著者
前田 直典
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.62-91, 1948-10
著者
久木元 由紀子 藤重 仁子 外村 晴美 五十嵐 淳介 前田 薫
出版者
森ノ宮医療大学 紀要編集部会
雑誌
森ノ宮医療大学紀要 = Bulletin of Morinomiya University of Medical Sciences
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-14, 2019-03-20

現在欧米で一般的に実践されている現代ヨガは、アーサナと呼ばれる身体的ポーズに力点をおいたもので、それに体の姿勢、呼吸法、そして瞑想を組み合わせた健康やフィットネスを目的とするエクササイズであり、また補完代替医療(Complementary and Alternative Medicine:CAM)の一療法とも位置づけされるのが一般的になっている。その医学的有効性についての期待も高まっていることから、本研究では、現代ヨガと補完医療における位置付けについて、心疾患・肥満・乳がんの医学的有効性について、エビデンスをレビューしたので紹介する。結果として、ヨガによって生活習慣を改善すると心疾患のリスク因子を低減できる可能性が高いこと、過体重者ではヨガの定期的な実施と体重増加の緩和が関連していること、乳がんサバイバーにおいて不安・うつ・QOLにおいて効果があることなどが示唆された。しかし、それらの効果が運動そのものによる効果なのかヨガに特異的な効果なのかについては明らかにされていないため、今後のさらなる検証を期待したい。
著者
前納 玲 松本 正生
出版者
埼玉大学社会調査研究センター
雑誌
政策と調査 (ISSN:2186411X)
巻号頁・発行日
no.16, pp.61-72, 2019

(株)グリーン・シップは,「寄付型ショートメール調査」と名付けた独自方式の調査を2018 年4 月から毎月実施している。この調査は対象者のスマートフォンに架電し,調査への協力意思を確認した後,ショートメール(SMS)を送信する。架電対象をスマートフォンに限定しているのは,若年層にとって最も身近な通信デバイスだからである。また,現行の世論調査や情勢調査に代わる新方式を開発するための実験的な試みでもある。Since April 2018, Green Ship Co., Ltd., has performed a monthly survey using an original method referred to as “donation-type SMS survey”. To conduct the survey, the company calls potential respondents on their smartphones to confirm their participation and then sends the survey via SMS. The company only calls participants with smartphones in order to target the younger demographic. The survey is also an experiment in developing a new method to replace current opinion polls and attitude surveys.
著者
田中 ゆかり 林 直樹 前田 忠彦 相澤 正夫 Yukari TANAKA Naoki HAYASHI Tadahiko MAEDA Masao AIZAWA
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 = NINJAL research papers (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.117-145, 2016-07

日本大学日本大学統計数理研究所国立国語研究所 時空間変異研究系2015年8月に実施した,全国に居住する20歳以上の男女約1万人から回答を得たWeb調査に基づく最新の全国方言意識調査の概要と「方言・共通語意識」項目についての報告,ならびにその結果を用いた地域類型の提案を行う。「方言・共通語意識」項目は,「生育地に方言はあると思うか」「生育地の方言は好きか」「共通語は好きか」「ふだんの生活における共通語と方言を使う割合はどのくらいか」「ふだんの生活において共通語と方言の使い分けをしているか」「場面(相手)により生育地方言をどの程度使うか」の6項目である。これらについて,回答者の生育地と年代,生育地の生え抜きか否かに注目した分析を行った。その上でこの6項目の相互の関係から,12の地域は大きく7タイプ(首都圏・北海道/東北/北関東・甲信越・東海/近畿・中国/九州/北陸・四国/沖縄),細かく9タイプ(首都圏・北海道/東北/北関東/甲信越/東海/近畿・中国/九州/北陸・四国/沖縄)に分類された。
著者
大前 由紀雄 安達 仁 磯田 幸秀 前川 仁 北川 洋子 唐帆 健浩 田部 哲也 北原 哲
出版者
Japanese Society of Otorhinolaryngology-Head and neck surgery
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.109, no.7, pp.594-599, 2006-07-20 (Released:2008-12-25)
参考文献数
12
被引用文献数
12 13

