著者
稲葉 継雄 松原 孝俊 金 〓実 田中 光晴 新城 道彦 入江 友佳子 小林 玲子 花井 みわ 槻木 瑞生 天野 尚樹 三田 牧 アンドリュー ホール
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

基本的に朝鮮・台湾・南洋など各地域研究の形で進行してきた植民地教育研究の枠組みを変え、研究協力体制を簡便に構築できるネットワークを形成することが目的である。いわゆる「外地」と呼ばれた地域の実地調査を進め、コリアン・ディアスポラを巡る問題を教育史を通して糾明し、さらに、各地域の研究者が一同に会する研究会を開催したり、世界韓国学研究コンソーシアム(UCLA、SOAS、ソウル大学校、北京大学、ハーバード大学、オーストラリア国立大学などで組織)を活用することで研究のネットワーク化を進めた。
著者
松原 孝俊 稲葉 継雄 出水 薫 原 智弘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究プロジェクトの成果の一つは「『敗戦国』ニッポンに帰りたくなかった日本人」の検討を踏まえて、「在朝内地人」という作業仮説を提出し、「内地」の日本人とは異なるタイプの「外地」型日本人が出現していたと論じた。もう一つは「帝国日本が崩壊した直後の、米軍政庁による統治が始まるまでの『真空』地帯となった時期の朝鮮半島の歴史的考察」において、いかなる政治的メカニズムが作用し、いかなる社会的秩序が崩壊し、いかなる金融システムが機能不全に陥り、いかにして警察権・裁判権が移譲されていったかなどを、引揚者らに対するオールヒストリー調査を活用して、文字資料に顕在化しない事実の解明に努めたことである。
著者
勝村 哲也 古勝 隆一 木島 史雄 金文 京 松原 孝俊 矢木 毅 小林 博行
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

朝鮮渡来漢籍の調査を行うのが目的であるが、今回は特に対島の宗家が所蔵し、厳原の長崎県立対島民族資料館に寄托されている漢籍と朝鮮版漢籍の調査をおこなった。その結果これらの典籍は、17世紀の中葉約50年間の間に渡来したものであり、ことにこの時期に朝鮮で出版された漢籍が集中的かつ良好に保存されている、極めてめずらしいケースであることが判明した。続いて建仁寺の両足院に保存されている対島府中の以酊庵(いていあん)関係文書(朝鮮との外交文書)・地図と南禅寺金地院文書(以酊庵に輪番として派遣された五山僧の記録)の全貌を把え、全文書を撮影した。これは研究者にとって極めて貴重な基礎資料となるものである。続いてカリフォルニア大学バークレイ校の東アジア図書館で調査し、旧三井文庫(新町三井)等わが国から当地に流出した資料約3000点を見出した。折りよく在外研究にめぐまれた九州大学の松原孝俊教授に紹介し、同教授によって調査が進められている。その結果も本研究に反映しうる。次にこうした資料をウェブによって公開利用に供するためのシステムを開発した。現在島根県立大学で試験的に運用しているウェブ・リトリーバル・システムがそれであって、このシステムによって、内外の諸機関のデータベースと相互に検索を行い、ウェブ上で検討に付することが可能になった。これも研究による大きな成果である。そのURLは以下である。http://ekanji.u-shimane.ac.jp/webusers/jsp/xmlweb/databases.jsphttp://nohara.u-shimane.ac.jp/dicl 204/dic-index.html
著者
多田 孝志 米田 伸次 米田 伸次 渡部 淳 大津 和子 藤原 孝章 森茂 岳雄 嶺井 明子 多田 孝志
出版者
目白大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本共同研究では、以下を目的とする研究を理論研究分科会と実践研究分科会との協調により進めてきた。(1)国際理解教育の理論的研究をなし、その概念を明確にしていく。(2)カリキュラムに関する諸論考を分類・考察し、知見を深め、児童・生徒の発達段階との関連をさせつつ国際理解教育のカリキュラムの特色を明らかにする。(3)全国規模で国際理解教育の現行カリキュラムを収集・分析し、考察を加え、問題点や課題を把握する。(4)国際理解教育のさまざまなモデル・カリキュラム案を開発し、提案する。またカリキュラム作成の基本的な考え方や教師のカリキュラムデザイン力、基本的技能としてのコミュニケーション力等について考察する。3年問の研究の成果として、実践研究分科会では、グローバル時代における国際理解教育の目標、学習領域・内容等を考察し、そこからカリキュラム開発のフレームワークを作成した。それらをベースに、学習領域に対応した多様なモデル・カリキュラムを開発してきた。またカリキュラム開発に関わる、評価、教師のカリキュラムデザイン力等についても考察し、在るべき方向を明らかにしてきた。理論研究分科会では、国際理解教育の歴史的変遷、関連諸学会の研究の方向や海外の国際理解教育の動向、カリキュラム開発の理論等について検討し・考察し、国際理解教育の概念を明らかにしていった。なお、研究成果は2冊の報告書にまとめ、また日本国際理解教育学会ホームページでも公開している。
著者
藏田 伸雄 新田 孝彦 杉山 滋郎 松王 政浩 石原 孝二 伊勢田 哲治 黒田 光太郎 調 麻佐志 金光 秀和
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

