著者
梶原 健寛 前馬 恵美子 加賀谷 重浩 井上 嘉則 上茶谷 若 梁井 英之 齊藤 満 遠田 浩司
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.629-634, 2011-08-05
参考文献数
22
被引用文献数
1 5

カルボキシメチル化ペンタエチレンヘキサミン(CM-PEHA)を導入したキレート樹脂を用いてAsを分離濃縮することを目的とし,Fe(III)を担持させたCM-PEHA型樹脂を用い,Asの吸着・溶出に関する基礎検討を行った.Fe(III)担持CM-PEHA型樹脂は,As(V)をpH 4 - 6で最大に吸着した.As(III)はほとんど捕集されなかったが,次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いてAs(III)をAs(V)に酸化することにより吸着可能であった.吸着したAs(V)は水酸化ナトリウム溶液を用いることで容易に溶出でき,ICP発光分光分析にて定量可能であった.これらにより,試料水中のAs(V)量,As(III)とAs(V)との合量をそれぞれ求めることが可能であり,これらの差からAs(III)量を求めることでAs(III)とAs(V)とを分別定量できる可能性が示された.本法は,地下水認証標準物質(ES-H-1)に含まれるAsの定量に適用可能であった.
著者
藤田 浩司 松岡 聡 岩前 篤 太田 周彰
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.25, no.60, pp.753-758, 2019-06-20 (Released:2019-06-20)
参考文献数
7

KINDAI University and various enterprises proposed a Zero-Energy-House(ZEH) called “ENEMANE R HOUSE” in ENEMANE HOUSE 2017. A real size house was built in Osaka and its environmental performance was measured in November 2017. This report presents the energy-saving and environmental technology adopted in this house and its effects. The findings show that this house achieved a ZEH status sufficiently and has excellent environmental performance.
著者
前田 富士男
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

画家パウル・クレー(1879-1940)は、その制作論の基礎に形態学的な「生成(Werden)」を掲げた。本研究はまず、その背景に世紀転換期の実験発生学の研究、とくに生物学者ハンス・ドリーシュの新生気論の活動を指摘した。つぎに、19世紀半ばから発展したドイツの生理心理学のエルンスト・ヴェーバーらの研究による体性感覚の「ハプティク(内触覚Haptik)」の様態を検証し、クレーの多種多様な作品も、こうした内触覚的な様態の反映にほかならないことを解明した。
著者
山本 希 三浦 哲 市來 雅啓 青山 裕 筒井 智樹 江本 賢太郎 平原 聡 中山 貴史 鳥本 達矢 大湊 隆雄 渡邉 篤志 安藤 美和子 前田 裕太 松島 健 中元 真美 宮町 凛太郎 大倉 敬宏 吉川 慎 宮町 宏樹 柳澤 宏彰 長門 信也
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

