著者
江口 恭三 前原 為矩
出版者
Japanese Society of Breeding
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.39-48, 1979

近年沖縄県下で古い在来種タバコの子孫と思われる12の自生タバコの種子が蒐集されたが,これらの蒐集系統について,形態特性ならびに主要病害に対する抵抗性を調査するとともに育種素材としての有用性を検討した。これら蒐集系統の問にはきわめて広範な形態変異がみられ,草丈は95.3cmから171.9cm,葉数は9.8枚から17.3枚,葉型指数は0.471から0.764まであり,葉型には有柄と無柄,花色にはピンク,白,ピンクと白の絞りの3種類があった。病害抵抗性については,いずれも黒板病とうどんこ病にはある程度の低抗性を示したが,立枯病にはほとんどが罹病性で,疫病には高度抵抗性から罹病性まで広範な変真が認められた。従来わが国の在来種の中には疫病に対して高度な低抗性を示す品種はみつけられておらず,本試験で高度な低抗性を示した系統は育種素材として有用であると推察された。
著者
山崎 勉 遠藤 一博 富永 一則 福田 正高 前崎 繁文 橋北 義一 板橋 明
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.305-311, 2004
被引用文献数
2

埼玉医科大学附属病院では, arbekacin (ABK) 耐性メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) の分離頻度が一定の時期に増加したが, 病棟の担当者に交差感染の防止を指導することなどにより, その後はABK耐性MRSAの検出率は減少した. 多数検出された時期に由来するABK耐性MRSA 22株について, 薬剤感受性を含む生物学的表現型および<I>Sma I</I>を使用したパルスフィールドゲル電気泳動法 (PFGE) を組み合わせて疫学的検討を行った.<BR>ABK耐性MRSA株はA~Jの異なる10病棟に由来し, 外科系のA病棟由来が8株と最も多く, 以下B病棟3株, C, D, E病棟は各々2株, F, G, H, I, J病棟は各々1株であった. A病棟由来の8株では, 6株がPFGEで同一パターンを示した. PFGEにて同一パターンをとった6株は, 同様の薬剤感受性および生物学的性状パターンをとった. B病棟由来の3株のうち2株, F病棟由来の1株およびI病棟由来の1株も, PFGEは同じパターンをとり, 薬剤感受性や生物学的性状もA病棟由来の6株と同様であった.さらに, C, DおよびG病棟で分離された5株は, 各々類似したPFGEパターンをとっていた.<BR>MRSA感染症における治療薬剤を維持するためにも, 各医療施設においてABK耐性MRSAの動向を監視し, 施設内感染防止に努めることが必要と考える.
著者
前田 潤 南條 育子 古賀 裕康 栂 哲夫 槇村 浩一 坪井 良治
出版者
日本医真菌学会
雑誌
Medical Mycology Journal (ISSN:21856486)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.J1-J6, 2016 (Released:2016-03-01)
参考文献数
11
被引用文献数
4 11

白癬の主要病原菌であるTrichophyton rubrum (14菌株) およびTrichophyton mentagrophytes (14菌株) に対するルリコナゾールの最小発育阻止濃度 (MIC) および最小殺真菌濃度 (MFC) を外用抗真菌薬 6 剤 (ラノコナゾール, ビホナゾール, エフィナコナゾール, 塩酸テルビナフィン, 塩酸ナフチフィンおよびリラナフタート) におけるそれぞれの濃度と比較した. T. rubrumおよびT. mentagrophytesに対するルリコナゾールのMIC90 はともに0.00098 μg/mlとなり,MFC90 においても,ともに0.0078 μg/mlとなり,試験薬剤のなかで最も強い抗真菌活性を示した.静真菌的に作用するとされるアゾール系薬剤であるビホナゾールの MFC/MIC ratioはT. rubrumで≧48.3, T. mentagrophytesでは≧19.6であり, エフィナコナゾールでも71.4および26.9であった. しかし, ルリコナゾール (13.4および6.1) およびラノコナゾール (11.1および5.0) は, 殺真菌的に作用するとされるテルビナフィン (8.0および12.6), ナフチフィン (9.1および8.6) およびリラナフタート (15.4および11.4) と同程度の MFC/MIC ratioであった. このことからルリコナゾールおよびラノコナゾールは両菌種に対して殺真菌的作用も有することが示唆された. 本研究において, ルリコナゾールは日本および米国で市販されている主要外用抗真菌薬のなかで白癬菌に対して最も強力な抗真菌活性を示し, 白癬の治療に際しての最も有効な薬剤の1つであると考えられた.
著者
前田 幸男
出版者
木鐸社
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.215-235, 2013
著者
西原 利夫 覚前 睦夫 中村 寛
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料試験 (ISSN:03727971)
巻号頁・発行日
vol.4, no.22, pp.206-214, 1955-05-01 (Released:2009-05-26)
参考文献数
2

