著者
菅原 ますみ 八木下 暁子 詫摩 紀子 小泉 智恵 瀬地山 葉矢 菅原 健介 北村 俊則
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.129-140, 2002-06-30
被引用文献数
11

本研究は,夫婦間の愛情関係が家族機能と親の養育態度を媒介として児童期の子どもの抑うつ傾向と関連するかどうかを検討することを目的として実施された。313世帯の父親,母親および子ども(平均10.25歳)を対象に郵送による質問紙調査を実施し,両親回答による夫婦関係と養育態度,および家庭の雰囲気と家族の凝集性,子どもの自己記入による抑うつ傾向を測定した。配偶者間の愛情関係と子どもの抑うつ傾向との間に相関は見られなかったが,家庭の雰囲気や家族の凝集性といった家族機能変数を媒介として投入した結果,両親間の愛情の強固さと家族機能の良好さが,また家族機能の良好さと子どもの抑うつ傾向とが関連することが明らかになった。また同時に,配偶者間の愛情関係は親自身の養育態度とも関連し,相手への愛情の強さと子どもに対する態度の暖かさや過干渉的態度との間に有意な関係が見られた。しかし,こうした養育態度のうち,子どもの抑うつの低さと関連が認められたのは,母親の養育の暖かさのみであり,父親の養育態度は子どもの抑うつ傾向とは関連しなかった。
著者
大滝 純司 水嶋 春朔 北村 聖 加我 君孝 前沢 政次
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

昨年度までの研究活動に引き続き、以下の研究活動を行った。1.一次調査の結果を発表昨年度に実施したFGI調査の分析結果をまとめて、日本医学教育学会で発表した。2.二次調査の計画立案昨年度までの調査結果をもとに、二次調査として、全国規模のアンケート調査(多施設調査)を計画した。(1)調査対象の種類と数の検討研究班内で議論し、最終的に国内の研修病院(10カ所程度)の通院患者を調査対象に定めた。(2)調査対象者選定方法の検討調査対象病院の選定方法(層別など)について、資料を収集し研究班内で検討した。(3)質問紙原案の作成昨年度までの調査結果を参考にしながら、二次調査で用いる質問項目を検討し、質問紙の原案を試作した。(4)倫理審査二次調査に関する倫理面の審査を筑波大学の審査委員会に申請し承認を得た。3.質問紙原案による予備調査の実施試作した質問紙原案を用いて、某病院の内科外来患者を対象に予備調査を実施した。実施した結果を分析して質問紙を改良した。また、調査の運営方法などに関しても、この予備調査の経験をもとに再検討した。4.二次調査の実施調査対象病院の候補を選定し、調査への協力を依頼した。了承が得られた病院の内科外来患者を対象に、改良した質問紙を用い、対象者の同意を得て、二次調査を実施した。全体で10病院の521名から回答が得られた。5.二次調査の集計と分析、報告書の作成二次調査の結果を集計・分析し考察を加え、報告書を作成した。
著者
北村 四郎
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, 1962-05-30
著者
北村 征生 西村 修一
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.53-58, 1980-04-30

暖地型マメ科7草種について,5段階の昼夜恒温条件(15,20,25,30,および35℃)の下で,乾物重,窒素固定能(アセチレン還元量)および根粒形成状態を比較し,それぞれの草種について,生育および窒素固定の適温域を探った。供試草種は,Styrosanthes humilis cv. Townsville(タウンズビルスタイロ),Trifolium semipilosum cv. Safari(サファリクローバ),Desmodium intortum cv. Greenleaf(グリーンリーフデズモデイウム),Marcroptilium atr opur pur eum cv. Siratro(サイラトロ),Lotononis bainesii cv. Miles(マイルズロトノニス),Clycine wightii cv. Cooper(クーパーグライシニ)およびLeucaena leucocephala(ギンネム)の7種である。結果:1)乾物収量について,暖地型マメ科草は20および30℃で最大値を示す2群に大別された。前者にはマイルズロトノニス,サファリクローバ,およびクーパーグライシニ,後者にはギンネム,サイラトロ,タウンズビルスタイロ,およびグリーンリーフデズモデイウムが属した。2)窒素固定能力に関しては,30,25,および20℃で最大値を示す3群に大別できた。30℃にはタウンズビルスタイロ,25℃にはグリーンリーフデズモデイウムとサイラトロ,20℃には残り4草種が属し,その適温域は乾物生産の場合よりも低く,狭かった。3)根粒の形成におよぼす温度の影響は,乾物の場合とほぼ同じ傾向を示したが,根粒の活力については,サファリクローバとマイルズロトノニスが20℃,残りの5草種が25℃で最大値を示す2群に大別できた。以上の結果を総合的に考察して,乾物生産と窒素固定の適温域の総合としての生育適温域について,暖地型マメ科草は高温および低温の2つの温域を生育適温域とする2群に大別することができるが,窒素固定よりも乾物生産の適温域の影響が大きいと結論された。
著者
北村 順平 青野 雅樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.113, pp.45-50, 2008-11-19

