著者
原 隆政
出版者
智山勧学会
雑誌
智山学報 (ISSN:02865661)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.0049-0069, 2020 (Released:2021-04-06)

これまでの仏教研究の内、モルディヴ仏教に触れるものはほとんど無かった。その理由は分からない。仏教遺跡として集成された国立博物館のほとんどは2012年、イスラーム過激派に依って破壊された。従って、我々「世界宗教探査隊」の2008年に撮影した遺跡の類は、貴重な資料となった。また、今後モルディヴ仏教の研究には発掘と言う手間が介在することになる。我々は、更に2010年・2013年と仏教遺跡の探査を続けた。かたや教化という視点からは、当仏教の盛衰を分析することから現代仏教教団に資するアイデアが見つかる。
著者
夏原 隆之 中山 雅雄 川北 準人 荒木 香織 市村 操一
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.379-396, 2022 (Released:2022-05-26)
参考文献数
72

The successful development of Transformational Leadership (TFL) theory has influenced research in organizational psychology since the 1980s. Research shows that TFL has been effective not only in the domain of business but also in the military, education, parenting, and public sectors. Sport psychology researchers became interested in TFL in the early 2000s. The TFL behaviors in sport include individualized consideration, inspirational motivation, intellectual stimulation, fostering teamwork, high performance expectation, and appropriate role modeling. The focus of the current review paper is to examine and organize research on TFL in the sport coaching literature. More specifically, the effects of coaches’ TFL behavior on the psychological and behavioral aspects of athletes are reviewed. The previous literature was organized into 7 themes: performance, training attitude, motivation, self-efficacy, cohesion, satisfaction, and psychological development. It is recommended that future research should examine the effect of TFL on desired psychological and behavioral outcomes of athletes and include it in sport coaching education.
著者
阿登 大次郎 小竹 武 小森 浩二 森山 博由 井上 知美 三田村 しのぶ 日高 眞理 水野 直子 廣瀬 隆 吉田 彰彦 鬼本 茜 八代 哲也 大原 隆司 清水 忠 東海 秀吉
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.2020-033, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

本研究は,処方解析報告書を連携ツールとした薬局病院合同教育プログラムが,実習生の処方解析能力にどのような影響を与えたかについて検証することを目的とした.処方解析報告書は,採択理由などを含む4つの大項目で構成された書式を作成した.実習生は本報告書を週1例以上提出し,実習開始1,6,11週目に報告書の内容と自身の考察を発表した.提出された報告書と発表内容に対して評価チームの薬剤師および大学教員がルーブリックを用いて評価した.実習生の報告書と発表に対する評価結果および実習後アンケートの結果から,実習11週目には,1,6週目と比べてルーブリックの全項目が有意に向上し,特に疾患を意識した症例選択能力が向上したと考えられた.また,アンケート調査から,実習生が本プログラムにより自身の成長を実感していることが明らかになったが,発表会後のフィードバック方法に今後の課題が見出された.
著者
佐々木 達也 亀田 雅博 冨田 陽介 細本 翔 林 裕美子 遠藤 文香 岡 牧郎 冨田 祐介 安原 隆雄 上利 崇 小林 勝弘 伊達 勲
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.317-322, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
16

症例は側頭葉てんかんを発症した13歳男児. 頭部MRIで右側頭葉内広範囲, 基底核, 深部白質, 側脳室内などに多発する病変を認め, さらに経時的に造影病変は変化した. Fluorodeoxyglucose-positron emission tomography (FDG-PET) で悪性を示唆する所見はなく, subtraction ictal single-photon emission computed tomography coregistered to MRI (SISCOM) と発作時脳波で右側頭葉が発作焦点であると判断し, 一期的に右側頭葉切除を行った. 病理学的診断はdysembryoplastic neuroepithelial tumorであった. 現時点で術後半年経過したが, 発作は消失し, 残存病変についても増大していない. 多発性DNTは非常にまれであり, 変化に富む画像所見とあわせて, 治療方針の決定に難渋した. 本症例はてんかんの治療目的に手術を行ったが, 複雑な病態であっても, 治療目的を明確にし, それに応じた検査, 手術を行うことが重要である.
著者
實原 隆志
出版者
情報法制学会
雑誌
情報法制研究 (ISSN:24330264)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.46-56, 2018

