著者
北村 有子 稲野 利美 石川 睦弓
出版者
静岡県立静岡がんセンター(研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

胃切除術後患者の体重データを分析した結果、術後6ヶ月までは体重減少がみられ、術後6~12ヶ月は横ばいの傾向がみられた。術後6ヶ月までの経過時期にあわせて、体重と食事のポイントをまとめたA4判1枚のリーフレットを2つ試作した。地域で開催される、胃がん術後の患者・家族を対象としたバイキング形式の会食の企画開催に携わった。多職種(医師、看護師、栄養士)で検討した結果、患者・家族が術後症状を自律的に調整するには、術式別の情報提供が効果的と考えられ、臨床の栄養指導実践に活かしていく。
著者
北村 成寿
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

極域電離圏は、そこから伸びる磁力線が地球磁気圏の外側や惑星間空間に接続しており、磁力線に沿ってプラズマが流出していく。磁気圏の尾部に輸送されたプラズマは内部磁気圏のエネルギーの高いプラズマの源となるため、極域電離圏は磁気圏全体のプラズマの源として重要な領域である。あけぼの衛星、Intercosmos衛星、EISCATスバールバルレーダーのデータを用いて、地磁気静穏時の極冠域電離圏-磁気圏での電子密度分布、電子温度、イオン温度の太陽天頂角依存性を明らかにし、電離圏への日照の有無がこれらのパラメータに極めて強い影響を与えていることを明らかにした。さらに、電離圏が日照状態の場合について、過去のモデル計算でイオン流出への重要性が指摘されている光電子に着目し、FAST衛星の観測データを解析した。その結果、地磁気静穏時には磁力線に沿って電位差が存在し、電離圏から流出する光電子を減速、反射していることを観測的に示した。高高度で反射されてくる光電子のエネルギーの解析から、典型的な電位差は20V程度であり、過去のモデルによる予測よりは小さいものの、高高度に大きな電位差の存在を予測したタイプのモデルが静穏時の極冠域電離圏からのイオンの流出の描像として比較的妥当であるという結果を得た。一方、磁気嵐時のイオン流出については、あけぼの衛星が電子密度増加を観測し、ほぼ同時にPolar衛星がイオン上昇流を観測している2000年4月6日から7日にかけての同時観測データを解析し、磁気嵐中の電子密度増加の発生時に磁気圏へ流出できるエネルギーをもったイオン上昇流の見られる領域は、高度9000km付近の極域磁気圏においてはカスプから昼側極冠内に昼夜方向に10°程度も広がっていることを明らかにした。これは、磁気嵐時の磁気圏への重イオンの供給に関して、極域磁気圏においての昼側極冠域の重要性を示している。
著者
藤井 良知 阿部 敏明 田島 剛 寺嶋 周 目黒 英典 森 淳夫 佐藤 肇 新納 憲司 砂川 慶介 横田 隆夫 秋田 博伸 岩田 敏 佐藤 吉壮 豊永 義清 石原 俊秀 佐野 友昭 中村 弘典 岩井 直一 中村 はるひ 宮津 光伸 渡辺 祐美 久野 邦義 神谷 齊 北村 賢司 庵原 俊昭 桜井 實 東 英一 伊藤 正寛 三河 春樹 久保田 優 百井 亨 細井 進 中戸 秀和 西村 忠史 杉田 久美子 青木 繁幸 高木 道生 小林 陽之助 東野 博彦 木野 稔 小林 裕 春田 恒和 黒木 茂一 大倉 完悦 岡田 隆滋 古川 正強 黒田 泰弘 武田 英二 伊藤 道徳 松田 博 石川 純一 貴田 嘉一 村瀬 光春 倉繁 隆信 森田 秀雄 森澤 豊 浜田 文彦 辻 芳郎 横尾 哲也 林 克敏 冨増 邦夫 木戸 利彦 上原 豊 森 淳子 森 剛一 内田 哲也 大塚 祐一 本廣 孝 半田 祥一 山田 秀二 沖 眞一郎 吉永 陽一郎 荒巻 雅史 織田 慶子 阪田 保隆 加藤 裕久 山下 文雄 今井 昌一 鈴木 和重 岡林 小由理 金子 真也 市川 光太郎 曽田 浩子 清水 透子 長田 陽一 木葉 万里江 石橋 紳作 高橋 耕一 杉山 安見児 三宅 巧 荒木 久昭 垣迫 三夫 前野 泰樹 下飛田 毅 高岸 智也 松隈 義則 平田 知滋 田中 信夫 永山 清高 安岡 盟 林 真夫 天本 正乃 津村 直幹 小野 栄一郎 神薗 慎太郎 中嶋 英輔 永光 信一郎 野正 貴予 松尾 勇作 樋口 恵美 長井 健祐 末吉 圭子 橋本 信男 弓削 健 久保田 薫 川上 晃 渡辺 順子 藤澤 卓爾 西山 亨 岩永 理香子 牛島 高介 山川 良一 山村 純一 富永 薫 臺 俊一 安藤 寛 久田 直樹 藤本 保 元山 浩貴 丸岡 隆之 伊達 是志 杉村 徹 西依 淳 朝木野 由紀 山田 克彦 是松 聖悟 早川 広史 佐々木 宏和 木村 光一 山田 孝
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.921-941, 1995-07-01
被引用文献数
19
著者
百瀬 今朝雄 高島 正人 小山田 和夫 北村 行遠 坂詰 秀一 中尾 尭
出版者
立正大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1990

