著者
池原 一哉
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.85.13077, (Released:2014-11-11)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2

In attitude measurement and sensory tests, the unfolding model is typically used. In this model, response probability is formulated by the distance between the person and the stimulus. In this study, we proposed an unfolding item response model using best-worst scaling (BWU model), in which a person chooses the best and worst stimulus among repeatedly presented subsets of stimuli. We also formulated an unfolding model using best scaling (BU model), and compared the accuracy of estimates between the BU and BWU models. A simulation experiment showed that the BWU model performed much better than the BU model in terms of bias and root mean square errors of estimates. With reference to Usami (2011), the proposed models were applied to actual data to measure attitudes toward tardiness. Results indicated high similarity between stimuli estimates generated with the proposed models and those of Usami (2011).
著者
藤原 一毅 常川 真央 合田 憲人 山地 一禎
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.11, pp.1-8, 2020-08-27

オープンサイエンスの普及にともない,公開された研究成果を第三者が容易に再現・再利用できるシステムが各所で開発されている.一口に「研究成果の再現・再利用」と言っても,対象ユーザー(汎用的なもの/特定の研究分野に特化したもの)や再現すべき事物(データ来歴を保証する/計算精度を保証する/etc)の点で各システムは性格を異にし,それぞれに特化したデータモデルを持っている.国立情報学研究所(NII)では,研究データ管理サービス NII Research Data Cloud(RDC)の一環として,研究成果の再現・再利用をサポートするデータ解析サービスを構想している.本サービスは,研究データ管理計画やデータリポジトリなどの関連システムと統合された一体的なユーザー体験の提供を目指している.その中で,関連システムとの連携にどのようなデータモデルを用いるべきかは,データ解析サービスが何を/誰を対象とするのかとも密接に関わる問題であり,サービスの将来像を踏まえて俯瞰的に検討するべき課題である.本稿では,研究再現性をサポートする既存システムの設計をサーベイするとともに,NII RDC データ解析サービスが持つべきデータモデルに関する検討内容を報告する.
著者
常川 真央 朝岡 誠 大波 純一 河合 将志 林 正治 南山 泰之 藤原 一毅 込山 悠介
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.10, pp.1-11, 2020-08-27

学術機関における IT センターや図書館が提供するリサーチデータマネージメント (RDM) サービスは,の研究活動を支援するサービスであり,研究データのライフサイクルを形成できるように設計されていることが重要である.特に,RDMサービスは,研究者の研究活動に密着したサービスであり,従来の論文検索サービスのように,研究者に直接提供されるサービスだけでなく,研究者に間接的に提供される研究支援サービスとの高度な連携も必要になる.そのためには,RDM サービスに関連するシステムの開発担当者が共通のユーザーストーリーを有し,円滑に連携できるように機能を設計する必要がある.そこで,本研究では RDM サービスの事例研究として,ユーザーの研究活動の適合性という観点から筆者らが開発する研究データ基盤である NII Research Data Cloud (NII RDC) のシステム機能要件を検討した.検討にあたってはユーザー中心設計の理念に則り,(1) NII RDC が想定するユーザーストーリーの集約 (2) ペルソナマーケティング (3) ユーザーストーリーマッピングを実行した.その結果,RDM サービスのシステム機能要件として,研究計画に沿った研究データ環境の構成や,研究終了後の研究データ公開プロセスに関する機能について,単純にシステム間の接続だけでなく,キュレーションの業務プロセスの共有など,高度な支援が必要であることが分かった.今後の展望としては,NII RDC の基盤間連携にあたり相互運用性を高めるための API や共通データモデルの策定などを検討したい.
著者
横山 重俊 浜元 信州 長久 勝 藤原 一毅 政谷 好伸 竹房 あつ子 合田 憲人
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.8, pp.1-7, 2020-08-27

データ駆動型科学研究分野で研究データの再利用を進めるためには,研究データの公開だけではなく,論文成果につながる実験結果にたどり着くまでの実験プロセス(実験手順や実験環境構築手順)を公開し共有する必要がある.これらが揃うことで,第三者である別の研究者がいつでも研究データを再利用し,研究の再現検証が可能となる.さらに,そのオリジナル研究に加えて自らの研究を派生させることがスムーズにできるようになる.本稿では,その実験プロセスをコミュニティで共有する方式に関する検討内容と今回提案する方式について述べ,その実装例および研究再現例についても報告する.
著者
渡邊 薫 大河原 一郎 西田 光宏 西澤 和倫
出版者
静岡赤十字病院
雑誌
静岡赤十字病院研究報 = Journal of Japanese Red Cross Shizuoka Hospital (ISSN:09119833)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.53-58, 2013-12