蔵王山は,東北日本弧中央部に位置し宮城県と山形県にまたがる第四紀火山であり,現在の蔵王山の火山活動の中心となる中央蔵王においては,火口湖・御釜周辺での火山泥流を伴う水蒸気噴火など多くの噴火記録が残されている.一方,蔵王山直下では,2011年東北地方太平洋沖地震以後,深部低周波地震の活発化や浅部における長周期地震や火山性微動の発生が認められ,今後の活動に注視が必要であると考えられる.そのため,地震波速度構造や減衰域分布といった将来の火山活動推移予測につながる基礎情報を得るために,「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の一環として,人工地震を用いた構造探査実験を実施した.本人工地震探査は,全国の大学・気象庁あわせて9機関から21名が参加して2015年10月に行われ,2箇所のダイナマイト地中発破 (薬量200kgおよび300kg) によって生じた地震波を132点の臨時観測点 (2Hz地震計・500Hzサンプリング記録) および定常観測点において観測した.測線は,屈折法解析による火山体構造の基礎データの取得およびファン・シューティング法的解析による御釜周辺の地下熱水系の解明を目指し,配置設定を行った.また、地中発破に加え、砕石場における発破も活用し、表面波解析による浅部構造推定の精度向上も目指した.得られた発破記録から,解析の第一段階として,初動到達時刻を手動検測して得られた走時曲線のtime term法解析を行った結果,P波速度5.2~5.5 km/sの基盤が地表下約0.5kmの浅部にまで存在することが明らかとなった.また,本人工地震探査時および2014年に予備観測として行った直線状アレイを用いた表面波の分散性解析の結果も,ごく浅部まで高速度の基盤が存在することを示し,これらの結果は調和的である.一方,ファン状に配置した観測点における発破記録の初動部および後続相のエネルギーを発破点からの方位角毎に求め,御釜・噴気地帯を通過する前後の振幅比から波線に沿った減衰を推定した結果,御釜やや北東の深さ約1km前後に減衰の大きな領域が存在することが示された.中央蔵王においては,これまで主に地質学的手法により山体構造の議論が行われてきており,標高1100m以上の地点においても基盤露出が見られることなどから表層構造が薄い可能性が示唆されてきたが,本人工地震探査の結果はこの地質断面構造とも整合的である.一方で,得られた速度構造は,これまで蔵王山の火山性地震の震源決定に用いられてきた一次元速度構造よりも有意に高速度であり,今後震源分布の再検討が必要である.また,御釜やや北東の噴気地帯直下の減衰域は,長周期地震の震源領域や全磁力繰り返し観測から推定される熱消磁域とほぼ一致し,破砕帯およびそこに介在する熱水等の流体の存在を示唆する.今後のさらなる解析により,震源推定の高精度化など,火山活動および地下流体系の理解向上が期待される.
著者
石堂 康弘 瀬戸口 啓夫 神囿 純一 栫 博則 田中 源幸 廣津 匡隆 藤元 裕介 前田 真吾 河村 一郎 今村 勝行 小宮 節郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.1-4, 2013-03-25 (Released:2013-06-11)
参考文献数
8

セメントレスPCA人工股関節の長期成績について調査した.PCAは近位1/3がビーズによりポーラスコーティングされたアナトミカル型ステムであり,カップも同様にポーラスコーティングされている.1990年から1999年までに手術した最終調査時年齢80未満を対象とした.症例は19例26関節で調査率は83.9%であった.手術時平均年齢は50歳,平均経過観察期間は15年であった.5関節が再置換を受けており,その原因は3関節がカップの弛み,1関節はステムの弛み,1関節は大腿骨骨折であり,感染は無かった.X線学的なインプラント固定性の評価ではカップは8関節がunstable fibrous fixation,ステムは1関節のみunstable implantであった.この機種における15年でのインプラント生存率は75.8%であり,カップのbone ingrowthは不良で,その成績も良好とは言えなかった.
著者
前田 真治 岡崎 健
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.231-236, 1982-07-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
12

従来,慢性関節リウマチ(RA)患者のsystemic index (Lansburyの方法)のgrip strengthを測定する際に成人用水銀血圧計の圧迫帯(cuff)のゴム袋を正確に2回折りたたんだ大きさ8.5×14.0cmのカフを用いて,あらかじめ20mmHgになるように脹らませたものを力一杯握りしめ左右の手で3回試み,その最高値平均をもって握力記載値としていたが,日常外来診察時のような場合は,やや小さめの6.5×14.0cmのカフのような日本人の小さな手に合った大きさを用い,測定間隔を30秒以上あけ,リウマチによる変化を認める手について左右を2回ずつ測定し,その左右各々の最高値,あるいは全体の最高値を測定値とするのが良いと思われた.
著者
前原 正美
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.47, pp.601-620, 2015

本論文では,①豊臣「政権」が公武合体思想に基礎づけられていること,②ゆるぎない豊臣「政権」の構築のために,石田三成は豊臣「家」の構築が不可欠である,と考えたが,秀吉は,秀頼の誕生後,豊臣「家」の一元化を企図したため,かえって豊臣「家」の瓦解の原因をつくってしまったこと,③豊臣「政権」の特質である公武合体思想において,「公」の主たる意味内容は預治思想にもとづく諸大名に対する土地所有権=土地使用権の強化を目指す内容となっていること,したがって豊臣「政権」の主たる政策もまた,土地所有権の改革に主たる比重が占められていること,さらに「武」の主たる意味内容もまた土地問題=領地問題の内容となっていること,そのために秀吉は朝鮮出兵を余儀なくされたこと,④豊臣「政権」は天下人豊臣秀吉と「政権」中枢の石田三成らによって構成されていたが,このことが武力拡大路線(土地=領地の拡大路線)を目指す秀吉派と国内の政治安定を優先する平和路線の石田三成派との政治的対立構図を生みだし,その結果,豊臣「政権」の 分裂の原因を生みだしてしまったこと,⑤全体としていえば,石田三成にとっては,何よりも「大一」の政治思想としての天の視点=「公」の視点に立脚した人生の絶対的視点に立脚した政治を司ることが重要視されていること,を明らかにした。
著者
前原 正美
出版者
中央大学経済研究所 ; 1971-
雑誌
中央大学経済研究所年報 = The annual of the Institute of Economic Research, Chuo University (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.50, pp.169-193, 2018

