著者
上原 匡人 本永 文彦 太田 格 海老沢 明彦 宮岡 勇輝 立原 一憲
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.129-142, 2021

<p>The Indian mackerel <i>Rastrelliger kanagurta</i> is an important coastal fishery resource for Okinawa Prefecture, southwestern Japan. However, much is still unknown about its life history. The early development, occurrence, sexual maturation, and reproductive cycle of the species was examined from specimens collected from the coastal waters of Okinawa Island, and management of the fishery evaluated. Larvae [3.4 mm notochord length–12.5 mm standard length (SL)] and juveniles (11.4–16.2 mm SL) of <i>R. kanagurta</i> were distinguished from other mackerel species by: 1) numbers of myomeres, 2) absence of spines on the preopercle posterior margins, 3) positional relationship between the upper and lower jaw tips, 4) melanophore pattern, and 5) distribution (allopatric). Both larvae and juveniles occurred in the offshore epipelagic zone of Nakagusuku Bay in May, June, and August, which coincided with the occurrence of high-gonadosomatic value adults in coastal waters. However, specimens were not encountered in extremely shallow coastal areas (e.g., tidal flats), although younger individuals may utilize such the offshore epipelagic zone of the bay, attaining fork lengths (FL) of ca. 8 cm. Individuals mature at ca. 26 cm FL, one year after hatching. <i>R. kanagurta</i> are primarily caught by set net fishery near Okinawa, small (immature) individuals accounting for > 45% of netted individuals in all months, except May and June, during the period from April 1985 to April 1987, and for > 35% of the examined individuals in all months, except June and July, between April 2011 and March 2016. These results for both periods suggest growth overfishing. Accordingly, immature individuals must be conserved to sustain the Okinawan population of <i>R. kanagurta</i>.</p>
著者
上原 匡人 太田 格 海老沢 明彦 立原 一憲
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.93-107, 2021

<p>Two closely related, commercially important threadfin breams, <i>Nemipterus furcosus</i> and <i>N. peronii</i>, are an essential coastal fishery resource in Okinawa Prefecture. The age, growth, reproductive cycle, and stomach contents from 124 <i>N. furcosus</i> and 37 <i>N. peronii</i>, obtained from November 2011 to December 2015, were examined, age being assessed from sectioned otoliths and gonadal histology. <i>Nemipterus furcosus</i> and <i>N. peronii</i> were the most abundant threadfin breams in Kin Bay and Nakagusuku Bay, Okinawa Island, areas including many coastal tidal flats, where the two species comprised 98.1% of the total number of <i>Nemipterus</i> individuals examined. Overall sex ratios of both species were significantly sex-biased, the apparent lack of transitional gonads implying functional gonochorism. The spawning seasons of both species were estimated as occurring between spring and fall, no immature fishes having been obtained. Age validation using edge-type analyses implied that opaque zones were formed once per year, being valid annual growth increments. Although no intersex differences in maximum length, growth equation, and age range were observed in <i>N. furcosus</i>, <i>N. peronii</i> females were larger and older than males. The greatest ages observed were 4.3 and 7.0 years for <i>N. furcosus</i> and <i>N. peronii</i>, respectively. Both species fed predominantly on crabs, which primarily occupied the inner bays. Over the previous 27 years, the catch per unit effort of <i>Nemipterus</i> has declined in the highly altered environments of Kin and Nakagusuku Bays, suggesting that the decline in the populations of these species at Okinawa Island may be due to coastal fishery practices, environmental decline, and the degradation of suitable habitats. The biological implications for conservation are discussed.</p>
著者
根来 誠司 武尾 正弘 加藤 太一郎 竹原 一起 藤井 翼
出版者
兵庫県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