リスク管理については熟議民主主義的な社会的意思決定の枠組みが必要である。またリスク-費用便益分析の「科学的合理性」とは別の「社会的合理性」があり、参加型の意思決定がそれを確保する手段となる。またリスク評価や社会的なリスクの軽減のために専門家(特に技術職)の果たす役割は大きいが、非専門家にも意思決定への「参加義務」があると考えられる。
著者
大平 重男 吉岡 正行 菅原 孝昌 中嶋 一雄 宍戸 統悦
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.10-14, 2005-03-31

β-Ga_2O_3単結晶を育成し,その表面を窒化処理することでGaNを形成し,窒化物系半導体膜成長用基板とする方法について検討した結果を紹介する.FZ法で育成したβ-Ga_2O_3単結晶を研磨加工し,その(100)面をNH_3ガス中で窒化処理(850℃,5h)することで,β-Ga_2O_3単結晶表面には多結晶の六方晶GaNが,数10nmの厚さ形成されることを確認した.高分解能TEMによる断面観察,電子回折から,β-Ga_2O_3単結晶表面上にはランダムに配向した単結晶のGaN粒子が複数集合し,そのサイズは数nm〜数10nm,膜厚は数10nmであること,また作製されたGaN粒子内部には転位や欠陥は観察されないことがわかった.本手法は新しいバルクGaN基板作製法として期待される.
著者
津川 龍三 江原 孝 池田 龍介 下 在和 鈴木 孝治
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.7, pp.1111-1117, 1991-07-20
被引用文献数
2

1978年,透析歴7年の24歳男子に両腎に多発した嚢胞と,さらに右側に腎癌を発生した例を経験し,調査の結果Dunnillの報告したacquired cystic diseaseと判明した。以後現在までに計8例を経験した。平均年齢は1例を除き32歳と若く,透析歴は8年,男女比は7:1である。うち2例は両腎摘除後に腎移植を行い,1例は生着生存中であり,1例は拒絶反応により再透析となり,子宮体癌+卵巣癌による癌性腹膜炎で死亡した。また1例は腎移植後良好な機能を有しつつ8年後に固有腎に腎癌が発見され摘除した。これらの症例を病理学的にみると,病変は1〜3cmの球形で腎内に限局し,Robson-I(わが国の腎癌取扱い規約T-1)に相当し,組織学的に多くは淡明細胞癌であった。興味深い所見は,癌病変以外の同側,さらには他側の嚢胞壁上皮に多層化,乳頭状増殖をみることである。治療としては,腎摘除を行った。2例を除いて6例は腰部斜切開とした。副腎は含めず,いわゆる単純摘除とした。全例再発転移はない。acquired cystic diseaseと腎癌の合併の原因は不明であるが,1) ある種の代謝物の蓄積による発癌性,2) 免疫監視能の低下が考えられ,いずれも透析例に該当する考え方であり,免疫抑制剤が使用される移植は,2)が該当しよう。慢性腎不全患者については透析,移植を問わず,固有腎にも常に注目し,定期的にCT,超音波検査を実施し,早期発見,早期摘除が重要である。
著者
古山 富士弥 吉田 俊秀 熊崎 路子 大原 孝吉
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.415-423, 1988-04-15

