著者
横山 詔一 相澤 正夫 久野 雅樹 高田 智和 前田 忠彦
出版者
基礎教育保障学会
雑誌
基礎教育保障学研究 (ISSN:24333921)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.11-28, 2022 (Released:2022-09-15)

The first scientific literacy survey in Japan was conducted in 1948. It was the first time that a full-scale nationwide survey based on random sampling techniques was carried out in Japan, and data were collected from 16,820 men and women between the ages of 15 and 64 (by the traditional Japanese system). One of the most well-known aspects of this global landmark survey is the figures on illiteracy rates and their interpretation. The report of the survey, "The reading and writing ability of the Japanese" (1951), concluded that the illiteracy rate of the Japanese was"extremely low" at 1.7% or 2.1%. This view has been cited repeatedly in Japan and abroad and is now treated as a definite fact. However, a reexamination of the content and format of the test questions on the 1948 survey revealed that there was insufficient control of the difficulty level and that the test contained a large number of multiple-choice questions, making it problematic to simply classify those who scored zero on the test as illiterate. Therefore, we concluded that we should avoid uncritically quoting the description of illiteracy rates in this report.
著者
加来 鉄平 鈴木 美威瑠 冨永 隆生 小川 暁郎 清水 厚志 渡邉 和孝 渡邉 和晃 前田 智司 松田 佳和
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.142, no.3, pp.289-293, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)
参考文献数
11

In recent years, lifestyle-related diseases such as hypertension and diabetes have been on the rise. These conditions can cause serious conditions such as myocardial and cerebral infarctions. Therefore, proper control of blood pressure and blood glucose levels is important issues in preventive medicine. Traditional fermented foods have been shown to have various functions, and their effects on lifestyle-related diseases have attracted particular attention. In this study, we investigated the effects of fermented soybeans and rice bran (OE-1) and supplements containing OE-1 on blood glucose levels and weight changes. We identified an inhibitory effect on elevated blood glucose levels upon administration of OE-1, and this effect was thought to be due to digestive enzyme inhibition. These effects of foods containing OE-1 are expected to have a positive effect on the prevention and improvement of lifestyle-related diseases as health foods.
著者
大塩 行夫 池内 まき子 前田 昭二
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.253-258, 1962-11-30 (Released:2016-09-05)
被引用文献数
2 2

ウシ・ウマ・ブタ・ヤギの糞便から発生する双翅類の年間調査を行つたところ, 次のようなことがわかつた.1) 発生した双翅類は11科, 14種で, とくにイエバエ・オオイエバエ・ヒメイエバエ・サシバエの発生が多かつた.2) イエバエは6月から10月にかけて発生し, 各家畜の糞便から発生したが, ウマ・ブタ, とくにブタの糞便からの発生がいちじるしかつた.3) サシバエはウマの糞便からは発生しなかつたが, ウシ・ヤギの糞便から多数発生した.4) ハエの発生は糞便単独の場合よりも, 糞便に飼料が混じた場合に多かつた.とくにイエバエではこの傾向がいちじるしかつた.
著者
鈴木 正哉 前田 雅喜 犬飼 恵一
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.154-164, 2016 (Released:2016-11-03)
参考文献数
20
被引用文献数
8 2

温室効果ガス削減が求められる状況の中、優れた省エネシステムに利用可能な吸着剤として、水蒸気吸着性能に優れかつ低温熱源を用いて再生が可能な無機多孔質物質ハスクレイを開発した。この論文では、粘土の研究と天然に存在するナノ物質の研究を経て、ハスクレイの合成に至った経緯、および省エネ用吸着剤として広く利用されるために必要な事項を示す。
著者
大山 裕美子 前田 留美 丸 光惠
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.38-42, 2015-04-03 (Released:2015-05-02)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

自己決定型学習とは,自らの学習ニード把握から適切な学習方法の実施・評価まで個人が学習のイニシアチブを取る一連のプロセスを指し,成人の学習や高等教育の場面で求められる学習姿勢である.自己決定型学習準備性とは,そのために求められる個人特性や態度等をその人がどれだけ持っているのかの程度である.看護学の成人学習者の自己決定型学習準備性の測定にはFisherらが開発したSelf-Directed Learning Readiness Scale for Nursing Education(SDLRSNE)を用いることができ,また様々な国・職種を対象に翻訳がされているため国際的な比較も可能である.本研究の目的は,本尺度を翻訳し日本語版SDLRSNEを開発することである.日本語版SDLRSNEの作成は開発者であるFisher氏の許可を得た上で,順翻訳,逆翻訳,ウェブ調査によるパイロットテストの順で実施した.その結果,表面妥当性のある日本語版SDLRSNEが完成した.本尺度は看護学の成人学習者を対象にした教育の方法の検討やその効果を測定する際に活用することができると考えられる.今後,信頼性・妥当性を検証し結果を報告していく予定である.
著者
前田 良刀 落合 英俊 横田 康行
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.715, pp.107-115, 2002-09-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
15