国内外でポリマーの再資源化やモノマーのバイオ生産が重要視されている。Arthrobacter sp. KI72株はナイロンオリゴマー分解酵素NylA/NylB/NylCにより、6-アミノヘキサン酸(Ahx)オリゴマーをAhxまで分解する。Ahxはアミノトランスフェラーゼ(NylD)によりアジピン酸セミアルデヒドに変換され、その後、デヒドロゲナーゼ(NylE)によりアジピン酸へと代謝されること、ⅱ)NylDについては2種、NylEについては20種の類似遺伝子が認められること、ⅲ)NylD1,NylE1を共役させた反応系により、Ahxは約90%の変換率でアジピン酸へ変換されることを明らかにした。
著者
笠原 一男
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1962

博士論文
著者
松原 一志
出版者
Okayama Medical Association
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.99, no.3-4, pp.287-301, 1987-04-30 (Released:2009-03-30)
参考文献数
23

The infuluence of 2 stout build on the body surface electrocardiogram was studied by comparing the body surface isopotential maps of 93 normal men and 107 obese men without cardiovascular abnormalities. There were no clear differences in the mean map patterns between these groups, although the position of the peak maximum positive potential shifted slightly leftward in the obese group. The maximum positive potentials of the QRS wave (Rmax V) and T wave (Tmax V) at 87 lead points on the left anterior chest and back surface were significantly greater in the obese group. However, on the lower anterior chest surface, the values of Rmax V were smaller in the obese group. The correlations between the Rmax V of the lead points where significant differences between the groups were found and the relative body weight, skinfold thickness, chest configuration, mean frontal QRS axis of ECG, age and respiratory function (% VC, FEV 1.0%) were studied statistically. There were good correlations between Rmax V and the QRS axis and relative body weight. However, there were no apparent correlations between Rmax V and the chest configuration and skinfold thickness. These results suggest that obesity might lead to an increase in abdominal grith and elevation of the diaphragma that produces a mechanical effect on the heart, causing a left-axis shift.
著者
河野 由 小笠原 一生 水村(久埜) 真由美
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.205-212, 2017 (Released:2017-12-28)
参考文献数
7

バレエにおいて上肢の動きは,豊かな表現を実現する上で欠かせない.しかし,表現を伴う上肢動作の3 次元的な運動学的特徴を報告した研究はなく,表現に必要なスキルの詳細は不明である.そこで本研究では,白鳥の羽ばたきを模した上肢動作の3 次元的な運動学的特徴を明らかにすることを目的とした.バレエ熟練者5 名とバレエ未経験者9 名に白鳥の羽ばたきを模した上肢動作を実施させ,その際の肩,肘,手関節角度および各関節運動の運動範囲と,上肢挙上または下降局面の肩,肘,手関節角度の極値が出現する時間差を算出した.その結果,バレエ熟練者は,バレエ未経験者よりも前額面の運動および上肢の回旋運動が有意に大きく,上肢挙上局面では肘関節が肩関節や手関節に先行して動き,上肢下降局面では上肢が近位部から遠位部へとしなるように動くことが示された.
著者
岡 あゆみ 栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.199-207, 2021-08-23

音はその性質上,肉眼で捉えたり触れたりすることが出来ないため,定量的に観測したり,直感的に操作を加えたりすることが難しい.そこで,聴覚と他の感覚を同期させることにより,音の扱いやすさを向上させることを検討する.近年,VRヘッドセットの普及により3D空間での表現が身近になったが,VRでの可視化手法とインタラクションの先行研究は限定的である.本研究ではVR内で見て触れながら音を調整することのできる,滝の形状をしたビジュアライザ「SoundDrop」を提案し,インタラクションについての妥当性と効果を調査する.
著者
柳原 一夫
出版者
地磁気観測所
雑誌
地磁気観測所要報 (ISSN:13425706)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.105-113, 1965-03
著者
石原 一彦 鈴木 七美 松井 清英
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.3, pp.446-451, 1987-03-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
15
被引用文献数
22