気管切開は,呼吸や下気道の管理を容易にすることはあっても嚥下機能にとっては負の要因となる.著者らは,気管切開に伴う呼気流の変化が喉頭腔に流入する食塊や分泌物の処理能力の低下に繋がり,経口摂食への導入を困難にする一因になると考えてきた.このため,気管切開症例にはスピーチバルブの装着を進め経口摂食への導入を試みてきた.今回は,喉頭腔への分泌物の貯留状態を喉頭クリアランスと定義しスピーチバルブ装着に伴う嚥下機能の変化を検討した.対象は,嚥下訓練の過程でスピーチバルブを装着した16症例で,スピーチバルブの装着前後の嚥下機能と経口摂食確立の成否との関連を検討した.初診時の喉頭クリアランスは全例で低下し,14例に喉頭流入を認めた.スピーチバルブ装着後は,喉頭クリアランスと喉頭流入の改善を有意に認めたが,咽頭期の嚥下出力自体には有意な変化を認めなかった.一方,経口摂食の成否は,喉頭挙上障害および喉頭流入•誤嚥の有無が有意に相関した.気管切開孔の造設による呼気流の変化は喉頭クリアランスの低下や喉頭流入の原因となり経口摂食導入への大きな阻害因子となる.こうした病態では,可能な限り呼気を喉頭腔に導き喉頭クリアランスの改善を目指すことが経口摂食導入に向けて大きな一助になる.
著者
長谷川 功 前川 光司
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.432-434, 2008-05-15
被引用文献数
2 5

北海道千歳川支流の紋別川には,本流と支流にそれぞれ堰堤があり,その下流側では,在来種アメマスから外来種ブラウントラウトへの置換が報告されている。一方,堰堤上流側では,ブラウントラウトは確認されていなかった。しかし2004年秋から2005年春の間に本流の堰堤が決壊し,堰堤上流側へのブラウントラウトの侵入が確認された。今後,堰堤上流側のアメマス個体群へのブラウントラウトの影響が懸念される。
著者
山本 浩二郎 前田 晃佑 原口 珠実 里岡 達哉 青山 瑛里子 横山 靖法 草薙 みか 大里 恭章
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.588-592, 2021-08-31 (Released:2021-08-31)
参考文献数
11

薬剤による重篤な有害事象の発生頻度は低く,患者の症状の変化が薬剤性であることを疑うには薬剤師の積極的な介入が有効である。薬剤による有害事象の1つである血管性浮腫は,舌・咽頭に発生すると気道閉塞を起こし重篤な転帰を招く可能性がある。八尾徳洲会総合病院(以下,当院と略す)では集中治療室(intensive care unit,以下ICUと略す)に薬剤師を配置し重症患者の薬物治療管理を行っている。今回われわれは急性の舌・咽頭浮腫により気道閉塞をきたし救急搬送された症例に対して,ICU常駐薬剤師が薬剤性を疑い,医師へ発症機序の説明,代替薬や必要な検査提案など積極的治療介入により診断に結びついた症例を経験したため報告する。また,ICUにおいて薬剤師が介入することで薬剤性の有害事象に関する情報提供をリアルタイムに行うなど,医師の診断と治療方針に大いに貢献し,救急・集中治療の充実を図ったので併せて報告する。
著者
前川 文夫
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.715-716, pp.7-10, 1948 (Released:2007-06-18)
参考文献数
2
被引用文献数
2 3

Orixa japonica i hunb. (Rutaceae), Lagerostroêmia indica L. (Lythraceae) and Berchemiella berchemiaefolia Nakai(Rhamnaceae)have peculiar alternate leaf arrangements, in which every two leaves combine to alternate on branches. It is an intermediate type of phyllotaxis, induced from the decussate type through the longitudinal dispersion between two members of each opposite pairs, instead of the change of orthostichy, and I call it Orixate Type (Folia orixata) after the genus name Orixa.By the connection of this intermediate type, one of the tendency in phyllotaxis of dicotyledoneous plants will be formulated as follows:-(1) Decussate type-(through longitudinal dispersion)→(2) Orixate type-(through oligomery)→(3) Distichous type-(through horizontal dislocation i. e. spirality)→Quincuncial type.
著者
前馬 優策
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.229-250, 2011-06-10 (Released:2014-06-03)
参考文献数
25
被引用文献数
4