本文は, 震度法による力学モデルと塑性論の上界定理に基礎をおく速度場法を用いて, 直接基礎の支持力特性を検討したものである. 本文で想定した破壊メカニズムをもとに, 荷重と地盤の傾斜を同時に考慮できる汎用性のある直接基礎の支持力式を提案した. そして, 荷重の傾斜と地盤の傾斜が支持力に与える影響について考察した. これから, 荷重傾斜角が支持力に与える影響は従来の研究と同様の傾向を示すが, 水平震度が大きくなると荷重傾斜角の影響を無視できなくなることを示した. このため, 現行の設計実務で用いられている直接基礎の支持力式は水平震度が小さい領域では問題とならないが, 水平震度が大きくなると支持力を過大評価する可能性を指摘した.
著者
前田 圭介
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.6, pp.1184-1192, 2021-06-10 (Released:2022-06-10)
参考文献数
11

高齢者人口の増加は,今後の入院医療の在り方に変革を求めている.多病高齢者に対する多面的包括的な評価と介入が注目されていると同時に,入院高齢者の低栄養に対するアプローチも重要視され始めた.入院高齢者の4分の1は低栄養である.しかしながら,低栄養は見逃され,適切な栄養サポートが入院当初から実施されていない懸念がある.従来,栄養サポートチームは栄養不良の対応に主治医が窮したときのコンサルテーションの受け皿であった.人工栄養の導入や管理を専門とする多職種チームとして発足した栄養サポートチームであるが,デバイスや利用可能な栄養剤が充実した近年では,従来型の栄養サポートだけでは介入効果が得られにくい.入院時に低栄養スクリーニングを徹底し,栄養アセスメントと低栄養診断を組織だって実施する体制,及びそれを支援する栄養サポートシステムが必要である.低栄養診断はGlobal leadership Initiative on Malnutritionの基準を用いることが薦められる.栄養状態に応じて入院当初から個別に栄養ゴールを定め,食事の工夫(食事強化と経口栄養補助)を中心に介入することにエビデンスがある.
著者
市川 智生 福士 由紀 平体 由美 星野 高徳 前田 勇樹 戸部 健 井上 弘樹 趙 菁
出版者
沖縄国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、従来の医療社会史の中心的課題であった感染症対策ではなく、近代化の過程において健康とされる状態がどのように認識されてきたのか、すなわち「健康観」の歴史的解明を目標としている。日本(アイヌおよび琉球・沖縄を含む)、中国(上海、天津)、植民地統治期および戦後の台湾と朝鮮・韓国がその対象である。歴史資料の収集・検証とこれまでに利用してきた感染症関係資料の再検証をもとに、左記の地域を専門とする研究者が共同で歴史研究を実施する。政治、文化、社会経済、自然環境などに影響された多様な「健康観」形成の歴史を明らかにし、現代社会への継承のあり方まで特定する。
著者
森河 由紀弘 佐藤 智範 前田 健一 篠田 裕重
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.22-00208, 2023 (Released:2023-05-20)
参考文献数
41