本年度は、研究成果の総まとめを目標に、実地調査を主体とする活動を展開した。その作業は次のとおりである。1)妙顕寺古文書の分類・整理についての基礎方針を確立すべく、京都周辺諸寺の宝物帳を検討することにより、これを定立した。2)上の基本方針に基いて、妙顕寺文書の分類・整理する作業を入念に行い、「妙顕寺文書」の体系化を仕上げた。3)文化庁の助力を得て、「妙顕寺文書」の全体を再確認するとともに、目録を作成して、国指定文化財の審議資料に提出した。4)妙顕寺文書の保存方針を立て、和紙製の封筒や包紙を用いて、これを厳重に包装することにより、古文書の保存テストを行い、好成果を得た。5)金石文の調査と研究を、本圀寺・妙顕寺・妙覚寺・頂妙寺等の墓地を対象として行い、中世の墓塔・碑などを数多く発見し、形態分類・銘文の分類・時代の変遷等の基本資料を得た。6)京都諸寺院の動向について、公家の日記等の記録における記事を集成し、これを古文書と対照しながら、京都の社会情況の中で再評価を試みた。7)典籍については、法華経典籍について検討を加え、『法華経験記』を中心として、その体系化に努め、また11世紀から13世紀における比叡山延暦寺においての僧伝編纂についても考察を加えた。以上のような作業を通して、京都におけるおおよその法華系文書・典籍等についての見通しをつけた。
著者
川辺 良平 河野 孝太郎 北村 良実 鷹野 敏明 井田 茂 中村 良介 阪本 成一 石黒 正人
出版者
国立天文台
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
1999

