著者
北村 勇也 岡 誠
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.16, pp.1-6, 2011-03-10

折り紙に不慣れなユーザが、初見の教本と折り紙を見比べながら折り進めるのは困難である。そこで AR マーカを印刷した折り紙に拡張現実 (AR) を用いたアニメーションを重ねて表示することで、誰でも迷わずに折れる折り紙の製作指導支援システムを実装した。また、評価実験により支援システムの有用性を検証した。A user unfamiliar to origami can not compare the origami with textbook of the first look.We implemented the origami tutoring system that displayed the CG animation at the origami which was printed AR marker.We performed evaluation experiments and inspected the usefulness of the system.
著者
井ノ口 馨 岡田 大助 大川 宜昭 鈴木 章円 Shehata Mohammad 鈴木 玲子 西園 啓文 野本 真順 横瀬 淳 村山 絵美 趙 埼 北村 貴司
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

「記憶のアップデート機構」は知識の形成を通じて精神活動の基盤となる。記憶のアップデートは記憶同士の連合により行われるが、そのセルアセンブリレベルのメカニズムは不明であった。本研究では、二つの記憶情報が連合する回路レベルのメカニズムを明らかにするために、(1)CS-US連合(2)行動タグ(3)高次の連合のそれぞれについて、記憶が連合(相互作用)するセルアセンブリレベルのメカニズムを解析した。その結果、記憶が連合(相互作用)する際には、それぞれの記憶の対応する神経細胞集団の同期活動によるオーバーラップが重要な役割を担っていることが示され、記憶がアップデートされる脳内メカニズムが明らかとなった。
著者
北村 光子
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.345-355, 2001

本研究は、介護老人保健施設の施設職員を対象に職務内容や専門性、また同僚・上司における信頼関係からくるケアへの影響や施設職員の職務内容に対する理解度が障害高齢者のケアにどのような影響を及ぼしているのかについて考察した。考察のまとめとして、施設職員の職務内容における満足度は心理的ギャップとの相互作用による関係形成から、障害高齢者のケアのあり方を現実にある客観的事実としての環境的諸問題を明らかにし、施設職員の心理的ギャップを考慮しながら前向きに検討していくことが求められると示唆された。
著者
横尾 真 北村 泰彦
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.379-387, 1997-07-15
被引用文献数
8

複数のエージェントが1つの問題を並行して解く協調探索において,進化的計算における淘汰と同様なアイデアを用いてエージェント間の競争を導入したアルゴリズムを開発した.本アルゴリズムでは,状態空間探索問題を解くマルチエージェントReal-Time A^*アルゴリズムにおいて,複数のエージェントが定期的に適合度に応じて確率的に次世代の子を作る.適合度はエージェントの現在位置の評価値によって決定され,より良い評価値を持つエージェントが次の世代により多くの子を残せる.この方法により,有望な経路に労力を集中しアルゴリズムを効率化することと,多様性を保ち知識の誤りに対して頑健であることが両立可能である. 例題を用いた評価により,nパズルのように問題の目標が直列化可能な複数の副目標(serializable subgoals)に分解可能な場合には,エージェントは副目標に関する知識を持っていないにもかかわらず,本方式により劇的な高速化が得られることを示す.特に,本アルゴリズムは48パズルを安定して解くことが可能である.この問題は副目標に関する知識を陽に与えない限り,従来のヒューリスティック探索アルゴリズムでは現実的な時間内で解を得ることは不可能であった.
著者
東野 史裕 進藤 正信 戸塚 靖則 北村 哲也 安田 元昭
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では、腫瘍細胞で増殖し、正常細胞ではほとんど増殖しない腫瘍溶解アデノウイルスの開発を試みた。我々は、アデノウイルスの特定のタンパクを欠損したアデノウイルス(AdΔ)が、がん細胞では増殖でき、正常細胞では増殖できないことを解明した。さらに、AdΔはがん細胞で強く細胞死を誘導し、ヌードマウスに作成した腫瘍にも効果を持つことがわかった。これらの結果は、AdΔが腫瘍溶解ウイルスとして利用できることを示している。
著者
新井 俊希 北村 和也 米内 淳 大竹 浩 林田 哲哉 丸山 裕孝 バン クイク ハリー 江藤 剛治
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J94-C, no.9, pp.252-260, 2011-09-01