症例は3歳8か月女児.両下肢を中心とした隆起を伴う紫斑がみられ,翌日には腹痛・嘔吐が出現しHenoch-schoenlein紫斑病が疑われ精査加療目的で当院小児科外来受診した.入院後よりステロイド点滴治療開始し症状は速やかに改善したが,ステロイド漸減にて症状が再出現した.血液凝固第XIII因子製剤や抗ロイコトリエン受容体拮抗薬を投与するも症状の改善と増悪を繰り返し,治療に難渋した.Henoch-schoenlein紫斑病の多彩な症状とその他の治療法について若干の文献的考察を加え報告する.
著者
直原 一徳 野口 悟 (徳富 哲) 桂 ひとみ 藤堂 剛 石川 智子
出版者
大阪府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、光依存の磁気センサータンパク質として仮説が立てられている青色光受容体「クリプトクロム」を用いて、青色光照射に伴う磁気の発生について磁気特性測定装置(MPMS3)を用いて測定することを試みた。2018年度に入って、ゼブラフィッシュ由来のクリプトクロムの一種「Zf_Cry-DASH」のタンパク質溶液を用いて青色光照射を行い、光反応に伴って形成されるラジカル状態の磁化発生をMPMS3により検出する測定を遂行した。結果としては、現在のところまだ磁気特性を示すMPMS3シグナルの検出には至っておらず、さらなる測定条件の検討が必要であると考えている。
著者
是川 空 五十嵐 力 柴原 一友 但馬 康宏 小谷 善行
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2007論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, no.12, pp.99-106, 2007-11-09

パズルは探索問題としての見地からその性質が考えられてきた.しかし数独やカックロなどのペンシルパズルでは,探索経路が一本道であり、探索問題として考えるのは意味がない.効率的な解法のためには数字を入れる図中の箇所を選ぶ順序が重要である. 本研究ではこの点に着目して新しい概念を提起し,理論化する.ペンシルパズルにおいて一般的に存在している,制約による解答の順序構造を問題の「解き筋」として定義した.解き筋を問題から抽出することで,問題の難易度や良し悪しの判定をするために使用する.効率的に解き筋を抽出するために,解き筋の中でも重複した部分を取り除いた有用な解き筋のみを得るアルゴリズムを設計する.ラテン方陣問題による実験を行い,その解き筋を得た.得られた解き筋から問題の特徴を考察する.
著者
藤原 一成
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.147-150, 2008-09-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
小島 定吉 山下 靖 阿原 一志 和田 昌昭 高沢 光彦
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は,トポロジーにおける実験数学の研究形態のプロトタイプを提案することを主眼として,この1年間企画調査を行った.当初の予定通り,夏にイギリスを訪問し,Experimental Mathematics誌の初代編集長であったD.Epstein教授,および実験数学を代表する書物Indra's Pearlsの著者のであるC.Series教授,D.Wright教授とトポロジーにおける実験数学の現状について意見交換し,米国および英国の情報を収集した.その結果,実験数学の裾野が拡がる過程では,実装するアルゴリズムに話を絞るのが数学上の問題と計算上の問題を同じ土俵で議論するのに有効であり,さらに協調的な実験数学の研究につながる例が多かったことを知った.そこで12月に予定していた研究集会「トポロジーとコンピュータ」は,このことを念頭においてプログラムを組み東工大で開催した.とくに,多項式解法プログラムの作成者と基本群の表現の研究者の共同研究の発表では,当初は違う問題を解く目的で設計されたアルゴリズムがこの場合に妥当であるかどうかを,実験成果だけからでなくより実証的に示せないかなどの,数学と計算の双方で新たな課題が出るという討論の展開があった.確かにアルゴリズムは,論証を重んじる数学と技術を重視する計算を結びつけるスポットであり,それを主役に置くことにが実験数学の研究およびその発表形態のプロトタイプになり得ることが確認できた.今後はこの企画調査の成果を,サマースクール形式でのプログラミング技術講習会,およびアルゴリズム指向の新しい研究集会の企画につなげ,平成17年度に実行に移す予定である.
著者
大原 一興 藤岡 泰寛 江水 是仁
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.179-188, 2020 (Released:2020-06-01)

山間にある長野県阿智村清内路集落では,集落中心部には耕地が確保できないため,日当たりの良い斜面の高地に耕作地を求め,そこに夏の間一定期間過ごす「出作り」をしてきた。この風習の現代的な継承のために,経験者による「語り部」の可能性とエコミュージアムの仕組みが考えられる。現在では本来の出作りも語り部もほとんど消滅している。この数年の出作りの家の動向について記録しリストを再整理し,とくに山の家と里の家の距離やコミュニティ関係など,二拠点居住のもつ意義についても考察した。また,その地域文化の伝承を進めるために語り部に対するエコミュージアムの役割についても考察した。
著者
築地 毅 鈴木 晴也 柴原 一友 藤本 浩司 池田 龍司 尾﨑 和基 森田 克明 松原 敬信
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2020-NL-244, no.4, pp.1-7, 2020-06-26