星と惑星系の形成の問題は、現代天文学の重要課題である。ミリ波干渉計による観測の進展で、太陽系外の惑星系の形成現場を直接観測が可能となった。これにより、観測と理論との直接比較から、惑星系形成論の構築が可能になった。一方、太陽系外の惑星系が発見され、その惑星系の多様性が明らかになってきた。これにより、太陽系が普遍的な存在なのか、その多様性をコントロールする物理は何かなど新たな問題が提起されている。ここでは、新たにサブミリ波の領域で、サブミリ波の特徴を生かし、星形成に伴う原始惑星系円盤の形成や、その構造(円盤の初期条件)を干渉計観測で詳細にしらべ、惑星系形成のシナリオを構築することを目指した。また、観測的研究で、円盤の形成・進化、巨大惑星の形成に制限を与えるガス成分の消失時期、固体惑星の形成の形成に制限を与えるダスト成分の消失時期を抑え、理論と比較することにより惑星系形成のシナリオ構築を目指した。また、惑星系の多様性を説明する独自のパラダイムを提案し、観測との比較を行うことや理論的な実証を行った。既存の野辺山ミリ波干渉計を用いてサブミリ波干渉計を目指し、干渉計実験に成功した。本格観測までは実現できなかったが、南半球領域で世界初の10mサブミリ波望遠鏡の実現へと結びついた。一方、波長1300ミクロン等での牡牛座の天体の干渉計観測により、原始星としては初めてガス円盤が存在する証拠を捕らえ、また円盤の進化する様子、降着円盤としての膨張を捕らえることに成功するなど、円盤の形成・進化の様子を世界で初めて捕らえた。また、惑星系円盤(初期条件)の多様性を観測的に捕らえた。理論的には、独自のパラダイムの理論シミュレーションによる実証ができた。また観測的に発見された系外惑星系が、このパラダイムで説明可能であることを明らかにすることができた。ダストとガスの消失時期について、理論的には推定できた。ガスの消失時間を、観測的には抑えるために、チリに設置した10mサブミリ波望遠鏡による観測を今後実行する予定である。これらにより、惑星系形成論の構築に大きく前進した。
著者
北村 雅哉 西村 憲二 三浦 秀信 松宮 清美 奥山 明彦 小森 和彦 藤岡 秀樹 古賀 実 竹山 政美
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.587-590, 2000-08

精巣内精子抽出術(TESE)のうち先天性精管欠損,ヘルニア術後,パイプカット術後など明らかな閉塞性無精子症を除いた44例を対象に非閉塞性無精子症で精子の回収を予測するパラメータを検討した.JSC,精巣容量,FSHで相関がある結果であったがJSC8以上の症例を除外すると相関はなくなり,絶対的パラメータとはなり得なかった.受精に関しては妻の年齢,精子運動性の有無,精巣容量が有意なパラメータとなった.マイクロドロップレット法を用いたCryo TESE-ICSIは新鮮精子を用いたTESE-ICSIと同等の受精率が得られ,無用なパートナーへの侵襲を避けるのに有用と思われたWe reviewed 44 cases of non-obstructive azoospermia treated by testicular sperm extraction and intracytoplasmic sperm injection (ICSI) from July, 1997 to September 1999 at our institutes. Testicular sperm were retrieved from 32 patients (72.7%). ICSI was performed on 29 patients and the partners of 15 patients (46.9%) became pregnant. Out of 10 patients with histology of Sertoli-cell-only, we could retrieve sperm from 3 patients (30%). Testicular volume, Johnsen's score count (JSC), and FSH were significant parameters to predict the recovery of testicular sperm from the patients, but if only the patients with JSC less than 8, are analyzed, none of them was significant parameter. Chromosomal abnormality was not a significant parameter. The partner's age, motility of recovered sperm and testicular volume correlated with the fertilization rate. Chromosomal abnormality or the usage of cryopreserved sperm was not a significant parameter to predict fertilization.
著者
北村 光司
出版者
東京理科大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