最高撮影速度が200万枚/秒の30万画素超高速度CCDを開発した.この超高速度CCDはフォトダイオードと読出し用垂直転送路の間にフォトダイオード1個につきそれぞれ144個のCCDメモリを配置した特殊な構造により構成される.全画素一斉の並列動作で信号電荷をCCDメモリに記録することで超高速度撮影が可能になった.超高速度CCDの最高撮影速度を見積もるため,フォトダイオード中の電荷の移動時間により制限される最高撮影速度と,CCDメモリに印加される電圧波形がなまり,電荷転送容量が低下しその結果飽和信号レベルが低下することで制限される最高撮影速度について検討を行った.その結果,電圧波形なまりに起因する飽和信号レベルの低下が最高撮影速度を制限する主要因であることが明らかになった.対策として分割駆動と配線抵抗の低減について検討を行い,いずれも効果的であることを示した.計算結果を踏まえて,分割駆動の分割数を8とし画素配線抵抗を2分の1に低減することを行った超高速度CCD-V6を新たに設計し素子を試作した.駆動評価実験の結果,飽和信号レベルは30万枚/秒まで100%を維持し,100万枚/秒において50%,200万枚/秒において13%が得られていることを確認した.200万枚/秒におけるダイナミックレンジは36.8 dBであり,映像信号6ビット相当が得られていることを確認した.
著者
北村 四郎
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.77-92, 1990-09-25

Recently many Chinese specimens were collected by Chinese and Japanese botanists, chiefly in Yunnan, and sent to the herbariums of the Kunming Institute of Botany, the Tokyo University and the Kyoto University. I am still interested in the study of Compositae and identified these specimens. The critical study by new materials is the aim of this report. There are many common species between China and Japan, in this report, newly some common species are added. Acquainted with Yunnan compositae, I studied the Composit specimens of Bhutan formerly collected by S. NAKAO and added some news.
著者
北村 四郎
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.277-296, 1932-12-01

シヤウジヤウハグマ族(Vernoniae) シヤウジヤウハグマ屬(Vernonia). I. 海濱に生ずる約10糎ばかりの小さき植物…ハマシヤギク(Vernonia maritima HAYATA). 2米乃至10米に達する攀〓植物…シヤウジヤウハグマ(Vernonia gratiosa HANCE). 30糎乃至80糎に及ぶ直立性の草本…II. II. 果實に毛なく油點がある…ウラジロカツコウ(Vernonia patula MERR.). 果實に毛あり…III. III. 總苞の長さは3.5粍…コバナムラサキムカシヨモギ(Vernonia parviflora REINW.). 總苞の長さは5粍…ムラサキムカシヨモギ(Vernonia cinerea LESS.). シヤウジヤウハグマは本島の特産である。ハマシヤギクはフイリツピンのバタン島にもあるがきはめて稀な植物である。コバナムラサキムカシヨモギはジヤバ,フイリツピン,臺灣南部,小笠原に分布する。ムラサキムカシヨモギは印度,支那,臺灣北部,琉球,九州に及ぶ。ウラジロカツコウは印度,印度支那,馬來,フイリツピンに分布する。本屬は熱帶に大いに繁榮分化したもので,内地には一種ムラサキムカシヨモギのみ九州に分布する。
著者
北村 京子
出版者
三重県立盲学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