Bei der letzten Präsidentschaftswahl in den Vereinigten Staaten sowie bei dem „Brexit-Referendum" im Vereinigten Königreich wurden die Sozialen Netzwerke häufig genutzt. Demzufolge hat die deutsche Bundesregierung kurz vor der Bundestagswahl 2017 ein Gesetz entworfen, das die Betreiber von Sozialen Netzwerken in die Verantwortung nimmt, und dieses „NetzDG" genannte Gesetz wurde noch im selben Jahr beschlossen und in Kraft gesetzt. Das NetzDG verpflichtet Betreiber großer Netzwerke, die die im Gesetz festgelegten Kriterien erfüllen, zur Umsetzung von Verfahren im Umgang mit Beschwerden über Inhalte, die im Sinne dieses Gesetztes rechtswidrig sind, und es schreibt eine Prüfung sowie ggf. eine Löschung dieser Inhalte vor. Falls ein Betreiber nicht halbjährlich über den Umgang mit Beschwerden berichtet, oder falls er kein Beschwerdeverfahren sowie Prüfungs- und Löschungssystem implementiert, soll dies als Ordnungswidrigkeit geahndet werden, für die Bußgelder von bis zu 50 Millionen Euro verhängt werden können. Aber es gibt auch viel Kritik am NetzDG, wobei sich die Kritik z.B. an der starren sowie kurzen Zeitspanne für die Prüfung einer (klaren) inhaltlichen Rechtswidrigkeit entzündet oder an der Möglichkeit, dass selbst bei einer Fehleinschätzung ein Bußgeld verhängt werden kann. Wären die „Schwellenwerte" für die in den „Bußgeldvorschriften" festgelegten Bußgelder hoch angesetzt, könnte man vielleicht der Kritik am NetzDG etwas entgegensetzen, aber die Regelungen lassen selbst bei leichten Verstößen gegen das NetzDG Bußgelder zu. Vorschriften dieser Art können dazu führen, dass Betreiber Inhalte löschen, selbst dann, wenn gar nicht klar ist, ob es sich um einen Gesetzesverstoß handelt. Zweifel am NetzDG bleiben daher angebracht, insbesondere aufgrund der Gefahr des „Overblocking".
著者
小原 隆
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.323, pp.74-75, 2003-03-14

「早期退職を受け入れるか。それとも会社に残るか」——。思い悩んだ若林徳映さん(55歳)は進退について妻に相談した。「下の子供がまだ中学3年生で,病気の家族を抱えていたこともあり,退職して家計が苦しくなることが気がかりだった」(若林さん)。 妻の返事は,「無理をせずに会社を辞めてもいいよ」の一言。
著者
杉原 隆 吉田 伊津美 森 司朗
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

日本全国の幼稚園・保育所109園の4〜6歳児、約12,000名を対象に運動能力測定および家庭と園の環境調査を行った。運動能力発達ならびに、運動能力と環境要因の関係について分析した結果の概要はおおよそ以下のようである。幼児の運動能力は1986年頃から1997年頃にかけて大きく低下し、1997年から2002年にかけては大きな変化はなく現在に至っていることが確認された。運動能力の発達に最も大きく関係していたのは、園と家庭での運動遊び時間や頻度などの運動経験要因であった。園環境としては、遊び友達の数、保育形態、担任の運動の得意不得意など心理社会的環境は運動発達と関係していたが、所在地や園舎園庭の広さや遊具の数など物理的環境との間にははっきりした関係が認められなかった。特に保育形態に関しては、一斉指導で運動指導をしている園より自由遊び中心の保育をしている園の方が運動能力が高いという注目すべき結果が得られた。家庭環境としては、遊び友達の数、家族構成、親の意識といった心理社会的環、遊び場の有無と運動遊具の数といった物理的環境の両者が運動発達と関係していたが、住宅形態や居住階層はほとんど関係していなかった。全体としてみると、運動発達との関係の強さは運動経験、心理社会的環境、物理的環境の順となり、分析の結果、環境(間接要因)⇒運動経験(直接要因)⇒運動発達という因果関係が認められた。
著者
中川 博雄 伊東 潤一 岡田 昌之 岩村 直矢 今村 政信 北原 隆志 佐々木 均 室 高広
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.176-181, 2019-05-25 (Released:2019-11-25)
参考文献数
6