本稿では,BERT を利用した教師無しデータへの適用について論ずる.近年ディープラーニングの技術が確立し始めており,特に画像認識分野において,既存の技術では困難だった特徴の自動抽出を実現したことにより,非常に高い精度を上げるようになってきている.自然言語処理においてもディープラーニングの研究は広く行われているが,近年 Google により発表された BERT の功績は大きく,教師あり学習のタスクに対して,既存の成果を大きく上回る成果を上げている.本稿では,教師あり学習の精度を大きく高めた BERT を教師無しデータに適用することで,既存手法の性能向上につながる可能性があるという仮説を主張する.本稿では,特許文書を対象に,教師あり学習を行わずに特許の類似性を図る実験を行った.実験の結果,人手で付与した特許分類フラグに対し 61.9 %の正解率となり,BERT を活用することで教師データを与えずとも,特許の類似度を表現できることを示した.
著者
吉原 一紘
出版者
The Surface Science Society of Japan
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.388-399, 1986-02-01 (Released:2009-11-11)
参考文献数
34
被引用文献数
2 2

In the course of heating of metals, impurities in metals often segregated to surfaces or grain-boundaries, and the compositions of surfaces or interfaces are different from that of the bulk. The properties of materials are strongly affected by these segregation behaviors.Although much research on the segregation behaviors of metals have been published already, surface thermodynamics has not been established yet. This review discusses free energy diagrams of surfaces and the segregation isotherms, largely from the point of view of Gibbs' dividing surface model and indicates how the interaction between segregants will affect the segregation behaviors on metal surfaces. Throughout this review, attempts are made to understand the basic concepts of surface thermodynamics of metals.
著者
吉原 一紘 新居 和嘉
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.941-949, 1983 (Released:2008-04-04)
参考文献数
12
被引用文献数
4 2

The surface composition of 18-8 stainless steel doped with boron and nitrogen at high temperatures was observed in vacuum with AES and XPS.The precipitation of boron nitride was found on the surface of the stainless steel. At the first stage of heating, a thin layer of boron nitride flowed out from grain boundaries and spread on the surface, replacing phosphorus and sulfur which segregated all over the surface. As the heating time was prolonged, parts of the thin layer of boron nitride increased in thickness. The thickness increased in proportion to the square root of heating time and became about 0.06 μm after heated at 1100 K for 432 ks. The precipitated boron nitride was not replaced by the most surface active element, sulfur, and remained stable on the surface. On the surface of the stainless steel, however, there existed areas not covered with boron nitride after prolonged heating. On these uncovered areas, sulfur segregated.The precipitated boron nitride layer was inert to the adsorption of gases. Therefore, this stainless steel is a superior candidate material for vacuum vessels.
著者
小笠原 一生 宮永 豊 白木 仁 向井 直樹 竹村 雅裕 八十島 崇 宮川 俊平
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.403-412, 2006-08-01 (Released:2007-05-15)
参考文献数
29
被引用文献数
1

The higher anterior cruciate ligament (ACL) injury rate of females is one of the most sever athletic-related problems today. The purpose of this study is to compare the lower extremity kinematics between male and female during single leg landing.Six male and four female healthy subjects participated in this study. They jumped from a 32 cm high box and landed with the dominant leg. The landing action was filmed with three video cameras. The knee flexion, knee valgus/varus, and hip adduction/abduction angle and angle velocity were calculated.In female subjects, the knee flexion angle and hip adduction angle were greater compared to males. Also, the knee valgus velocity and hip adduction velocity were higher in females.Our results suggest that knee valgus kinematics may be related to hip adduction. It is important to evaluate hip kinematics when considering knee kinematics to prevent knee ligament injuries.
著者
篠原 一光
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.337-352, 2017 (Released:2019-03-22)
参考文献数
79

Although traffic accidents in Japan have been decreasing in recent years, rapid technical advances have given rise to new problems. The purpose of this paper was to discuss how psychological studies can contribute to addressing these new problems. Drivers cause accidents when their attention is distracted by mobile information devices, such as smartphones. Driver distraction, which has long been an impediment to traffic safety, has recently become a more serious problem. Driving assistance is fundamentally beneficial for drivers, but establishing coordination between human drivers and automated driving systems poses several problems, including the transition between manual driving and automated driving, as well as the increased confidence in and overreliance on the automated system. Designing a human machine interface reflecting drivers’ psychological characteristics is necessary for solving these problems. Studies focusing on the minds of drivers will be more important in the near future for automotive research and development.
著者
中村 潤平 福地 伊芙映 立原 一憲 本村 浩之
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.123-128, 2020

<p>Two specimens (227.8–251.7 mm standard length) of the rare grouper <i>Cephalopholis polleni</i> (Bleeker, 1868) were collected off Okinawa-jima and Ishigaki-jima islands, Ryukyu Islands, the species having previously been known from scattered insular localities in the Indo-Pacific Ocean, including the Ryukyu Islands between the Amami and Yaeyama Islands. Although a single specimen of <i>C. polleni</i> had been previously obtained from a fish market in Naha, Okinawa-jima Island, its capture locality was unknown and the specimen is now apparently lost. All other Japanese records of the species were based solely on photographs. Accordingly, the present specimens of <i>C. polleni</i>, described here in detail, from Okinawa-jima and Ishigaki-jima islands represent important specimen-based records of the species from Japan, being the first with precise locality data. A review of previous distribution records of <i>C. polleni</i> from Japanese waters is also provided.</p>