本論文の目的は,第1に石田三成の旗印「大一大万大吉」には《「愛」の政治思想》が示されており,したがってまたそこには《「愛」の理念》が示されていることを明らかにすること,第2に,三成の旗印「大一大万大吉」に示される《「愛」の政治思想》は《「大一」の政治思想》,《「大万」の政治思想》,《「大吉」の政治思想》という3つに分類して,その具体的内容が示されていること,第3に,三成の《「愛」の政治思想》は,老子の《「陰陽」の政治思想》,聖徳太子の《「和」の政治思想》を継承した《「積善」の政治思想》を発展させた政治思想であるが,そしてまた政治経済思想に関連づけていえば,J. S. ミルの功利主義思想と共通する内容が示されているのであるが,一言でいえば,三成は人間各人は「私」の心を乗り越えて「公」の心=他者や社会に対する「愛」の心を涵養しないかぎり,決して幸福にはなれないこと,いいかえれば人間各人は自分が幸福になるためには,「愛」の心に従って,他者や社会のために自らの生命を役立てて貢献する,という意味での「公共哲学」を有して生きることが極めて重要なことだと天下万民に示したこと,第4に,人生には,《相対的幸福》の視点と《絶対的幸福》の視点の2つの視点に立脚した《幸福の価値観》があるが,人間の幸福は「私」の心に従って,物質的利益(立身出世)の増大を図る生き方から「公」の心=「愛」の心に従って他者や社会の利益の増大を図る生き方への幸福の価値転換が不可欠なのであり,それゆえに三成は,敵と味方,主流派と非主流派といった対立の状況を乗り越えて調和的状態をつくりだすには,「大」=「天」=「神」の心,すなわち「公」の心=「愛」の心をもって天下万民が生きることの重要性を主張したこと,第5に,三成の使命は,秀次事件以後,秀頼の豊臣「家」と豊臣「政権」の構築にあったが,三成はその使命を合議制=連帯制による豊臣「政権」の構築によって武力社会から知力社会への政治的,社会的構造転換によって実現しようと企図したこと,それは同時に知的ネットワークの形成による合議制=連帯制=共同制という特質を帯びた豊臣「政権」に基礎づけられた国家構想であったこと,その実現によって秀頼の豊臣「政権」もまた安泰化となり,天下万民のための天下人の世の実現が達成されてゆくこと,を示してゆくことにある。
著者
前原 正美
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.49, pp.567-616, 2017