本稿の目的は,バーンスティンの言語コード論の視点から,二つの課題に対して考察することである。第一に,子どもたちに言語運用上の傾向性の差異はあるのかということ。第二に,異なる言語コードを規定する環境的要因について考察することである。 本稿では,まず,本稿で用いる主要な概念である言語コード論について概略する。次に,調査の概要を示し,そのうえで子どもの用いる言語コードの違いが言語運用にどう表出するのかを明らかにする。そして,子どもたちの有する言語コードの違いを規定する環境的要因について検討を行う。 具体的には,小学校1年生に対する「物語作り」調査を行い,そこでみられる言語運用と家庭環境の関連について分析を行った。その際,文脈依存性の観点から,日本語に特徴的に表れる主語や格助詞の省略に着目した。 その結果,二つの主な知見が得られた。まず,主語を省略する傾向にある精密コードを有していない子どもは,発話開始までに時間を要する傾向があることを示した。 本稿で示したもう一つの知見は,精密コードの獲得が,親の職業,家族構成によって左右されるというものであった。この点に関して,精密コードを用いた人格的統制様式が,ホワイトカラー層においてさらに強化されている可能性を指摘した。また,家族構成の違いによる獲得コードの違いから,彼らの家庭では,精密コードの獲得機会が相対的に少ないという可能性も指摘した。
著者
小川 秀幸 西尾 尚倫 牧野 諒平 越前谷 友樹 大塚 三和子 中野 克己
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
pp.20048, (Released:2021-06-26)
参考文献数
23

目的:回復期脳卒中患者における下肢装具による医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)に関連する要因を検討すること.方法:研究デザインは後ろ向きコホート研究とした.対象は回復期リハビリテーション病棟入棟中に下肢装具を作製した脳卒中患者95名とした.調査項目は,基本属性,入棟時のBrunnstrom Recovery Stage,感覚障害の有無,半側空間無視の有無,入棟時と退院時のFunctional Independence Measureとした.メインアウトカムであるMDRPUの発生は,National Pressure Ulcer Advisory Panel分類ステージⅠ以上とした.統計解析では,MDRPUの発生あり群となし群に分けて群間比較を実施し,多重ロジスティック回帰分析を行った.変数の選択には,尤度比検定による変数増加法を用いた.結果:MDRPUの発生要因として抽出されたのは,年齢(オッズ比=1.05,95%信頼区間:1.01~1.10,p<0.05)と,入棟時感覚障害の有無(オッズ比=5.17,95%信頼区間:1.39~19.28,p<0.05)であった.結論:回復期入棟時に若年層で感覚障害を有する場合は,下肢装具によるMDRPU発生の危険性が高く注意が必要であることが示唆された.
著者
前田 晃史
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究学会誌 = Japanese Society of Human Caring Research (ISSN:21872813)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.25-32, 2014-09-30

本研究は、院内トリアージシステム導入後、成人自己来院患者のトリアージの現状と課題を明らかにすることを目的とし、救急外来を受診した511 症例とこれらをトリアージしたトリアージナース19 名のトリアージ結果を事後検証した。未トリアージ数は、受診患者数と相関があり、煩雑時に増加していたため、マンパワー不足により発生している可能性があった。アンダートリアージは、トリアージナースの看護師経験年数や救急外来経験年数、救急関連の研修受講と相関はなく、それ以外の要因と関連していた。アンダートリアージが多かったのは、緊急群の全身性炎症反応症候群(Systemic Inflammatory Response Syndrome:以下SIRS とする)患者、トリアージナースがバイタルサイン値を優先してトリアージを行った場合であった。 今後、未トリアージの減少には、適切な人員配置や煩雑時に使用できるSimple Triage Scale の作成の検討が必要である。また、アンダートリアージの減少には、バイタルサインでのトリアージレベル決定の留意点やSIRS の勉強会を行う必要がある。
著者
永野 達也 伊関 憲 仁木 敬夫 杉浦 明日美 二藤部 丈司 川前 金幸
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.207-210, 2010-04-01 (Released:2010-10-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1