Wistar系ラットの体温調節能力について系統差を,とくに温熱性唾液分泌と体水分利用効率との関連において検討したので報告する. 8系統のWistar系ラットを,42.5℃-40%RHの人工気候室においたところ,体温調節能は比較的すぐれた系統と,高温非耐性の系統があったが,Crj: Wistarが最もすぐれていた. 小型ですぐれた高温耐性の系統もあり,高温耐性に特異的に貢献する機構の存在が示唆され,その一つは温熱性唾液分泌であった. 温熱性唾液分泌は,顎下腺の大きさには依存しなかった. 体温調節能の高い系統が温熱性唾液分泌および唾液塗布をおこなっているときには,体水分利用効率は高く,体温調節機構と水-浸透圧調節系の協調による高体温抑制が示唆された.
著者
栗畑 博幸 高橋 友和 目加田 慶人 井手 一郎 村瀬 洋 玉津 幸政 宮原 孝行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.674, pp.55-60, 2006-03-10

本報告では車載カメラ映像から雨天時に現れる画像特徴を抽出し,それを用いた状況別降雨認識手法を提案する.車載カメラを用いた運転支援技術の一環として,撮影時刻や降雨量の異なる様々な状況において天候,特に降雨の認識を試みる.具体的にはフロントガラスに付着した雨滴により変化する画像特徴を,昼夜の状況に適した方法を用いて検出することによって降雨の認識を行う.昼間の映像の場合には,様々な形状の雨滴画像から主成分分析を用いてテンプレートを作成し,テンプレートマッチングにより雨滴を検出する.我々はこれまで画像中の空領域からの雨滴検出手法を提案してきたが,本報告では入力画像を複数フレームにわたって平均化することで,画像全体からの安定した雨滴検出を行う手法を提案する.また雨滴検出結果をフレーム間で照合することで,より精度の高い雨滴検出が期待される.夜間の映像の場合には,雨滴による散乱光を定量化する.撮影時刻や降雨量の異なる実映像を用いて実験を行った結果,昼間の場合,画像全体から適合率0.97,再現率0.51と,従来と同程度の検出精度が得られた.また夜間の場合,83%の降雨判定成功率が得られた.これらのことから提案手法の有効性を確認した.
著者
栗畑 博幸 高橋 友和 目加田 慶人 井手 一郎 村瀬 洋 玉津 幸政 宮原 孝行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.25, pp.227-232, 2006-03-17

本報告では車載カメラ映像から雨天時に現れる画像特徴を抽出し,それを用いた状況別降雨認識手法を提案する.車載カメラを用いた運転支援技術の一環として,撮影時刻や降雨量の異なる様々な状況において天候,特に降雨の認識を試みる.具体的にはフロントガラスに付着した雨滴により変化する画像特徴を,昼夜の状況に適した方法を用いて検出することによって降雨の認識を行う.昼間の映像の場合には,様々な形状の雨滴画像から主成分分析を用いてテンプレートを作成し,テンプレートマッチングにより雨滴を検出する.我々はこれまで画像中の空領域からの雨滴検出手法を提案してきたが,本報告では入力画像を複数フレームにわたって平均化することで,画像全体からの安定した雨滴検出を行う手法を提案する.また雨滴検出結果をフレーム間で照合することで,より精度の高い雨滴検出が期待される.夜間の映像の場合には,雨滴による散乱光を定量化する.撮影時刻や降雨量の異なる実映像を用いて実験を行った結果,昼間の場合,画像全体から適合率0.97,再現率0.51と,従来と同程度の検出精度が得られた.また夜間の場合,83%の降雨判定成功率が得られた.これらのことから提案手法の有効性を確認した.In this paper, we propose a rainfall recognition method in various conditions from in-vehicle camera images using extracted image feature characteristic to rain. As a driver assistance system using an in-vehicle camera, we have been trying to recognize weather, espcially rainfall in various conditions. We recognize the rainfall by detecting the changes of image features caused by raindrops on the windshield, making use of different methods for day and night. In daytime, we make raindrop templates by principal component analysis from various raindrop images, and detect raindrops by template matching. We have previously proposed a raindrop detection method from the sky region in the image. Int this paper, we propose a method that detects raindrops from the whole image by averageing multiple input images. In addition, higher accuracy of raindrop detection is expected by matching the detected raindrops between frames. In nighttime, we propose a method that quantifies lights reflacted by raindrops. As a result, the same detection accuracy with number of the previous method was obtained (precision rate 0.97, recall rate 0.51) for daytime without restricting the target region. In nighttime, we obtained a the success rate of 83% rainfall judgment. E?ectiveness of this technique was shown from these results.