ウェブスパムでは、より多くのトラフィックを集めることを目的に様々なスパミング手法が用いられている。ウェブの専門家がウェプスパムを識別することは不可能ではないが、膨大な数のウェブスパムを 1 つ 1 つ識別することは非現実的である。そこで我々は、機械学習を用いることで半自動的にウェブスパムを検出する手法を提案した。本手法では訓練用のウェブサイトとテスト用のウェプサイト間の類似度を求めることでウェブスパムの検出を行う。類似度は KNN と SVM を組み合わせた SVM-KNN を拡張したものを用いた。WEBSPAM-UK2007 データセット [1] を用いて本手法の評価を行った結果、効率的にウェブスパムを検出できることを確認した。Web spams use many kind of techniques to achieve more traffic from search engines. A web specialist can identify a webspam from websites but it's a distant idea to identify all webspams from a huge number of websites. We propose a method which can semi-automatically detect webspams by applying machine learning techniques. Our method uses similarity of websites to detect webspams. Similarities are determined by KNN, SVM and SVM-KNM. Experimental results on WEBSPAM-UK2007 datasets [1] show that we can efficiently identify webspams.
著者
此松 昌彦 中村 太和 北村 元成 今西 武 篠崎 正博
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会梗概集
巻号頁・発行日
no.23, pp.39-40, 2008-11

In this study, It proposed four kinds as a rescue signature for the helicopter. In the disaster in the future, a lot of isolation villages in the ravine region and the coast region are assumed. The helicopter is used there for the information gathering. Then, it proposed the medical treatment necessary signature, the dead signature, the needed rescue signature, and the needed eating and drinking signature as a rescue signature. The needed medical treatment signature made it correspond to the color of the triage tag.
著者
井坂 茂夫 岡野 達弥 島崎 淳 村上 信之 原 徹 片海 七郎 吉田 豊彦 長山 忠男 和田 隆弘 北村 温 香村 衡一 石川 堯夫 外間 孝夫 座間 秀一 佐藤 信夫 小寺 重行 川地 義雄 並木 徳重郎 梶本 伸一 伊藤 晴夫 皆川 秀夫 高岸 秀俊 村山 直人 真鍋 溥
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.83, no.10, pp.1662-1667, 1992-10-20
被引用文献数
4

日本において近年腎細胞癌患者数が増加してきていることが言われているが,人口動態の変化をもとにした発症率に関して最近の実情を報告したものはほとんどない.人口約500万人,手術設備のある25の泌尿器科を有する千葉県において,過去10年間の腎細胞癌患者の実態を調査した.郵送アンケート方式にて組織学的に確認された症例について検討した.調査項目は,性別,年齢,住所,職業,症状,発見のきっかけとなった検査法,手術日,腫瘍径,臨床病期などであった.22の施設から回答が得られ,1980年から1989年までの間に千葉県在住で560例が報告された.年間10万人当たりの発症率は10年間で0.32から2.07へと増加した.小さくて無症状かつlow stageの癌が急激に増加しつつあることが判明したが,転移病期のものの減少は認められなかった.腎細胞癌増加の主体は診断方法の発達による早期診断症例の増加であると考えられたが,なんらかの発癌因子が関与している可能性も否定できなかった.
著者
高野 敦子 池奥 渉太 北村 泰彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.322-332, 2009 (Released:2009-04-16)
参考文献数
11
被引用文献数
2