本論文では,石田三成の旗印「大一大万大吉」のなかには老子の道教思想の影響が色濃く反映されていることを明らかにする。老子の道教思想に基礎づけられた宇宙論に従えば,宇宙=天上では「太」=北極星=「大」=「天」=「神」が不動の位置を占め,その周辺を「八」の星が動いているが,地上では,この「太」=「大」=「天」=北極星=「神」=「一」と「八」=支持者・補佐役との関係が映し鏡となって反映している。「太」=「大」と同じ意味であり,「太」=「大」は,「天」=「神」を意味する。 聖徳太子(厩戸皇子),皇極天皇(斉明天皇),天智天皇,天武天皇の後を受けた持統天皇,藤原不比等は,地上を支配する「太」=「大」=「天」は,具体的には高天原であり,唯「一」の存在である「神」は天照大神であり,そして「神」=唯「一」の存在は天皇=持統天皇である,と位置づけた。そして「八」とは天皇を支持し補佐する官僚(制度)を意味する,と位置づけた。したがって古代以後の日本では,政治思想=道教思想に基礎づけられた宇宙論,いいかえれば《「九」の政治思想》=《「一」+「八」の政治思想》が継承されてきたのである。 石田三成は,こうした古代における宇宙論=《「九」の政治思想》=《「一」+「八」の政治思想》の伝統を受け継いで,「太」=「大」を「天」=「神」と理解したうえで,①「天」=「神」の意思に命令を受ける唯「一」の存在こそ「天皇」であり,それゆえに「天皇」こそが政治の頂点に立つ存在であること,しかし現実には,「天皇」の代理人としての「為政者」である「一」=天下人が天下国家の政治を運営・指導する存在であること(《「大一」の政治思想》),②したがって「天皇」の代理人としての「一」=「為政者」=天下人=豊臣秀吉は,「公」の政治,つまり天下万民=「公」民のために「愛」の心を降り注ぐ「愛」の政治を司るために「公」家=関白太政大臣となって「天皇」を支えること,同時に「武」家の棟梁として確固たる豊臣「家」を構築し,かつまた強力な「武」力を背景として,「武」家の棟梁として「武家」=天下の諸大名に官位制度を適用し,そうして「公」「武」一体となって「公」家と「武」家との融和=調和を図ること,いいかえれば道教思想に基礎づけられた宇宙論,つまり《「九」の政治思想》=《「一」+「八」の政治思想》を適用した豊臣「政権」の構築を企図した。すなわち《唯「一」の存在=「天皇」とその代理人としての「一」なる「為政者」=天下人豊臣秀吉》+《「八」=基本的な枠組みとして石田三成を中心とした「八」人の支持者・補佐役(側近ブレーン)》から構成される「公」儀=豊臣「政権」=連合「政権」を構築し(《「大万」の政治思想》),③そうして地上のゆるぎない「万」機としての豊臣体制(政治体制)=中央集権国家体制のもとで天下万民のための天下泰平の世の構築の実現を目指したのである(《「大吉」の政治思想》)。 加えて三成は,反戦平和主義,戦争回避主義の立場に立って,日本国内における経済優先主義の主張を展開したのであった。そしてそのために三成は,《「九」の政治思想》=《「一」+「八」の政治思想》に基礎づけて,「一」=天下人豊臣秀吉のもとでの「八」=豊臣「政権」における三成を中心とした武家=諸大名の協力を得ながら,何としても天下万民のための天下泰平の世の構築を実現しようと全身全霊を傾けたのであった。 石田三成における《「大一大万大吉」の政治思想》は《「愛」の政治思想》であるが,それは古代における宇宙論=《「九」の政治思想》=《「一」+「八」の政治思想》の延長線上に位置づけられるのであった。その意味で三成の天下国家論=中央集権国家論=公武合体論は,古代国家論の再編を目指したのである。
著者
板谷 知明 岩前 伸幸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4K3J1305, 2019 (Released:2019-06-01)

海上工事において,作業船による施工を行う際,波高が高いと施工の実施が困難な場合がある.本研究では,畳み込みニューラルネットワークを用いた波浪予測手法を開発し,観測データを用いて検証を行った.ある時刻の気象数値予報モデルの面的なデータを入力とし,その時刻から0,6,12,24時間後のある地点の有義波高を別々のネットワークで予測した.入力データは,前処理によって海面更正気圧pと風速u,vの3チャネルの画像データとした.RMSE及び1.0m以上の波の検出率についての再現率と適合率を用いて評価を行ったところ,0,6時間後よりも12,24時間後の波浪予測モデルの精度の方が高かった.
著者
前田 吉昭 森吉 仁志 佐古 彰史 栗原 将人 井関 裕康 小谷 元子 綿村 哲 大森 英樹 池田 薫 勝良 健史 亀谷 幸生 坂内 健一
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

数論、代数幾何学、微分幾何学、トポロジー、それに数理物理、素粒子論を中心として、非可換な対象物を扱い、新しい幾何学の流れを構築することを目標に置いている。本研究の特徴は、基軸となる研究である変形量子化問題と非可換幾何学を推進し、これによる微分幾何学の非可換化(量子化)手法を確立させ、それを発展させるというまったく新しい立場からの研究を行うことにある。特に、Non-formal deformation quantizationの手法を用いて、数学および素粒子物理学との融合研究を進め、この分野の国際的なネットワークを構築することを目的としている。
著者
竹崎 あかね 前山 薫 朱 成敏 武田 英明 吉田 智一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1F4OS17b01, 2019 (Released:2019-06-01)