乳幼児の事故を予防するための1つの方法として、保護者の乳幼児事故に関する認知の教育支援がある。これはリスクコミュニケーションの観点から重要な課題である。しかし、従来の乳幼児事故に関する教育支援や情報提供の方法は、書籍やパンフレットによる注意喚起にとどまっており、効果的な方法ではなかった。それは、(1)事故に関する情報を提供するのみという情報の一方通行で終わってしまっており、その情報による効果の検証が行われていないためと、(2)事故に対する認識や考え方は人それぞれによって異なるにもかかわらず、すべての人に一様に同じ情報を発信していたためである。この問題点を解決するためには、情報を提供しながら、ユーザの認知構造の調査や情報の効果の検証を行い、それらの情報をもとに次に提供する情報を適宜選択するシステム、すなわち、フィードバック系をもった情報制御システムが必要となる。そこで、(1)サービスを提供しながらユーザの認知構造や情報の効果を検証するためのサービス統合型センシング機能と、(2)得られたユーザからの情報に基づいて個人適合する機能を特徴とする情報循環システムを提案した。(1)サービス統合型センシング機能に関しては、2005年より(株)ベネッセコーポレーションと共同でWeb上で事故シーンアニメーション動画を提供するサービスを行っており、そのサービス上で保護者が入力した子どもの年齢や発達段階や、動画を見た後に行うアンケートの回答をログデータとして収集し、分析した。(2)個入適合する機能に関しては、保護者が認知していない事故の動画を適切に選択するための手法として、乳幼児の事故に関連するパラメータ(事故の種類、子どもの発達段階、事故に関連したモノ、事故時の子どもの行動など)を特徴量で表現することによって、類似する特徴を持つ動画を選択する手法提案し、保護者20人を対象に検証実験を行い、ランダムに提供するよりも、効果的に認知を向上させることが可能であることを確認した。
著者
樫田 美雄 寺嶋 吉保 玉置 俊晃 藤崎 和彦 出口 寛文 宮崎 彩子 高山 智子 太田 能 真鍋 陸太郎 五十嵐 素子 北村 隆憲 阿部 智恵子 岡田 光弘
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ビデオエスノグラフィーという新しい研究手法を開発しつつ、実際的な分析にも成果をあげた。即ち、大学生が専門技能を学ぶ実践の状況を相互行為の観点から明らかにした。例えば、医学部PBLチュートリアルにおいて、レントゲン写真をみる'専門的'方法としての「離して見る」という技法が、教師から学ばれ、学生集団のなかで模倣的に獲得されていく状況が確認できた。教育を結果から評価するのではなく、プロセスとして分析していくことへの展望が得られた。ISCAR第2回サンジエゴ大会等で報告を行った。
著者
黒田 一雄 勝間 靖 岡田 亜弥 北村 友人 澤田 康幸 山田 肖子 米澤 彰純 浜野 隆 小川 啓一 澤村 信英 杉村 美紀 吉田 和浩 園田 茂人 鈴木 隆子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の成果は、政治経済社会のグローバリゼーションによって、従来国家(ナショナル)のレベルにおいて主な政策決定がなされてきた教育においても、世界的(グローバル)もしくは地域的(リージョナル)なレベルでの政策の立案や実施の重要性が増しつつあることを明らかにしたことである。これらの成果は、様々な国際会議や出版を通じて、日本や国際社会の国際教育交流・協力・連携の実践・政策過程に対して、実際にインプットされた。
著者
北村 和夫
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.187-199, 1984-09-30
著者
松本 耕二 北村 尚浩 國本 明徳
出版者
山口県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、体育・スポーツ領域におけるボランティアの多様性に着目し、これまで日常的な活動に携わる「コミュニティ・ボランティア」と、一時的に単発的にかかわる「イベントボランティア」の活動意識における類似点および相違点を明らかにすることを目的としている。平成14年度は、主に青少年スポーツ(健常・体育スポーツ領域)と障害者スポーツ(障害・福祉領域)の活動参加者を対象とした団体(NPO法人スペシャルオリンピックス日本)やイベント(第10回全国中学校駅伝大会、第3回山口県障害者スポーツ大会、2002スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・東京大会)への質問紙調査を実施しデータ収集を実施した。平成15年度は、研究成果の公表(日本体育学会、山口県体育学会)と活動継続性に着目した調査(2004スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム・長野大会)を中心に実施した。これらの調査等で収集したデータは、逐次、集計・分析し、研究成果を下記の通り発表・公表している。(1)障害者スポーツ・ボランティアの活動継続に関する一考察-バーンアウト尺度の適用-(2)障害者スポーツイベントにおけるボランティアの参加動機-性別、年代別、活動経験別による比較-(3)動員型イベントボランティアの活動満足と継続性に関する考察(4)障害者スポーツイベントにおけるボランティアコーチの参加動機(5)スポーツ・ボランティアの参加動機と組織コミットメントと継続意欲-地域の障害者スポーツを支えるボランティア-本研究の目的とするボランティア参加者の没我度と活動継続性については組織コミットメントを中心に分析・公表したが、活動領域(活動内容レベル)、活動対象・内容別の比較検討が課題となっており未だ明らかになっていない。早急に進めたい。以後、実際に活動するボランティアの活動継続性への影響、所属団体の持つ活動の指向性(競技指向や社会的活動指向など)との類似・相違点さぐり、課題や問題点を明らかにすることとしたい。
著者
李 相一 北村 仁
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, 1978-03-15

