著者
川端 秀明 磯原 隆将 竹森 敬佑 窪田 歩 可児 潤也 上松 晴信 西垣 正勝
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2011 論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.161-166, 2011-10-12

Android OSを搭載した端末では,アプリケーション(以下,アプリ)をインストールする際に,アプリが利用する機能や情報をパーミッションという単位でユーザに通知して,インストールの可否を仰いでいる.しかしながら,一度ユーザがアプリのパーミッションを許可してしまうと,そのアプリがパーミッションをどのように利用しているのか把握することができず,制御が効かない問題がある.そこで本稿では,実行中のアプリに対して,利用する機能や情報へのアクセスをリアルタイムで制御するフレームワークを提案する.危険を伴うパーミッションに付随するAPIに割り込み処理を実装し,パフォーマンス評価を行い有効性を示す.
著者
勅使河原 隆行 佐藤 弥生
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部保健福祉学科
雑誌
保健福祉学研究 = Journal of health and social services (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
no.6, pp.83-98, 2008-03-31

本研究では、在宅ケアサービスを行う介護福祉士の専門性を評価するための知識と技術には、何が求められているのかを解明することを目的として調査を行った。その調査を集計し、因子分析を行って在宅ケアサービスを行う介護福祉士に必要とされている専門性に関する項目を確定した。本研究において確定した項目は、(1)利用者との信頼関係を構築する知識・技術、(2)障害や疾病に関する知識・技術、(3)多職種間の協働に関する知識・技術、(4)状況の変化に対応した介護の知識・技術、(5)衛生管理に関する知識・技術、(6)認知症に関する知識・技術、(7)福祉制度と法に関する知識、(8)栄養素と被服に関する知識・技術、(9)介護予防に関する知識・技術、 (10)価値観を尊重した介護技術、(11)緊急時に備えた介護技術、の11項目である。これらの在宅ケアサービスに必要とされている介護福祉士の専門性に関わる内容を骨子とする、介護福祉士養成教育が大切である。
著者
中山 浩太郎 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.56, 2008-06-12

Wikipedia は知識抽出のための有用なコーパスとして,人工知能や情報検索,Web マイニングなどの研究分野で最近急速に注目を集めている.筆者らの研究グループでは,Wikipedia から高精度な大規模連想シソーラスを構築できることを証明してきたが,is-a 関係などのような,より明確な意味関係の抽出が技術的課題であった.本研究では,リンク構造解析による重要文抽出と,自然言語処理を利用した解析手法を提案し,意味関係を抽出することで,Wikipedia から機械可読な概念辞書を自動的に構築することを目指す.The fact that Wikipedia is an invaluable corpus for knowledge extraction has been confirmed in various research areas such as AI, IR and Web Mining. In our previous researches, we have proved that we can extract a huge scale and accurate association thesaurus from Wikipedia. However, to construct a Web ontology from Wikipedia, extracting explicit relation types is a remaining technical issue. In this paper, we propose a method to construct a Web ontology from Wikipedia based on parsing and link structure analysis.
著者
篠原 隆一郎 古里 栄一
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.159-170, 2017-12-25 (Released:2017-12-25)
参考文献数
56
被引用文献数
6

Phosphorus (P) is one of the most important nutrients for all living organisms. Recently, not only inorganic P but also organic P has been focused because of the development of an analytical technique— 31P nuclear magnetic resonance (NMR) spectroscopy. In the current paper, we reviewed historical backgrounds of the P analysis with the reason for using NMR and the limitation. Furthermore, we discussed the processes of sediment and suspended particles in lakes in the recent studies. The processes are complex, including physical, chemical, and biological aspects (i.e. diffusion, resuspension, adsorption/desorption, and enzymatic hydrolysis). Because P is present majorly as particulate forms, it is affected by physical processes compared with carbon and nitrogen. We shed light on how the processes of physical, chemical, and biological aspects affect P behavior in sediment and suspended particles in shallow and deep lakes.
著者
西口 健介 王 麗楊 寒川 昌平 山田 佐知子 桑原 隆
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.471-476, 2020 (Released:2020-09-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1