今回は、前回の奨励研究「重度の知的障がいを併せ持つ肢体不自由児のためのワンクリック教材開発と授業実践」の次の段階として、対象児を5名に増やしカスタマイズの有効性を明らかにすると共に、ワンクリック教材の研修会を実施し教員のICT機器の活用を広げることを目的とした。対象児は、知的障がいを併せもつ肢体不自由の子どもたちである。ワンクリック教材のカスタマイズは、以下のように行い授業実践を行った。小学部4年生のKさんは、触る位置を定位置から異なる位置に変化させ、集中力を養う。中学部3年生のRさんは、扱う言葉を身近な人の名前から行動を表す言葉や色の名前などに広げ、語彙を増す。小学部5年生のCさんは、触る部分の面積を徐々に小さくし、ランダムに位置を変化させ注視力を高める。小学部4年生のMさんは、利き手の操作から反対側の手の操作や左右ランダムな手の操作へと難易度を高め、操作力を高める。小学部5年生のIさんは、新たに開発した教材「九九マスター☆」を活用し九九を暗唱できるようにする。夏期休業中に研修会を実施した。電子黒板等の機器の紹介や作成した「カスタマイズマニュアル」を使用し、カスタマイズの仕方の講義とワンクリック教材の作成演習を行った。本研究の成果は、以下の通りである。(1)対象児全員がワンクリック教材を意欲的に集中して取り組み、各自の目標を達成することができ、カスタマイズの有効性が得られた。(2)「ICT機器は敬遠されている」と予想していたが、参加人数や「機器を使ってみたかったが、使い方がわからず使えなかった」という声の多かったアンケート結果から、研修会の意義を感じた。今後の課題は、研修会を増やすことである。自分自身も学校業務を抱えているため、時間を上手く活用し、研修会を設定できるようにする。ICT機器の活用を広げ、一人でも多くの子どもたちに合わせたワンクリック教材を提供してきたい。
著者
成瀬 治興 内田 季延 松本 泰尚 深田 宰史 塩田 正純 北村 泰壽 国松 直 伊藤 和也
出版者
愛知工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、平坦道路を対象とするエネルギーベースに準拠した道路交通振動予測式(INCE/J RTV-MODEL2003)の適用道路構造種別の拡大を目的として、3mプロフィル計に代わる路面平坦性の計測方法として、車載型IRI評価システムの適用を検証し、利用可能であることを確認した。次いで、試験車輛を用いた盛土・切土道路での実測調査により、平坦道路予測式を他の道路構造に適用するための基礎データを蓄積した。
著者
北村 琴美 無藤 隆
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.46-57, 2001-04-20
被引用文献数
4

本研究では,母娘関係が成人の娘の適応状態を規定する度合いを検証するとともに,娘の結婚や出産といったライフイベントによって母娘関係がどのような発達的移行を経るのかを探索的に調べるために,成人女性415名を対象とした横断的データに基づいて,独身女性,既婚で子どもがいない女性,既婚で子どもがいる女性間での比較検討を行った。その結果,母親との親密性は独身の娘の心理的適応と関連していると同時に,既婚で無職の娘の心理的適応に対してもある程度の効果を持つという結果が得られた。一方,母親への過剰な依存・接触は,職業の有無に関わらず,既婚で子どもがいない女性の心理的適応と負の関連を示していた。また,ライフイベントによる成人期の母娘関係の発達的移行に関しては,独身あるいは有職の娘と比較して,既婚で無職の娘は,母親との親密性が高く,サポートを求める気持ちが強いことが見出された。
著者
北村 彰浩 猪原 匡史 内田 司 鷲田 和夫 長谷 佳樹 小森 美華 山田 真人 眞木 崇州 高橋 良輔
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.384-389, 2010-07-25 (Released:2010-09-14)
参考文献数
12

【症例】52歳女性.高血圧,高脂血症,肥満あり.約1週間の経過で徐々に発動性低下が進行した.麻痺等の局所神経症状はなくNIHSS 0点であったため,当初はうつ病も疑われたが,頭部MRIで左内包膝部に脳梗塞像を認め左中大脳動脈穿通枝のbranch atheromatous disease (BAD)と診断した.神経心理学的検査や脳波検査から,軽度のうつ状態,認知機能障害,左前頭葉の機能低下を認めた.抗血栓療法等で徐々に症状は改善し約2カ月で職場復帰した.【考察】内包膝部は視床と大脳皮質を結ぶ種々の神経経路が通過する要所である.本例では前頭葉と視床との機能連絡の遮断により前頭葉機能が低下し発動性低下を来たしたと考えられた.また,BADは進行性の運動麻痺を呈しやすいことで知られるが,本例のように明らかな局所神経症状が無く発動性低下が亜急性に進行する症例でも内包膝部のBADが重要な鑑別になると考えられた.
著者
鈴木 章夫 小野田 武 北村 幸久
出版者
筑波大学大学研究センター
雑誌
大学研究 (ISSN:09160264)
巻号頁・発行日
no.23, pp.63-94, 2002-03

[司会]どうもありがとうございました。それでは、総括討論に先立って、第1発言者の鈴木先生から質問なり感想なり追加なりございましたら、おっしゃっていただけませんか。[鈴木]今の黒羽先生のコメントに私は尽きると思うんですが、私が初めに申し上げましたけれども、要するに大学改革という ...
著者
松本 雅行 北村 知
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.143, pp.37-44, 2000-06-16
被引用文献数
3