Recently, the role of reputation information in on-line discussion groups and review sites has received much attention, and that has spurred a great deal of research on sentiment analysis of web documents. It is well known that collecting sentiment expressions, which tend to be domain-dependent, is useful for sentiment analysis. However, it can be prohibitively costly to manually collect expressions for each domain. The purpose of this paper is to propose an automatic method to acquire sentiment expressions on a specific subject from web documents. Our approach is based on a characteristic of sentiment expressions that often appear with their sentiment causes and both of them have cause-and-effect relationships. We develop a technique for recognizing cause-and-effect relationships between sentiment expressions and their sentiment causes using the results of dependency structure analysis. The proposed method uses this technique to extract sentiment causes starting from a small set of seed sentiment expressions, and extracts sentiment expressions from a set of sentiment causes. To evaluate this work, we conducted experiments using discussion board messages about hotels and sweets. The results demonstrate that the proposed method effectively extract diversified sentiment expressions relevant to each domain and possesses adequate precision. Precision is also found to be better for compound sentiment expressions.
著者
片山 裕之 北村 寿宏 高橋 一郎
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.122-126, 2005-01-01

Iron making by Tatara at Oku-Izumo developed from reopening in 1638 after prohibition of operation to becoming the center of iron production in Japan in the end of Edo era The history of its management was studied from the stand point of countermeasure to environmental and economic problems, and quality of the product, In order to get the hints for the future iron and steel making (1) Managers of tatara at Oku-Izumo held concurrently the manager of agriculture, forest and stock farming As the results of the all-round management, social system of circulation was established under cooperation with the administration (2)The change of Tatara operation from 4 to 3 d in the first half of 19th century was trial and error for economical production system, and fixing of 3 d operation was interpreted as the flexible production system (3) Superiority of Kera produced by Tatara process as the material for production of sword by forging was originated in un-uniformity This suggests that conception surpassing the optimum of partial process is valid for cost down of quality assurance and the creation added value of the product in modern iron and steel making
著者
片山 裕之 北村 寿宏 高橋 一郎
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.122-126, 2005-01-01
参考文献数
16
被引用文献数
1

Iron making by Tatara at Oku-Izumo developed from reopening in 1638 after prohibition of operation to becoming the center of iron production in Japan in the end of Edo era. The history of its management was studied from the stand point of countermeasure to environmental and economic problems, and quality of the product, in order to get the hints for the future iron and steel making.<BR>(1) Managers of tatara at Oku-Izumo held concurrently the manager of agriculture, forest and stock farming. As the results of the all-round management, social system of circulation was established, under cooperation with the administration.<BR>(2) The change of Tatara operation from 4 to 3 d in the first half of 19th century was trial and error for economical production system, and fixing of 3 d operation was interpreted as the flexible production system.<BR>(3) Superiority of Kera produced by Tatara process as the material for production of sword by forging was originated in un-uniformity. This suggests that conception surpassing the optimum of partial process is valid for cost down of quality assurance and the creation added value of the product in modern iron and steel making.
著者
北村 泰彦 河本 健作 川崎 琢磨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.325, pp.51-56, 2008-11-20

情報通信技術は現代社会に深く浸透しているが,利便性の一方で,その障害によって大きな社会問題を引き起こすこともある.このような問題に対処する一つの枠組は,人工物と人間利用者がうまく共存できる共生コンピューティングであると考えている.本稿では共生コンピューティングへの一つのアプローチとして,人工物であるエージェントと人間利用者が協調して,Webコンテンツを作り上げるSemantic Wikiを取り上げる.Semantic Wikiのプロトタイプとして開発したKawa Wikiと,コンテンツの整合性維持の機能ついて議論する.
著者
北村 友人
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.393-404[含 英語文要旨], 2008-12

教育政策をはじめとする公共政策の形成過程において実証的なデータの重要性がますます高まっている。そうしたなか、本稿では、とくに開発途上国における教育政策評価を行うために、いかなる教育指標が開発され、それらがどのように活用されているのかについて検討を加える。途上国の教育政策を評価する際には、「途上国における教育政策の実効性」と「途上国に対する教育開発援助の効果」を評価することが求められている。いずれの観点からの分析においても、国際的に比較可能な教育指標にもとづく評価が重要であると広く認識されているが、実際の評価では必ずしも十分に教育指標が活用されているわけではない。とくに本稿では、国際的な教育開発援助のイニシアティブであるEFAファスト・トラック・イニシアティブ(FTI)を事例として取り上げ、国際社会による途上国支援という文脈において教育指標にもとづく評価が必ずしも明確な基準にもとづいて行われているとは言えない現状を明らかにしている。