高分子膜を透過させることによりDL-アミノ酸を光学分割することを目的として,側鎖に分子包接能を有するβ-シクロデキストリン残基を導入した高分子を合成し,これから得られる高分子膜のアミノ酸透過性を検討した。フェニルアラニンを透過させた場合,L-体の透過速度がD-体にくらべて大きく,その透過係数比は1.40であった。トリプトファン,ヒスチジンを透過させた場合も同様の傾向となった。また,シクロデキストリン残基のかわりにグルコース残基を有する高分子膜を用いた場合は,アミノ酸の光学異性体間で透過係数に差は認められない。さらにβ-ジグロデキストリンを橋かけした樹脂に対するフェニルアラニンの吸着量は,L-体にくらべてD-体の方が多くなる。これらのことから,シクロデキストリン残基とアミノ酸とが高分子膜中で相互作用し,とくにD-体との相互作用が強いため拡散性が抑制され,透過係数に差が生じたと考えられる。また,DL-アミノ酸を透過物質として光学分割を試みたところ,膜透過とまりL-体が濃縮きれ,フェニルアラニンの場合,その組成比はL/D=61.7/38.3となった。

1 0 0 0 OA 脂質と免疫

著者
原 一郎
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.20, no.10, pp.658-662, 1971-10-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
20
著者
宮原 一 波戸岡 清峰 矢部 衞 仲谷 一宏
出版者
日本生物地理学会
雑誌
日本生物地理学会会報 (ISSN:00678716)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.15-19, 2003-12-12
参考文献数
14

ウツボ科ウツボ属魚類オキナワノコギリウツボGymnothorax elegansが沖縄県の石垣島近海から採集された. 本種はこれまで日本からは, Randall et al. (1997) が小笠原近海から日本初記録として学名と写真を報告, また, 波戸岡 (2000) が沖縄本島近海から尾部が欠損した不完全個体について報告しているが, 詳細な記載はなされなかった. 本研究では新標本に基づき, 形態および体色の記載を行った.
著者
松本 省二 小山 裕司 石原 拓磨 安田 あゆ子 中原 一郎 沖田 慎平
出版者
藤田医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

【背景】脳卒中受け入れ病院では、組織的なチーム医療提供体制の整備が不可欠如である。申請者は、脳卒中のチーム医療をICTで支援する<タスカル/TQM (Total Quality Management)プログラム>を開発してき。【目的】日本の約15-30施設に<タスカル/TQMプログラム>を導入し、 導入前後の診療への影響を評価し、様々な病院での<タスカル/TQMプログラム>の有効性とそれに関連する因子解明する。【予想される結果と意義】病院の状況に即した<タスカル/TQMプログラム>の運用方法が明らかとなることで、様々な病院での脳卒中の診療プロセスの改善に貢献できる。
著者
並木 幹夫 高 栄哲 小中 弘之 杉本 和宏 重原 一慶
出版者
医学図書出版
雑誌
泌尿器外科 = Japanese journal of urological surgery (ISSN:09146180)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.51-54, 2010-01-01

「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き作成の経緯」加齢男性性腺機能低下症候群(late-onset hypogonadism:以下, LOH症候群)は男性ホルモンの部分欠乏に因る症状, および徴候からなる症候群であるが, 以前は加齢に伴う生理現象とされ, 診療対象ではなかった. しかし, 高齢化社会の到来により, 高齢者のQOLをいかに維持するかが, 21世紀医療の大きなテーマとなってきた. ところが, 女性に対するホルモン補充が国際的に広く普及しているのに対し, 高齢男性に対する医療はEDに対するphosphodiesterase type 5阻害薬の普及以外, あまり医療の対象となってこなかった. このような高齢男性への医療対策の遅れが直接原因ではないものの, 近年男女間の平均寿命の差が大きく開き, 本邦では約7歳男性寿命の方が短い. この事実がWHOを後押しし, 1998年にGeneve Manifestが発せられるに至り, "Healthy aging for men"がようやく国際的な流れになってきた.
著者
豊田 秀樹 大橋 洸太郎 池原 一哉
出版者
日本分類学会
雑誌
データ分析の理論と応用 (ISSN:21864195)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.49-61, 2013-09-01 (Released:2020-04-02)
参考文献数
16