病棟配置された処置用の軟膏剤やクリーム剤に対して,これまでに管理方法や微生物汚染の実態を複数施設で調査した報告はない.そこで本研究では,長崎県病院薬剤師会感染制御ワーキンググループの会員施設で協力が得られた3施設を対象に,病棟配置された処置用の軟膏剤やクリーム剤の衛生管理に関する聞き取り調査および微生物汚染の実態調査を行った.さらに,病棟配置された処置用の軟膏剤やクリーム剤の開封後の使用期限について検討する目的で,基剤の異なる代表的な軟膏剤やクリーム剤に手指の常在微生物を塗布する評価法を用いて,微生物汚染までの期間を調査した.その結果,3施設いずれにおいても軟膏剤やクリーム剤の衛生管理マニュアルは整備されていなかった.また,微生物汚染の実態調査では,3施設の軟膏剤やクリーム剤128個全てで微生物汚染は認められなかった.さらに,実験による評価では,基剤の違いや防腐剤の有無に関わらず,6か月間にわたり軟膏剤やクリーム剤で微生物汚染は認められなかった.よって,処置用の軟膏剤やクリーム剤は直接素手で採取しないなどの衛生管理に注意を払えば,開封後6か月間まで使用可能であることが示唆された.
著者
葛原 隆
出版者
徳島文理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

フラーレン派生化合物群にインフルエンザエンドヌクレアーゼ阻害活性と抗インフルエンザ活性があることを見いだした。また葛根湯、麻黄湯、柴胡桂枝湯、桂枝湯、小柴胡湯、及び麻黄附子細辛湯の漢方薬エキスがPAエンドヌクレアーゼ活性を阻害した。竹如温胆湯には阻害活性は見いだされなかった。フラーレン派生化合物群や漢方薬がPAサブユニットのエンドヌクレアーゼ活性を阻害することを見いだしたのは本研究が世界で初めてである。さらに天然型バクチオールは、インフルエンザウイルス感染阻害効果を有することを示した。天然型バクチオール処理により細胞内酸化ストレス応答の遺伝子発現が上昇することも解明した。
著者
大濱 裕 江原 隆宜
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
vol.136, pp.81-99, 2017-03-31