JR東日本では、山手・京浜東北線の保安装置であるATC装置の老朽取替に伴い、現行のATCとは抜本的に異なる車上主体形の新しいATC(デジタルATC ; D-ATC)の開発を行った。D-ATCの開発に当たっては、安全性の確保を前提としつつ、その中でより稼働率を高めるために、いくつかのアシュアランス技術を用いた。ここでは、D-ATCの開発の方向と、そこで用いられているアシュアランス技術について述べる。
著者
花岡 和則 北村 邦夫 内山 孝司
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

1) Lbeホモローグ遺伝子Lbx1の遺伝子ターゲッティングマウスの作出Lbx1タンパク質コード領域をネオマイシン耐性遺伝子に置換したノックアウトベクターを作製し、相同組み換えを利用して胚性幹細胞に導入した。4クローンの相同組換え体細胞株をもとにキメラマウスを作製した。そのうち1クローンにおいて生殖系列への伝達が確認された。現在、このキメラマウスに由来する個体どうしを交配し、Lbx1のホモ変異個体を得る段階に至っている。また、Lbx1の発現解析をしてゆく過程で、マウス後部後脳から神経管での発現に加えて、一部の体節の側方部、すなわち将来の肢芽筋肉を形成する領域に発現していることが判明した。そこで、この領域でのLbx1の機能を解明するためにトランスジェニックマウスによる解析を行った。Myogeninプロモーターの下流にLbxl遺伝子を結合したトランスジェニックベクターを、あらかじめLacZ遺伝子を導入してある胚性幹細胞(以下LacZ胚性幹細胞)のゲノムに組み込んだ。このLacZ胚性幹細胞(合計11クローン)と正常胞胚とでキメラマウスを作出した。このうち一つの細胞株を用いて作成したキメラマウス胚(11.5日)でLbx1の発現部位を解析したところ、肢芽領域以外の筋節にもLbx1の異所的な発現が確認され(10個体中5個体)、さらにキメラマウスの出生後、骨格筋の組織学的解析を行ったところ、X-gal染色によってES細胞由来の細胞が含まれていると確認された前肢骨格筋(2個体中2個体)及び、背筋(3個体中3個体)で、筋組織の萎縮などの明らかな異常が観察された。2) ニワトリLbx1ホモローグ単離の試みニワトリLbx1ホモローグ単離する過程で、相同性のあるcHox11L2が単離できた。胚での発現パターンを解析したところ、神経冠細胞由来のニューロンである脳神経節、脊髄神経節、交感神経節、腸管神経節で発現が確認された。未分化な神経冠細胞では認められなかった。
著者
平島 崇男 北村 雅夫 下林 典正 中村 大輔 大沢 信二 三宅 亮 小畑 正明 山本 順二
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

地下深部流体活動の実態解明を目指し、顕微ラマン分光分析器を導入し、流体包有物の同定システムを構築した。この機器を用いて、日本や海外の地下深部岩石中の流体包有物の研究を展開した。その結果、三波川変成岩中の石英脈から地下25km付近で岩石中にトラップされた地下深部初生流体を初めて見出すことに成功した(Nishimura et al., 2008)。また、Pseudosection法とモード測定から、塩基性変成岩において、ローソン石の出現・消滅に伴う含水量変化(Matsumoto & Hirajima, 2007)や、硅質変成岩中の含水量を明らかにした(Ubukawa et al., 2007)。
著者
河合 秀樹 阿保 七三郎 北村 道彦 橋本 正治 泉 啓一 天満 和男
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.2424-2427, 1994-11-01
被引用文献数
7

食道癌術後の後縦隔経路再建胃管に発生した潰瘍により大量出血を来し, ショック状態に陥った患者に対し胃管切除術を施行することにより救命しえた症例を報告する. 患者は72歳の男性で1988年6月1日, 食道癌根治術を施行され, 術後に計80Gy の頸部, 縦隔T字照射を受けている. 再発の兆候も見られず順調に経過していたが, 術後3年7か月後に突然下血, 吐血し, ショック状態となったため, 緊急入院し内視鏡を施行, 再建胃管に発生した潰瘍からの出血と判明し内視鏡的止血およびバルーンによる圧迫止血を試みるも止血できず胃管切開直視下縫合による止血術を2回施行するも再出血を来したため3回目の手術で開胸下に胃管切除術, 頸部食道皮膚瘻, 空腸瘻造設術を施行しようやく止血しえた. 患者は6か月後に有茎結腸による胸壁前食道再建術を受け現在経口摂取訓練中である. 本症例では術後の照射および酸分泌能の残存が潰瘍形成に関与していたものと考えられる.