今日まで多くの粘土瓦が使用されてきたが,近い将来には寿命を迎えた大量の廃棄瓦が発生する.また,粘土瓦を製造する際には不良品となる規格外瓦が一定量発生するが,これらの不要粘土瓦の再生原料以外のリサイクルはあまり進んでいない.そこで,本研究では規格外瓦を砕いたリサイクル材料である破砕瓦の構造物の裏込め材や裏埋め材としての適用性について,室内模型試験や実物大の現場試験により検討を行った.破砕瓦は軽量性や摩擦性が高いため,構造物に作用する水平土圧の低減効果を期待できることや,無補強でも高い支持力が期待できること,繊維補強材による支持力補強効果も期待できること,上載荷重の影響範囲は山砂とほぼ同様であることが明らかとなり,破砕瓦は裏込め材や裏埋め材として適用可能であることが分かった.
著者
佐藤 輝 吉田 英樹 前田 愛 松本 健太 向中野 直哉 川村 真琴 小西 杏奈 島田 瑞希 高桑 奈緒美 鳴海 萌 天坂 興 原 幹周 小田桐 伶 前田 貴哉
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0668, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】低負荷(最大随意収縮(MVC)の20%程度)で実施される等尺性収縮後の筋弛緩法(PIR)と対象者の随意的努力を必要としない神経筋電気刺激(NMES)では,筋ポンプ作用に基づき筋血流量が改善する可能性が指摘されており,臨床では筋・筋膜性疼痛や浮腫の改善などに活用されている。しかし,PIRやNMESが筋循環動態に及ぼす影響の詳細は十分に検証されていないのが現状である。以上から本研究では,PIRとNMESが筋血流動態に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】健常者16名を対象とし,仰臥位を保持した対象者の右上腕二頭筋(BB)に対して3つの条件(条件1:PIRを実施する条件,条件2:NMESを実施する条件,条件3:コントロール条件)を無作為順序で日を改めて実施した。条件1では,対象者は,右BBに対するPIRとして,右肘関節90度屈曲位かつ右前腕90度回外位にて20%MVCでの右BBの等尺性収縮を10秒間実施し,その後,右肘関節完全伸展位かつ右前腕90度回外位にて20秒間右BBを弛緩させた。この右BBの収縮と弛緩の計30秒間を1セットとして,10セット5分間を連続で実施した。PIR終了後,対象者は安静仰臥位をさらに15分保った。条件2では,対象者は,右BBに対するNMES(波形:対称性矩形波,電流強度:肘関節の僅かな屈曲運動は起こる程度,周波数:30 Hz,パルス幅:250 μsec,オン・オフ時間:各5秒)を20分受けた。条件3では,対象者は安静仰臥位を20分保持するのみとした。各条件の実施中,筋血流量の指標として右BBの酸素化ヘモグロビン量(oxy-Hb)と脱酸素化ヘモグロビン量(deoxy-Hb)を測定し,各条件開始時の測定値を基準として各条件での5分後(条件1のPIR終了時)及び20分後(各条件の終了時)でのoxy-Hbとdeoxy-Hbの経時的変化を多重比較検定にて検討した。【結果】条件1(PIR)では,oxy-Hbの明らか変化は認めなかったが,deoxy-Hbは条件開始5分後(PIR終了時)で有意に増加し,条件開始20分後でも有意に増加した状態であった。一方,条件2(NMES)では,oxy-Hbは条件開始5分後及び20分後で増加傾向を示したが,deoxy-Hbは同時点で減少傾向を示した。条件3では,oxy-Hb,deoxy-Hbともに経過中での明らかな変化を認めなかった。【結論】本結果は,PIRではdeoxy-Hbが増加するのに対し,NMESではoxy-Hbが増加する可能性を示しており,両者の筋循環動態に及ぼす影響の違いが明らかとなった。PIRのような低負荷随意運動では筋収縮に必要なATP産生は好気的代謝系に依存するのに対し,電気刺激に伴う筋収縮では嫌気的代謝系に依存する(Hamada, 2003)。このため,PIRでは酸素需要が高まりoxy-Hbと比較してdeoxy-Hbが増加するが,NMESでは酸素需要がPIR程には高まらないため,deoxy-Hbと比較してoxy-Hbが増加したと推察する。PIRとNMESはともに筋血流量を改善する可能性があるが,筋循環動態に及ぼす影響は対照的であり,臨床では目的に応じた使い分けも考慮すべきである。
著者
赤澤 堅造 一ノ瀬 智子 前田 義信 奥野 竜平
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual60, no.Proc, pp.275-277, 2022 (Released:2023-05-12)

筆者らは認知症に対する楽器演奏,音楽療法に関心があり,エビデンスに関して文献レビューを実施して,楽器演奏が健常者の認知症リスクを減少させる効果があることを報告した.当学会大会でも報告した(第1報(2018),第2報(2019)).筆者らは,演奏初心者でも本格的な演奏が楽しめるアクセシブルな電子楽器サイミスを開発しており,短期であるが,地域の健康な高齢者を対象としたサイミス応用の準備的な研究を実施した.ここで判明したことは,認知症予防のためのプロトコルを策定する必要があることである.最近,健常者,MCI者に対する音楽介入のランダム化比較試験の報告がいくつかあるので,プロトコル策定の手がかりをえるために,「認知機能」に焦点を当て文献レビューを実施した.本発表では,その文献レビュー結果を報告する.