血中カルシウム (Ca) 評価に血清総Ca (tCa) が使われるが, 低蛋白血症では評価が難しく, またCaの生理学的効果はイオン化Ca (iCa) によって決定されるので, iCaを測定すべきとされる. 透析 (HD) 患者の血清Ca管理目標範囲は8.4~10.0mg/dLであるが, iCaについては不明である. HD患者37名に透析前の定期検査時に全血をRAPIDLab1200 (SIEMENS) でガス分析を行い, 凍結血清のiCa, pHを外注検査委託した. AlbはBCP改良法で測定, 3.1g/dL以下, あるいは4.0g/dL以上のAlb補正CaをそれぞれKDOQI-1, KDOQI-2式で算出した. ガス分析, 外注検査pH補正iCaとAlb補正Caには, それぞれy=0.092x+0.300, r=0.807, y=0.132x+0.092, r=0.853の関係があり, Ca目標値8.4~10.0mg/dLに相当するiCaは, ガス分析で1.07~1.22mmol/L, 外注血清検査で1.20~1.41mmol/Lとなった.
著者
中村 誠司 前原 隆 新納 宏昭 森山 雅文 柴田 琢磨 安河内 友世 坪井 洋人
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、代表的罹患臓器である唾液腺を解析し、特異なT細胞、B細胞、マクロファージ(Mφ)のサブセットが病態形成に関わっていることを明らかにした。しかし、詳細な病態形成の分子機構や病因は判っていない。そこで、本研究では、従前の研究成果を基盤とし、IgG4-RDの病因を解明し、新規治療法開発の基盤を築くことを目指す。第1にサブセット間の相互作用を解析して病態形成機序を明確にし、第2に発症に関わるT細胞とその認識抗原を同定し、第3に特異なMφを遺伝子導入により誘導したマウスを同定した抗原などで刺激することにより病態を再現する疾患モデルマウスを完成させる。
著者
菅野 一輝 篠原 隆佑 中島 颯大 村岡 敬子 崎谷 和貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
河川技術論文集 (ISSN:24366714)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.233-238, 2023 (Released:2023-10-31)
参考文献数
20

汽水域における環境DNA 調査では,捕獲調査との一致率が河川淡水域と比べて低いことが知られており,潮汐の影響や多様な岸際環境から地区を代表する採水箇所・採水タイミングの設定が課題である.本研究では,汽水域における調査精度を向上に資する情報を得るため,汽水域における時空間的な環境DNA の検出特性を把握することを目的とした.那珂川河口域の2km 区間内に9 地点を設定し,潮汐の異なる4 回(下げ潮,干潮,上げ潮,満潮)の採水を行い,MiFish法による環境DNA メタバーコーディングを実施した.検出された魚類相の類似性をNMDS により可視化した結果,下げ潮・干潮では地点間の魚類相が類似し,上げ潮・満潮では地点ばらつきが大きくなり,採水場所の空間的な違いより,潮汐タイミングによる時間的な違いが,環境DNA の検出種に大きな影響を与えることが分かった.また,検出種数は,干潮が満潮よりも有意に多く(P < 0.01),干潮と上げ潮・下げ潮の間には差がなかったことから,汽水域における採水は,満潮時を避け,干潮時を中心とした採水を行うことで,多くの魚種が検出しやすいと考えられた.
著者
安原 隆寛 多田 弘史 松崎 尚志 西島 毅志 増田 陽平 横田 忠明
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.467-472, 2011-09-25 (Released:2011-12-09)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

関節リウマチにおいて悪性リンパ腫の合併はまれに経験される.メトトレキサート(MTX),生物学的製剤治療中に発症した悪性リンパ腫の2症例を経験したので報告する.【症例1】55歳,女性.平成15年よりMTX 6 mg/ 週開始され,平成20年5月よりインフリキシマブ開始された.同年7月頃より左上腕に硬結,両手背に潰瘍形成出現したため,左上腕の生検を受け,悪性リンパ腫と診断された.インフリキシマブ中止後,腫瘍消失し,潰瘍も治癒した.【症例2】71歳,女性.平成12年よりMTX 6 mg/ 週内服中,H18右上顎の口内炎を自覚した.生検にて悪性リンパ腫と診断され,化学療法・放射線療法を受け,悪性リンパ腫は寛解した.【考察】RA患者の悪性リンパ腫発症は有意に高く,相対危険度は2倍という報告がある.そのリスクファクターとしてRAの病態そのものと,RAに対する治療薬との関連性が指摘されている.今回我々が経験した2例は,RAに対する治療薬が悪性リンパ腫の発生に関与したと推測された.
著者
榊原 隆次 舘野 冬樹 相羽 陽介
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.299-304, 2021 (Released:2021-12-27)
参考文献数
25

髄膜炎-尿閉症候群(meningitis-retention syndrome,MRS,尿閉と無菌性髄膜炎の同時発症)は,原因不明の急性尿閉をみた場合,一度は考慮すると良い疾患と思われる.最近さらに,MRSで髄膜刺激症状が無く,髄液異常のみを呈する不全型も知られるようになってきた.尿閉の病態機序として,脊髄内の排尿下行路の比較的選択的障害が推定されている.多発性硬化症,急性散在性脳脊髄炎,脊髄炎等はいずれも副腎皮質ステロイド剤などの免疫治療を要する一方,MRSは自然軽快することが多い.ステロイドパルス療法がMRSの経過を短縮するか否かについては,今後の検討が必要と思われる.MRSでは,急性期の尿閉を適切に対処し,膀胱過伸展を防ぐことが重要と思われる.
著者
松原 隆彦
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

