惣三
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.2-3, 1955-01-01
著者
北野 倫生 上月 康則 倉田 健悟 村上 仁士 山崎 隆之 芳田 英朗 水谷 雅裕
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.741, pp.49-56, 2003-08-22 (Released:2010-08-24)
参考文献数
35
被引用文献数
1

沿岸域の環境修復の目標の一つとして, 懸濁物を起点とした物質循環が円滑に作用する生態系を再生することが挙げられる. 本研究では堆積物の生物撹拌について, 内湾の表在性の堆積物食生物マナマコを対象に, 活動が鈍化する夏季に実験を行なった. 得られた結果を次に示す. 1) 水温上昇に伴い不活性化して摂食行動は行われず, 堆積物中の有機物濃度に有意な差は見られなかった. 2) 葡匐行動によって還元型硫化物濃度は減少し, その影響は表層から深さ2cmにまで及んだ. 3) 生物撹拌は埋在性の懸濁物食性二枚貝の個体数を増加させるように作用し, その結果マナマコの餌環境が向上することが示唆された.
著者
藤田 治彦 井口 壽乃 近藤 存志 川島 洋一 池上 英洋 加須屋 明子 井田 靖子 橋本 啓子 天貝 義教 高木 陽子 高安 啓介 加嶋 章博 朝倉 三枝 三木 順子 永田 靖 塚田 耕一
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

美術、建築も含めた広い意味でのデザイン教育の歴史をおもなテーマにした国際会議、第1回ACDHT(Asian Conference of Design History and Theory)を本研究開始の平成27年10月に大阪大学で開催、平成29年9月には第2回ACDHTを東京の津田塾大学で開催した。その研究内容は同国際会議での発表論文を査読して掲載する ACDHT Journal の”Design Education beyond Boundaries”に掲載され、同国際会議ウェブサイトでも閲覧可能にしている。研究代表者と13名の研究分担者は、全員、積極的に調査研究を進めている。平成29年度は、特にインド、スペイン、ドイツ、中欧、イギリス(スコットランド)の研究成果が注目された。第2回ACDHTでは、第1回ACDHT以上に、本科研プロジェクト以外の研究発表者も国内外から参加し、このデザイン教育史研究を通じての国際交流を高めている。本研究は、各国のデザイン史、美術史、建築史等を専門とする日本の代表的研究者が研究分担者となり関連国、関連地域の独自の調査研究を進め、国際会議での発表でも高く評価されているているが、全世界を視野に入れれば専門の研究分担者のいない国や地域も多く、それが「デザイン教育史の国際的比較研究」の目的を達成するには唯一の欠点でもあった。研究代表者は、その欠点を十分に補って研究を総括する立場にあり、第1、第2年度には、担当する研究分担者のいない中国、東南アジア、インド等の調査を行い、平成29年度にはオランダと北米(アメリカ東部とカナダ)および南米(アルゼンチンとチリ)等で調査研究を行った。調査のために訪問した各国の主要教育機関からは多くの場合、重要な関連資料を提供され、旅費は必要だが、図書購入費は節約可能で、順調に調査研究を進めている。
著者
島倉 淳泰 高田 正信
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.2, pp.335-343, 2013 (Released:2014-02-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1

動脈硬化症の診断に用いられる血管機能検査には心臓足首血管指数(CAVI),脈波伝播速度(PWV),足関節上腕血圧比(ABI)がある.CAVIとPWVは血管の硬さを表す指標であるが,PWVは測定時の血圧の影響を受け,CAVIは血圧の影響を殆ど受けない.CAVI,PWVともに高血圧,糖尿病,脂質異常症,メタボリックシンドロームなどの生活習慣病,虚血性心疾患,慢性腎臓病,脳血管障害の患者で上昇している.ABIは末梢動脈疾患の検出に有用であり,また異常例では心血管系リスクが高くなる.
著者
小倉 健太郎
出版者
成城大学
雑誌
成城美学美術史 (ISSN:13405861)
巻号頁・発行日
no.21, pp.37-59, 2015-03
著者
鎌倉 昭雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.933, pp.156-157, 1998-03-23

今年4月1日、国内9位の製薬会社である吉富製薬は、薬害エイズを引き起こした企業のうちの1社、ミドリ十字と合併する。新会社は吉富製薬の名前を引き継ぎ、昨年10月、吉富製薬の社長に就任した鎌倉昭雄氏が、新生、吉富製薬の舵かじを取ることになる。 社長に就いた時期からもわかるように、鎌倉氏の登板は、合併を抜きには考えられなかった。
著者
倉持 卓司 倉持 敦子 厚井 晶子 長沼 毅
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.23-26, 2014