粒状体の流出というテーマに関して, 前報では円筒形の貯蔵ビン(内径6cm, 高さ90cm)に詰めた豊浦標準砂が底部の円形流出口から流出した際の試料高さと流出量の関係, 流出口径と流量の関係を求め, いくらかの検討を加えたが, 今回は実験をさらに精度よく行なうために内径15cm, 高さ180cmの貯蔵ビンを製作して前回と同様な実験を行なうとともに, 試料内に埋設した土圧計により土圧を測定した。実験の結果, 流出口径が10mm〜50mmの範囲では流出量は流出口径の2.55乗に比例し, 流出状態から静止状態に移行した際に流出口に作用する圧力は流出口径の1.1乗に比例するという結果が得られ, これらの値は前回の実験結果の値よりも確度が高いと判断した。土圧測定結果では, 試料を詰めた際の土圧分布は試料面からある深さまでは深さに比例した土圧分布となり, それよりも深くなるとほぼ一定値を示した。またいったん流出させて試料表面が5mm沈下したとき流出を止めた場合の土圧分布は, 上述の土圧分布に対し流出口に近い下部では著しい減少を示し, この結果から前報で演繹した諸結果の裏付けが得られた。
著者
藤田 和之 高嶋 和毅 築谷 喬之 朝日 元生 伊藤 雄一 北村 喜文 岸野 文郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.11, pp.2454-2465, 2010-11-01

ユーザによる単純な操作に複数のカメラ操作を連動させ,効率良く地図を閲覧することができるインタラクション手法としてAnchored Zoom (AZ)とAnchored Zoom and Tilt (AZT)の二つを提案する.二次元の地図を俯瞰する三次元的なカメラ視点を用い,AZではズームを,AZTではズームとチルトをパン操作に連動させ,ユーザの指定する地図上の1点を常にビューポートに収めるよう制御する.これら2手法のパフォーマンスを評価するため,ペン入力の環境において,従来手法であるPan & Zoom (PZ)及びSpeed-dependent Automatic Zooming (SDAZ)と比較する実験を行った.画面外オブジェクトの獲得タスクと位置把握タスクの二つを実施した結果,提案手法が従来手法に比べ距離感や方向感覚を失うことなく,より高速にオブジェクトを獲得できることが分かった.

1 0 0 0 OA 透谷集

著者
北村透谷 著
出版者
文学界雑誌社
巻号頁・発行日
1894
著者
北村 二朗 嶋 みな子 平塚 京子 浅野 進吾
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.96, no.6, pp.732-736, 1976-06-25