This paper deals with the experimental research on the effects of change of wire drawing condition on hardness distribution over the section of drawn wire.Using a Micro-Vickers hardness tester, we tried to investigate the hardness distribution over the cross section of three kinds of carbon steel wires and a brass wire, drawn under several kinds of drawing conditions, as well as the gradual change of hardness over the longitudinal section of carbon steel wires under plastic deformation with half drawn specimen.As the results we have make it clear that the wire with uniform deformation as possible will be obtained by following methods of drawing:(1) with the die of larger radius of curvature of drawing surface than with the die of smaller radius, (2) under high reduction of diameter than low reduction.
著者
前野 里恵 石田 由佳 金子 俊之 森川 由季 井出 篤嗣 高橋 素彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】疥癬に罹患している患者が入院治療と理学療法介入に伴い,医療従事者へ感染伝播した事例を通して,感染管理室とリハビリテーション部の感染対策について報告する。【方法】高齢女性 平成26年1月上旬 自宅で転倒受傷して入院 診断;恥骨骨折 既往歴;疥癬の診断なし 入院時,全身に掻痒性皮疹 他院で処方されたリンデロンを外用したが,皮疹が拡大した。ADL;食事以外全介助 入院前生活:自宅内杖歩行自立 屋外車いす利用 要介護2 入院5日目 リハビリテーション科併診 理学療法開始 入院4週1日目 皮膚科併診 腋窩の小膿疱より疥癬虫ヒゼンダニ1匹を検出し,通常疥癬と診断 オイラックス外用薬とストロメクトール内服治療開始 主治医,看護師長と感染管理室へ連絡 接触した医療従事者の感染対策開始 入院2.5ヶ月目 患者転院 病棟の最終発症者治癒 担当理学療法士の両上肢と腹部に発疹と掻痒感出現 入院3ヶ月目 近医皮膚科受診し,外用薬処方で経過観察 入院4ヶ月目 理学療法士の皮膚症状増強し,当院皮膚科受診 疥癬虫未検出 入院5ヶ月目 疥癬虫検出診断 治療開始 入院6ヶ月目 治癒 治療終了【結果】1.感染管理室の指導・対応 ①患者基本情報の収集:入院前後の皮膚の状況,生活状況 ②接触者調査:関係部署に情報提供し,患者の同室者,接触した職員に自己申告依頼 接触者は,同室の患者5名と担当理学療法士1名を含めた医療従事者56名で,同室者の発症はなかった。患者の診断日から17日間に手部~腋窩に発疹や掻痒などの皮膚症状があった発症者は看護師9名。③初期対応の指導:患者個室隔離,標準予防策の徹底,手袋と1患者1手洗い,肘以遠の手洗いとエプロンかガウン着用を強化,同室者患者と接触職員の症状の観察強化,症状発生時の速やかな感染管理室報告と皮膚科受診 ④職業感染;受診費用病院負担 労働災害申請 ⑤有症状者の発生対応;発症者の把握 就業制限の対象者と期間決定 予防投与検討 勤務は,確定診断までと内服翌日から勤務許可とし,確定診断後の投与後24時間までは休職。予防投与は担当理学療法士1名を含めた47名。2.担当理学療法士とリハビリテーション部の対応 ①発症原因の確定;疥癬を伝播するリスクと症状発生時期の一致 ②接触者の調査;理学療法士と接触した入院と退院患者を対象に,時系列に接触頻度や期間,皮膚症状について調査選定 ③接触者へ説明:入院患者は直接,本人や家族に説明,退院患者は説明書を郵送 担当した患者は117名で,発症の疑いのある患者は観察やカルテ所見調査から43名に絞られた。その内,問い合わせと受診対応があったのは,入院患者2/13名中,退院後患者1/30名中であり,最終的に疥癬は否定。④症状発生者の受診や投薬の費用に関する調整:連絡対応は感染管理室,受診対応は皮膚科 受診費用病院負担 ⑤リハビリ部の対応:疥癬の知識習得と場所を病棟に替え,標準予防策 手袋と長袖の勤務服着用,治療の過程での直接接触を避けた治療方法の立案,順番は最後。移乗介助などに必要な濃厚接触をする場合は標準予防策とガウン着用。職場の混乱を避け,過剰な感染対策の防止 心理的支援など。他の患者のリハビリ治療は,直接皮膚接触禁止,濃厚接触を必要とする患者,易感染者や小児の担当を中止。理学療法士自身も常に身体の位置や症状を意識しながら行ない,疑わしい場合は速やかに感染管理室へ報告する体制にした。【考察】感染管理マニュアルでは,入院時から感染疾患の疑わしい患者は,感染症と診断がつく前から拡大する可能性があるので,入院時から感染予防対策が必要である。その対策は臨床症状で,疑いの時点から「伝播を防止する」ことを目的として,1例の発生で感染管理室への報告を義務付けている。しかし,その疑いの目は正しい知識の下で成り立つものであり,疥癬の特徴,感染伝播のリスクについての職員教育は重要である。今回,入院時から皮膚症状が確認されていたにも関わらず,感染管理室へ報告及び皮膚科の受診に1ヶ月も時間がかかり集団発生へ発展した。また,一般的に直接接触以外は,標準予防策で対応可能とあるが,担当理学療法士は標準予防策を講じ,さらに予防投与後も発症したことから,予防着も必要である。原因として手袋と勤務服との境目の皮膚露出,介助時の密着や衣服へのダニの付着などが推察された。しかし,最善は治療開始時から皮膚の状態の観察,報告,対策をして自分自身も注意を払うことが確実である。【理学療法学研究としての意義】理学療法分野における感染症関連の報告は乏しく,この報告が感染対策の一助に成り得る。
著者
杉森 一哉 沼田 和司 岡田 真広 二本松 宏美 竹林 茂生 前田 愼 中野 雅行 田中 克明
出版者
公益社団法人 日本超音波医学会
雑誌
超音波医学 (ISSN:13461176)
巻号頁・発行日
2019