高知県土佐湾を模式産地として記載されたアッキガイ科のトサパイプヨウラクMonstrotyphis tosaensis(Azuma,1960)が,鹿児島県薩摩硫黄島沖の水深239-240mより採集された。本種はこれまでに模式産地のほか和歌山県沖から記録されている。本報告は,この海域からの本種の採集初記録となる。
著者
阿倉 薫 畠中 光恵 向井 みどり 坂井 雅英 綾田 昌弘 岡本 茂 古川 順康 弥生 恵司
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.31-36, 1995 (Released:2011-11-08)
参考文献数
15

原発性乳癌119例について, 核DNA量 (DNA index=DI) と癌細胞の核の大きさ, 核の異型度, 細胞診の判定, リンパ節転移, t因子との関連性について検討を行った. DIの測定は新鮮摘出腫瘍を用い, 末梢リンパ節をploidy standardにした. その結果, hypoploid (DI<1) が6例 (5%), diploid (DI=1) が39例 (32.8%), aneuploid (DI>1) が62例 (52.1%), multiploidが12例 (10.1%) であった. 術前穿刺吸引細胞診標本 (Pap. 染色) から癌細胞50個の長径を計測し平均を求めた, 最小は6.3μm, 最大は13.9μmで2倍以上の差が認められた. 核異型が軽度な症例は12例, 中等度は44例, 高度は51例であった. DIと比較してみると軽度異型はdiploidが多く, 異型が高度になるにしたがってaneuploidが増加した.術前の細胞診判定はpositiveが107例, suspiciousが10例, negativeが2例であった. 悪性と判定できなかった12例のうち11例はdiploidであった. 乳癌細胞の核の大きさとDIは正の相関がみられ, DIが大きくなるにつれて核は大きく, 異型も強くなり細胞診の判定は容易であった. しかしhypoploid (DI<1) やdiploid (DI=1) の癌細胞は大部分が小型で異型に乏しく, 細胞診で正確に判定できない症例が多かったが, 倍率1,000倍で詳しく観察することによって正診できる症例が増すと思われた. リンパ節転移はhypoploid (DI<1) とdiploid (DI=1) は少なく, aneuploidとmultiploidは多く, 有意差が認められた (p<0.05). DIとt因子については有意差は認められなかった.
著者
研 攻一 坂倉 久美子
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 = Bulletin of Uyo Gakuen College (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.99-109, 2010-02-01

介護支援専門員の立場から扱った、地域から孤立がちでしかも老老介護のケースである。ケースを担当する半年前に、民生委員らから地域包括センターに、A(妻)の姿を見かけないから見て欲しいとの依頼があった。その時の訪問では係が玄関先で追い返され、半年後に長男から訪問入浴の介護サービスの申請が出たケースである。 このケースから、以下のような問題点が浮かび上がってきた。 (1)孤立しがちな家族に、介護サービスの受け入れや介護保険制度がどのようなものかについての認識を、どのように理解させられるか。 (2)介護サービスを受けることに抵抗する(金銭的なこと)夫をどう説得させ納得させられるか。 (3)家族関係の中で、誰を相談業務の対象としたら良いか。
著者
小倉豊文編
出版者
[加計慎太郎]
巻号頁・発行日
1961
著者
松倉 公憲 青木 久
出版者
日本地形学連合
雑誌
地形 = Transactions, Japanese Geomorphological Union (ISSN:03891755)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.175-196, 2004-04-25
参考文献数
147
被引用文献数
11

We briefly review some problems arising in papers on the Schmidt hammer used in a geomorphological context. There are several types of Schmidt hammer, and many measurement methods including ways of collecting data have beeen proposed, but no standard method for taking measurerements has yet been established. We propose continueous (repeated) impacts for assessing the hardness of intact rock and single impact for assessing the hardness of a rock surface, including the weathering layer.
著者
中野 三敏 花田 富二夫 松原 孝俊 大庭 卓也 宮崎 修多 飯倉 洋一 亀井 森 川平 敏文 久保田 啓一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本調査チームによって収集された、草双紙や仮名草子、木活字、唐本、画譜、銅版など、三十項目以上のジャンル別善本を、ホノルル美術館において精査して、その画像データを公開した。本プロジェクトの目的は、世界で所蔵される和本・和刻漢籍などを総合的、体系的に調査しつつ、在外和本総目録の基礎データを作成し、その公開・発信に努めることにあるが、それと同時に、重要視したのは、「日本学」次世代研究者養成や国際的日本学研究者コミュニティー構築に貢献することであった。日本人だけでなくあらゆる国の次世代研究者対象の書誌調査講習なども実施して、「和本リテラシー」を普及しつつ世界の日本学研究振興に応分の貢献を果たした。