作付計画の際に複数作物の経営指標を比較検討する場面を想定し,農作業基本オントロジー(AAO)を共通語彙に利用した作業時間分析を提案した.農業経営指標の作業時間は,データ名を変換しないと野菜栽培体系間で比較ができなかった.AAOに対応付けて作業時間を集計することで,データ名を変更せずに,作業目的や旬別による野菜栽培体系間の比較が可能になること,AAOの下位階層で集計すれば具体的作業の比較も可能になること,AAOに対応づけた他の基準での比較も可能であることを確認し,作業時間の分析が簡便化すると結論づけた.
著者
中山 雅博 吉村 知倫 芦澤 圭 中馬越 真理子 廣瀬 由紀 星野 朝文 西村 文吾 田中 秀峰 上前泊 功 田渕 経司 大久保 英樹 高橋 和彦 和田 哲郎 原 晃
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.56, no.Supplement1, pp.s113-s117, 2013-03-05 (Released:2014-03-05)
参考文献数
6

2002年1月から2011年12月までの10年間に当科において初回手術を施行した甲状腺腫瘍38例につき臨床的検討をした。性差は女性に多く, 男女とも50歳代, 60歳代に多かった。組織型は良性11例, 悪性27例であった。良性は全例が腺腫様甲状腺腫で, 悪性は乳頭癌が24例, 低分化癌が2例, 未分化癌が1例であった。主訴は頸部腫瘤が最も多く, 嗄声, 咽喉頭異常感と続いた。手術は良性では葉峡切除を, 悪性では総合的判断により全摘, 亜全摘, 葉峡切除を施行した。頸部リンパ節郭清は気管傍リンパ節と気管前リンパ節の郭清は悪性腫瘍の全例に行った。治療成績は未分化癌の1症例の死亡例以外は, 現在まで生存している。再発症例は6例あった。
著者
鳥塚 尚樹 羽毛田 真弓 橋口 晃一 前川 竜也 渡辺 仁 金子 吉史 新田 浩之 浜田 淳 榊原 雄太 佐藤 玄 佐藤 耕一 諏訪 浩一 高見 清佳
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.45, pp.P-93, 2018

<p> 2017年8月,FDA Data Standards Catalog v4.6にSEND Implementation Guide ver. 3.1(以下,IG 3.1)が収載され,2019年3月15日以降開始の試験はNDA/BLA申請時にIG 3.1準拠のSENDデータ提出が義務化された。IG 3.1の対象試験には心血管系及び呼吸系安全性薬理試験が含まれるため,それらのSEND対応はCJUG SENDチームの最重要課題の一つと考えられた。そこで,ITベンダー,ソリューションプロバイダ,非臨床試験CRO,製薬企業が所属するCJUG SENDチームの全27施設を対象に,安全性薬理試験のSEND対応状況及び想定される課題等に関するアンケートを実施し,匿名で回答を収集して分析した。</p><p> その結果,ほぼ全ての施設が安全性薬理試験のSEND対応への必要性を認識している一方,IG 3.1の詳細把握から具体的な業務手順の整備等の体制構築を進めている施設は少数のみであった。今後の対応方針を業種別にみると,製薬企業の多くは外注での対応を想定し,受託側のソリューションプロバイダ及びCROは自社対応やパートナリングで積極的にSENDデータ作成受託を進めようとしている傾向が示された。また,機器からの印刷物や手書きの記録を安全性薬理試験の生データとしている施設も依然多く,データの電子化自体が安全性薬理試験SEND対応の大きな課題であることが明らかとなった。さらに,SENDデータセット作成・検証の担当者に安全性薬理研究者の配置を想定している企業は少なく,統制用語の適切な利用など,安全性薬理試験SEND対応のプロセスに専門家がどう関与すべきかという潜在的な課題も見出された。本発表では調査内容を更に精査し,安全性薬理試験SEND対応の課題及び今後のデータセット作成に有用な情報を提供したい。</p>