アナフィラキシーショックからの蘇生治療に難渋し心肺停止に至った1症例を経験した。症例は65歳の男性。ハチに刺されショック状態となり,当院救急部に搬送された。7ヵ月前に急性心筋梗塞の既往があり,β遮断薬を内服していた。アナフィラキシーショックに対してエピネフリンの筋注や静注を行ったが治療に反応せず,心静止となった。心肺蘇生とエピネフリンの追加投与により自己心拍が再開し,2ヵ月後に独歩退院した。本症例では心肺停止の原因として,ハチ毒による冠血管攣縮と,β遮断薬の内服がアナフィラキシーに対するエピネフリン治療に影響を及ぼした,という2つの病態が考えられた。β遮断薬内服中の患者がアナフィラキシーショックに至った場合には,通常の2~5倍量のエピネフリン投与が必要であると言われている。
著者
前田 幸男
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1_12-1_36, 2014 (Released:2017-07-01)
参考文献数
35

Who claims to know “the will of the people” and what are those claims based on? Invocations of “the will of the people” play a much larger role in contemporary public discourses in Japan than in the preceding decades. In this paper, rather than trying to define the popular will in the abstract, the author compiles and examines newspaper articles dating from the Meiji period to the present day with “the will of the people” in their headlines. This historical survey reveals that the contexts in which “the will of the people” is discussed has changed and diversified over time. While the popular will is mostly evoked during national elections, an increasing number of news items refer to public opinion polling and local referendums as important vehicles through which “the will of the people” is expressed. The emergence of these new contexts has changed the power balance between politicians, journalists, and ordinary people regarding who has the authority to present their interpretations of the public's aspirations.
著者
前田 弘
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.524-530, 1989

1987年クリスマスイブに,新しいBi-Sr-Ca-Cu-O系高温超伝導体がこの世に現れた.この物質は,超伝導遷移温度, <i>T</i><sub>c</sub>が初めて100Kの大台を超えたため,応用的観点から多くの注目を集めた.と同時に,超伝導を支配するCu-O面を積み重ね,その枚数を増やすことによって処を上昇させることが可能となる,という高温超伝導発現機構に関する理論的展開にも新しい知見を与えたといえよう.さらにこの発見は,当時漂いかけていた「Y-Ba-Cu-O系以上の高温超伝導体はもうないのではないか」という暗雲を払いのけるとともに,「まだまだ高温超伝導体はあるよ」という希望と勇気を多くの人に与えたように思われる.本稿では,この発見に至った経緯とそれに関連して研究に対する考え方,取り組み方について私見を述べる.
著者
畑田 惣一郎 前田 直樹 吉牟田 直孝
出版者
九州保健福祉大学大学院社会福祉学研究科
雑誌
最新社会福祉学研究 = Progress in Social Welfare Research (ISSN:18809545)
巻号頁・発行日
no.14, pp.45-53, 2019-03-31

気分障害や神経症性障害により,就労能力のある多くの患者が休職や退職に至ることは,深刻な社会問題である.本研究の目的は,(1)気分障害と神経症性障害に罹患した労働世代の就労状況および生活実態を把握すること,(2)対象者の就学期の体験および家族歴を分析し,就学者と無職者間の心理社会的問題の違いを検討することである.精神科病院の患者133名のカルテより後方視的調査を行った結果,「無職」が3割であり,低収入層もおよそ3割と推測された.また,睡眠障害や消化器症状といった身体症状は,就労に関わらず多くの者が抱えていた.就労実態の違いが生じる要因分析では,無職において転校・不登校経験,未婚・離婚歴がそれぞれ有意に多かった.このような労働世代の精神障害者に対する支援を行う際は,治療と並行して就労支援を行い,就学期から継続する心理的問題や,家族環境も視野に入れた心理・社会的アプローチが重要である.