「地域自治」なき「地域社会」に「地域福祉」はあるのか.これまでの地域福祉理論・政策・実践における「地域社会」の捉え方には,以下の二つの限界がある.①「地域社会」を個人の集合・空間と認識しているため,地域社会の能力・経験・仕組み・価値規範の実態的な固有性が捉えられないこと,②「地域社会」を行政に対置される相対的存在と認識するため,生活問題解決への「動態的変化のプロセス」を,住民参加や地域自治の構築・強化の文脈において適確に捉えきれないことである.本研究では,右田紀久惠著『自治型地域福祉の理論』を研究対象文献に選定し,「地域社会」と「生活問題」・「住民参加」の関連性・規定性,及びそれらの「理論・理念」,「制度・政策」,「実践手法」の整合性・一貫性を検討することを通して,地域福祉理論における「地域社会」の捉え方を考察した.
著者
篠崎 昌一 森山 雅文 林田 淳之介 田中 昭彦 前原 隆 古川 祥子 太田 美穂 今林 佑美 中村 誠司
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.147-153, 2015-03-20 (Released:2015-09-29)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Objectives: Cevimeline hydrochloride (CH) and pilocarpine hydrochloride (PH) are recognized as salivation-inducers with a high affinity for M3 muscarinic receptors. However, these drugs have a high frequency of side effects, including digestive symptoms and hyperhidrosis. We compared the effectiveness and side effects of these two drugs before and after a medication change.Materials and Methods: Seventy-six patients with Sjögren's syndrome were divided into the following four groups: 1) CH group, CH was administered for 12 months; 2) PH group, PH was administered for 12 months; 3) CH-PH group, CH was administered for 6 months followed by PH for 6 months; 4) PH-CH group, PH was administered for 6 months followed by CH for 6 months. We measured the salivary flow rate and recorded the subjective symptoms in each group.Results: In each group, stimulated whole saliva (SWS) and unstimulated whole saliva (UWS) significantly increased after 3 months and 6 months, respectively, and subjective symptoms improved after 3 months. The incremental changes in both SWS and UWS did not differ significantly between the groups. The CH and PH groups both had digestive symptoms (32.3% and 32.1%, respectively) and hyperhidrosis (29.0% and 39.3%, respectively). We found no significant difference in salivary flow rate or subjective symptoms after the medication change. However, the frequencies of side effects in the CH-PH and PH-CH groups decreased significantly for both digestive symptoms (9.7% and 10.7%, respectively) and hyperhidrosis (25.8% and 14.3%, respectively).Conclusions: After changing the salivation-inducing drug, there was no significant difference in salivary function or subjective symptoms, while the frequency of side effects markedly decreased. These results suggest that changing the salivation-inducing drug effectively reduces side effects.
著者
藤原 隆弘 西 啓
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.63-72, 2011

学術分野で広く利用されている電子ジャーナルは,インターネットやPDFの発展によりビジネス化されたが,一般の電子書籍市場はそれだけでは成功できなかった。Amazon社のKindleなどが電子書籍市場を形成できた要因と,Kindle以降に出現した電子書籍サービスを具体的に紹介し,サービスの構成要素を電子書店や文書フォーマットの特徴とともに解説した。その結果,現在の電子書籍市場がデバイス主導によって進んでいる事実を報告した。最後に,現在の電子書籍ブームによって変化がもたらされた,個人,出版社,製作者等の現在の状況と,電子ジャーナルが今後変化していく方向について論じた。
著者
浦山 雅弘 原 隆宏
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.417-420, 2002-02-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
9

症例は62歳女性,約52年前急性虫垂炎で手術を受けており,その創部周囲に発赤,疼痛が出現し来院した.血液学的に炎症所見を認め,腹部X線およびCT検査にて糞石様所見があり,虫垂炎が疑われた.虫垂炎の手術既往があったため,抗生物質投与で経過観察したが,翌日,腹部所見が増悪したため,手術を施行した. 52年前の創部は筋層が離開しており,皮下に炎症を伴った虫垂が約2cmほど遺残しており,先端が癒着していた.定型的に虫垂切除を施行した.術後経過は良好であった. 一般に,虫垂切除術の既往があれば,右下腹部痛を示す急性腹症の際に急性虫垂炎は除外され得る.自験例は初回手術時に遺残した虫垂に再度炎症を生じた遺残虫垂炎の症例で,非常に稀な例と考えられた.近年,虫垂炎の診断には超音波が有用とされているが,本症例ではCT検査がより有用であった.
著者
関澤 春仁 佐藤 真理 相原 隆志 村上 敏文 八戸 真弓 濱松 潮香
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.129-135, 2016-03-15 (Released:2016-03-15)
参考文献数
18
被引用文献数
5

カキのへたを経由した放射性セシウムの移行を明らかにするため,生育中のカキのへたに可溶性の137Csを含む水を添加し,収穫した果実の137Csを測定した。その結果,137Csを含む水を処理した果実の果肉中の137Cs濃度は無処理区よりも高く,また,生育前半期に果実内へ移行した137Csは,収穫期まで果実内に維持されていたことが明らかとなった。これらの結果から,生育期間中にへたに付着した可溶性の137Csは果実内に移行し蓄積することが示唆された。