Examinations were made on the action of anhydromevalonic acid lactone, which inhibits incorporation of mevalonic acid into cholesterol in the cell-free system of rat liver, on microorganisms was studied. Microorganisms examined were mevalonic acid-requiring Lactobacillus acidphilus ATCC 4963 and L. heterohiochii H-1,and Saccharomyces cerevisiae and S. carlsbergensis ATCC 9080 which do not require mevalonic acid and have the ability to synthesize sterol. In the presence of 0.1 μg/ml of mevalonic acid, L. acidophilus required ca. 15 mg/ml of anhydromevalonic acid lactone for 50% suppression and 25 mg/ml for 100% suppression. In the presence of 1.0 or 4.0 μg/ml of mevalonic acid, L. heterohiochii required 0.5 and 20 mg/ml, respectively, of anhydromevalonic acid lactone. In the presence of 15 and 20 mg/ml of anhydromevalonic acid lactone the growth of S. cerevisiae and S. carlsbergensis was completely inhibited. However, there was hardly any effect on the sterol content per unit cell weight.
著者
北村 俊雄
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

種々の癌細胞株由来の発現型cDNAライブラリーをウイルスベクターを利用して作成した。これらのライブラリーをマウスIL-3依存性細胞株(Ba/F3、HF6、HF7)に導入し、IL-3非依存性の自律増殖を誘導する遺伝子の同定を試みた。この実験において、セリンスレオニン/チロシンキナーゼpim-1、pim-2、pim-3、転写因子PEPP2を同定したが、点突然変異などの活性型変異は認められなかった。このうち、PEPP2はノックダウンすると胃癌細胞の増殖を抑制した。PEPP2の下流で発現が増強あるいは減弱する遺伝子をDNAチップを利用した発現解析で探索し、興味深い遺伝子を複数同定した。シグナル伝達系を調べたところ、PEPP2の過剰発現はPI3K-AKTの経路を活性化することが判明した。種々のがん患者サンプルで調べたところ、肺がん、乳がん、胃がんなどで発現が亢進している症例が認められた。発現が高い患者と低い患者の予後を調べたところ、ある程度分化した癌でPEPP2高発現の症例が予後が悪いことが判明した。未分化癌ではもともと予後が悪いためか、差が認められなかった。一方、骨髄細胞に発現した場合にトランスフォームに関与しうるかをマウス骨髄移植系を利用して検討したが、単独では白血病などの発症を誘導しなかった。現在、MLL融合蛋白質などクラス2変異との組み合わせで白血病などの疾患を発症しうるか検討中である。
著者
北村 晶
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

全身麻酔薬の作用機序の探索を目的として、ラット皮質ニューロンの初代培養標本から、パッチクランプ法をもちいて自発性抑制性および興奮性シナプス後電流(miniature IPSCおよびEPSC)を記録し、ハロタンとプロポフォールの興奮性および抑制性シナプス伝達へのmodulationについて調査した。麻酔薬はシナプス後膜への効果として抑制性GABAergicなシナプス伝達を増強する作用があり、今回の実験でもそれぞれの麻酔薬がCl^-電流を増強した。シナプス前への効果の機序として、神経伝達物質の放出への影響のメカニズムを考察するために、選択的Ca^<2+>チャンネル拮抗薬を用いて、frequencyへの効果を調査した。ハロセンはfrequencyを低下させ、ω-conotoxinおよびω-agatoxin存在下ではその低下の効果が減少した所見が得られた。すなはちハロセンはN-typeおよびP/Q-typeのCa^<2+>チャンネルをブロックすることで、細胞内カルシウム流入を減少させ、シナプス前よりの興奮性神経伝達物質の放出を抑制する可能性が示唆された。miniature IPSCへの効果において、両薬剤はdecay phaseおよびamplitudeeへの効果から、Cl^-電流の動態が一様でないことが観察された。cell-attachedモードにおいて、それぞれの麻酔薬によりコンダクタンスは変化せず、開口確率を増加させたが、ハロタンではmean open timeの延長、プロポフォールではinterburst intervalの低下が観察された。以上の結果より、薬剤によっての神経伝達物質の放出の抑制作用、Cl^-チャネルの開口確率の増加、開寿命の延長、閉寿命の短縮へ及ぼす作用に相違があり、臨床作用での相違に関連づけて考察した。