心理学を始めとして,科学的なアプローチを重視してきた様々な学問分野の中で近年注目を集めるようになってきた研究の1 つに自由記述を対象とした分析がある.自由記述データは,その内に含まれる知見を得るために,質問紙調査の自由記述項目欄や,種々の質的研究法を用いて得られたデータを最終的にテキストとしてまとめ,その後の理論を構築するためにカテゴリ化を伴う際等に利用される.しかし現状では,知見の収集の達成の程度については客観的な指標が存在しない.そこで本研究では,得られた自由記述データについて,資源量推定の方法を用いて知見数と飽和度を示す捕獲率を推定する方法を提案した.分析には(株)日経BP コンサルティングが発表しているブランドジャパンの提供による,2 つの企業に対する2006 年から2010 年までの自由記述形式の印象調査の回答を用い,多くの知見数が集まるまでに必要な精読量を明らかにした.その結果,それぞれの精読に当てる全時間の20%,10%の精読量で,全ての知見の80%が収集できていることが示された.
著者
後藤 丹十郎 石井 真由美 藤原 一毅
出版者
岡山大學農學部
巻号頁・発行日
no.100, pp.25-29, 2011 (Released:2012-12-03)

ブプレウルム(Bupleurum rotundifolium L.)は,種子のロットによって発芽や生育が異なることが生産上大きな問題となっている。本実験では種子のロット(No.021793,025090,026247,027668)および採種時期が生育,発芽および開花に及ぼす影響を調査した。ロットによって発芽率は異なった。発蕾および開花は025090で最も早く,026247で最も遅く,027668と021793はその中間だった。自家採種種子は採種時期により発芽が異なり,6月中旬から7月上旬の高温期に採種した種子は発芽率が著しく高かった。しかし,高温期採種種子は著しく開花が遅れ,節数が多く,切り花品質が低下したのに対し,低温期採種種子は開花が早く,切り花形質が優れる傾向があった。種子のロットによって生育や開花が異なった。親個体のロットによる違いがほとんど認められなかったので,採種種子の性質の違いは親個体のロットによる違いよりも採種時期の環境条件の方が大きく影響していると考えられた。
著者
大井 尚文 北原 一 大墨 利佳
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.7, pp.999-1001, 1986-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
7
被引用文献数
5

Two novel chiral stationary phases derived from (R)- and (S)-1-(1-naphthyl) ethylamine with (R)-phenylglycine chemically bonded to (3-aminopropyl)silanized silica, [5] and [6], which contain two asymmetric carbon atoms attached to two nitrogen atoms of the ureylene group, have been prepared. These phases showed good enantioselectivity for derivatives of amino acid, amine, carboxylic acid and alcohol enantiomers. Especially excellent separation factors were obtained in enantiomeric separation of aromatic amine and carboxylic acid in the form of 3, 5-dinitrobenzoyl and 3, 5-dinitroanilide derivatives respectively upon phase [6]. It is noticed some enantiomers were resolved directly without any prederivatization on these phases. For example, enantiomers of both E- and Z-isomers of S-3308 (1-(2, 4- di chloropheny1)-4, 4-dimethy1-2-(l, 2, 4-triazol-1-y1)-1-penten-3-ol) are well resolved simul taneously with [5].
著者
重原 一慶
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

咽頭と尿路のHPV感染の疫学調査では、尿道炎男性患者213例を対象に咽頭うがい液と尿検体を採取し、HPV検出率を検討した。HPV検出率は、咽頭18.3%、尿検体22.1%であった。次に、一般男性における尿路性器HPV感染率についての疫学調査では、823例の一般健常者を対象、亀頭擦過検体および尿検体HPV陽性率は、亀頭22.8%、尿5.8%であり、尿路に比較し亀頭のHPV感染率が高かった。最後に、80例のMSM患者(HIV陽性率93%)における肛門・尿路HPV感染の疫学調査では、HPV検出率は肛門検体88.7%、尿検体48.0%であった。男性においてもHPV感染は蔓延していると考えられた。