高赤方偏移宇宙の大規模構造からいかにダークエネルギーをはじめとする宇宙論的な情報を得るかについて、解析的な方法と数値的な方法の両面から詳細に研究した。とくにバリオン音響振動を用いてダークエネルギーの制限を得るために必要な理論的に強力な手法を開発した。そして実際のSDSSデータを解析した。さらに、宇宙初期状態を探るために重要な、ゆらぎの非ガウス性に関する情報を得るため、必要な理論的手法を確立した。その手法を用いて、宇宙マイクロ波背景放射温度ゆらぎのデータを解析した。
著者
杉山 直 野尻 伸一 市來 淨與 辻川 信二 西澤 淳 松原 隆彦
出版者
名古屋大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-06-29

Planckを中心とする最新の天文観測データを用いてダークエネルギーモデルに対する制限を得た。理論的に動機づけされた様々なダークエネルギーモデルの提案を行うと共に、現在の観測を満足する理論のパラメータ領域を求めた。ダークエネルギーとダークマターが相互作用を持つモデルにおける宇宙論的摂動論を構築し、そのようなモデルは宇宙の構造形成を遅くすることを見出した。宇宙大規模構造に形どられたボイドの数密度やサイズに対するダークエネルギーの密度揺らぎの影響を定量的に明らかにし、Alcock-Pachinskyテストによりダダークエネルギーの密度と状態方程式への制限が偏り無く行えることを示した。
著者
松原 隆彦
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

宇宙論的な非線形摂動論における独創的な理論手法である「統合摂動論」の枠組みの中では天体のバイアスを一般的に扱うことができる。天体バイアスの具体形については不定性があるが、バイアス関数というものが重要な役割を果たす。本研究では、いくつかの異なるバイアスモデルについて具体的にバイアス関数を求めることに成功した。さらにそれを用いて最終的な観測可能量であるパワースペクトルや相関関数などがバイアスの違いによってどのような影響を受けるかを系統的に調べた。その結果、大スケールになるほど、また、高赤方偏移になるほど、バイアスモデルによる違いは小さくなることを明らかにした。
著者
松原 隆彦
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

宇宙の大規模構造という観測量から、初期宇宙の物理を探求するための手法を模索する。これまでに研究代表者は、大規模構造の統計量について準非線形領域で力学的な統計解析を系統的に行う手法である統合摂動論を確立した。この理論を初期宇宙における具体的な問題に応用することにより、独創的な成果を得ることができる。具体的な研究課題は2つある。ひとつめは、インフレーション理論において励起される可能性のある初期ゆらぎの非ガウス性を宇宙の大規模構造の統計解析によって制限することである。ふたつめは、初期宇宙に形成される可能性のある原始ブラックホールがどのような空間的分布をするのか調べることである。
著者
夏原 隆之
出版者
身体運動文化学会
雑誌
身体運動文化研究 (ISSN:13404393)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1-9, 2019-03-15 (Released:2022-03-31)
参考文献数
21

People are constantly required to acquire new skills and further improve the skills acquired in sports, music, and work. Practice is an indispensable element in the development of these skills; however, the important thing is to not blindly spend time on the activity, but to use time well. In previous studies related to the duration of practice in sports, prolonged practice has been cited as one of the problems of club activity. This seems to be based on the premise that practicing more is necessary for skill improvement. However, research on the relationship between performance and time management, has revealed that, the proper management of time is beneficial for work efficiency and performance improvement. Therefore, the present study aimed to clarify the influence on the behavior during practice depending on the presence or absence of time notification. Findings revealed that the presence or absence of time notice did not affect the improvement of short-term exercise performance. However, there was a significant difference in the behaviors exhibited during the practice. Notice of practice time has shown to promote behaviors related to practice. On the other hand, when the practice time was not announced, it was confirmed that participants spent a lot of time on behaviors unrelated to practice. These findings suggest that notifying the time during practice not only aids time management by determining the practice duration, but also greatly affects how one approaches the practice. These results may add a new viewpoint on sports practice method.
著者
牛久 智加良 曽雌 茂 井上 雄 篠原 光 篠原 恵 大川 杏里 梶原 隆義 中島 由晴 勝見 俊介 丸毛 啓史
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.51-55, 2020-02-20 (Released:2020-02-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

はじめに:化膿性脊椎炎の保存的治療初期のCRP値改善率が治療期間と相関するか不明である.対象と方法:保存的治療で感染沈静化した41例を対象とし治療開始後1週目までのCRP値改善率を求め,その中央値(54.9%)から良好群と不良群に分け治療期間を比較した.結果:平均治療期間は,良好群37.9日,不良群69.7日であった(p<0.05).結語:1週目のCRP値改善率は治療期間に関連した.