<p><b>目的</b>:慢性肝疾患患者にガドキセト酸ナトリウム(gadolinium ethoxybenzyl diethylenetriaminepentaacetic acid: Gd-EOB-DTPA)での核磁気共鳴画像 (magnetic resonance imaging: MRI)(EOB-MRI)および造影超音波を施行して,早期肝細胞癌(early hepatocellular carcinoma: eHCC)や高度異型結節(high grade dysplastic nodule: HGDN)と再生結節(regenerative nodule: RN)の鑑別に有用な特徴的所見を調査した.<b>対象と方法</b>:最大径が1 cm以上でかつ病理学的に診断された平均腫瘍径がそれぞれ15.5 mm,15.1 mm,14.8 mmの早期肝細胞癌(100結節),HGDN (7結節),RN (20結節)を後ろ向きに検討した.これらの結節のEOB-MRI肝細胞相の信号強度所見と,造影超音波動脈相の所見を用い,RNに特徴的な所見について検討した.<b>結果</b>:早期肝細胞癌100結節中98結節は,EOB-MRIの肝細胞相で低信号(n=95),等信号(n=2),高信号(n=1)を呈し,HGDN 7結節は,低信号(n=6),または高信号(n=1)を呈し,造影超音波動脈相においてはいずれも求心性血管を認めた.早期肝細胞癌1結節では,EOB-MRI肝細胞相で低信号を呈し,造影超音波動脈相で遠心性血管と求心性血管の両方が観察された.RN 20結節中18結節と早期肝細胞癌の残りの1結節ではEOB-MRIで結節中心に小さな低信号域を伴い,周囲は高信号を呈した.残り2結節のRNでは肝細胞相で高信号のみを呈し,造影超音波動脈相で遠心性血管が観察された.結節中心部の小低信号域は,造影超音波動脈相では中央から辺縁に向かって走行する肝動脈とそれに伴走する門脈に一致していた.<b>結論</b>:EOB-MRI肝細胞相および造影超音波動脈相での中心部の血管構造所見は,RNに特徴的な所見である可能性がある.</p>
著者
前田 真治 長澤 弘 平賀 よしみ 頼住 孝二 古橋 紀久
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテ-ション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.p191-200, 1993-03
被引用文献数
10

脳内出血・脳梗塞の発症当日の治療として従来から安静臥床がなされているが,安静臥床による筋力低下・起立性低血圧などは,リハビリテ-ションを遅らせる要因となる.そこで,発症当日から座位・立位・歩行訓練などを試みた結果,体幹機能は対照群と比較して有意に維持でき,その後の機能予後も比較的良好なことを認めた.一方,自覚症状が訴えられない患者やII桁以上の意識障害で従命ができない患者は,安全管理の面から訓練不能であった.また,発症後数日間以上安静臥床させた群との比較でも再発・進行率には有意差はなかった.さらに最終到達運動機能については,不可逆的な廃用症候群が生じる前に訓練が始まれば差はないと考えられた.したがって,自覚症状を訴えることができ,II桁以上の意識障害と重篤な他の合併症がない限り,健側と体幹筋力維持,廃用症候群防止を目的に脳内出血・脳梗塞は発症当日から可及的立位・歩行訓練を開始することは可能と思われた.
著者
稲垣 宏之 杉谷 政則 瀬戸口 裕子 伊藤 良一 織谷 幸太 西村 栄作 佐藤 進 加藤 正俊 齋 政彦 山本(前田) 万里 亀井 優徳
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.403-411, 2009-07-15 (Released:2009-09-01)
参考文献数
17
被引用文献数
6 6

エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート(EGCG3″Me)を始めとするメチル化カテキンを含有する茶品種「べにふうき」と,国内流通量の大半を占め,かつメチル化カテキンを含まない茶品種「やぶきた」の抗肥満効果を比較検討した.12週齢のC57BL/6J雄性マウス(n=10/群)に低脂肪飼料,高脂肪飼料,高脂肪飼料に2%「べにふうき」茶葉または2%「やぶきた」茶葉を添加した飼料を与えて5週間飼育した.2%「べにふうき」茶葉高脂肪飼料を摂取した群は,高脂肪対照群に対し,体重,皮下および内臓脂肪組織重量,血中レプチン濃度が有意に低減した.一方,2%「やぶきた」茶葉高脂肪飼料を摂取した群では有意な抗肥満効果は皮下脂肪組織重量のみで観察され,相対的に抗肥満効果が弱かった.また工業的利用性の高い「べにふうき」熱水抽出エキスを1日1回体重1kg当りのカテキン総量として100mg,50mgおよび25mgを強制経口投与した結果,用量依存的な抗肥満効果が認められた.以上の結果より,「べにふうき」は「やぶきた」よりも強い抗肥満効果を示し,その効果は用量依存的であることが明らかにされた.また,「べにふうき」の強い抗肥満効果は,EGCGよりも吸収性および血中滞留性に優れたEGCG3″Meを始めとするメチル化カテキンが特異的に含まれているためと考えられた.
著者
宗像 昭子 鈴木 利昭 新井 浩之 横井 真由美 深澤 篤 逢坂 公一 松崎 竜児 三浦 明 渡辺 香 森薗 靖子 権 京子 金澤 久美子 宮内 郁枝 鈴木 恵子 久保 和雄 尾澤 勝良 前田 弘美 小篠 榮
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.34, no.13, pp.1525-1533, 2001-12-01
参考文献数
14
被引用文献数
1

今回我々は, 当院で維持血液透析を施行している安定した慢性腎不全患者59名を対象患者として, ベッドサイドにて簡便に使用できるアイスタット・コーポレーション社製ポータブル血液分析器i-STATを用いて, 透析前後で全血イオン化Ca (i-Ca) 濃度を測定し, 血清T-Ca濃度との関係について検討し, 以下の結果を得た.<br>1) 透析前後における血清T-Ca濃度, 全血i-Ca濃度は, それぞれ9.43±0.90→10.54±0.70mg/d<i>l</i> (p<0.05), 1.26±0.10→1.30±0.07mmol/<i>l</i> (p<0.0001) と, いづれも有意な増加を示した. 2) Caイオン化率は, 53.43±0.03→49.55±0.04% (p<0.001) へと透析後有意に低下した. この原因として, 血液pHの変化の影響が考えられ, 血液pHとCaイオン化率との間には明らかな負の関係が認められた. 3) 透析前後における, 血清T-Ca濃度と全血i-Ca濃度の関係について検討したところ, 透析前ではy=7.507x+0.015 (r=0.839; p<0.001) と強い正の相関が認められたが, 透析後においては, 全く相関が認められなかった. この点について, pHならびにAlbを含めた重回帰分析法を用いて検討したところ, T-Ca=3.369×i-Ca+5.117×pH-32.070 (r=0.436, p=0.0052) と良好な結果が得られた. 4) 透析前後の全血i-Ca濃度の測定結果から, 容易に血清T-Ca濃度を換算できるノモグラムならびに換算表を作成した.<br>以上の結果より, ポータブル血液分析器i-STATを用いた, ベッドサイド ("point-of-care") での全血i-Ca濃度の測定とノモグラムの利用は, 透析室においてみられるCa代謝異常に対して, 非常に有用であると考えられる.
著者
大浜 公司 折居 英章 河野 英昭 前田 博 生駒 哲一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第25回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.131, 2009 (Released:2009-12-15)

書類や資料などの文章画像の二値化は,文字認識や古くなった本の電子化のような多くの応用において重要な役割をはたす.しかし劣化した文章画像において,背景と文字を判別することは難しい. 本研究では,そのような劣化した文章画像においてもうまく二値化できる手法を提案する. まず,大まかな背景画像を取得するために元画像にメディアンフィルタを適応する.その背景画像と元画像の差分を取り,背景が除去された画像を得る.さらにその差分画像をローカルに線形変換することで字部分の特徴を大きくし.その画像を二値化することによって劣化部分を取り除いた鮮明な文章画像を得る. 提案手法と四つの既存手法を複数の劣化した文章画像に対して適応し,その有効性を示す.